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Review List of u.f.o.313 

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     2021/06/26

    トム・クルーズという俳優は永遠に、いわゆるパブリック・アイコンとしてのトム・クルーズであり続けるとは思うのだが、この「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」から「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」にカメオ出演した頃まで(つまりニコール・キッドマンと結婚していた時代ともいう)の彼の「怪演」シリーズは結構好きである。いわゆるヒーロー然としたイメージとはかけ離れた、どこか狂気じみた役をこの時代の彼は多くやっている。その最も「美しい」バージョンが本作におけるレスタトだ。トム・クルーズの精神状態については理解する由もないが、少なくともこの映画での彼からはギリギリまで作品の芸術性と向き合っていたような鬼気迫る俳優魂のようなものを感じる。本作はそれだけでも貴重な作品なのだが、それに加え、ブラピをはじめ、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーターの美男ラインナップが見事で、映画全体に漂う妖艶な雰囲気も独特で、素晴らしい。大好きな小説として我が本棚のファンタジーコーナーにおいておきたいような作品だ。

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     2021/06/26

    バリバリのフランス女優が出ていて、ほとんどが欧米の俳優による映画なのに、日本映画にしか見えないというのが、不思議ですごい是枝ワールド。ただ、それ以上に個人的にとても感銘を受けたのが、アメリカ人と結婚をしたフランス人という設定のジュリエット・ビノシュが見事なまでに、フランス人っぽくなく、文字通りアメリカナイズドされた人物を演じているところだ。でも、ラスト間際に「ザッツ・ジュリエット・ビノシュ」的なソロカットが挿入されていて、それを見て初めて映画の意味する「真実」を感じてしまったのは、まんまと是枝監督の策に私がはまってしまったということなのだろうか。

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     2021/06/26

    私が初めて見たティム・バートン作品といえば、この「ビートルジュース」だと思う。その独特なホラー感と奇想天外なキャラクターにワクワクしたのを覚えている。そして、何より素晴らしいのが、ジム・キャリーの「マスク」を超えるようなスラップスティック感。これは、まさに名優マイケル・キートンとティム・バートンの華麗なる化学反応によるものだと思う。活きのいいティム・バートン作品を見たいなら、これを絶対おすすめする。

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     2021/06/26

    一般的にクリストファー・ノーランといえば、バットマン・シリーズが有名だが、自分の中でクリストファー・ノーランといえば「ここはどこ?僕は誰?」シリーズだ。これは、私が勝手に命名したシリーズ名だが、言ってみれば「メメント」で世にインパクトを与えた、時間軸を弄ぶような映像術からなる作品群のことを意味している。バットマン・シリーズでの成功をテコにして、「メメント」から10年のときを経て公開された「インセプション」でクリストファー・ノーランは自身の大好きな時空の混乱劇をアクション満載で表現している。
    本作はこれだけでも、いわゆるSFアクションものとして十分に楽しめるエンタメ作なのだが、そこに主人公の混乱や葛藤が謎解きのように絡んでくるところにひとつの味わいがある。どんなに歳を重ねても青二才感が抜けないレオナルド・ディカプリオに主人公をやらせているという点も絶妙で、主人公の劇中での混乱ぶりが悲痛すぎて、胸に突き刺さる。

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     2021/06/26

    かなり昔のエピソードだが、アンパンマンのクリスマスシリーズの中では一番心に残っている作品。「星に祈る」というコンセプトはディズニーの有名な曲にもあるように、子供に夢や希望を与えるうえでは王道なコンセプトだとも言える。ただ、このエピソードのなかでキモとなっているのは、単なるクリスマスのロマンチックさというよりは、「困った人や恵まれない人も等しく温かいクリスマスを送れることがいいことだよね」というメッセージ性の部分だと感じる。いつも、いじわるなバイキンマンですら素直なキャラクターに変えてくれる「クリスマスの星」がひとつの奇蹟の象徴となって、皆の幸せや平和を祈る気持ちの大切さを表現しているようにも思う。劇中で歌われる「星にいのる」を聴くとジーンと来るものがあるので、大人にもぜひ見ていただきたい。

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     2021/06/24

    本パッケージは現在までのところのエイリアン・シリーズを全部ひとつにまとめたお得版パッケージで、エイリアンの世界観を一気に楽しみたいという人にはおすすめしたい。ただ、このパッケージの鑑賞方法には若干工夫が必要だとも思っている。というのも、シリーズの第1作目の「エイリアン」とその前日譚シリーズの「プロメテウス」「エイリアン:コヴェナント」は監督がすべてリドリー・スコットなのに対して、ほかの「エイリアン2〜4」はそれぞれ違った監督によってそれぞれの世界観が描かれているという複雑さがあるからだ。「エイリアン」の世界観の礎はその第1弾において、リドリー・スコットによって丁寧に作り上げられた。従って彼が作った前日譚シリーズと第1弾作をまず一気見して「エイリアン」の本来の世界観を十分に堪能してから、「エイリアン2〜4」を主人公のリプリー(シガニー・ウィーバー)のエピソード作として見るのが美しいスタイルだとも思う。
    とはいえ、「2〜4」はエンタメとして見る分にはとても良い出来なので、単なるエピソードとして見るのには贅沢すぎるということも言っておきたい。2作目の「エイリアン2」では、リドリー・スコットが積み上げた世界観をジェームス・キャメロンが超ド級のバトルフィーバーでぶち壊してしまい、ファンのすそ野を大きく広げる結果を作った。それ以降の「エイリアン3」ではデビッド・フィンチャーが退廃したインダストリアル・テイストの世界観を打ち出し、「エイリアン4」では、期待されたフランス風の近未来感がジャン=ピエール・ジュネによって実現するまでには至らなかったものの、泳ぐエイリアンやアンドロイドのウィノナ・ライダーが堪らないと評判になった。
    崇高なリドリー・スコットワールドから始まっている作品とはいえ、2〜4のブロックバスター系の「エイリアン」もマニアな私は大好きだ。ぜひ、多くの人にも楽しんでいただきたい。(ただし、シリーズ3と4で主演のシガニー・ウィーバーの意見によってストーリーが翻弄された件は記憶の闇に葬りたい)

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     2021/06/24

    もともと、コミックを映画化したものがもつ独特なコミック的なテンポや派手な演出が好きではないのだが、この映画についてはそういうコミック臭さがなくて好感が持てた。ホラーではあるのだが、BLコミック愛好家の審美眼を意識したような、それ特有の流麗な雰囲気も漂っていて、映像的にとても美しい仕上がりになっている。そして、その流麗さの追求は主題歌にずっと真夜中でいいのに。を採用している点やキャスティングという点でも周到に行われていて、全体としてとても丁寧に作られている作品だということもわかる。キャスティングでいうと、元欅坂46の平手友梨奈のゾッとするような芝居に注目が集まりがちだが、更に脇を固める滝藤賢一の味わい深い芝居にはため息が出るほどだ。ひとつの美しいホラー映画として、ぜひおすすめしたい。

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     2021/06/24

    低予算アニメとしてスタートして、サブカルの香りがプンプンしていたので、まんまとその策略に引っ掛かり、サイン会にまで参加したほどかなりハマってしまった「秘密結社鷹の爪」。こんなバカがたくさんいたおかげで、このシリーズがこともあろうかヒットしてしまい、絶頂期に最初に作った映画がこちら。とにかく、やりたい放題で著名人のパロディやらオマージュがイエローカードものなのに、ギリギリOKなラインでとどまっているのが実に偉い。個人的には「夜逃げマシン」のシーンが大好き。そして、今になって白状してしまうと、メインキャラの総統がザ・ドリフターズのいかりや長介の立ち回りと完全に一致しているのが、いつまでも気になってしまっていたのだが、そこがやはりこの作品の笑いを昭和っぽく丸く収めているのだと悟った令和三年であったのだ。

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     2021/06/23

    ブロードウェイのショービジネスの裏側を描いたいくつかのハリウッド作品のなかで、自分が最初に衝撃を受けたのが、1980年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した「オール・ザット・ジャズ」を見たときだった。そして本作はそれ以来の興奮を与えてくれる作品となったように思う。まず、自分はアメリカのショービズ界の事情に詳しいわけでもないので、おおよそこの映画に散りばめられている細々した風刺やパロディーをすべて理解できるわけでもない。従って、欧米での評論にあるような細かい内容的な評価は難しいのだが、この映画の売りのひとつでもある、いわゆるワンカットさながらの長回しのカメラワークによって表現された世界観にはかなりのインパクトを受けた。まるでニューヨークという名の戦場をヘトヘトになるまで走り回っているかのような臨場感だった。映像の中では主人公の代弁者のごとくストリートミュージシャンがドラムを叩き続け、狂人なのか天才なのかわからない人がポエトリーを叫び上げる。また、むき出しの魂と才能がぶつかり合い、欺瞞と賛美がプライドと信念を弄び、目の前のスポットライトと喝采が過去のものなのか、幻覚なのか、現実のものなのかもわからなくなり、路地裏よりも暗くて細くて汚い舞台裏を主人公が這いずり回るのを間近で目撃する。こんなことが息もできないような緊張感とテンポで視覚的にシームレスにつながっていくのだ。それはとてもニューヨーク的であり、まさに分刻みの戦場にいるかのようでもある。かといって、そこから何か突破口がある映画なのかといえば、そうでもなく、答えが見る側に委ねられているエンディングは賛否が分かれるところだと思う。ただ、ハリウッドVSブロードウェイ、エンタメVS芸術というアメリカショービズ界の永遠の対立軸を本作の主人公の錯乱状態に落とし込んだのだと思えば、まあ、理解できなくもない…と言ったところだろうか。
    (なお、カメオで「トランスフォーマー」のバンブルビーやスパイダーマンが登場するのがかわいいということも付け加えておく)

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     2021/06/22

    これまでのエイリアン映画の場合、エイリアンに対する畏敬の念がどこかに必ず存在したものだが、この映画を見たとき、そんな感覚はもう過去のものとして捨て去られているように感じた。この中に登場するエイリアンたちはもはや畏れられる存在ではなく、差別の対象にすらなっていた。ただ、それはある意味、とても現実的な視点だとも感じた。もし、エイリアンが明日にでも、地球に遭難してきたら、政府はどんな対応をするだろうか。多分、普通に隔離措置をとる。そして社会は隔離された者たちをやがて差別するだろう。本作では、この現実路線をよりリアルに見る側に伝えるために、ドキュメンタリー手法を使うだけでなく、南アフリカのヨハネスブルグをその舞台にして、アパルトヘイトを見る側に想起させる工夫までしている。ただ、だからといって作品が悲壮感溢れたものになっているわけではなく、エンタメとして十二分に楽しめる演出になっているのがとてもよかった。このエンタメ性がニール・ブロムカンプ監督の後の作品「チャッピー」や「エリジウム」にもきれいにつながって行っている。
    なお、本作の続編である「第10地区」が始動しているという噂も最近ではチラホラ流れて来ているが、もし実現するなら、時代がパンデミックの時代なだけに、その内容が楽しみでもある。

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     2021/06/22

    この映画は第二次世界大戦というインパクトのある時代背景のなかで、アフリカの砂漠を舞台としているうえに、そこで飛行機スペクタクルなどが繰り広げられ、あらゆる国籍と人種が入り乱れるという、なんとも多様で壮大なスケールの設定をもっている。でも、その中で本筋として描かれているのが、ごくごく私的な秘め事でもある「禁断の愛」。そういう意味では、少し独特な作品といえば、そうなのかもしれない。ただ、こんな壮大なスケール感の中で、陳腐にならない形で「禁断の愛」を描けたのには、出演した俳優陣の力が大きいと私は思っている。その俳優が主役のレイフ・ファインズであり、ジュリエット・ビノシュである。
    よく「行間を読む」という表現が使われるが、レイフ・ファインズとジュリエット・ビノシュの演技のなかには独特な「間」があり、両者はまさに演技の中で「行間を読ませる」という表現がうまい俳優だと思う。主演のレイフ・ファインズの演技の根底には常に「絶望」が横たわっていて、禁断の愛の激情の底にも「絶望」への道筋しかない感じが濃厚に表現されている。そして、その「絶望」をまとった主人公とは対照的に「絶望」というものを知らない無邪気な看護師を演じるのが「ポンヌフの恋人」のイメージがまだ冷めやらぬ頃のジュリエット・ビノシュ。この看護師もまた、禁断の愛を見つけてはいるのだが、映画のラストでは主人公から「絶望」のバトンを渡されてしまう。映画の設定はとても派手なのだが、この二人の心の深度と関係性がとても重要な映画なだけに、作品を見る度にこのキャスティングの絶妙さには感嘆させられる。

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     2021/06/17

    なんちゃってドキュメンタリー作品として、いい意味でも悪い意味でも話題になった作品。今でこそ、「ジョーカー」での怪演で映画界でも評価され、有名になったホアキン・フェニックスだが、個人的には「誘う女」でイカれたティーンエイジャーを演じていたときから、アメリカ社会の「病み」がこの人からはにじみ出ていると感じていた。そして、あの頃からかなりの時を経てもなお、その「病み」が彼自身を素材にしたドキュメンタリーである本作を通しても、沸々と溢れ出るのを感じた。決して見ていて楽しい作品ではないが、アメリカの行き場のない惨状がホアキン・フェニックスという一人の人間の中に見てとれるのが、とてもおもしろい。 

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     2021/06/17

    今でこそ、ボリウッドは多くの日本人にも知られ、愛好される映画のジャンルのひとつとなっているが、自分が知る限り、初めてインド映画ブームを巻き起こした作品がまさに、本作だと思われる。初めてこれを見たときは、劇中で凄まじい色彩で繰り広げられる圧倒的な人数とシンクロニシティーのダンスに度肝を抜かれたものだ。ただ、そのダンスがインド的なコミカルさとバカバカしさとパクリ感満載でかなりクセになったのを覚えている。しかも我ながら恥ずかしいのは、内容のわりにはバカみたいに長尺な映画なのに、これを何度も見倒したことだ。ブームに乗って、映画公開当時に発売されたサントラにはハウスミックス的なものまで含まれていたので、それも併せてかなり楽しみ倒した記憶しかない。

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     2021/06/17

    本作は「X-MEN」のスピンオフ作品だが、普通に「X-MEN」好きの人が見て楽しいかと言ったら、そうでもなさそうな厄介な作品だ。個人的にはこの厄介さが堪らないのだが。
    主人公が統合失調症であるという設定からして、展開される世界観がまさにカオス。また、それに呼応するかのように、全体のテイストは音楽的な側面も含め、60年代のドラッグカルチャーを意識していて、映像効果や編集のテンポなどもとても斬新でおもしろい。また、イギリス的なシニカルなユーモアも散りばめられているので、FOX作品というよりかはニッチなチャンネルとして知られる、イギリスのチャンネル4の作品のようでちょっとワクワクする。ストーリー自体が意味不明という声もあるようだが、個人的にはストーリー云々よりも映像作品として見て行くのがただひたすら楽しいと感じている。全シーズンを高画質メディアで持っておきたいところだが、シーズン2以降の製品化は現在のところ不透明で、なんとも歯がゆい。

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     2021/06/17

    BS12(トゥエルビ)という一般ではあまり見ることができないチャンネルで本当に短い尺で放送された「かえるのピクルス」のアニメのDVD盤。かえるのピクルスのぬいぐるみや色々なおまけも付いて、3BOX発売されているが、各セットごとに日向坂46のメンバーが声優としてアフレコしたエピソードがDVDに収録されている。日向坂46の面々としてはほぼ初のアニメ・アフレコ作なので、ファンはコレクターズアイテムとして買うのもよし。ただ、残念なのは付属のぬいぐるみが各メンバーが自身のマスコットにしているピクルスと同じ色のものになっていないことだ。例えばBOX1には、渡邉美穂が声優出演しているエピソードが入っているが、彼女のマスコット・ピクルスは黄色のピクルスなので、もし、おまけのぬいぐるみが黄色なら、もっとファンへの訴求力は強かっただろう。

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