静流  |  福岡県  |  不明  |  07/September/2010

ベートーヴェンの最後の３曲のソナタの、非常に格調の高い演奏です。 ３０番の１楽章は、スケールの大きな演奏です。どちらかというと、力強く弾かれていますが、そのことによって、逆に優しさなどを表現した部分が光っています。２楽章も、よく練られています。そして、何と言っても、３楽章が大変素晴らしいです。 ３１番は、深遠な演奏です。２楽章を除いて、強い音を使って弾かれている部分はあまりないです。曲の終わりの盛り上がりぐらいです。２楽章が終わって、変ロ短調に転調し、テンポがアダージョ・マ・ノン・トロッポになってからの表現（レチタティーヴォの弾き方なども含めて）が素晴らしいです。 ３２番は、「やっぱりこの曲はとってもいい曲だな〜」と改めて思わせる演奏です。非常に丁寧に弾かれています。２楽章の後半は、テンポは遅めですが、聴いていると別世界に連れて行かれるようです。トリルの弾き方も、色んな弾き方を聴くことができます。その時々にぴったりと合った、理想的なトリルで演奏されていると思います。