『火刑台上のジャンヌ・ダルク』 マリオン・コティヤール(語り)マルク・スーストロ&バルセロナ交響楽団(日本語字幕付)
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みふちん | 福岡県 | 不明 | 2022年03月16日
見ていて涙が止まらない名演。 コティヤールはフランスの有名女優、ぐらいの認識しかなかったので、ずっとスルーしていた演奏ですが、セールでジャケット写真にひっかかり、youtubeを検索すると、幾つかの部分の動画が見れました。すぐ注文しました。所作を伴わない完全な演奏会形式です。修道士ドミニク他のセリフのキャスト、歌手とも高水準です。オケも頑張っています。指揮のスーストロは昔FM放送でよく聞きました。お国もののレパートリー、複雑な編成を手堅くまとめています。そしてコティヤールです。素晴らしい。本当に素晴らしい。女優の、流石の存在感に驚愕しました。個人的に、ジャンヌは少女らしく表現して欲しいのですが、これがなかなか出会わないのですが、コティヤールは力強い声で達成しています。ラストは本当に可哀そうで感動しました。映像は2022年の目で見ると綺麗ではありませんが、コティヤールが綺麗なので、問題ありません。コティヤールはオルレアンの演劇学校に通っていたとウィキペディアに書いてありました。日本語字幕もあり、本曲に興味のある方には映像作品BESTとしておすすめします。 スーストロにはひとこと。終演後の拍手で、コティヤールを一人で称賛する設定をするべきだったのではないです、か!0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 2016年01月26日
マリオン・コティヤールの泪 その美しさに凝集された恐怖が忘れられない 第3交響曲「典礼風」は第二次世界大戦から受けた魂の傷痕を晒していて いつ聴いても緊張を強いられる その10年前大戦を誘引するファシズムの嵐が逆巻く世情の中で書かれたのが「火刑台上のジャンヌ〜」 台本をポール・クロデールが書き その言葉を何よりも生かす意図の下オネゲルが作曲したオラトリオであり楽劇 ジャンヌをはじめ多くの演者が歌わない 科白は歌唱にまさる比重で全曲を牽引していく 英雄救世主として称えられるべき乙女に汚名を被せて惨殺した社会の恐怖はいにしえのものではない 無欲で純粋な魂を抹殺する暴力の嵐は20世紀前半どころか現在も吹き荒れている コティヤールの泪はジャンヌの恐怖を想像体感したから流れたばかりではない ジャンヌとの共鳴はさらに大きな震えとなって現世を生きる私たちの心胆の深部へと降りていった故だ 不適格で薄のろで怖がりで無責任な権威が愚鈍で高慢で強欲で淫乱な権力と手を組み悪魔を呼び出す 人類がこの愚挙を繰り返している限りオネゲルの傑作を幾度となく紐解かなくてはならない 止まらぬ泪で満たされた衷心より推薦する5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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