『エテリック・ブループリント三部作』 杉山洋一&mdiアンサンブル、宮田まゆみ、他
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2019年08月22日
宮田まゆみの笙による10世紀以前の音楽が奏され、そこから続くかのように始まる21世紀の音楽『エテリック・ブループリント三部作』。さながら「現代音楽的雅楽」に感じた。 楽器や奏法・語法は時代の違いを表わすものの、その根幹となる思想を「自然に存在するエネルギーの音表現」と考えるなら時代を超えて共通するものになる…と解釈した。 実際に作曲者が意図したことを理解しているとは思えないが、ライナーノーツを読むと自然や不可知のものへの探求とその音楽表現が望月京のテーマとなっているように思える。 「盤渉調調子・双調調子」の雅楽から「4D」への「空気」のうつろいはごく当たり前に感じたし、「ワイズ・ウォーター」は水が生まれ、変遷し、大気へと立ち昇るイメージの変奏曲にも思える。「エテリック・ブループリント」では透明でありながら響きが続く楽器の使用や空気を吹き込む形式の楽器などで、空気の存在感を耳で体感させ、そこに思いを馳せさせるような面白さを感じた。 少なくとも雅楽と『エテリック・ブループリント三部作』のカップリングに違和感は感じず、むしろ雅楽が前に置かれたことで自然観が前置きされ興味深く愉しむことができた。もっと聴きこんでいけば彼女が潜ませてある新しい音を「音楽の大気」の中から発見できるかもしれない。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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