Paul Bley

CD Play Blue -Oslo Concert

Play Blue -Oslo Concert

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2014年04月06日

    ECM 10枚目のアルバムである「Ballads(1967 年)」でPaul Bleyの虜になって以来、40年近い歳月が流れました。遂にライブを観ることは叶いませんでしたが、膨大な作品群からは、いつまでも変わらないBleyの本質を聴くことができると思います。 Paul Bleyは、1932年、カナダ生まれのピアニスト。50年代に、Charles Parker との共演からスタートし、60年代はフリー・ジャズの真っ只中に身を置いたかと思うと、更なる革新を求めて、シンセサイザーやエレクトリック・ピアノにまで、手を伸ばしていくことになります。70年代には、自主レーベルの運営にも加担しますが、それほどの成功は収められなかったようです。 しかし、作品はコンスタントに発表し続け、80年代以降も、Steeple Chase やJustin Time 、Soul Noteなどで水準の高い仕事を残しています。 Bleyの音楽活動を語る上での、最重要レーベルは、やはりECMだと思います。これほど、ECM的なミュージシャンはいないと思うのに、リーダー作、ソロ作はこの「Play Blue - Oslo Concert」が11作目で、SteepleChaseでの17作より少ないことになります。 しかし、ECMには、Bleyの長い音楽歴を物語るような、各年代における重要作品が残されており、ECMの諸作品なくしては、Bleyを語れないのも事実だと思います。 さて、本作は、2008 年Oslo Jazz Festivalでのライブ音源で、2013年にJan Erik KongshaugとManfred Eicherの手によりミックスダウンされた作品。 前作の「Solo in Mondsee」が、2001年録音なので、比較的新しい作品とはいえ、 Bleyの年齢を考えると、今後、これ以上のものを期待するのは難しいかもしれません。 というのも、この時点で76歳とはとても思えないほどの、力強いパワーと豊かな表現力が、ここには感じられるからです。 曲は、アンコールの「Pent-Up House」を除いては、全てBleyのオリジナル、というかインプロビゼーション。 冒頭の「Far North」は、ライブの地Osloの印象を綴った曲でしょうか?故意に弾き急ぐように奏でられるピアノは、やがてポエジーを語るかのような繊細なタッチに。その後、跳ね返るような音と共に、自由にダイナミックに展開していくかと思うと、高音部のリリカルな音色が一瞬にして低音部の不協和音にとって代わり、終焉を迎えます。この、天国と地獄を行き来するようなピアノプレイこそが、 Bleyのいつまでも変わらない真髄なのだと思います。 続く「Way Down South Suite」は、組曲というだけあって、曲調に変化があります。穏やかに始まり、ゴスペル調に転じて力強く進んでいきますが、6分近くで突然の沈黙。そして、またスローな展開へと変化していきます。後半は、Bleyがピアノに合わせてハミングしているようで、この日の好調ぶりを感じることができます。曲は、突然の轟音と共に幕を閉じます。 Bleyの汗が飛び散るかのような熱演。 続いては「Flame」。冒頭の高音部を多用したフレーズに惹きつけられます。その後も、自由な展開ながら、親しみのあるフレーズが時折、顔を覗かせ、どこかKeith Jarrettのソロを思わせる部分も。穏やかな気分に浸っているうちに、曲は素早く表情を変え、唐突に終わります。この辺が、 Bleyの面目躍如といったところでしょうか? 美しさを強調したフレーズから始まる「Longer」の頃になると、観客はBleyの魔力に魅せられ、ただ聴き入るばかり。 Bleyは、観客を手玉に取るように、高音部で楽しげに遊びます。 曲が終わると、客席からは割れんばかりの拍手が。当地でのBleyの人気のほどが伺えます。 アンコールは、共演歴もあるSonny Rollinsの曲。愛らしいテーマから、ダークな感触を秘めた曲調に。自分の引き出しから取り出した曲想を巧みに織り交ぜ、自在に演奏しながら、力強いエンディングへと持ち込みます。場内には、更なるアンコールを求める拍手の渦がいつまでも続きます。

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