『こうもり』全曲 ローナー演出、マイヤーホーファー&メルビッシュ音楽祭、リッペルト、H.セラフィン、他(2012 ステレオ)
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kuzu2001 | 東京都 | 不明 | 2012年10月29日
今年のメルビッシュは特別でした。20年続いたセラフィン治世の最終年で、オペレッタの王様とも言える「こうもり」を大家ヘルムート・ローナーが演出。開演前セラフィン総裁が舞台に現れての挨拶では、彼の音楽祭への思い入れが語られていましたが、DVDでは割愛されているのがちょっと残念。オペレッタそのものには無関係ですから仕方ないことですけど。 私が音楽祭を訪れた7月下旬には、「来週はDVDが出るよ」という話をスーベニアショップで聞いて驚いたのですが、それもそのはず。今年はなんと開幕日7月12日の公演がORFで生中継されていたのです。そのソースで速攻リリースとなったこのパッケージ、8月には会場で飛ぶように売れたことでしょう。 さて、内容ですが、もし演奏のクオリティを優先して選択するのであればお勧めはしません。初日ということもありますが、マイクを使うだだっ広いステージ、夏とは言え真夜中近い終盤には毛布にくるまるくらい気温の下がる野外公演といった、ディスアドバンテージだらけのメルビッシュ盤を選ばずとも、他に条件の良い商品はあまたあります。このディスクを選ぶ人の多くは、ライブ体験のスーベニアとして購入するか、メルビッシュならではの創意あふれる演出に魅力を感じているのではないでしょうか。そうであれば、今年のこうもりはお勧めです。 メルビッシュの広大なステージに登場する出演者とエキストラの数の多さは圧巻。いつもながら序曲を背景に演じられる念入りな芝居からはじまり、第2幕では装置の美しさとあいまって、華麗な空気を生み出します。 演出のローナーは、フロッシュ役で長大なモノローグを演じ、続くフランク役のセラフィンとの掛け合いと合わせて、第3幕前半を文字通り彼の独壇場にしてしまいました。時事ネタも絡めたモノローグは、現地でもバカ受けの連続でしたが、私のドイツ語力では半分も理解できませんでした。DVDでは英語字幕があるので助かります。 また、イケメン揃いのバレエシーンもオペラグラスなしで堪能できます。実演での休憩を1回とした関係で、2幕目と3幕目の間奏として挿入されたのが、「こうもり」に因んだ「ティク・タク・ポルカ」。定番の「雷鳴と電光」ともども見せ場になっています。 舞台装置は比較的シンプルなデザインでありながら、場面転換であっと言わせます。特に第2幕のパーティシーンからバレエをはさんで、第3幕の刑務所への移行は見ものです。 カーテンのない野外ならではのカーテンコールもこの音楽祭の楽しみ。アンコールの音楽に乗せて、登場人物それぞれの個性を見せながら、たっぷりと時間をかけ、一つのショーを作り出します。それに続くメルビッシュ名物の花火まで完全に収録したこのディスクがあれば、いつでもあの夏の夜を再現できる。その価値に星5つは足りないくらい。 でも本当はHD画質で見たかった。かつて毎年この音楽祭を放送していたNHKがここ数年取り上げてくれないのが残念です。作品の知名度も公演の記念性も別格の今年は、ぜひカバーして欲しいものです。あるいは、これからでもいいので、ブルーレイの発売を期待します。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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