不連続殺人事件
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チョコぞう | 神奈川県 | 不明 | 12/April/2021
“すべての真相が明らかになった瞬間の戦慄”そして“物語そのものの面白さ”。この2点において、本作を超えるミステリをいまだかつて読んだことがない。東京から人里離れた山奥の大邸宅。戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で集まった十数名の男女。作家、詩人、画家、女優、弁護士、劇作家など、アクの強い一癖も二癖もある奇人変人たちが一堂に会し丁々発止のやり取りを繰り広げる中、最初の夜から“事件”は起きてしまうーーーーーー。 読者は物語の端緒から一気に引き込まれてしまう。ここで1つ大きなポイントとして挙げたいのは、作品世界に読者を引き込む要因が、単に奇抜な設定や人物配置のみにあるのではないという点だ。グラスの触れ合う音と女たちの笑い声。煌々ときらめく洋館の灯りと屋外の暗闇が織りなす真夜中のコントラスト。口紅のついた吸いさしのタバコと、ため息。数年前の因縁の数々や、作家同士により熱を帯びて戦わされる芸術論。皮肉と怒声。事件そのもの(主線)と並行して描かれるこうした1つ1つのディテールやエピソード(副線)が紡ぎ合わされ映像として喚起されていくことにより、読者はこのひとつ異世界とも言うべき作品世界に深く没入させられていく。この没入への深さを裏打ちしているのは、作家・坂口安吾の変幻自在な描写力と展開力に他ならない。文庫版巻末の解説の中で高木彬光氏も触れているが、推理作家の斎藤栄氏による造語の1つに「ストリック」というものがある。ストーリーそのものが大きなトリックとなっている推理小説、探偵小説のことを指す。先に述べた事件そのもの(本線)と並行して展開される、事件とは一見無関係なエピソードやディテール(副線)の話に立ち返るならば、この「一見無関係」かつ、しかしながら読み手の興味を引いてやまない数多のエピソード群は、本作を牽引するストーリーそのものであると言える。そして、本作最大のトリックおよび一連の事件に対する最大の誤認は、この本作を牽引するストーリーそのものによってもたらされる。副線すべてが伏線、と換言することもできよう。ストーリー自体のリアリティによって、事件の真の目的やトリックそして真犯人は完璧に隠蔽され、最終局面で真相を知ることにより、読者はストーリーに立ち返る。そして、真相とストーリーを今一度照合し、戦慄とともに噛みしめることになる。確かにこの人物以外が犯人では絶対にありえなかった、と。その意味で、本作はこれ以上ない至上のストリックと言えるのではないかと感じる。強靱なリアリティを持ったストーリーが大きな装置として、トリックをトリックたらしめることに成功しているからだ。個人的なエピソードとなるが、初めて読了した夜のことをいまだにはっきりと覚えている。10代終わりのある冬の日、帰宅後の夕方に読み始め、食事もとらずに読み進め、読み終えた時は午前1時を回っていた。物語そのものへの戦慄、恐怖。冬の寒さによるものでない鳥肌がいつまでも消えず、これほど面白い小説があったのか、という驚きと興奮で朝方まで眠れなかったのだった。あの晩から20年近く経ち、その間に読んだ作品はミステリ含め他作者含め数えきれない。にもかかわらず、本作は個人的な特別な作品であり続けている。私にとって本作は、ミステリというジャンルに留まらず、小説というものの面白さや可能性を強く深く感じさせてくれた大切な1冊。ミステリファンのみならず、「とにかく面白い小説が読みたい!」と願うすべての人に、本作が届きますように。0 people agree with this review
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白塗りのサル | 神奈川県 | 不明 | 28/November/2009
戦後の本格長編探偵小説界に純文学畑から挑戦状を送りこんだ、純粋本格探偵小説。 前半部で推理的要素を文章の中に織り込み、公判開始前に読者に推理を挑戦する純然たる体裁を持った本格物に、江戸川乱歩は、自身の作「陰獣」のように作品全体に流れるシチュエーションに騙されたとの事。流石「堕落論」の作者らしく登場人物を堕落したひと癖ある人物に仕立て上げ一種独特な雰囲気をかもっしだしたのは流石。 前半部分だけで、犯人を見破った人もいたようだが、その中の一人に横溝正史がいたのも流石。0 people agree with this review
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