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CD デニス・ブレイン/EMIレコーディングス(4CD)

デニス・ブレイン/EMIレコーディングス(4CD)

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    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2010年05月11日

    以前「デニス・ブレインの芸術」(以下「芸術」)というタイトルでCD13枚を四セットの組に分けたシリーズものがありましたが本盤はそのシリーズものから更に曲目というか演奏者をデニスに限定セレクトし新仕様で仕上げた物であります。事故により亡くなったデニス・ブレインという不世出のホルン奏者をキーにした演奏記録で様々な解説(「上記「芸術」添付分ではNHKSOのホルン奏者であった故 千葉氏等も含む)メモもバラエティに富み飽きさせません。以下「芸術」盤と横睨みしながら逐次収録内容中心に進めていきます。CD1では1940年代録音のモーツァルトのホルン協奏曲第2番、第4番に注目・・・後述のCD2の1953年カラヤン/PHO伴奏分との比較をファンならずともしたくなりますね。本盤前者の方はW.ジェスキント/PHO伴奏でタイムは1946年録音でタイムは@6’26A3’20B3’19、カラヤン伴奏分とそんなに差はありませんが何となく荒削りな感じもします。一方第4番は1943年録音、タイムは@8’38A4’39B3’28でこれもタイム的に差は無視するとして伴奏HOで第1楽章と第2,3楽章の指揮者が異なっているという変則物。次にホルン吹きの父に捧げたR.シュトラウスのホルン協奏曲第1番(1947年録音、タイム@5’04A4’55B4’58)はこの作曲家のスタイルがまだ確立されていない頃の作品ですが明るくロマン性溢れる分り易い曲でガリエラ/PHOの伴奏も素晴らしいです。後年CD3にもあるサヴァリッシュ/PHOでの同曲は独奏とともに振幅が大きくなりソフトにもなっている様です。残りの収録分はどれも小品ですが城壁の詰め小石の役割どころかちゃんとそのステイタスを果たしております・・・ベートーヴェンのホルン・ソナタ(1944年録音、タイム14’27)、ワーグナーのジークフリートのホルン・コール(1947年録音、タイム1’25)そしてシューマン「アダージョとアレグロ変イ長調 Op.70」でムーアがピアノを受け持っています(1952年録音、タイム8’15)。CD2では本アルバム中核であるW.レッゲのプロデュース、カラヤン/PHOバックによるモーツァルトのホルン協奏曲集で1953年(ブレイン当時推定32歳)の録音です。余りにも有名評価高い名盤なので逐一コメントは避けます。ただ演奏タイムだけメモしておき本アルバムに含まれている他の演奏やその他のホルン奏者分との比較にでも参考にして下さい。何れにしてもスンナリ入ってくる演奏には間違いありません。第1番@4’38A3’38、第2番@6’33A3’31B3’35、第3番@6’59A4’54B3’44、第4番@8’07A4’31B3’36・・・(カラヤン/BPOの後年ザイフェルトとの録音は第1番@4’57A3’14、第2番@6’48A3’29B3’39、第3番@7’33A5’19B3’40、第4番@8’38A4’47B3’26)。カラヤンのフォローの上手さも新旧とも大したものです。「芸術」ではホルン協奏曲第3番をデニスの父親であるオーブリーの演奏したものもあり四曲の中で一番優美で美しい!・・・この曲を父子でどう違って演奏するのかが注目筋でした。1940年ボールト指揮BBCSOのバックで録られたもので演奏タイムは@6’52A4’14B3’29と前掲D2のデニス分とまぁ強いて言えば第2,3楽章が短めといった感じで伴奏がカラヤンのなだらかさと違う少し性急さも見せる武骨さとの対比や録音の違いが大きいのではないでしょうか。決してデニスに遜色ない演奏と私は思うのですが・・・。「芸術」では同じくW.レッゲのプロデュースによるカラヤン/PHPのモーッアルトが更にありその一つ協奏交響曲は1953年収録された演奏タイム@13’34A10’12B9’21のものでした。柔らかい響きで滑りの良い演奏で第1楽章は若干テンポが速め?第2楽章はブレイン他各名手の腕前が楽しめます、終楽章も楽しさに満ち溢れた演奏であります(私はカラヤンのモーッアルトは大好きでBPO時代のLPをよく集めたものです)。さて、本盤に戻ってモーツァルトの「ピアノと管楽器のための五重奏曲変ホ長調 K452」(1954年録音、タイム@10’00A7’03B5’43)はC.ホースレイ(ピアノ)、デニスブレイン管楽器合奏団で私はこの曲をそんなに聴いた事がなかったのですが「芸術」ではこの曲を翌年録音したものでギーゼキング(ピアノ)、PHWE(タイム@8’19A7’07B5’50)も収録されていたので二種類演奏を(勿論ホルンは両方デニス・ブレイン)続けて聴くと頭に入った様です。CD3は先に書いたサヴァリッシュ指揮PHOバックで1956年収録されたR.シュトラウスのホルン協奏曲二曲です。第1番はCD1で違った演奏がありましたがこちらの方はもう少しマイルドな感じです、演奏タイムは@5’16A4’59B4’54とそう差はありません。少し雑な?作品第2番のタイムは@7’48A5’15B5’06となっております。デニス・ブレインに捧げられたヒンデミットのホルン協奏曲は第1楽章、印象的な主題で分り易いですが最終楽章はやや長く正直退屈しました(1956年録音、勿論指揮は初演同様ヒンデミット/PHO、演奏タイム@3’17A1’52B9’40)。本アルバムではバークレイとジェイコブという現代作曲家による戦後の作品も含まれております。CD3バークレイの三重奏曲は1954年録音、演奏タイム@5’25A6’45B14’07で最終楽章が主題及び変奏の長い楽章となっています(パリキアン(ヴァイオリン)、ホースリー(ピアノ))、CD4のジェイコブ管楽六重奏曲は1957年録音、タイムが@3’59A2’33B5’15C3’57D4’49で、演奏はデニスの兄であるレナード(オーボエ担当)も参加したデニス・ブレイン管楽器合奏団です。まぁレパートリバラエティというかテクニックバラエティを我々に認識させる項目ではありましょう。カンテルリがPHOを振ってモーツァルトを演奏した「音楽の冗談」は1955年の録音(演奏タイム@2’46A6’04B6’11C4’08)。不協和音等皮肉っぽい作品で最後も意表を突かれます。L.モーツァルトのゴムホース・弦楽器の協奏曲抜粋(1956年録音、タイム1’33)でマウス・ピースとブレスを工夫して水道ホースを使用した演奏?はユーモラスでライブらしく聴衆の談笑雰囲気が伝わります。クレッキー/PHOで1954年収録のメンデルスゾーンの夜想曲(6’55)が入っておりメルヘンチックな演奏であります。その他K.ハースにより結成された団体LBEのメンバー一員としてデニス・ブレインが加わった演奏でディッタースドルフ/ハース編曲のパルティータ ニ長調〜メヌエットとトリオ(1953年録音、トータルタイム11’34)、ハイドン交響曲第31番ニ長調「ホルン信号より」(1952年録音、3’36)、イベール「三つの小品」(1957年録音、トータル6’57)、デュカス「ヴィラネル」(1952年録音、6’09)、モーツァルトのディヴェルティメント第14番変ロ長調 K270は同じように作曲された六曲の内の一つでデニス管楽器合奏団の演奏(1957年、トータルタイム8’41)など正直曲目については初めて接するものばかりでこういうのがクラシックなのかと今更ながら認識した次第であります。「芸術」ではブランデンブルグ協奏曲第1番(1935年、@4’33A4’40B4’30C7’53)は昔LP(SPから転写)でエンジェルGRシリーズにもあったブッシュ室内楽団を聴くべきもので今となってはさすが古い感じは否定出来ませんがロマン性を強く打ち出し以降他演奏に影響を及ぼす出発点でもあったわけです。1933年?録音のブラームスのホルン三重奏はブッシュのヴァイオリン、ゼルキンのピアノとの演奏で実にブラームスの内省的な濃淡を上手く提示した素晴らしい演奏(タイム@8’02A6’54B8’17C5’53)と思いました。以上長くなりましたが後輩に伝える気持ちで書き込みましたのでよろしく。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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