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CD ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団/バッハ作品集(10CD)

ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団/バッハ作品集(10CD)

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    Pianist  |  東京都  |  不明  |  2011年04月11日

    何よりクルト・トーマスに関心があってこのセットを手にした。聖トーマス教会のカントルとしてバッハから連なる伝統を誇るコーラスだが、クルト・トーマスは1957年からその任にあり、高水準の演奏を続けたが政治的なやり取りの波にもまれ、結局四年間でカントルを辞し西側に移って活動を続けた。東独はこの一件に関してクルト・トーマスの在任の実績を抹消し、当時の記録では前任のラミンからトーマスの後任へとつながっていて、その四年間は空白になっていたという。そしてトーマス在任中に演奏されたマタイ受難曲を放送したNHKの音楽部ディレクターだった成澤玲子女史は「トーマス以後の聖トーマス教会の演奏は無残なものばかりで、却ってクルト・トーマスの偉大さが印象付けらてしまった」と書き残されている。こうした実情を知ってからこのセットを聴いた訳だが、結論から言うと成澤女史の言葉はマトを得ており、クルト・トーマス指揮の三枚を聴いて後、プレーヤーにセットしたマウエルスベルガーの演奏を聴いて仰天、正に天と地ほどの差がある。とにかくトーマス指揮のカンタータは素晴らしい。新カントルは平板でフレージングにも生気が無く、これは下手に古楽奏法を取り入れようとした推移期ゆえか…と思ったが、あまりに薄っぺらでひどいので途中でやめてしまった。更に後のハンス・ヨアヒム・ロッチュの演奏になると録音の技術も向上、またコーラスの基本的テクニックも上達しているらしいのだが、あまりに表面的な美感のみに囚われている嫌いがあり、少なくともトーマス盤に感じられた叫びや表現のコントラストが気迫。ただトーマス指揮のカンタータは独唱カンタータが多く、聖トーマス教会のコーラスそのものの水準には一概に言えない所もある。確かにモテット集はカンタータほど優れた演奏ではなかった。 クルト・トーマスのバッハ演奏にはリヒターに通じる知的さ、音楽に対するひたむきさが具体的に音の勢い、テンポやフレージングに現れている所に特徴があり、その点ではリヒターのバッハ演奏に通ずる。こうしたスタイルでは平板な演奏に終わりかねないが、そうではないことが後任のカントルの演奏との比較ではっきりする。しかし実際にトーマスの演奏に感心した背景の何パーセントかは、上記成澤女史の本などから得た予備知識、それも純粋に音楽上、演奏上の問題ではなく政治的茶番に巻き込まれた不幸な経過を知っていたので、いく分かはひいき的な聴き方があったかもしれない。そして実際演奏の比較に当たってはブラインドテストをした訳ではないのだから、最初から「これがトーマスの指揮だ」という前提で聴いてもいる。しかしそれを踏まえたとしても「トーマス肯定の多くの証言に大いなる確証を持てた」くらいは言ってもよかろう。特にH.プライをソリストに迎えたカンタータ82番は絶世の名演奏。個人的にはリヒターよりも優れているのではないかと思う。かつてこれらの音源は国内ではEMI系から発売されていた。最近出たプライのEMIボックスにも同演奏が収録されているらしい。 こうした貴重な旧東独の音源をリリースしているベルリン・クラシックスだが、似たようなBoxセットをいくつも出して、重複が多くて困る。二つのセットを買ってほとんど同音源…では困るし、明快な意図のリリースを願う。また1950年代に録音されたというクルト・トーマスのバッハの宗教曲、ロ短調ミサなどが復刻されること、カントル在任中の公演ライブがCD化されることを願っている。

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    Gewitter  |  不明  |  不明  |  2011年03月24日

    Too brilliant! It has become one of my treasures.

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