パルティータ第1番、第2番、第6番 エフゲニー・コロリオフ(ピアノ)(2CD)
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ココパナ | 北海道 | 不明 | 2021年03月15日
バッハのクラヴィーア作品に、いくつも優れた録音を示してきたコロリオフが、今回はパルティータ集として、パルティータ全6曲のうちの3曲を録音した。第6番ホ短調 BWV.830、第1番変ロ長調 BWV.825、第2番ハ短調 BWV.826の3曲が収録され、「Part 1」と表記されているから、近いうちに残りの3曲も収録されるのだろう。ところで、このアルバム、2枚組になっている。通常これら3曲のパルティータであれば1枚に収録できるのであるが・・・と思って確認してみると、収録時間は合計81分。おそらく、当初の予定では1枚のCDに収まるハズたったのではないか。あまりにも中途半端な形で2枚組となってしまっている。この理由は、聴くと分かるのだが、がいしてコロリオフは平均よりやや遅めのテンポを採用している。その傾向は特に第2番では顕著で、それが積み重なった結果、ギリギリで1枚での収録が難しい演奏時間となってしまったのではないか。というわけで、アイテム的には使用に不便を託つという欠陥があるのだが、演奏は悪くない。このピアニストらしい健やかで見通しのよい響きであり、また、これまでのこのピアニストのバッハ録音と比較して、幾分トーンが軟らかめになっているのも、曲集にマッチした感があり、良いと思う。心地よく歌う旋律と、そこに現代ピアノならではのふくらみが情感として備わっていて、素直にきれいである。コロリオフは、元来バッハのクラヴィーア曲の演奏において、対位法の明瞭化にかなりの意志と注意を注いでいる感じがするのだが、このパルティータ集では、いくぶんエモーショナルなものに多めに配意した感がある。第1番の冒頭に醸し出される豊かなニュアンスにそれは象徴的であり、私は、楽曲の違いという以上に、このピアニストの中でも、変化している部分があるのだと思う。いくぶんゆったりした間合いで、時間をかけて大切に弾かれたパルティータであり、聴き手に感動をもたらしてくれるものになっていると思う。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ばんどうくじら | 福岡県 | 不明 | 2021年01月13日
バッハの「フーガの技法」でスタートしたコロリオフシリーズも本作で23作品目になります。23作品の中には、当然、バッハの平均律等も含まれますが、大部分はロマン派や印象派の作品です。その流れという訳でもないのでしょうが、本作の「パルティータ」はロマン派の作品のようにゆったりとしたテンポで始まり、ロマン派の作品の様に終わります。 バロックや古典派の演奏様式ではありません。従って、従来の「パルティータ」の演奏に多い、やや早めの颯爽としたテンポを予想すると当てが外れます。 各組曲のなかの諸舞曲に焦点を当てた演奏で、これまでのコロリオフのバッハ演奏である「フーガの技法」や「平均律」での印象とは全く異なります。ピアノによる「パルティータ」演奏史上に新しい光をあてたものとして積極的に捉える事ができるか、それとも単にマニアックに感じるか否かは、聴く人次第でしょう。 私にはあまりなじめませんでした。 セカンドチョイスかサードチョイスとしてはお勧めします。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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サラリーマン | 東京都 | 不明 | 2020年12月21日
深く美しい抑制的な一音一音、という解説どおりのすばらしい演奏と録音。何故3曲のみで、しかもCD2枚なのか、という当然の疑問はあるものの、CDの冒頭には6番がきていて、そのすばらしい第1曲目が鳴り出せば。ただただ簡単するばかり。この名曲のグールド以来の名演。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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