交響曲全集 ロバート・トレヴィーノ&マルメ交響楽団(5SACD)
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てつ | 東京都 | 不明 | 2023年08月23日
いやいや、このロバート・トレヴィーノ、なかなかの方である。調べたらメキシコ系のアメリカ人、御年39歳、その彼が指揮した4年前2019年、マルメのベートーヴェンフェスでの全曲ライブ録音。 さて。その演奏だが、1番を聴けばすぐ分かる、この方深い譜読みで斬新な解釈をするのではなく、「音楽に生気を吹き込む」タイプの指揮者。HMVのこのディスク紹介ページにある、トレヴィーノの日本向けサービス動画は見た方がよく、ポジティブさこそがベートーヴェンの本質だと発言し、その通りの演奏を繰り広げている。1番、2番はまさにそういうアプローチで、とにかく推進力重視、それが「重すぎず速すぎず、かつ全ての音が響く」という絶妙の塩梅。特に2番の終楽章は、骨格が明確な上に、ベートーヴェンが意図した音を有機的に鳴らし切るという稀有な演奏。終結部は生気に溢れ魅力的である。このアプローチは曲想から8番にも生きて来る。 エロイカはこの曲だからという気負いもなく、音楽自体の持つ力を最大限に出そうとする姿勢が素晴らしい。この曲でここまで力まないのは、素晴らしい見識である。と思っていたら、エロイカ終楽章の第二変奏で、いきなり弦楽器をソロで弾かせる。やはり細工はしたくなるものである。4番になると、少しボリュームを持たせつつも、少し物足りなくなる。ボリューム持たせた分、生気が犠牲になっているからだ。5番になり、再び重さを捨てて、3番までの路線に戻る。意図はよく伝わるが、こねくり回さない分全体にあっさり感が強い。もちろんこれがトレヴィーノの狙いだろうが、従来へのアンチテーゼというところを訴えたいという訳ではないので、あえて重量感を取り払っただけという感じが残る。しかし、第4楽章はこの指揮者の趣旨通り、前向きさが全面に押し出されており、聴く側も満足度が高い。その意味で明確に5番のクライマックスを終楽章に置き、逆算した演奏と言えるだろう。田園は脱力系の優しい演奏。4楽章だけは気合い入ってます。 7番は正直期待外れ。終楽章はそんな無茶振りじゃありません。カラヤンとかホーネックの方が早いかも。9番は同じ路線でのエラス=カサドとか、アントニーニに比べると格が落ちる。 この全集、個人的には1、2、8番は名演。3、5、6番はよく練れていると思う。4、7、9番は数多の名盤に比して、ちょっと辛いかも。しかし、1、2、8番を聴けたのは本当にありがたい。まだまだ演奏には可能性が残っている。その可能性は無限だ、と思わせてくれたディスクでした。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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よっちゃん | 東京都 | 不明 | 2022年09月24日
素晴らしい出来栄えのアルバムです。アーティキュレーションを駆使してまるでピリオド楽器で演奏しているかのようなメリハリの効いた音作りをしています。それがSACDの音質の良さと相まって新鮮な今ここで聴いているかのような錯覚をもたらします。一つ一つの楽器の音がコントラスト豊かに響いて融合する様は素晴らしいの一言です。買って損はないお勧めの一品です。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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海尾水 | 神奈川県 | 不明 | 2021年03月03日
若い指揮者で斬新系かと思いきや、意外と正統派寄りな演奏。スコアは3番の1楽章終結部でトランペットを全音階吹かせたり、5番の1楽章再現部の第2主題でホルンを入れたりなど伝統的なもの。今時若い指揮者でこれをやるとは思っておらず、予想外であった。スコアの扱いはハイティンク/LSOと同様か。基本的にキレのある指向であるが、古いスコア使用ということで、結局何がやりたいのかわからない嫌いはある。出来不出来はあるが、5番がベストと感じた。7人の方が、このレビューに「共感」しています。
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