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CD 現代イタリアのヴィオラと弦楽合奏のための作品集 イ・ソリスティ・アクイラーニ、ヴラディーミル・アシュケナージ、ディミトリ・アシュケナージ

現代イタリアのヴィオラと弦楽合奏のための作品集 イ・ソリスティ・アクイラーニ、ヴラディーミル・アシュケナージ、ディミトリ・アシュケナージ

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年07月09日

    イタリアの弦楽合奏団、イ・ソリスティ・アクイラーニによる、現代のイタリアの3人の作曲家による「ヴィオラ独奏と弦楽合奏のための作品」を集めたアルバム。規模の大きいアントニオーニの作品では、ウラディーミル・アシュケナージが指揮を務める。いろいろな注目点のあるアルバムであるが、一つは、2019年で音楽活動から引退したアシュケナージの最晩年の新譜という観点がある。自身の音楽活動を通じて、若手のアーティストや現代作曲家を積極的に世に紹介してきたアシュケナージらしい1枚として、彼の芸術活動の一面を象徴する感がある。また、収録されている3つの作品は、いずれも当盤が世界初録音ということであるが、いずれも素晴らしいものであり、現代イタリア芸術の鋭い感性、感覚的美観がよく反映したアルバムだと言うこともある。冒頭のセリーノの作品は、長大な単一楽章からなる作品であるが、弦楽器という弓で奏でる楽器の特性を活かした音の持続性と可変性をあやつり、鋭く、深刻な諸相が変容する様を描いたもので、その表出力の強さと緊迫感が見事だ。合奏音の重なりは、時に力強く、時に不安であり、それらが変容を通じてシームレスに描かれる様似独特の美しさがあって、魅力的。アントニーニの作品は、4つの楽章からなる。クラリネット、そして女声も加わり、独特な色彩感のある世界を描き出している。ディミトリ・アシュケナージのクラリネットが、弦楽合奏とよく溶け込んだイントネーションを演出していて、とても秀逸なことも是非指摘しておきたい。この作品でも、音響の連続性に特徴的な視点があり、楽器の音色を重ねることで、風景や自然を描写する試みが示されるが、十分な芸術性を感じる成果があり、それを良く示す演奏となっている。末尾のカルディの作品は、タイトルの通り、現代的なソノリティの中で、うごめく様に立ち現れるフォリアの旋律を扱ったものであり、高い緊張感が支配する中で、古来馴染まれた旋律が見え隠れする様が美しい。いずれの3作品とも、高い完成度を感じさせる作品であり、イ・ソリスティ・アクイラーニの高い技術と精度を持つアンサンブルが、作品の機能美を全面的に支えて、成功している。

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