針女 河出文庫

有吉佐和子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309421964
ISBN 10 : 4309421962
フォーマット
出版社
発行年月
2025年07月
日本
追加情報
:
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内容詳細

東京下町の針職人の家にもらわれ育った清子は、一家の自慢の息子である弘一への想いを秘めたまま出征を見送り、戦時下と戦後の混乱を生き抜く。戦後、弘一は復員したが、まるで人が違うほど一変していた。戦争の傷跡に苦悩しながらも、針一本に生きる選択をする姿を描く傑作長編。

【著者紹介】
有吉佐和子 : 1931年和歌山県生まれ。幼少期をインドネシアで過ごす。東京女子大学短期大学部英語科卒。56年「地唄」で芥川賞候補となり、文壇デビュー。一外科医をめぐる嫁姑の葛藤を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、歴史や芸能を扱った『和宮様御留』(毎日芸術賞)など、さまざまな分野の話題作を発表し続けた。84年急性心不全のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ちえ さん

    太平洋戦争中そして戦後。東京下町の生活が目の前に映るよう。有吉佐和子さんはいつも女性を描く筆が素晴しい。戦後の混乱期を自分の才覚で生き抜いていく女性もいれば自分を失っていく者もいる。仕立職人の家で育った清子には針一本で生き抜く腕がある。それにしても戦争がどれ程人を壊してしまうか…。読みながら朝ドラ『カーネーション』や木内昇『かたばみ』を思い出す。解説がその木内氏だというのは嬉しかった。

  • ぐうぐう さん

    タイトルから『仮縫』のような物語を想像すると大きく裏切られることになる。確かに、主人公・清子は針職人の家にもらわれ、そこで腕を磨いていく。しかし、『仮縫』にあった業界ものとしてストーリーが展開していくことを有吉佐和子は拒否するのだ。本作には戦争という巨大な背景が横たわり、登場人物達を容赦なく押し潰していく。さらに清子で言えば、足に針が刺さるという事故と弘一が残していった一冊のノートというふたつの呪縛が彼女を苦しめるのだ。刺さった針により足に障害が残るという設定は清子の職を考えると皮肉であり、(つづく)

  • 花林糖 さん

    (図書館本)「はりおんな」ではなく「しんみょう」。東京の下町の針職人の家に貰われ育った清子の物語。時は戦時中・戦後の混乱期。針がチクっとではなくグサッと刺さる様な痛さを感じる箇所(心・身体共に)もあるけれど、読後感は案外悪くはありませんでした。(千人針は千人の女性に一針ずつ縫い玉を付けてもらい作成、しかし寅年の女性は自分の年齢だけ結び目を作ることが出来重宝された)「針女」は1971年3月に新潮社から単行本が刊行。1981年12月文庫化されたものを再文庫化。

  • たつや さん

    貰われるという概念が現代ではあまりにも薄れているが、自分が子供の頃はドラマのテーマでよく見た気がする。「お前は血が繋がって無いんだよ。」兄と妹は血縁関係が無かった。そんなテーマが感動的に見れた。本書では清子が貰われた家が針職人の家で、義兄弟の弘一に想いを寄せるが、戦争にとられる弘一が帰ってくると人が変わっていた。戦争の恐ろしさも描いていて、凄く面白かったです。

  • ハッカ飴 さん

    私の父の出生の地、下谷のあたりが舞台で(後半中野あたり)、戦争中の話を祖父母に聞けたらよかったのにと思う。個人的には大評判の「青い壺」よりずっと面白かった。日本の戦中、戦後の庶民の生活を目の当たりにするようだった。清子の強さがいい、きっと針をもって自分で自分を養っていくのだろう。弘一の傷の深さも感じた。そんな復員兵はたくさんいたのだろうな。「今日から平和」と言われてどんなふうに人生を取り戻せばよかったのだろう。戦争が万人を傷つけたを、改めて知る。「練馬の百姓が来た」…私は練馬育ち。ここにも親近感沸く。

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人物・団体紹介

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有吉佐和子

1931年(昭和6年)和歌山市に生まれる。東京女子大学短期大学部英語科を卒業。在学中、『演劇界』の懸賞論文に応募して連続入選。同人雑誌『白痴群』を経て第十五次『新思潮』同人となる。『華岡青洲の妻』により女流文学賞、『出雲の阿国』により芸術選奨文部大臣賞、日本文学大賞、婦人公論読者賞を受賞。小説家、劇

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