運命の絵 なぜ、ままならない 文春文庫

中野京子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167920579
ISBN 10 : 4167920573
フォーマット
出版社
発行年月
2023年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
208p;16

内容詳細

王の娘プシュケの美貌は天界にまで鳴り響き、美の女神ヴィーナスの怒りを買う。女神は息子アモルに命じてプシュケを不幸の底へ落とそうとしたが、アモルはたちまちプシュケに恋してしまい…。絵画エッセイの名手が西洋名画に潜む人間ドラマを描き出す人気シリーズの第3弾。知的でスリリングな刺激にみちた17篇を収録。

目次 : 運命を招き入れた瞬間―ダヴィッド『マラーの死』/ボードリー『マラーの暗殺』/ 感傷的なイギリス人―ハント『良心の目覚め』/ この後、まさかの展開が…―ジェラール『プシュケとアモル』/ヘイル『プシュケと玉座のヴィーナス』/ 予言か、呪いか―ミケランジェロ『デルフォイの巫女』/コリア『デルフォイの巫女』/ 性格が運命を決めるのか?―クールベ『画家のアトリエ』/鴨居玲『1982年 私』/ 無名人の代表―レンブラント『エマオの晩餐』/カラヴァッジョ『エマオの晩餐』/ 不幸な家族の肖像―ドガ『ベレッリ家の肖像』/オーチャドスン『功利的結婚』/ 「かかあ天下」の時代―メッケネム『ズボン(パンツ)をめぐる闘い』/ブリューゲル『悪女フリート』/ 「白」への固執―アルマ=タデマ『フェイディアスとパルテノン神殿のフリーズ』/ さすがミステリの本場―フリス『鉄道駅』/ あれかこれかorあれもこれも―ラファエロ『スキピオの夢』『三美神』/バウス『カルタゴの廃墟を見る小スキピオとポリュビオス』/ 衝撃のオペラ作品に―ドラローシュ『ギロチン』/ 究極のロマンティスト―ホリデイ『聖トリニタ橋でのダンテとベアトリーチェ』/ロセッティ『ベアタ・ベアトリクス』/ 手術風景、今昔―レーピン『手術室の外科医エヴゲーニ・パヴロフ』/ヒンクリー『エーテルを使った初めての手術』/ 女を待たせると怖い―バーン=ジョーンズ『赦しの樹』/コリア『犯行後のクリュタイムネストラ』/ ゲリラ、奮戦す―ゴヤ『マドリード、1808年5月2日』『マドリード、1808年5月3日』/ 政変は貞女の死から―リッピ『ルクレツィアの物語』/レンブラント『ルクレツィア』

【著者紹介】
中野京子 : 北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。2017年開催「怖い絵展」特別監修者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    中野京子の語り口はギリシャ神話の男性中心の物語をフェミニズムの視点ではなく、人間ってそういう面もあるとオトナの見方で達観して面白い。表紙のフランソワ・ジェラール「プシュケとアモル」1798年は、ルーブル美術館展で現在来日中。王の娘プシュケの美貌に美の女神ヴィーナスが嫉妬して息子のアモルに矢を放てと命ずるも、そのアモルが恋してしまう。プシュケにはアモルの姿が見えない。プシュケとはギリシャ語で魂と蝶の意味を併せ持つ。アモルが去った後、プシュケは彼を追い求める。さて結末は?男女の物語はいつの時代も興味深い。

  • Shun さん

    名画と共に神話や空想の世界へ。西洋名画の案内人による絵画エッセイというシリーズは抜群に面白い作品です。本書は「運命の絵」シリーズの3作目、テーマを一言で表す言葉は思いつかないが掲載された数々の名画からは情愛や絶望、憎悪や改心といったドラマティックな場面が印象的。冒頭から「マラーの死」や「マラーの暗殺」と不穏な絵画が並び、これらは観る者に強烈な忌避感を覚えさせ、そう感じたのなら作者の意図通り。退屈な絵など無く、最もインパクトある作品にはブリューゲル作「悪女フリート」を挙げよう。現代なら炎上は避けられまい。

  • Bashlier さん

    3/5 名画の背景を勉強したいというニーズに応える良作。表紙「プシュケとアモル」等、研究の進んだ有名作品の背景と関連作品を紹介してくれます。先日の新国立美術館「ルーブル展」でこの作品を鑑賞し、”なぜ天使のアモルが求愛しているのに、プシュケはどうでもよさそうな顔なの?”という疑問を感じました。その疑問は本著ですっきり解消されました。絵画をより深く理解すべく、神話時代の作品も読んでいきたくなりますね。

  • 活字スキー さん

    中野さんご無沙汰してたのと、世のままならなさをしみじみと思うことが最近多いので、「運命」をテーマにした新シリーズの3作めだけど気にせず読んでみる。冒頭の、近頃は『#名画で学ぶ主婦業』のイメージの方が強そうなダヴィッド『マラーの死』など、美術マニア以外にもよく知られた名画もいくつかあるものの、小気味よい中野節の解説のおかげで面白さが分かる作品が多かった。作者の名前だけなら知ってる人の方が多かったけど……おっとダンテ先生の悪口はそこまでにしてさしあげろください。

  • E さん

    新国立美術館でルーブル展があり、表紙になっている『プシュケとアモル』を観てきたので、思わず購入。芸術作品や絵画は、宗教や神話、歴史的背景を理解していないとその作品に込められた思いを読みとることができない。本書を読むことでその一部を補足しながら自分なりに味わうことができたと思う。

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