水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬

山本一生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163906751
ISBN 10 : 4163906754
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;20

内容詳細

真珠湾攻撃の三年前、海軍省で三日三晩の夜を徹した実験が行われていた。その「街の科学者」は、海軍次官山本五十六や後に「神風特攻」を考案する大西瀧治郎らの前で、水をガソリンに変えるのだという。石油の八割をアメリカからの輸入に頼る日本が、きたるべき日米戦に勝つための秘策になるのか?戦争・石油・日本人をめぐる数奇な歴史ノンフィクション!

目次 : 一通の報告書/ 山本五十六と石油/ 「藁から真綿」事件/ カツクマ・ヒガシと東勝熊/ 詐欺師から「科学の人」へ/ 支那事変という名の追い風/ 富士山麓油田の怪/ 昭和十三年暮れ、海軍省次官室/ 蒲田の「水からガソリン」工場/ 燃料局柳原少将の嘆き/ 実験成功!次官に報告!/ 宴の終わり/ 立会人たちの太平洋戦争/ いまも行き続ける「水からガソリン」

【著者紹介】
山本一生 : 1948年生まれ。東京大学文学部国史学科卒。石油精製会社勤務の傍ら競馬の歴史や血統に関するエッセイを発表。97年にフリーになると近代史に転じ、恩師である伊藤隆東大名誉教授のもとで『有馬頼寧日記』の編集に加わり、その後は「日記読み」として戦間期の日記をもとに時代を読み解く作業を行っている。『恋と伯爵と大正デモクラシー:有馬頼寧日記1919』(日本経済新聞出版社)で第56回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • C-biscuit さん

    図書館で借りる。ニセ科学的な内容で非常に面白かった。時代は石油確保が困難になってきた戦前の話であり、水から石油というまゆつば物の話に飛びつきやすい時代背景がある。陸軍や海軍も巻き込み大きな話になり、縦割りや主従の関係などもあり、信じられていく。本多という詐欺師の話であり、藁から絹をつくるという詐欺もやっていた輩である。常温核融合やSTAP細胞等に似たような話で現在でも起きる。巷には怪しい製品も溢れているw。それにしても石炭から石油を作るのはこの頃からあったようで、さすがに今なら北朝鮮もできているのだろう。

  • 鉄之助 さん

    水から石油、藁から真綿をつくる、と言って世を欺いた稀代の詐欺師・本多維富。軍神・山本五十六をも手玉に取ったいきさつが、面白い。実は、本多以降の今もなお、「水からガソリン」の話は生き続けている、という指摘はうなずける。

  • パット長月 さん

    何といっても歩兵がメインの陸軍と違って、石油なしには、まるきり戦にならぬ海軍の、異常なまでの焦りが伝わってくるようである。「油が欲しいからとて戦争を始める馬鹿があるか」といったのは陸軍の石原莞爾であるが、その石原が始めた大陸での戦が遠因となって米国の禁輸に至る。石油を産する新潟出身で博打好きの山本が、南方で油を手に入れるため時間稼ぎ?に真珠湾を襲って一か八かの戦争を始めたのは因果な話である。

  • Toska さん

    海軍を騒がせた珍事件の顛末。実際の当事者は山本五十六ではなく大西瀧治郎だし、「不覚」どころか最後は詐欺師との知恵比べに大勝するわけだから、副題はミスリードの感あり。とは言え、見え透いた詐欺に一瞬でも期待を寄せた事実自体、海軍が石油に関してどれほど追い詰められていたかを物語る。この辺りのメンタリティは、「ジリ貧となるよりは…」云々の開戦決意に大きな影響を与えていると思う。城英一郎、岡田次作、菊池朝三と、偶然だろうが後の空母艦長が何人も出てくるのは驚き。こんな仕事もやらされていたのか。

  • 晶 さん

    水素と酸素でできている水からガソリンを作るなんて、じゃあ炭素はどこから持ってくるの?と冷静に考えれば胡散くさい話だと思うのに、これだけの人が騙されて一大事となったのは、時代背景がそうさせたのだろう。ただし時代のせいだけではなく、「知識があって旺盛な野心を秘めているからこそ詐欺師のカモになりやすい」ことこそ、本質なのだと思った。詐欺師のアイテムとして「緑色の薬剤」が日本だけでなく海外でも登場することがおもしろい。いかにも謎めいた化学反応を起こしそうに見えるからかな。

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