Live At Woodstock

1969年8月15〜17日、べセルの丘にて開催された一大ロック・フェスティバル、“WOODSTOCK”。ジャニス・ジョプリン、スライ＆ザ・ファミリー・ストーン、サンタナ、クロスビー・スティルス＆ナッシュ等、時代を代表するアーティストたちが“愛と平和”をテーマに掲げ、40万人もの観客とロックを通して訴えかけていた特別なイベントであった。その“WOODSTOCK”3日間の象徴とも言える最終日8月17日、全アーティストの締めくくりとして、ステージに立ったジミ・ヘンドリックス。当時、彼の存在がどういったものであったかを物語っている。本作は、そのジミのステージを収録したもので、1999年にCDと同時にリリースされたリマスター・バージョンである。一昨年からリリースされているこの“EXPERIENCE　HENDRIX”シリーズは、劇的とも言える音質の向上を見せており、そのポリシーは映像作品にも貫かれている。ちなみに今回は、DVDフォーマットでも発売されている。 　そのステージは、“WOODSTOCK”開催の約2ヶ月前に解散したエクスペリエンスに代わり、ミッチ・ミッチェル（Dr）、ビリー・コックス（B）、ラリー・リー（G）、ジェリー・ヴェレツ、ジュマ・サルタンの2人のパーカッショニストといった編成からなる“ジプシー・サン＆ザ・レインボウズ”で演奏された。約一ヶ月足らずの準備期間しか持たなかったこのプロジェクトは、エクスペリエンスのスタイルから大きく抜け出すまでには至らなかったが、今後の可能性を充分に感じさせるジャム・セッション的セットであった。しかし、トリオから6人編成へと変化を遂げたバンド・アンサンブルは、最近リリースされた「ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト」での演奏に近い、フリーな、ジミのクリエイティブな志向性を具現化することのできるユニットとして、厚みのある素晴らしい音を聴かせてくれていた。 １． メッセージ・トゥ・ラブ 　ジプシー・サン＆ザ・レインボウズのために制作されたナンバー。タイトル・バックのBGM。 ２． ファイア 　1stアルバム「アー・ユー・エクスペリエンスト？」に収録されるエクスペリエンスらしい一曲。 ３． イザベラ 　彼の代表的とも言えるパフォーマンス、“歯弾き”の映像を見ることが出来る。 ４． レッド・ハウス 　これも1stアルバムから。 ５． ジャム・バック・アット・ザ・ハウス ヴードゥー・チャイルド（SLIGHT　RETURN） 　「エレクトリック・レディー・ランド」に収録されている代表曲。ペダル・ワウを使ったイントロが印象的。ほとんどのライヴで演奏されている。 ７． スター・スパングルド・バナー 　アメリカ国歌。“WOODSTOCK”と言えばまず最初に浮かんでくるシーンがこれ。非常にメッセージ性の高い音・映像。歴史的瞬間だ。 ８． パープル・ヘイズ　〜　９．ウッドストック・インプロヴィゼイション 　こちらも映画“WOODSTOCK”本編で使われている映像で、長いインプロヴィゼイションが印象的。 10． ヴィラノヴァ・ジャンクション 　1994年に、25周年を記念してリリースされた未発表映像集に収録されていた曲。