龍神の雨

道尾秀介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784103003335
ISBN 10 : 4103003332
フォーマット
出版社
発行年月
2009年05月
日本
追加情報
:
20cm,308p

商品説明

降りしきる雨よ、願わくば、僕らの罪のすべてを洗い流してくれ――。

人は、意図せず犯した罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。
暗転する事件の果て、二組の子供達がたどり着いた、慟哭と贖罪の真実とは?


すべては雨のせいだった。雨がすべてを狂わせた。
血のつながらない親と暮らす二組の兄弟は、それぞれに悩みを抱え、死の疑惑と戦っていた。
些細な勘違いと思い込みが、新たな悪意を引き寄せ、二組の兄弟を交錯させる。両親の死の真実はどこに? すべての疑念と罪を呑み込んで、いま未曾有の台風が訪れる。慟哭と贖罪の最新長編。

〈道尾秀介〉1975年東京生まれ。「背の眼」で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。「シャドウ」で第7回本格ミステリ大賞受賞。ほかの著書に「ラットマン」など。

内容詳細

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。

【著者紹介】
道尾秀介 : 1975年生まれ。2004年、『背の眼』で第五回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。2005年に刊行した『向日葵の咲かない夏』で注目を浴び、2007年には、『シャドウ』で、第七回本格ミステリ大賞を受賞した。ミステリの技法を駆使して、人間の深層心理を巧みに描き出す手腕は、高く評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kariya さん

    雨さえ降り続けなければ。限界を越えて溢れ出す憎悪と悪心、そして殺意。それぞれ血の繋がらない親と暮らす兄と弟、兄と妹はいつしかその濁流に飲み込まれていく。分かたれていた二つの流れが、やがて合わさり自分達も止められぬ力を持ち辿り着いた先には。変わらず読み手の目を暗ませつつ、灰色の空の下で展開される物語は陰鬱で哀しい。けれど雨風を生む龍に背を押されたとしても、悪しき行いを為すのが人であったように。嵐が去った後に荒れ果てた地を捨て置くのも、再び生くる場として時をかけて癒すのも、それもまた人次第なのだ。

  • がらは℃ さん

    全編通して雨が降り続く。その情景と同じように、重苦しく暑苦しく蒸し苦しい物語が描かれる。家族を信じられないならば、龍になるしかない。。。けれども、それは、、、。

  • れいぽ さん

    荒れ狂う暴風雨が観念的にせまってくるような息苦しさを感じた。家族を信じられるか?という問いかけは他人を信じられるか?ということにも等しい。兄は妹を思い、妹は兄をかばう。真実の裂け目は父親を飲み込み、暗い穴に「家族」を封じ込める。善良だと思っていた人物が真犯人として本性を現すドンデン返しは職人技の域だが、それまでの善良な描写が狂気を補完するものに転じてゾゾっとするのも道尾作品の特徴。兄弟の方はラストで光が差す。兄妹にも、いつか優しい雨が降ることを祈る。

  • えむ さん

    2613。蓮と楓の兄妹、辰也と圭介の兄弟の思い違い。それは殺意、不信に。P299「行動の結果は思わぬかたちとなって牙を剥き、人の運命を一瞬でコントロールしようとする。ときには人生の足場を跡形もなく消し去ってしまう。それでも最初の選択は人間の胸に押しつけれる。」道尾秀介二作目ですが、作風が好みです。

  • nyanco さん

    道尾作品なので、ミスリードがあると解って読んでいるのに、まんまとやられる。今回のテーマは、家族。ミステリー色は薄めですが、私は『片眼の猿』や『ラットマン』よりも好きな作品です。

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人物・団体紹介

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道尾秀介

2004(平成16)年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、’10年『龍神の雨』で大薮春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、’11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲

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