Invisible Man

Nyはブルックリン出身のソウル・ブラザー：Superstar Quamallah。惜しまれつつもこの世を去った、Blue Noteからのリリースでも知られるジャズ界のジャイアントJohn Pattonと、デザイナーとして活躍した母親を両親にもつサラブレット。70年代に盛り上がりをみせたブラックカルチャー・ムーヴメントから多大なる影響を受け黒人としてのアイデンティテイーを確立する。その後、ヒップホップにものめり込み自らのルーツでもあるジャズやソウルを基調としたサウンドを展開、1999年にはベイエリア屈指の名門アンダーグラウンド・レーベルAbb Recordsからのシングル「Don't Call Me John」を皮切りに数枚のシングルをリリース、コンピへの楽曲提供などを行ってきた。また同時にU.C.バークレイでアフリカ・アメリカンやヒップホップに関してのレクチャーや、5% Nation Of Islamなどに関しての執筆活動など"ブラック・カルチャー"全般のために活動を続けてきた。そのSuparstar Quamallahがボストンを拠点に地下で暗躍するアーティストを輩出し続けるBrickからフルアルバムをドロップ。Ralph Ellisonからタイトルを引用したという本作は、本人が一番好きだとする1983年から1994年にかけての"ブラック・カルチャー"において大きな変化があったというその時期のヒップホップにインスパイアーされたという。Kool G Rap「My Life」同ネタのチョップ＆フリップに、ハネた硬質かつソリッドなビートとボーカル・サンプリングのDj PremierマナーなM2で早くもノックアウト。キラキラ瞬くネタとフィルターの質感が90年代中期のサウンドをも彷彿とさせるM3。Superstar Quamallahらしいロマンティック＆メロウなM4、M5。日本人好みなメロウなネタのチョップとエッジの効いたビートのM7。エンハンスド仕様でp.V.も収録されたリード曲、グルーヴ感ばっちりのサンプリングのM8。再び十八番のロマンティック・メロウなM9。夢見心地な浮遊感漂うジャジーなヴァイヴを使ったレイドバックM10。そのタイトル通り93年のテイストそのままなM11。スタンダード・ナンバー「Feel Like Making Love」をサンプリングしたスムーズなM12。西海岸アンダーグラウンド・マナーなファット・シットM13。粗いビートとジャズのサンプルが90年代の雰囲気を感じさせるM14。自らのルーツであるジャズ、そしてソウル、ファンク...をヒップホップに融合させた好曲ばかり。そして、真剣に"ブラック・カルチャー"に向き合っているSuperstar Quamallahならではの熟考された知的な歌詞をジックリと聞かせる耳障りも良いフロウ。決して聞き逃せない素晴らしい内容に仕上がっております。