Titati

パコ・ダニョンはマリの南西部出身。ご多分に漏れずグリオ（世襲制伝統芸能集団）の家系に生まれ、幼い頃より伝統的なマリ音楽を学んだ彼女は、70年代前半よりプロの歌手として現地で活躍しはじめ、シラール・プロダクションのプロジェクト、マンデカルーに賛歌するなど、以後35年間に渡ってドメスティックなシーンでキャリアを築いてきました。そしてようやく彼女が掴んだビック・チャンスがこのソロ・アルバムのリリース。なんと本作は彼女にとって始めてのインターナショナル・アルバムとなりました。
まず素晴らしいのは、その力強くも気品溢れる歌声。芸歴からするとすでに50歳を越えているパコですが、その艶やかでソウルフルなヴォーカルからは、まるで若手のような活力が感じられます。そしてそんな彼女のヴォーカルを支えるバックの演奏にも注目で、なんとサリフ・ケイタの歴史的名盤『ソロ』でアレンジを手掛けたことで有名なフランス人音楽家フランス・ブレアンが今回アレンジを担当。アコースティック楽器だけを使い、ソフィスティケイトされたアレンジを見事作り上げました。基本はギターとパーカッションを中心にしたスタイルですが、そこに加えて西アフリカの伝統楽器も効果的につかわれていて、アマドゥ・ソジャがバロン奏者として参加しています。またフルートやハーモニカといった、普段あまりアフリカ音楽では使われない楽器が導入されている点や、曲によってはアラブ歌謡風のストリングスがフィーチャーされている点にも高いセンスが感じられます。（メーカー・インフォメーションより）