フランスとドイツの名曲とエジプトの音楽の組み合わせ
「ファラーシャ」〜ブレヴィル、サン=サーンス、ヒンデミットのソナタ、他
シンディ・モアメド (ヴィオラ)、ジュリアン・クァンタン (ピアノ)、他
珍しいプレヴィルのソナタは情感たっぷりの良作。第2次大戦末期の1944年、ドイツ占領下で83歳の時に書かれたものですが、肩の力の抜けた気楽さはヴィオラのゆったり感ともよく合います。
ヒンデミットのソナタはヴィオラの定番名曲。第1次大戦の兵役から戻り (父は戦死)、悲しみと安らぎの気持ちで迎えた終戦の年に書かれた作品。微妙に移ろう表情が絶妙です。
気分転換はメンデルスゾーンの無言歌「春の歌」と、エジプトのTVドラマ「ファテン・アマル・ハルビー」の主題歌の編曲。主人公のエジプト人女性ファテン・アマル・ハルビーが直面するエジプト社会の問題と彼女の法的な戦いなどを描いたドラマで、音楽は物悲しくも希望を感じさせる雰囲気。エジプトの民俗楽器、ウード (リュート属)とリク (タンバリンに似た楽器)の響きも良い感じです。
締めくくりはエジプト旅行を生涯に16回もおこなうほどエジプトが好きだったサン=サーンスの作品。第1次大戦終戦の翌々年、85歳のサン=サーンスが書いたファゴット・ソナタの人気曲をヴィオラに編曲したヴァージョンで、こちらもどこをとっても気負いのない語りかけるような音楽が魅力的です。
装丁はデジパック仕様で、ブックレット (ドイツ語、英語・16ページ)には、ドイツの音楽ジャーナリストでオルガニストのハンナ・シュミットによる解説などが掲載。
アルバム・タイトルの「ファラーシャ」は、アラビア語で「蝶」を意味する言葉です。
Berlin Classics ・
Brilliant Classics ・
Piano Classics ・
Neue Meister
演奏者情報
シンディ・モアメド (ヴィオラ)
1992年に南仏マルセイユに誕生。両親はエジプト人で、母が歌うアラビア語の歌やエジプトの映画音楽に親しむ一方、8歳からはヴィオラを学び、マルセイユ音楽院を卒業後、パリ国立高等音楽院とベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で研鑽を積み、現在は、名門クロンベルク音楽アカデミーでタベア・ツィンマーマンに師事。
既にオーケストラでの豊富な経験も積んでおり、ベルリン放送交響楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ、ベルリン・コーミッシェ・オペラといったオーケストラの首席奏者として活躍。また、サー・サイモン・ラトル、マレク・ヤノフスキ、ウラディーミル・ユロフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ、フランソワ・クサーヴァー・ロート、小澤征爾、ドナルド・ラニクルズといった著名な首席指揮者と共演する機会にも恵まれ、さらに、2013年からはダニエル・バレンボイム指揮のウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団のメンバーでもあります。
シンディは、ベアレス国際ヴァイオリン協会より貸与されたジャン=バティスト・ヴィヨーム作のヴィオラを使用しています。み系フランス人。同世代で最も将来を嘱望される音楽家の一人。ソリストおよび室内楽奏者として主要な音楽祭で定期的に演奏活動を行い、ルノー・カピュソン、イザベル・ファウスト、ローレンス・パワーといった著名なアーティストと共演しています。

トラックリスト (収録作品と演奏者)
CD 57'42
ピエール・ド・ブレヴィル (1861-1949 フランス)
ヴィオラ・ソナタ 19'52
1. 第1楽章 ほどよく 8'04
2. 第2楽章 とてもほどよく、少し遅く 5'37
3. 第3楽章 少し速く 6'11
パウル・ヒンデミット (1895-1963 ドイツ)
ヴィオラ・ソナタ Op.11-4 18'58
4. 第1楽章 幻想曲。穏やかに 3'14
5. 第2楽章 主題と変奏。穏やかで簡素、民謡のように 4'27
6. 第3楽章 フィナーレと変奏 11'17
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ (1809-1847 ドイツ)
無言歌 Op.62-6「春の歌」 (ヴィオラとピアノのための編曲)
7. アレグレット・グラツィオーゾ 2’29
ハレド・アル・カンマル (1990- エジプト)
「ファテン・アマル・ハルビー」より (ウード、ヴィオラ、リク、ピアノのための編曲)
8. 主題歌 3’07
カミーユ・サン=サーンス (1835-1921 フランス)
ファゴット・ソナタ Op.168 (1921年版) (ヴィオラとピアノのための編曲) 13’16
9. 第1楽章 アレグレット・モデラート 2'46
10. 第2楽章 アレグロ・スケルツァンド 3'51
11. 第3楽章 モルト・アダジオ - アレグロ・モデラート 6'39
シンディ・モアメド (ヴィオラ)
ジュリアン・クァンタン (ピアノ)
ワッシム・ムクダド (ウード)
セルダル・セダン (リク)
録音:2023年11月8日〜10日。ドイツ、バイエルン州、ミュンヘン、Studio 2/BR
Track list
Pierre de Bréville (1861-1949)
Viola Sonata
1. I. Modéré 08'04
2. II. Très modéré, presque lent 05'37
3. III. Un peu vite 06'11
Paul Hindemith (1895-1963)
Viola Sonata Op. 11 No. 4
4. I. Fantasie. Ruhig 03'14
5. II. Thema mit Variationen. Ruhig und einfach, wie ein Volkslied 04'27
6. III. Finale mit Variationen 11'17
Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
Lieder ohne Worte Op. 62
7. No. 6, Frühlingslied, Allegrtetto grazioso (Arr. for Viola and Piano by Hermann Ritter) 02'29
Khaled Al Kammar (1990- )
8. Faten Amal Harby (Version für Oud, Viola, Riq und Klavier) 03'07
Camille Saint-Saëns (1835-1921)
Bassoon Sonata Op. 168 (1921 Version) (Arr. for Viola and Piano by Léa Hennino)
9. I. Allegretto Moderato 02'46
10. II. Allegro scherzando 03'51
11. III. Molto adagio - Allegro moderato 06'39
Sindy Mohamed Viola
Julien Quentin Piano
Wassim Mukdad Oud
Serdar Saydan Riq
Recorded Nov 8-10, 2023 at Studio 2/BR