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Ullmann String Quartet No.3, Faure Piano Quintet No.1, Frank Martin Piano Quintet : Schumann Quartett, Hinrich Alpers(P)

Ullmann, Viktor (1898-1944)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
0303971BC
Number of Discs
:
1
Format
:
CD
Other
:
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Product Description


チューリヒに縁のある3人の作曲家による室内楽傑作の組み合わせ

マルタン:ピアノ五重奏曲、ウルマン:弦楽四重奏曲第3番、フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番
シューマン四重奏団、ヒンリヒ・アルパース (ピアノ)


親しみやすく多様な美しさに彩られた20世紀前半の室内楽アルバム。演奏はドイツのシューマン四重奏団とヒンリヒ・アルパースの共演によるもので、レコーディング会場はゲヴァントハウスの小ホール、サウンド・エンジニアはベテランのイェンス・シューネマンが担当。
  装丁はデジパック仕様で、ブックレット (ドイツ語、英語・20ページ)には、ゲヴァントハウスでドラマトゥルクアシスタントとして働くユリア・キーフナーイによる解説など掲載。

マルタン:ピアノ五重奏曲
20世紀の作曲家、フランク・マルタン[1890-1974]は、56年間スイスを拠点に活動したのち、亡くなるまでの28年間はオランダを拠点としていました。マルタンが若い頃、第1次大戦が勃発し、中立国スイスでも国境警備の任務などがあったため3年間の兵役に就いて作曲も継続、兵役明けの1918年にはオラトリオ「酒神讃歌」がアンセルメの指揮で初演されたほか、交際していた作家のオデット・ミシェリと結婚してチューリヒに転居。翌1919年に新居で書かれたのがこのピアノ五重奏曲で、マルタンならではの精巧な技法と、バッハのマタイ受難曲の影響、そして新婚マルタンの前向きな美しさが印象的な音楽で、妻に献呈されています。


ウルマン:弦楽四重奏曲第3番
1929年にジュネーヴの国際新音楽協会の音楽祭で「シェーンベルク変奏曲」で成功したウルマンは、1929年からチューリヒ劇場で作曲家・指揮者として活動していましたが、ルドルフ・シュタイナーの人智学にのめりこんでしまい、1931年にはシュトゥットガルトで人智学専門の書店を開業。しかし全く売れず、1933年に倒産したためプラハに帰還。その後、紆余曲折を経て1942年9月にはテレージエンシュタット強制収容所に移送されますが、第1次大戦でオーストリア陸軍中尉だったことから、余暇活動管理局の一員として労働が免除され、以後の2年間、音楽活動に専念することが可能でした。ウルマンは実際に数多くの作曲し (25曲現存)、1943年1月23日にはこの弦楽四重奏曲第3番を完成しています。収容所では検閲が殆ど行われなかったため、ヒトラーの暴政を揶揄したオペラ「アトランティスの皇帝」のリハーサルも1944年に順調に進んでいたほどでしたが、親衛隊当局の視察の際にその露骨な類似ぶりが問題になって上演準備は中止となり、同年10月にアウシュヴィッツに移送され、46歳で殺されることになります。
  ウルマンは最初、新ウィーン楽派のシェーンベルク一派の影響や支援を受けていましたが、やがてベルクと特に親しくなってその音楽に傾倒、さらにロマン派寄りの作品を書くようになります。弦楽四重奏曲第3番も聴きやすい作品で、ベートーヴェン「田園」終楽章の第1主題を分解したような、あるいはワーグナーやR.シュトラウスの甘美な場面を断片的に回想するような第1楽章から、過激なレントラー風の第2楽章を経て、第3楽章では「B-A-C-H」音型を巧みに引用・展開して十二音風な場面を創出することで、シュタイナー人智学における黄道十二宮の天界の音楽を示唆しているのかもしれません。そして第4楽章ではシューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」の第1楽章をどことなく想起させるなど、ウルマンの思いが詰まった音楽に仕上がっているように感じられます。


フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番
1887年の着想後、スケッチや断片的な作曲をする機会はあったものの、本格的に取り組むのは、聴覚の疾患を癒すために夏休みにスイスに滞在するようになった1903年からのことで、1904年の夏休みと1905年の夏休みを利用してチューリヒやローザンヌで作曲を進めて完成させています。作風は穏やかで明るく美しいもので、フォーレらしい官能美や憂愁の表情も味わえる仕上がりです。


Berlin ClassicsBrilliant ClassicsPiano ClassicsNeue Meister

 演奏者情報

ヒンリヒ・アルパース (ピアノ)
1981年、西ドイツのニーダーザクセン州ユルツェンに誕生。ハノーファーでベルント・ゲツケに師事し、ニューヨークのジュリアード音楽院でジェローム・ローウェンタールのスタジオに1年間在籍。ドイツのボンで開催された第3回国際テレコム・ベートーヴェン・コンクールで第1位、カナダのホーネンス国際ピアノ・コンクールで桂冠を受賞。ヨーロッパ、アメリカ、カナダをはじめとする多くの国々で、ソロと室内楽の両方で活動し、数多くの音楽祭やイベントに出演。教育にも携わっており、ハノーファー、ベルリン、リューベックで教鞭を執っていたほか、2021年にはドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学の教授に就任しています。
  レパートリーには、ベートーヴェン、シューマン、ラヴェルのピアノ作品全曲、そしてラフマニノフのピアノ協奏曲全5曲など、ピアノ音楽の礎となる作品が数多く含まれており、特に新ウィーン楽派 (シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン)、シマノフスキ、そしてスクリャービンの後期作品を得意としているほか、ジョン・ケージの作品も数多くとりあげ、プリペアド・ピアノのための「ソナタと間奏曲」も暗譜で演奏。
  ベートーヴェン生誕250周年にあたる2020年にはフランツ・リストの編曲によるベートーヴェン交響曲全曲をSONY Classicalからリリースしていたほか、同じくSONYでは、第一次大戦により28歳で亡くなったルディ・シュテファンの歌曲全曲と室内楽曲のプロジェクトにも参加していました。
  CDは、Berlin Classics、SONY Classical、Honens、Deutsche Grammophonなどから発売。


シューマン四重奏団
父はルーマニア系ドイツ人ヴァイオリニスト、母は日本人ピアニストという家庭に生まれたシューマン家の4人兄弟により、2007年にケルンで結成。メンバーは、第1ヴァイオリンがソリストとしても有名なエリック(1982- )、第2ヴァイオリンがケン(1986- )、ヴィオラがリーザ(1988- )、チェロがリーザと双子のマーク(1988- )。
  2009年には早くも注目され、デュッセルドルフにあるロベルト・シューマン・ホールのレジデント四重奏団に選ばれますが、リーザは同年にヴァイオリニストの活動に戻るため退団。2代目ヴィオラ奏者としてデュッセルドルフ交響楽団のアカデミー研修生の後藤彩子(1982- )が入団し、2012年まで3年間在籍。3代目はエストニアの音楽ファミリー出身のリーサ・ランダル(1986- )で、10年後の2022年にhr交響楽団 (フランクフルト放送響)の首席ヴィオラ奏者と、フランクフルト音楽演劇大学でヴィオラ講師を務めるため退団。そして4代目が現メンバーのファイト・ヘルテンシュタイン(1985- ) です。ヘルテンシュタインは今井信子の弟子で、日本での演奏回数も多い人物。
  シューマン四重奏団は、結成間もなくアルバン・ベルク四重奏団の指導を受けたほか、ギュンター・ピヒラー (アルバン・ベルク四重奏団)、ハラルト・シェーネヴェーク (ケルビーニ四重奏団)、ライナー・シュミット (ハーゲン四重奏団)、そして室内楽の名教師として世界的に有名なエバーハルト・フェルツらに師事。
  2011年、イタリア四重奏団第1ヴァイオリン奏者の名を冠した「パオロ・ボルチャーニ・コンクール」に入賞し、大阪国際室内楽コンクールでは2位を獲得。2012年、オーストリアのシューベルト&現代音楽国際コンクールで優勝し、翌2013年には権威あるコンクールとして知られるボルドー国際弦楽四重奏コンクールでも優勝。
  以後、世界的にキャリアを積み重ねており、2015年にはオーストリアのエステルハージ宮殿のレジデント四重奏団、2016年からニューヨークのリンカーン・センターのレジデント四重奏団 (2019年まで)を務めています。
  CDは、Berlin Classics、Ars Produktion、Deutsche Grammophon、SONY Classicalなどから発売。


 録音スタッフ

イェンス・シューネマン (サウンド・エンジニア)
アーノンクール、ヴェンゲーロフ、シュテンツ、キタエンコ、シモーネ・ヤング、シノーポリ、エマール、フレイレなど、多くのレーベルへの優れた録音でおなじみの人物。


 トラックリスト (収録作品と演奏者)

CD 69'50
フランク・マルタン (1890-1974)
ピアノ五重奏曲「妻へ」 (1919)  26'35
01. 第1楽章 アンダンテ・コン・モート  07'29
02. 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット  05'49
03. 第3楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ  07'44
04. 第4楽章 プレスト  05'33

ヴィクトル・ウルマン (1898-1944)
弦楽四重奏曲第3番 Op.46 (1943)  14'17
05. 第1楽章 アレグロ・モデラート  04'44
06. 第2楽章 プレスト  03'35
07. 第3楽章 ラルゴ  03'26
08. 第4楽章 ロンド・フィナーレ  02'32

ガブリエル・フォーレ (1845-1924)
ピアノ五重奏曲第1番 Op.89 (1905)  28'53
09. 第1楽章 モルト・モデラート  10'36
10. 第2楽章 アダージョ  10'30
11. 第3楽章 アレグレット・モデラート  07'47
ヒンリヒ・アルパース (ピアノ)
シューマン四重奏団
└ エリック・シューマン (第1ヴァイオリン)
└ ケン・シューマン (第2ヴァイオリン)
└ ファイト・ヘルテンシュタイン (ヴィオラ)
└ マーク・シューマン (チェロ)
録音:2024年10月13〜14日。ドイツ、ザクセン州、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス。
 Track list

Martin: Piano Quintet "A ma Femme"
1. I. Andante con Moto  07'29
2. II. Tempo di Minuetto  05'49
3. III. Adagio ma non Troppo  07'44
4. IV. Presto  05'33

Ullman: String Quartet No. 3, Op. 46
5. I. Allegro Moderato  04'44
6. II. Presto  03'35
7. III. Largo  03'26
8. IV. Rondo-Finale. Allegro vivace Ritmico  02'32

Faure: Piano Quintet No. 1, Op. 89
9. I. Molto Moderato  10'36
10. II. Adagio  10'30
11. III. Allegretto Moderato  07'47

Hinrich Alpers, Piano
Schumann Quartett
Erik Schumann, 1st Violin
Ken Schumann, 2nd Violin
Veit Hertenstein, Viola
Mark Schumann, Cello

Recorded: 13.—14. October 2024 at Gewandhaus zu Leipzig

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