ベッリーニ:歌劇「ノルマ」全曲(2CD)
エリノア・ロス、マリオ・デル・モナコ、フィオレンツァ・コソット
フェニーチェ劇場管弦楽団&合唱団、エットーレ・グラチス
装丁は2つ折りの6面デジパック仕様で、印刷面に、トラックリスト、録音データ、歌手名、指揮者名、合唱指揮者名、楽団名、合唱団名が記載されており、ブックレットは付属しません。
モンド・ムジカのフェニーチェ劇場シリーズ
ヴェルディ・エディション(30CD)
14作品収録(アイーダ、アッティラ、ドン・カルロ、エルナーニ、運命の力、椿姫、オテロ、他)
Mondo Musica 2929832MMB
ロッシーニ・エディション(14CD)
6作品収録(アルミーダ、セビリアの理髪師、ラ・チェネレントラ、幸運な欺瞞(欺かれた者たち)、アルジェのイタリア女、泥棒かささぎ)
Mondo Musica 2929831MMB
プッチーニ・エディション(9CD)
4作品収録(ラ・ボエーム、西部の娘、蝶々夫人、三部作)
Mondo Musica 2929830MMB
ランメルモールのルチア スコット(1973/ステレオ)
ばらの騎士 クルツ&ドレスデン(1982/ステレオ)
トリスタンとイゾルデ マズア(1971)
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演奏者情報
エリノア・ロス(ノルマ)
マリオ・デル・モナコ(ポリオーネ)
フィオレンツァ・コッソット(アダルジーザ)
イーヴォ・ヴィンコ(オロヴェーゾ)
エットーレ・グラチス(指揮)
モンド・ムジカとフェニーチェ劇場
ネーミング
オペラ黎明期の1600年代初頭から劇場文化が栄えていたヴェネツィアでは、劇場の火災も多く、また、劇場の運営をめぐる貴族や地主の争いも絶えず、1792年に開場したフェニーチェ劇場の名前も、劇場火災や運営難に打ち克つ願いを込めて「フェニーチェ(不死鳥)」と命名されたものでした。
最初の火災
しかし、その願いもむなしく、44年後の1836年には全焼してしまいますが、運営の貴族協会の努力によって翌1837年には再建。
幸運だった159年間
1844年には劇場照明が石油からガスに変更されたことで安全になり、1849年のオーストリア軍による気球爆弾攻撃や、1918年のオーストリア軍の攻撃、1945年の連合軍による爆撃の際にも被害に遭わないという幸運(=フェリーチェ)にも恵まれ、長大な歴史を刻んでいました。
2度目の火災
再建から159年目を迎える1996年、電気工事作業員の放火によりって劇場は全焼し、幸運な歴史も終わりを迎えることになります。フェニーチェ劇場は1937年からヴェネツィア市の運営となっており、再建には税公金が使われるため、以前のようにことがスムーズに運ばないことは確実でした。
市長が刑事過失で起訴
しかも、ヴェネツィアの捜査判事フェリーチェ・カッソンが、フェニーチェ劇場火災の責任は市にあるとして、マッシモ・カッチャーリ市長ら8名を刑事過失で起訴し、半年間劇場を閉鎖したため、再建工事の見通しが立たなくなるという混乱もありました。
フェニーチェ劇場側の対応
フェニーチェ劇場のメンバーは代替地で公演を重ねることになりますが、上演回数も減り、他劇場の使用料などで収益も減少するため、再建資金の一助とする目的のもと、フェニーチェ劇場の名前を用いたフル・プライスCDをリリースすることを決定。
CDリリースの開始
音源としてはフェニーチェ劇場の記録用の録音などが用いられ、それをミュンヘン、コジマ通りのレーベル、「Mondo Musica(モンド・ムジカ)」レーベルが、20ビットHDリマスタリングで整音し、同レーベルの「フェニーチェ劇場シリーズ」として製品化しています。カタログ番号は4系統で、オペラのヒストリカル系が「MFOH」規格、新録音系が「MFON」規格、コンサートのヒストリカル系が「MFCH」規格、新録音系が「MFCN」規格となっていました(生産はイタリア)。
再建工事開始
2000年にカッチャーリ市長が辞任し、臨時市長を経て5月にパオロ・コスタ市長が選ばれると再建計画が動き出し、2001年に再建工事を開始。2003年12月には無事開場へと漕ぎつけています。
レーベル復活
2024年7月、フェニーチェ劇場はハンブルクに引っ越し公演をおこない、その際にハンブルクの映像・音楽プロダクション「Black Hill Pictures(ブラック・ヒル・ピクチャーズ)」とライセンス契約し、Mondo Musicaレーベルのフェニーチェ劇場シリーズ音源がリリースされる運びとなります。
トラックリスト (収録作品と演奏者)
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ ( 1801-1835)
歌劇「ノルマ」全曲 126’49
CD1 56'35
第1幕
1. 序曲 5'24
第1場 紀元前50年頃のガリア地方。ドルイドの森
2. 「あの丘へ行け、ドルイド教徒たちよ」(オロヴェーゾ、ドルイド教徒たち) 9'11
第2場 ドルイドの森
3. 「声が消え去り〜我と共にヴィーナスの祭壇へ」(ポリオーネ) 7'45
第3場 ドルイドの森
4. 「ノルマがやって来る」(ドルイド教徒たち) 4'05
第4場 ドルイドの森
5. 「扇動する声が、戦の声が〜清らかな女神よ」(ノルマ) 15'27
第5場〜第6場 ドルイドの森
6. 「聖なる森には誰もいない〜冷たい人よ、無慈悲な神のもとへ行け」(アダルジーザ、ポリオーネ) 15'50
第7場〜第8場 ノルマの家
7. 「行って、この子たち二人を隠して〜ひとりひそかに神殿へ」(ノルマ、アダルジーザ) 15'31
CD2 70'14
第8場〜第9場
1. 「でも教えて〜ああ、震えるな、裏切り者よ!」(ノルマ、アダルジーザ、ポリオーネ) 9'17
第2幕
第1場〜第3場 ノルマの家
2. 「二人とも眠っている」(ノルマ) 12'32
第3場 ノルマの家
3. 「ああ! お前と共に、お前と共に、彼らを連れて行くのだ!」(ノルマ、アダルジーザ) 11'05
第4場〜第5場 ドルイドの森
4. 「まだ出発していないのか〜ああ! ローマの支配下におかれ」(ガリアの戦士たち、オロヴェーゾ) 9'06
第6場〜第7場 イルミンスルの神殿
5. 「彼は戻ってくる」(ノルマ) 5'25
第7場〜第9場 イルミンスルの神殿
6. 「戦いだ! 戦いだ!」 4'43
第10場〜最終場 イルミンスルの神殿
7. 「ついにあなたは私の手の中に」(ノルマ、ポリオーネ) 9'54
最終場 イルミンスルの神殿
8. 「あなたが裏切った心が、あなたが失った心が」(ノルマ、ポリオーネ) 11'49
演奏
ノルマ(ドルイド教の巫女の長。オロヴェーゾの娘):エリノア・ロス
ポリオーネ(ローマ帝国のガリア地方総督):マリオ・デル・モナコ
アダルジーザ(若いドルイド教の巫女):フィオレンツァ・コッソット
オロヴェーゾ(ドルイド教の長):イーヴォ・ヴィンコ
クロティルデ(ノルマの友人):リチア・ガルヴァーノ
フラーヴィオ(ポリオーネの友人):マリオ・グッジャ
ドルイド教徒たち、ガリアの戦士たち:フェニーチェ劇場合唱団
合唱指揮:コッラード・ミランドラ
フェニーチェ劇場管弦楽団
指揮:エットーレ・グラチス
録音:1966年12月15日。ヴェネツィア(ライヴ/ステレオ)
フェニーチェ劇場 簡易年表
1774年
●2月。ヴェネツィアの劇場の中でも有名だったサン・ベネデット劇場が火災で焼失。同劇場は、グリマーニ家がヴェニエル家の土地に、ヴェニエル家とティエポロ家の資金援助を得て建設した豪華な劇場で1755年に開場。1766年には資金難により、所有権がヴェネツィアの貴族協会(ノービレ・ソチエタ)に移行していました。
●12月。サン・ベネデット劇場が馬蹄形の劇場として急ピッチで再建され、アンフォッシの「オリンピアーデ」で開場。
1786年
●ヴェネツィアの貴族協会は、サン・ベネデット劇場の所有権をめぐる訴訟で、土地の所有者でもあるヴェニエル家に敗訴し、劇場所有権を譲渡。ほどなく名前もヴェニエル劇場に変更されています。
1787年 建設決定
●ヴェネツィアの貴族協会は、前年に所有権を手放したサン・ベネデット劇場に代わる新しい劇場を手に入れるため、新たに建設することを決定。当時多かった劇場火災や運営難に打ち克つ願いを込めて「フェニーチェ(不死鳥)」と命名。
1789年
●11月。ヴェネツィアの貴族協会により、フェニーチェ劇場の設計コンペが開催。ジャナントニオ・セルヴァが選ばれます。同年5月にはフランス革命が勃発していました。
1792年 開場
●4月。フェニーチェ劇場が落成。約1,500席の大劇場。ボックス席は均等サイズで174。同月にはフランスがオーストリアに宣戦布告してフランス革命戦争が勃発。
●5月。パイジェッロの「アグリジェントの競技会」でフェニーチェ劇場が開場。
1797年
●ナポレオンの侵略によりヴェネツィア共和国政府が崩壊。カンポ・フォルミオ条約によりオーストリア帝国領となり、1,100年に及ぶ共和国の歴史に幕。
1825年
●フェニーチェ劇場の大規模な修復をジュゼッペ・ボルサートに委託。
1828年 改装
●12月。ボルサートによる改装が完了。
1836年 火災
●12月。火災によりフェニーチェ劇場が焼失 。新規導入されたオーストリア製の暖房が原因とされ、3日間にわたって燃え続けています。
1837年 再建
●12月。フェニーチェ劇場の再建が完了し開場。演目はジュゼッペ・リッロの「ラヴェンナのロスムンダ」。
1844年
●フェニーチェ劇場の照明が石油からガスに変更。
1848年
●3月。1848年革命によりもたらされた民衆蜂起により「サン・マルコ共和国」が誕生。ほどなくフェニーチェ劇場のロイヤル・ボックス席も廃止され、通常のボックス席に変更。
1849年
●8月。オーストリア帝国政府が蜂起を鎮圧して統治を回復。オーストリア軍は、軍艦から気球爆弾を運用してヴェネツィア市街に軽微ながらも被害を与えており、これが世界初の空中からの軍事攻撃とされています。また、占領後、オーストリア政府はフェニーチェ劇場のロイヤル・ボックス席の再建を決定。
1866年
●10月。普墺戦争でイタリア王国がプロイセン側で参戦し、オーストリア側が敗北したことにより、イタリア王国がヴェネツィアを併合。フェニーチェ劇場のロイヤル・ボックスにサヴォイア家の紋章が設置。
1876年
●フェニーチェ劇場を所有していた「貴族協会(ノービレ・ソチエタ)」が解散。
1892年
●フェニーチェ劇場に電灯が導入。また、運営組織が法人化。
1937年 市営化
●ヴェネツィア市がフェニーチェ劇場の所有権を取得。エウジェニオ・ミオッツィに大規模改修を委託。
1938年 改装
●ミオッツィによる改装が完了。
1946年
●イタリア共和国の誕生に伴い、サヴォイア家の紋章がサン・マルコのライオンの紋章に変更。
1954年 ヴィスコンティ映画に登場
●12月。フェニーチェ劇場が冒頭15分間に渡って登場するテクニカラー映画、ルキノ・ヴィスコンティの「夏の嵐」が公開。舞台で演奏されているのは「トロヴァトーレ」。
1996年 火災
●1月。電気工事作業員の放火によりフェニーチェ劇場が全焼。
1997年 CDリリース開始
●再建資金の一助とするため、フェニーチェ劇場の記録音源などを用いたフル・プライスCDのリリースを開始。ミュンヘン、コジマ通りのレーベル、「Mondo Musica(モンド・ムジカ)」レーベルにより、20ビットHDリマスタリングがおこなわれ、フェニーチェ劇場シリーズとして製品化。カタログ番号は4系統で、オペラのヒストリカル系が「MFOH」規格、新録音系が「MFON」規格、コンサートのヒストリカル系が「MFCH」規格、新録音系が「MFCN」規格となっています(生産はイタリア)。
2001年
●フェニーチェ劇場の再建工事開始。
2003年 再建
●12月。フェニーチェ劇場再建完了し、リッカルド・ムーティ指揮のコンサートで開場。
2024年
●7月。ハンブルクのエルプ・フィルハーモニーで引っ越し公演。
●ハンブルクの映像・音楽プロダクション「Black Hill Pictures(ブラック・ヒル・ピクチャーズ)」がフェニーチェ劇場とライセンス契約し、Mondo Musicaレーベルのフェニーチェ劇場シリーズ音源のリリースを開始。
Track list
Vincenzo Bellini 1801-1835
NORMA
CD1 56'35
01. Sinfonia 5:24
ATTO PRIMO
02. Coro d'introduzione e Cavatina 9:11
“Ite sul colle, o Druidi” (Oroveso)
03. Recitativo e Cavatina 7:45
“Meco all' altar di Venere” (Pollione)
04. Coro 4:05
“Norma viene: le cinge la chioma”
05. Scena e Cavatina 15:27
“Casta Diva, che inargenti” (Norma)
06. Scena e Duetto 15:50
“Va, crudele, al Dio spietato” (Adalgisa, Pollione)
07. Scena e Duetto 15:31
“Sola, furtiva, al tempio” (Norma, Adalgisa)
CD2. 70'14
01. Scena e terzetto. Finale primo. 9:17
“Oh non tremare, o perfido” (Norma, Adalgisa, Pollione)
ATTO SECONDO
02. Scena 12:32
“Dormono entrambi” (Norma)
03. Scena e Duetto 11:05
“Deh! Con te, con te li prendi” (Norma, Adalgisa)
04. Coro e Sortita 9:06
„Ah! Del Tebro al giogo indegno“ (Oroveso)
05. Scena 5:25
“Ei tornerà” (Norma)
06. Coro 4:43
“Guerra! Guerra!”
07. Scena e Duetto 9:54
“In mia mano alfin tu sei” (Norma, Pollione)
08. Scena ed Aria finale 11:49
“Qual cor tradisti, qual cor perdesti” (Norma, Pollione)
Norma: Elinor Ross
Pollione: Mario Del Monaco
Adalgisa: Fiorenza Cossotto
Oroveso: Ivo Vinco
Clotilde: Licia Galvano
Flavio: Mario Guggia
Orchestra e Coro del Teatro La Fenice
Maestro del coro: Corrado Mirandola
Direttore: Ettore Gracis
Live Recording: 15-12-1966, Venezia