フィッシャー=ディースカウ未発表ライヴ録音集 1960-1971
20世紀声楽界の巨人ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ[1925-2012]、2025年5月28日の生誕100年を記念して、SOMMレーベルは「Music Preserved」の協力で1960年から1971年の間に行われたコンサートのライヴ録音から選ばれた音源をCD化しました。レーベルによればすべて初CD化とのこと。
選ばれたのは、収録順に(1)ゲーテの詩によるブゾーニの歌曲、(2)ゲーテの詩による様々な作曲家の歌曲、(3)マーラーの歌曲、(4)コダーイ指揮ロンドン響と共演したコダーイ歌曲。「Discogs」や「Michael Gray」のウェブサイトでもフィッシャー=ディースカウのコダーイは見当たらず、初のレパートリーと思われます。ハンガリー語での歌唱と言う点でも注目されます。収録曲全体を通じて、壮年期の彼らしい明るく力強い歌唱が非常に印象的。
ディスク2には、音楽家のドキュメンタリーや著作で知られるジョン・トランスキーがフィッシャー=ディースカウの75歳と80歳の記念に行ったインタビュー(英語)を収録。シューベルトからワーグナー、マーラー、ヴェルディ、メシアン、ブリテンなどの作品やオペラの役柄の解釈、フルトヴェングラー、カラヤンといった共演者について語られています。
ブックレットにはトランスキーによる解説(英語)に加え、リチャード・ジャーマンによる曲目解説と歌詞(原語)、その英語訳が掲載されています。インタビューの文字起こしはありません。
レーベルによれば、ディスク1の05-10(ヘルシンキ音楽祭での録音)はオリジナルのテープが紛失しているため、BBCによる中継を音源としており、音質に若干の難があるものの、その出来栄えが素晴らしいのでリリースするとのことです。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1(72分)
ブゾーニ[1866-1924]:
01. 不機嫌の歌 BV.281
02. ジプシーの歌 BV.295a
03. みじめな慰め BV.298a
04. メフィストフェレスの歌 BV.278a
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
録音:1962年5月14日 ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(モノラル/ライヴ)
05. アンナ・アマリア・フォン・ザクセン=ヴァイマール=アイゼナハ[1739-1807]:田舎で、街で
06. ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト[1752-1814]:臆する心
07. カール・フリードリヒ・ツェルター[1758-1832]:お似合い同士
08. リヒャルト・シュトラウス[1864-1949]:見いだされたもの Op.56-1, TrV.220-1
09. マックス・レーガー[1873-1916]:孤独 Op.75-18
10. ブゾーニ:ジプシーの歌 BV.295a
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
アーウィン・ゲージ(ピアノ)
録音:1971年9月6日 ヘルシンキ、文化の家(モノラル/ライヴ)
グスタフ・マーラー[1860-1911]:
11. 若き日の歌〜第11番『夏の交代』
12. 若き日の歌〜第6番『悪い子を良い子にするには』
13. 若き日の歌〜第14番『うぬぼれ』
14. リュッケルトの5つの歌〜第1番『私はほのかな香りをかいだ』
15. リュッケルトの5つの歌〜第3番『私の歌を覗きこまないで』
16. リュッケルトの5つの歌〜第5番『真夜中に』
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
カール・エンゲル(ピアノ)
録音:1970年7月6日 ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(モノラル/ライヴ)
ゾルターン・コダーイ[1882-1967]:
17. 2つの歌 Op.5, K.34〜第1番『A kozelito tel』
18. 2つの歌 Op.5, K.34〜第2番『Sirni, sirni, sirni』
19. Kadar Kata K.127
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ロンドン交響楽団
ゾールタン・コダーイ(指揮)
録音:1960年6月3日 ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(モノラル/ライヴ)
Disc2(73分)
● フィッシャー=ディースカウ75歳記念インタビュー(2000年、ステレオ)
● フィッシャー=ディースカウ80歳記念インタビュー(2005年、モノラル)