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Female Composers (25CD)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
BRL97434
Number of Discs
:
25
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description


ヒルデガルト・フォン・ビンゲンから望月京まで35人!

女性作曲家ボックス(25CD)

アンサンブル・サン・フェリーチェ、カペッラ・ディ・サンタ・マリア・デリ・アンジョリーニ、カペッラ・アルテミジア、カント・フィオリート、アレグリ弦楽四重奏団、他

需要と社会の変化
近年、知られざる作品のレコーディングやコンサートが増えつつあります。背景には、さまざまな歴史的資料に関する検証や研究が進み、そうした情報が目に触れやすくなったことに加え、価値観の多様化や社会のフラット化という大きな流れがあるとも考えられます。

ブリリアント・クラシックスの取り組み
ブリリアント・クラシックス・レーベルはこれまで、音楽史を再検証するかのように知られざる作品をとりあげ、女性作曲家の作品紹介にも熱心でしたが、今回、それらの中から25枚が選ばれ、手軽に楽しめるセットになったのは朗報です。

ほぼ年代順の並び
各ディスクの収録作曲家は、CD1からCD24までは基本的に1人で(CD12とCD16のみ2人)、CD25の現代チェンバロ・アルバムのみ10人構成で、計35人の収録となっています。

ブックレット
英グラモフォン誌や英ストラッド誌でもおなじみのピーター・クァントリルによる、各作曲家についての簡潔でわかりやすい書き下ろし解説が掲載(英語・12ページ)。

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 約900年の歴史
 時代別

心あらわれるような中世のヒルデガルト・フォン・ビンゲンから、現在活躍中の多国籍な作曲家たちによるアイデア満載の作品に至るまで、35人の作風はまさに多様。
  作曲家たちの出生場所の名前も多様です。「神聖」が付く前のローマ帝国から、トスカーナ大公国、ヴェネツィア共和国、ミラノ公国、フランス王国、フランス共和国、フランス帝国、ローマ=ドイツ帝国、ザクセン王国、アメリカ合衆国、オーストリア=ハンガリー帝国、グレートブリテン及びアイルランド連合王国(北が付かない)、アルゼンチン共和国、オスマン帝国、ロシア帝国、ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国、ソヴィエト社会主義共和国連邦タタール自治共和国、ドイツ国、キューバ共和国、フランス保護領モロッコ、イタリア共和国、イギリス領ホンジュラス、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)、アイスランド共和国、ラトヴィア・ソヴィエト社会主義共和国、そして日本国といった具合です。
  以下、約900年の歴史から音楽家と関わることを挙げておきます。

 中世

温暖化
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽の前向きなピュアな美しさには、当時の気候も影響しているかも知れません。12世紀から15世紀にかけての中世ヨーロッパは、気候の温暖化によって人口が3倍になり、農業収穫が増えて経済が栄え、超巨大なゴシック建築のブームが起きたり、遠洋航海が盛んになり大航海時代に繋がったりしています。

 16〜17世紀

植民地
16〜17世紀に本格化したスペイン、ポルトガル、イギリスなどによる中南米の植民地化は宗主国に莫大な富をもたらす一方で、植民地に宗教施設や音楽などの文化施設ももたらし、やがて現地の文化の影響を受けた独自の建築や美術、文学、音楽などが誕生することになり、現代のタニア・レオンエロリン・ウォーレンにも繋がっています。
宗教改革
1517年に始まったルターの宗教改革によりプロテスタントが誕生し、北ドイツや北欧などの地域では、カトリックの修道院や教会が略奪・破壊されたりする一方、ルター派による「領邦教会制」の導入が音楽家雇用の流動性向上にも繋がり、また、トーマス教会のような大型のカトリック教会の場合はルター派に転用するなどしていたので、ルター派の音楽家には好都合だった面もありますが、女性の宗教音楽家はカトリックの修道院に限られていました。
三十年戦争
宗教改革最終段階の三十年戦争[1618-1648]はドイツ各地に深刻な被害と極度のインフレをもたらして経済が悪化、宗派が領主と一致しない貴族や富裕層が、ヴェネツィアなどの宗教寛容国に移住するようになります。

 17〜18世紀

ヴェネツィア共和国
一方、同じイタリア地域でも、独立を保っていたヴェネツィア共和国は宗教寛容国として巨額の貿易や富裕層集結により栄えて自由を謳歌し、ストロッツィの芸風も自由奔放。そのヴェネツィア共和国も18世紀に入ると衰退していたため、同地に生まれた没落貴族の娘ロンバルディーニ・シルメンは主に国外で活躍しています。

メディチ家
15世紀に黄金時代を迎えていたメディチ家は、紆余曲折を経て16世紀にはトスカーナ大公国を支配するようになり、カッチーニが宮廷音楽家として活躍。彼女はメディチの王女と結婚したフランス国王アンリ4世の宮廷でも演奏していました。
ハプスブルク家
スペイン帝国(ハプスブルク)は中南米植民地運営で得た財源をバックにまだ強大な力を維持しており、イタリア各地も支配。修道女メーダレオナルダもスペイン支配下のミラノ公国で生活していましたが、18世紀に入るとオーストリアのハプスブルクに支配者が交代しています。

 18〜19世紀

ブルボン家
16世紀末のアンリ4世から始まったフランスのブルボン朝はルイ14世の時代に全盛期を迎え、多くの音楽家が宮廷で雇われ、ジャケ・ド・ラ・ゲールが作曲家として演奏家としてルイ14世の信頼を得てもいました。

巨大噴火
1783年のアイスランド巨大噴火の長期に渡る影響で、北半球では何年も続く悪天候により各地で凶作となり、食糧事情が悪化して暴動要因に。
フランス革命
食糧や租税への不満や反政府プロパガンダの成功によりフランス革命が勃発。宮廷資産や教会資産の占拠・転売などに加えて、革命政府が他国にも侵攻・略奪を繰り返したため、音楽家たちの雇用環境が激変。
  フランスでの宮廷雇用は無くなるものの、庶民サレットがパリ音楽院を開校し、貴族のエレーヌ・モンジュルーが働くなど新たな局面を迎えています。

産業革命
イギリスの産業革命の波はやがて各地に波及。労働人口確保(人口移動)や教育の普及を促し、特に1848年革命以降は世界規模で人口移動がおこなわれるようになり、また、小国乱立だったドイツやイタリアも大国化。折からの各国の帝国主義や金融が世界をかき回し、軍備も強大化する一方で、教育機関も急速に数を増やし、教育者の需要が高まり音楽家の雇用も増大。

 19〜20世紀

ナポレオン後のフランス
1812年にロシアで敗北したナポレオンのフランス帝国は、ほどなく王政に切り替わりブルボン朝が復活してアルジェリアを植民地化(のちのモロッコ植民地化にも繋がり、やがてグラシアーヌ・フィンジも誕生)。しかしブルボン朝への国内の不満は大きく、1830年には7月革命によりオルレアン朝が誕生するものの、パリ音楽院教授に就任したルイーズ・ファランクは男女不平等の賃金で、1848年革命後の第2共和政下でようやく改善。
第1次大戦と革命
第1次大戦やロシア革命、ドイツ革命により、ドイツ、オーストリア、ロシアでもついに宮廷が廃止され、音楽家の宮廷雇用が無くなった反面、民間組織や自治体運営組織が増え始めます。
  ロシア革命で生まれたソ連では、帝国時代には考えられなかったほどの女性の社会進出が実現し、ウストヴォリスカヤグバイドゥーリナも活躍。
  音楽教育機関やオーケストラの数は世界各国で順調に伸び、教職や楽団関連業務は作曲家の重要な仕事として定着。

大恐慌
第1次大戦で両陣営相手に巨額の取引をおこなって大国化したアメリカの金融バブルが1929年にはじけて資本主義世界に深刻な影響。民間資本による音楽関連事業が衰退し、ヨーロッパ諸国では自治体の補助が不可欠に。

民族迫害
1930年代から本格化したユダヤ人迫害による大規模な国外移住によってアメリカの音楽関連人材が増加する一方(マムロック)、第2次大戦ではドイツのユダヤ人絶滅政策により多くの音楽家も絶命。
 第2次大戦後

冷戦
戦後は経済システムの違いによる東西分断が40年以上続きますが、音楽産業については、東西の壁を超えた往来もおこなわれ、公演や教育での交流も盛んでした。

多様化
技術の進歩により、放送やレコード産業の影響力が拡大して音楽家の仕事に深く関わり。また、劇場やオーケストラ、音楽祭、コンクールなども自治体の補助など受けながら作品委嘱や個別契約をおこなうことで作曲家と関係を結んでおり、音楽家雇用の多様化や多国籍化が進んでいます。

 トラックリスト (収録作品と演奏家)
 作曲家一覧 (生年順)

【中世】

CD1 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン [1098–1179]: 天の啓示による調和のシンフォニア (巨大写本より)

【16〜17世紀】

CD2 フランチェスカ・カッチーニ [1587–1640s]: 宗教歌と世俗歌

【17〜18世紀】

CD5 バルバラ・ストロッツィ [1619-1677]: ソプラノとアンサンブルのための作品集
CD4 イザベラ・レオナルダ [1620-1704]: 声と弦楽のための作品集
CD3 ビアンカ・マリア・メーダ [1661?–1732/33]: モテット集
CD6 エリザベト=クロード・ジャケ・ドゥ・ラ・ゲール [1665-1729]: チェンバロ作品集

【18〜19世紀】

CD8 マッダレーナ・ロンバルディーニ・シルメン [1745-1818]: 弦楽四重奏曲集
CD7 エレーヌ・ド・モンジュルー [1764-1836]: フォルテピアノ・ソナタ集

【19〜20世紀】

CD9 ルイーズ・ファランク [1804-1875]: 室内楽作品集
CD10 ファニー・メンデルスゾーン [1805-1847]:  ピアノ・ソナタ集
CD11 クララ・シューマン [1819-1896]: ピアノ作品集
CD12 クララ・シューマン [1819-1896]: ピアノ三重奏曲
CD14 ポリーヌ・ヴィアルド [1821–1910]: 歌曲集
CD13 セシル・シャミナード [1857-1944]: ピアノ作品集
CD18 メラニー・ボニス [1858-1937]: フルートとピアノのための作品集
CD17 エイミー・ビーチ [1867-1944]: ピアノ作品集
CD16 アルマ・マーラー [1879-1964]: 歌曲集
CD15 ドーラ・ペヤチェヴィチ: [1885-1923] ピアノ作品集
CD12 レベッカ・クラーク [1886-1979]: ピアノ三重奏曲
CD19 ジェルメーヌ・タイユフェール [1892–1983]: ピアノ作品集

【20〜21世紀】

CD22 マリア・ルイサ・アニード [1907-1996]: ギター作品集
CD21 コハリック・ガザロシアン [1907-1967]: ピアノ作品集
CD23 グラジナ・バツェヴィチ [1909-1969]: ピアノ作品集
CD24 ガリーナ・ウストヴォリスカヤ [1919-2006]:  ピアノ・ソナタ集
CD25 ウルズラ・マムロク [1923-2016]: 「3つのバガテル」
CD20 イーダ・プレスティ [1924-1967]: 2台のギターのための作品集
CD25 ソフィア・グバイドゥーリナ [1931- ]: 「リトルノ・ペルペトゥオ」
CD25 タニア・レオン [1943- ]: 「トゥンバオ」

【第2次大戦後】

CD25 グラシアーヌ・フィンジ [1945- ]: 「エスプレッシーヴォ」
CD16 パトリツィア・モンタナーロ [1956- ]: 歌曲「ペネロペの歌」
CD25 エロリン・ウォーレン [1958- ]: 「ルイ・ループス」
CD25 オーガスタ・リード・トーマス [1964- ]: 「ファイヤー・ワルツ」
CD25 望月 京 [1969- ]: 「メビウス・リング」
CD25 カローラ・オベルミュラー [1977- ]: 「女たちの組曲」
CD25 サンタ・ラトニエチェ [1977- ]: 「ミラ」
CD25 アンナ・ソルヴァルドスドッティル [1977- ]: 「インプレッションズ」


原語リスト
 CD1 58'15
 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン 1098–1179


天の啓示による調和のシンフォニア (上の画像の巨大写本「リーゼンコーデックス」より)
1.  「おお、神々の教会よ(アンティフォナ)」 67 教会の奉献式で (IV) − 「主に向かって喜び歌おう(詩篇94篇)」  5'48

2.  「おお、きらめく星の光よ(I アンティフォナ)」 68 (IV) - 「主に信頼を置いて(詩篇10篇)」  7'27

3.  「おお、美しいおもだち(II アンティフォナ)」 38 処女について (IV) − 「幸いな人よ(詩篇1篇)」  6'32

4.  「今、彼らを喜ばせましょう(III アンティフォナ)」 57 教会の奉献式で (IV) − 「聖なる山における彼の基盤(詩篇86篇)」  5'14

5.  「御身が唇に恵みを(一行詩)」  1'26

6.  「ベネディクティオ i、レクティオ I」 神の御業の書  5'53

7.  「おお、いと気高き若々しさ(レスポンソリウム I) 39 あるいは処女について (VI)  5'13

8.  「ベネディクティオ ii、レクティオ II」 神の御業の書  4'52

9.  「おお、高貴な人の模倣者たちよ(レスポンソリウム II)」 (VI)  4'06

10.  「ベネディクティオ iii、レクティオ III」 神の御業の書  4'53

11.  「おお、幸いなる魂よ(レスポンソリウム III)」 64 (III)  5'37

12.  「神よ、汝の処女ヒルデガルトを祝福した者よ(祈り)」  1'07

バルバラ・ザニケッリ(ソプラノ)
アンサンブル・サン・フェリーチェ
声楽
└ クリスティーナ・バニョーリ
└ エヴァ・マベリーニ
└ グーヤ・マベッリーニ
└ マルガレート・マンテル
└ ジューリア・ペーリ
└ レティツィア・プティニャーノ
└ クリスティーナ・ラマツィーニ
└ 鳥居紀子
器楽
└ アデーレ・バルダッツィ(ゴシック・ハープ)
└ エレナ・サルトリ(ポルタティフ・オルガン)
└ フェデリコ・バルダッツィ(指揮、ヴィエール)
教会の鐘(トラック5、11)

録音:2007年10月、カジニャーノ、サン・ザノビ教会
 作曲家情報

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン (作曲、著述、ベネディクト会修道女)
誕生
◆1098年夏頃(5月1日から9月17日にかけての範囲)に誕生。生地はローマ帝国マインツ大司教区で、下記の3箇所のどれかと推測されています。
✠ ベルマースハイム(マインツの南約35km。ベルメルスハイムとも)
✠ ホーゼンバッハ(マインツの南西約65km。現・ニーダーホーゼンバッハ)
✠ ベッケルハイム(マインツの南西約40km。現・シュロスベッケルハイム)

両親
◆父はホーゼンバッハ、もしくはベッケルハイム出身の騎士ヒルデベルト、母はその妻メヒティルト。ヒルデガルトは10人目の子供だったため「十分の一税」の一環として修道院行きになったとされています(記録では8番目の子供という説も)。
幻視
◆1103年、5歳から始まったとされる(3歳説も)ヒルデガルトの「幻視」の光や暗転は、現在では、非常に極端な「閃輝暗点」や、強度の片頭痛が原因で引き起こされたのではないかと推測されてもいます。

シュポンハイム城で修業
◆1106年、8歳からシュポンハイム(マインツの南西約43km。ディジボーデンベルクの近く。シュパンハイムとも)伯シュテファン2世の娘ユッタ(ユーディト)による詩編、ラテン語、聖書のほか、グレゴリオ聖歌やプサルテリウム(撥弦楽器)についての指導がユッタのシュポンハイムの居城で開始。

修道院敷地の庵で修業
◆1112年、ヒルデガルトが14歳になると、ユッタとともにディジボーデンベルク(マインツの南西約45km。ベッケルハイム、シュポンハイムの近く。ライン川支流ナーエ川近く)のベネディクト会男子修道院であるディジボーデンベルク修道院の敷地の庵に、ユッタともう一人の女性とともに入居し、3人で修道生活を開始。ほどなくディジボーデンベルク修道院の修道士フォルマーも指導に加わります。

ディジボーデンベルク女子修道院
◆1114年、ディジボーデンベルクの修道院の庵が正式に女子修道院として認可。ユッタが院長となり、付近の貴族の子女も集まって規模も拡大。
◆1136年、ユッタが46歳で亡くなると、約10人の修道女たちは全員一致で38歳のヒルデガルトを院長に選出。
◆1141年、43歳のヒルデガルトは、それまでに経験したことのない強烈な「幻視」を体験し、フォルマー修道士から知らされた修道院長とマインツ大司教の望みもあり、「幻視」の内容の記録を開始。ヒルデガルトの秘書でもある修道女シュターデの力を借りて執筆が進められ、10年後に文章とイラスト、楽譜から成る「道を知れ」(主の道を知れの略)として完成に至ります。

修道院設立計画
◆1147年、修道女の数が増えて収まりきらなくなったため、ヒルデガルトは、ライン川に面したルペルツベルク(マインツの西微南約27km。ルパーツベルクとも。ナーエ川を挟んで東隣はビンゲン)に新たな女子修道院設立を計画。同所は、20歳で亡くなった聖人ルペルト・フォン・ビンゲン(ルパート・フォン・ビンゲンとも)[c.712-c.732]のゆかりの地。
◆1147年、ディジボーデンベルク修道院の院長は、彼女ら女子修道院の人気が本体の修道院にも好影響を与えていたため、設立に反対して計画は難航。やがてヒルデガルトの秘書シュターデの母親である侯爵夫人の介入により解決。

ルペルツベルク修道院
◆1150年、18人の修道女とともにルペルツベルクに移り住んだヒルデガルトらは、周囲の畑でワイン用のぶどうを栽培し、収益で修道院の増築を重ねて大規模化。
◆1158年、説教旅行(マインツとヴュルツブルク。1159年まで)
◆1160年、説教旅行(トリアーとメッツ)
◆1161年、説教旅行(ライン川を下ってケルンまで到達。1163年まで)
◆1163年、ルペルツベルク修道院に対して神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世(バルバロッサ)から保護令を布告。
◆1165年、ヒルデガルトは、庶民子女のための女子修道院をライン川対岸の丘の町、アイビンゲン(マインツの西微南約23km)に設立。
◆1170年、説教旅行(シュヴァーベン地方。1171年まで)
◆1178年、破門疑惑のある貴族の埋葬に関して、大司教不在のマインツ大司教区本部から非難され、ヒルデガルトはその貴族が死ぬ前に教会と和解していたと説明するものの、大司教区本部は、ルペルツベルク女子修道院での、鐘・歌・演奏を禁じます。
◆1179年、大司教が3月にマインツに戻り、さらにヒルデガルトの主張を支持する証人も現れたことで、鐘・歌・演奏の禁止令は解除。
◆1179年9月17日、神聖ローマ帝国マインツ大司教区ルペルツベルクのルペルツベルク女子修道院で死去。81歳。

作品
📖 「道を知れ」[1141-1151]
📖 「生命の功徳の書」[1158-1163]
📖 「神の業の書」[1163-c.1173]、他

上記の主要3部作と、楽曲、書簡集、説教集などは巨大写本「リーゼンコーデックス」に収録。同写本は、羊皮紙481枚(962頁)で構成され、サイズは縦約46cm、横約30cm、重さは約15kg。鉄の鎖で固定されていました。

 演奏家情報

アンサンブル・サン・フェリーチェ (声楽&器楽アンサンブル)
フェデリコ・バルダッツィによって1993年に設立された声楽と器楽のグループ。宗教音楽やバッハの作品に力を入れているほか、バルダッツィの指導の下、マルコ・ダ・ガリアーノ、フレスコバルディ、カリッシミ、ブクステフーデ、ヘロニモス・デ・カリオン、フランソワ・クープランらのめったに演奏されない作品をイタリア国内外の数多くの音楽祭で披露してもいます。


フェデリコ・バルダッツィ (指揮)
古楽を中心に活動していますが、グルック、モーツァルト、ロッシーニ、プッチーニなどのオペラの指揮もおこないます。最初、チェリストとしてシエナとパリでアンドレ・ナヴァラに師事した後、室内楽をピエロ・ファルッリとボロディン四重奏団に、作曲をカルロ・プロスペリとロベルト・ベシェーリに、グレゴリオ聖歌をニーノ・アルバローザとヨハネス・ベルクマンス・ゲシュルに、合唱指揮をロベルト・ガッビアーニとピーター・フィリップスに師事。
  アンサンブル・サン・フェリーチェを指揮し、中世から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ声楽・器楽グループと共演。
  フィレンツェ大学でグレゴリオ聖歌と中世のモノディについての講義を行い、各国でマスタークラスも開催。ラ・スペツィア国立プッチーニ音楽院で室内楽とバロック音楽の教授を務めてもいます。
  CDは、Brilliant Classics、Casa、Bongiovanni、Venezia、Tactus、Bingen、Capstone、 Planet Soundなどから発売。


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 CD2 65'02
 フランチェスカ・カッチーニ 1587–1640s


宗教歌と世俗歌
1.  「愛を裸にして」  3'23

2.  「畑が見える」  2'51

3.  「ああ、なんて新しい驚きだろう」  7'26

4.  「私があなたに何をしたというか」  3'38

5.  「シャコンヌ(器楽)」  4'33

6.  「私が信じていた場所」  3'18

7.  「おお、美しい髪」  2'37

8.  「マリア、優しいマリア」  2'40

9.  「ロマネスカ」(器楽曲)  5'03

10.  「その笑顔が分からない」  3'09

11.  「愛しい頬を広げて」  4'06

12.  「信仰を誓うために動くなら」  4'56

13.  「私をここに放っておいて」  5'43

14.  「もし私が行くなら」  3'32

15.  「おお、生きているバラ」  4'42

16.  「知りたい人は誰」  2'46
エレナ・チェッキ・フェディ(ソプラノ)
カペッラ・ディ・サンタ・マリア・デリ・アンジョリーニ
└ ルイジ・コッツォリーノ(ヴァイオリン)
└ アルフォンソ・フェディ(チェンバロ)
└ フランチェスコ・トメイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
└ アンドレア・ベヌッチ(ギター)
└ パオロ・マッカルティーニ(リュート、パーカッション)
└ ジャン・ルーカ・ラストライオリ(指揮、テオルボ、シターン、バロックギター)

録音:2012年1月、フィレンツェ、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ音楽院

 作曲家情報

フランチェスカ・カッチーニ (作曲、歌、リュート、ギター、ハープ、テオルボ、ヴィオール、チェンバロ)
誕生
◆1587年9月18日、フィレンツェ(トスカーナ大公国首都)。
家族
◆父 ジュリオ [1551-1618]:メディチ家フィレンツェの宮廷音楽家。有名な作曲家。
◆母 ルチア [1565-1593]: メディチ家フィレンツェの宮廷音楽家。
◆継母 マルゲリータ [?-1636]:メディチ家フィレンツェの宮廷音楽家。
◆妹 セッティミア [1591-1660]:メディチ家フィレンツェの宮廷音楽家。
◆異母兄 ポンペオ [1577-1624]:宮廷画家で歌手。
修業
◆幼少から父などが指導したと考えられています。父は作曲家でテノール歌手。リュート、ヴィオール、ハープなども演奏し、娘のフランチェスカも作曲と歌が得意なだけでなく、リュート、ギター、ハープ、テオルボ、ヴィオール、チェンバロも演奏。また、フランチェスカは、人文科学教育(ラテン語、ギリシャ語、文学、数学)も受けており、ラテン語とイタリア語で詩を書いたりもしています。
巨額オペラに出演
◆1600年、メディチ家の王女マリアとフランス国王アンリ4世の結婚を祝してフィレンツェのウフィツィ宮殿で3,800人の貴族の前で上演された父ジュリオ・カッチーニのオペラ「ケファロスの誘拐」の舞台に13歳で出演。上演費用が6万スクーディ(約7億5千万円相当)で、カッチーニの妻と娘、息子、亡き前妻の妹も出演したと推測されています。ちなみに当時のフランス王室はメディチ家に30万スクーディ以上の負債があり、マリア・デ・メディチの持参金60万スクーディ(約75億円相当)の半分をその返済に当てるという取り決めだったので、オペラに6万スクーディは驚きの金額です。

女声トリオ「ジュリオ・ロマーノの女たち」
◆1602年、15歳のときに父ジュリオ・カッチーニの運営・指揮するアンサンブル「ジュリオ・ロマーノの女たち」のメンバーとして、継母マルゲリータ、妹セッティミアと女声トリオで歌った教会でのコンサートに出演しており、記録も残されています。この女声トリオによる演奏は、その後も「イル・コンチェルト・カッチーニ」という名前を使うなどして、妹セッティミアがマントヴァ宮廷に移る1611年まで続けられます。

パリの宮廷
◆1604年、フランス王室に嫁いだマリア・デ・メディチの要請により、カッチーニ家の5人組アンサンブルでパリの宮廷でコンサートを実施。アンリ4世も彼らを気に入り、フランスに残るよう言いますが、メディチ家フィレンツェ宮廷の反対により彼らはフィレンツェに戻っています。このパリ公演の際に、モデナ、ミラノ、トリノ、リヨンでも演奏。

フィレンツェの宮廷
◆1607年、年俸120スクーディ(約150万円相当)。
◆1614年、年俸が240スクーディ(約300万円相当)に引き上げられ、宮廷で最も報酬の高い音楽家に。また、国内各地のほか、ポーランドなど海外での公演や、自宅での音楽教師としての仕事をおこなってもいました。その後、最初の夫であるシニョリーニが死去。

ルッカ
◆1626年、ルッカ(ルッカ共和国)の貴族トマーゾ・ラファエリと再婚すると宮廷音楽家を辞してルッカに転居。
◆1630年、夫トマーゾ・ラファエリが急死。フランチェスカはフィレンツェの宮廷に復職することが決まるものの、北イタリアのペストの猛威が続いたため、しばらくは動けません。
フィレンツェの宮廷
◆1633年、フィレンツェの宮廷に復職。
◆1641年、フィレンツェの宮廷の記録が終了。その後の足どりは不明。

死没
◆1645年、17歳の息子のトマーゾが叔父のジローラモ・ラファエリの保護下に入ったので、それがフランチェスカの死去を示す可能性があるとも考えられています。
作品
◆マドリガーレから舞台音楽まで多数作曲。しかし、現存するものは僅か。
 演奏家情報

エレナ・チェッキ・フェディ (ソプラノ)

カペッラ・ディ・サンタ・マリア・デリ・アンジョリーニ

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 CD3 79'04
 ビアンカ・マリア・メーダ 1661?–1732/33


モテット集

1.  「私のイエス様、慈悲深い方よ」(3声)  9'21

2.  「稲妻を放て」(4声)  7'50

3.  「美しい魂」(3声)  8'03

4.  「おお、どれほどの恐ろしい嵐が」(2声)  8'01

5.  「燃える炎の中で」(4声)  10'52

6.  「ああ苦い涙」(4声)  10'10

7.  「幸運に恵まれて生きたい」(1声)  8'57

8.  「いいえ、誘惑しないで」(3声)  7'18

9.  「吹け、心地よいそよ風よ」(3声)  8'10

カペッラ・アルテミジア
└ 声楽
└ エレナ・ベルトゥッツィ(ソプラノ/トラック1、8)
└ パメラ・ルッチャリーニ(ソプラノ/トラック3、5)
└ サラ・トマジーニ(ソプラノ/トラック2、5、6、9)
└ パトリツィア・ヴァッカーリ(ソプラノ/トラック6)
└ シルヴィア・ヴァイエンテ(ソプラノ/トラック1、2、3、9)
└ バルバラ・ザニケッリ(ソプラノ/トラック2、4、6)
└ エレナ・ビスクオーラ(アルト/トラック5、7、8、9)
└ アリアナ・ランチ(アルト/トラック1、2、4、5、6)
└ 器楽
└ ダヴィデ・モンティ(ヴァイオリン)
└ エリサ・ベステッティ(ヴァイオリン)
└ ベッティーナ・ホーマン(チェロ)
└ エレナ・ビアンキ(ドゥルシアン)
└ ファビオ・メルランテ(テオルボ、バロック・ギター)
└ マリア・クリスティーナ・クリアリー(バロック・ハープ)
└ マリア・ルイザ・バルダッサーリ(チェンバロ)
└ ミランダ・オーレリ(オルガン、チェンバロ)
└ キャンディス・スミス(指揮、アルト/トラック3、8)

録音:2017年9月12〜15日、ボローニャ、サンタ・クリスティーナ・デッラ・フォンダッツァ教会

 作曲家情報

ビアンカ・マリア・メーダ (作曲、ベネディクト会修道女)
誕生
◆1661年頃。おそらくミラノ(ミラノ公国)の貴族の家系。当時のミラノ公国はスペイン帝国の支配下でしたが、1713年にはハプスブルク帝国(オーストリア)の支配下に移行しています。
ラデゴンダ修道院
◆1675年、ミラノのベネディクト会女子修道院であるラデゴンダ修道院の聖歌隊名簿に、低声担当として記載。
サン・マルティーノ・デル・レアーノ修道院
◆1677年、16歳になったメーダは、パヴィア(ミラノ公国)のベネディクト会女子修道院、サン・マルティーノ・デル・レアーノ修道院に入会・居住(文書に登場)。同修道院には40人ほどの修道女が入会・居住しており、翌1678年には48人に増加。また、2年ほど前の1675年頃には姉のマリア・イザベルが入会・居住し、その後、家族のほかの4人が続いています。
◆1691年、ボローニャ(ローマ教皇領)の出版人ピエル・マリア・モンティにより、メーダのモテット集が出版。
◆1732年、サン・マルティーノ・デル・レアーノ修道院長のドンナ・マリア・テレザが、男性歌手が教師として歌いに来ることについて手紙で苦情を書いており、また、メーダの記録もこの年に途絶えていることから、おそらく、修道女に歌を教えていたメーダはその頃に亡くなったと考えられています。

 演奏家情報

カペッラ・アルテミジア (声楽&器楽アンサンブル)
1991年に女性歌手と楽器奏者によって結成されたアンサンブル。16世紀と17世紀のイタリアの修道院の音楽を演奏することに専念しており、レパートリーには修道女たち自身が作曲した忘れられた作品と、修道院で演奏するために有名男性作曲家が作曲した音楽の両方が含まれています。指揮はアルト歌手のキャンディス・スミス。


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 CD4 74'59
 イザベラ・レオナルダ 1620-1704


声と弦楽のための音楽
1.  「栄光の神の母よ」  7'34
  (1、2,3,4声のための宗教的協奏曲 Op.3より)[1670 ミラノ]

2.  「創造主よ、思い出してください」  2'46 *
  (1、2,3,4声のための宗教的協奏曲 Op.3より)[1670 ミラノ]

3.  「万歳、聖なる女王」(ソプラノと2つのヴァイオリンのための)  9'08
  (1、2,3声のためのモテット集 Op.7より)[1677 ボローニャ]

4.  「天上の栄光」  9'57
  (1、2,3声のためのモテット集 Op.13より)[1687 ボローニャ]

5.  2つのヴァイオリンのためのソナタ第9番(器楽)  4'15
  (ソナタ集 Op.16より)[1693 ボローニャ]

6.  「おお、炎よ」(ソプラノのための)  9'50
  (モテット集 Op.6より)[1676 ヴェネツィア]

7.  「甘美な響き」(3つの声と2つのヴァイオリンのための)  7'32
  (モテット集 Op.7より)[1677 ボローニャ]

8.  「ああ、私の魂」 6'47 *
  (ダニエル・シュペーアがヴィオール用に編曲した聖歌集「フィロメラ・アンジェリカ」より)[1688 ヴェネツィア]

9.  「対話: 魂よ、どこへ行くのか」  7'43
  (1、2,3,4声のための宗教的協奏曲集 Op.3より)[1670 ミラノ]

10.  「主は言われた」(4つの声と2つのヴァイオリンのための)  8'35
  (4声と器楽のための詩篇、協奏曲集 Op.19)[1698 ボローニャ]

カペッラ・アルテミジア
└ 声楽
└ エレナ・ベルトゥッツィ(ソプラノ/トラック4、6)
└ フロリアーナ・フォルネッリ(ソプラノ/トラック4、9)
└ パメラ・ルッチャリーニ(ソプラノ/トラック4、7、9)
└ シルヴィア・ヴァイェンテ(ソプラノ/トラック3)
└ エレナ・ビスクオラ(アルト/トラック4、7、9)
└ ミア・フラカッシーニ(アルト/トラック4、8)
└ アリアナ・ランチ(アルト/トラック7、9)
└ 器楽
└ ヴィクトリア・メリク(ヴァイオリン)
└ クラウディア・コムズ(ヴァイオリン)
└ クラウディア・パゼット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
└ クラウディア・デル・ベッロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ/トラック2、8)
└ シルヴィア・ロヴィカリオ(ヴィオラ・ダ・ガンバ/トラック2、8)
└ マリア・クリスティーナ・クリアリー(バロック・ハープ)
└ ミランダ・アウレリ(オルガン)
└ キャンディス・スミス(指揮、アルト/トラック8)

録音:2020年9月7〜10日、ボローニャ、、サンタ クリスティーナ デッラ・フォンダッツァ教会

 作曲家情報

イザベラ・レオナルダ (作曲、聖ウルスラ修道会修道女)
誕生
◆1620年9月6日、ノヴァーラ(ミラノ公国)。当時のミラノ公国はスペイン帝国の支配下にあり、レオナルダの死の2年後の1706年にハプスブルク帝国支配となっています。
家族
◆父ジャナントーニオ(伯爵)と母アポロニアの6人の娘のうちの1人。ピエモンテの古い貴族の家系。聖ウルスラ修道会後援者。
修業
◆生家での教育については不明。聖ウルスラ修道院では、修道女のエリザベッタ・カザータ[1598-?]からオルガンや作曲の指導を受けたと考えられています。また、ノヴァーラ大聖堂のガスパロ・カザ―ティ[c.1610-1641]に師事したことがあります。
聖ウルスラ修道院
◆1636年、入会。16歳。
◆1639年、修道女に叙階。19歳。
◆1686年、修道院長に選出。66歳。
◆1696年、修道院長代理。76歳。

死没
◆1704年2月25日、ノヴァーラで死去。83歳。
作品
122曲のモテット、18曲の宗教コンチェルト、1、2、3、4つの楽器のためのソナタ12曲、ミサ曲17曲、協奏詩篇11曲など。
 演奏家情報

カペッラ・アルテミジア (声楽&器楽アンサンブル)
1991年に女性歌手と楽器奏者によって結成されたアンサンブル。16世紀と17世紀のイタリアの修道院の音楽を演奏することに専念しており、レパートリーには修道女たち自身が作曲した忘れられた作品と、修道院で演奏するために有名男性作曲家が作曲した音楽の両方が含まれています。指揮はアルト歌手のキャンディス・スミス。


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 CD5 60'45
 バルバラ・ストロッツィ 1619-1677


ソプラノとアンサンブルのための音楽
1.  「秘密の恋人」  7'48
  (「カンタータ、アリエッテ、デュエット」Op.2より)[1651]

2.  「愛した人たちに再び愛される」  5'12
  (「カンタータ、アリエッテ、デュエット」Op.2より)[1651]

3.  「愛の道徳」  3'53
  (「カンタータ、1、2、3声のためのアリエッテ」」Op.3より)[1654]

4.  「おお、マリア様、なんと美しいことか」  6'17
  (「宗教音楽への愛情」Op.5より)[1655]

5.  「彼の考えに思いを巡らす」  4'34
  (「独唱のためのアリエッタ集」Op.6より)[1657]

6.  「もう愛したくない」  3'22
  (「独唱のためのアリエッタ集」Op.6より)[1657]

7.  「私の涙」  7'29
  (「エウテルペーの悦び」Op.7より)[1659]

8.  「あなたは間違っている」  3'48
  (「様々な作者による独唱カンタータ」より)[c.1680]

9.  「死まで」  14'31
  (「エウテルペーの悦び」Op.7より)[1659]

10.  「何ができるのか」  3'45
  (「アリア集」Op.8より)[1664]

カント・フィオリート
└ ロドリーゴ・カルヴェイラ(コルネット、リコーダー)
└ フアン・マヌエル・キンタナ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
└ ディエゴ・カンタルーピ(テオルボ)
└ ダヴィデ・ポッツィ(チェンバロ、オルガン)
└ レナータ・ドゥビンスカイテ(メゾ・ソプラノ/芸術監督)

録音:2020年8月、イタリア、クレモナ、チェッラ・ダーティ、サン・ロレンツォ・モンディナーリ教会

 作曲家情報

バルバラ・ストロッツィ (作曲、歌、詩)
風説について
バルバラ・ストロッツィは、17世紀のヴェネツィアの一般社会で活躍した女性ということと、ベルナルド・ストロッツィの絵画のおかげで過去何世紀にも渡って悪口が書かれてきました。私生児、高利貸し、娼婦等々、クラシック音楽の世界ではつくり話はよくあることとしても、度を越しているようにも思えます。

高利貸し?
バルバラ・ストロッツィはよく高利貸しをしていたなどと書かれており、その根拠となっているのが、恋人ヴィドマンへの貸し付けなどですが、ヴィドマン家の財政状況を調べるとかなり無理のある説です。
  1642年12月、バルバラは、ジョヴァンニ・パオロ・ヴィドマンに対し、ヴィドマンの死後に、約10パーセントの利息を付けて返済されることを条件に、2,000ドゥカート(約4千万円相当)を貸し付けています。夫の死後に妻側に返却する取り決めは当時の結婚持参金によくみられますし、利息は当時の銀行貸し付けの一般的な水準です。
  しかし、庶民からすれば高額でも、大富豪のヴィドマン家から見れば問題にならないような金額なので、これは当時の不安定な社会状況を考慮して、すでにヴィドマンとの間に3人生まれている子どもたちのための身分保証を兼ねた預金のようなものと考えるべきでしょう。何しろヴィドマンは1646年には、ヴェネツィア世襲貴族の地位を10万ドゥカート(約20億円相当)で購入しているのです。
  ちなみにヴィドマンは貸し付けから5年半後の1648年5月26日に亡くなっており、バルバラの子供もまだ7歳、6歳、5歳、4歳と幼かったため、ここで返済を受けている可能性があります。
  この頃にバルバラは自分の借りている家に、父ジュリオ(65歳)と母イザベラ(60歳)も住まわせているほどだったので、生活には余裕があったようです。
  ヴィドマン家からの支援は続き、1656年に2人の娘が修道院に入る際の持参金もヴィドマン家が支払っていますし、1672年にヴィドマンの弟マルティーノが亡くなったときには、バルバラの長男ジュリオ・ピエトロと、おそらく還俗していた次女ラウラの2人に金銭が贈与されてもいます。
  当時のヴェネツィア共和国では、妾を持つ裕福な男性に対して、結婚をするか、できない場合は妾に結婚相手を紹介するよう要請していましたが、妾に対して十分な金銭的支援をおこなっている場合は問題視されなかったのと、富裕層周辺には私生児が当たり前のように存在していたという事実がバルバラの経済状況に反映されているのかも知れません。

私生児?
カンナレージョの聖ソフィア教会の記録では、父親は不明で、母親はイザベッラ・ガルツォーニ[1588-1653]となっています。イザベッラはジュリオ・ストロッツィ[1583-1652]の使用人で、バルバラは1628年にジュリオの嫡出子になり、1650年には相続人に指名されているので、ジュリオが父親と考えられます。また、母イザベッラの姓も死亡記録ではストロッツィになっていることから、生まれたときは私生児で、のちにそうではなくなったということになります。
  貿易や金融のほか、宗教改革が原因で移り住んだ富裕層のおかげもあって非常に豊かだった宗教寛容国のヴェネツィア共和国では、持参金や相続の問題もあってか、私生児扱いが多く、バルバラも父も祖父も3代続けて「私生児→嫡出子」という流れには、そうした時代的・地域的背景がありそうです。


娼婦?
画家で元托鉢修道士のベルナルド・ストロッツィ[1581-1644](バルバラとは血縁関係なし)が、1635年頃に描いた絵「ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者」(上の画像の左側)が、なぜか16歳頃のバルバラの「肖像画」ということにされ、しかもその絵の胸の露出の様子からバルバラは娼婦だったと言われ、しかもバルバラにはお金もあったことから高級娼婦などと侮辱されてきました。
  しかし、顔や胸を除いた部分は上の画像の右側の絵画「サンタ・チェチーリア」とそっくりなので、これが受注して描いた肖像画ではなく、通常の販売用絵画であることは明らかです。
  チェチーリアは音楽家の守護聖人ですが、上を見ているときは、天上の奏楽に心を奪われて法悦にひたっているときなので、彼女が楽器を手に持ちながら法悦状態というのは、考えようによっては現世の音楽家にとっては不名誉な状態であり、それを虚ろな表情とポーズで描いたのが左側の絵画「ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者」と解釈することもできます。ちなみに「サンタ・チェチーリア」はベルナルドの好きな題材のようでジェノヴァ時代から描いており、ざっと調べただけでもほかに8点ほどの作品が現存しています。
  胸を出すのは当時の通常絵画では一般的で、ベルナルドのほかの絵、女神ミネルヴァや女神テティス、フルート奏者、王妃ベレニーチェを描いた絵でもパターンが同じであり、服のデザインについても、サロメ、サマリタ女、名声擬人化、聖ユスティナなどといった絵が似ています。
  ベルナルドはヴェネツィアで工房をかまえて大勢の絵師を雇ってもいたので、通常の絵画の場合、髪や衣服、ポーズがある程度パターン化されるのは、工房の定型作業としてごく当たりまえのことでもあります。また、販売用なので神話や伝説、寓話、聖書、聖人、職業、風刺など人気のあるテーマが主題となり、わかりやすい小道具も置かれるという具合です。
  作画のためのモデルがいたにしても、肖像画として受注しているわけではないので、上記の絵がバルバラの肖像画とする説には無理がありますし、それをネタにして娼婦だとするのはさらに無理があります。
  仮にバルバラをモデルにしていたとしても、少女に見えるのは顔の部分だけなので、ほかは工房としての定型作業適用の結果ということになりそうです。ふわふわした髪は、ベルナルドが何度も描いたおなじみの素材ですし、首から下、特に指の感じなどはとても少女には見えません。
  ということで、少女らしからぬ部分を差し替えて作成してみたのが下の画像です。顔やポーズ、小道具が同じでも娼婦には見えなくなるので、バルバラの絵を見て娼婦と侮辱していた人の判断は、工房のパターン化素材に影響されたものであることがわかります。




誕生
◆1619年8月6日、ヴェネツィア(ヴェネツィア共和国)、カンナレージョの聖ソフィア教会で受洗。
父ジュリオ・ストロッツィ
◆ジュリオ・ストロッツィ[1583-1652]は、有名なヴェネツィアの詩人、戯曲作家、台本作家で、モンテヴェルディやカヴァッリらもそのテキストに作曲。ヴェネツィアの貴族を中心とした自由思想の知識人による学術団体「アカデミア・デリ・インコーニティ(無名アカデミー)」の会員でもありました。父ジュリオは祖父ロベルトの私生児でしたが、のちに嫡出子となっています。

祖父ロベルト・ストロッツィ
◆父ジュリオの父でバルバラの祖父にあたるロベルト・ストロッツィ[1557-1615]は、ヴェネツィアの銀行家。このストロッツィ家はかつてメディチ家のライバルだった名門の没落貴族。祖父ロベルトは曽祖父カミッロ[1516-1570]の私生児でしたが、のちに嫡出子となっています。
音楽教育
◆父ジュリオが台本を通じてモンテヴェルディ[1567-1643]やロベッタ[c.1595–1668]ら音楽家と付き合いがあったことから、バルバラは自宅でフランチェスコ・カヴァッリ[1602-1676]に作曲と歌唱を師事しています。

師フランチェスコ・カヴァッリ
◆フランチェスコ・カヴァッリ(本名ピエトロ・フランチェスコ・カレッティ=ブルーニ)[1602-1676]はヴェネツィア共和国クレーマの礼拝堂楽長である父ジョヴァンから指導を受け、ボーイソプラノとして活躍。
◆1616年、その歌に魅せられたクレーマ知事でヴェネツィア貴族のフェデリコ・カヴァッリがパトロンとなって14歳のフランチェスコをヴェネツィアに連れて行き、モンテヴェルディ率いるサン・マルコ寺院聖歌隊に保証金50ドゥカート(約100万円相当)で契約させてモンテヴェルディの指導を受けさせています。聖歌隊員としての年俸は80ドゥカート(約160万円相当)でした。
◆変声後も歌のうまいカヴァッリは在職し、テノール歌手として年俸100ドゥカート(約200万円相当)を得ていたほか、長さ約96メートル(サンマルコ寺院は約77メートル)と巨大な聖ジョヴァンニ・エ・パオロ教会のオルガニスト(年俸30ドゥカート。約60万円相当)としても働くなど多忙でした。
◆1630年(28歳)、裕福な未亡人マリア[c.1597-1652]と結婚したことで結婚持参金1,200ドゥカート(約2,400万円相当)と土地などの資産を得たカヴァッリは、聖ジョヴァンニ・エ・パオロ教会でオルガンを弾かなくなり解雇されてもいるので、文化人や富裕層が集まるストロッツィ家で教えていた時期は、1630年代前半ではないかと思われます。バルバラも1630年には11歳になっていますし、1634年にはストロッツィ家で開催されたアカデミアでヴィドマンを魅了するほどの歌を披露しているので。
◆1639年(37歳)、カヴァッリはサンマルコ寺院第2オルガン奏者(年俸140ドゥカート。約280万円相当)に選出されますが、演奏が卓越していたため第1オルガン奏者よりも報酬が高かったため、そのまま責任の軽い第2オルガン奏者として在職し、オペラの作曲と上演にのめりこむようになります(生涯に作曲したオペラは少なくとも33曲)。
◆1653年、オペラ活動に熱心だったにも関わらずカヴァッリの年俸は200ドゥカート(約400万円相当)に昇給。その間、14年の間に書いたオペラは23本に達しています。
◆1660年(58歳)、カヴァッリはマザラン枢機卿の招きでルイ14世の宮廷を訪れ約2年間滞在。ダイヤモンドの指輪を含む報酬は多額でした。
◆1665年(63歳)、前任者の死去によりサンマルコ寺院第1オルガン奏者となり、1668年(66歳)には楽長に就任し8年後に亡くなるまで在職。楽長時代は本業の宗教音楽の作曲も増えています。子供はいなかったため、財産は修道女などに遺贈。
バルバラのためのアカデミア
◆1637年、ジュリオ・ストロッツィが18歳の娘のために「アカデミア・デリ・ウニゾーニ(斉奏アカデミー)」を設立。これは自身の参加する団体「アカデミア・デリ・インコーニティ(無名アカデミー)」に、バルバラが15歳の1634年には参加して名も顔も知られていたことや、1635年にストロッツィ家でバルバラの歌を聴いたジェノヴァの作家ジャン・ヴィンチェツォ・インペリアーレなどが絶賛していたことなどから、音楽専門のアカデミアを別につくって、ストロッツィ家で会合を開き、バルバラが歌や作品を披露できるようにしたものです。
  なお、当時のアカデミアは男性会員クラブのようなものだったので、女性の参加や女性の主催は非常に珍しいことだったため、それが保守層の反感を買い、バルバラへの誹謗中傷に繋がった可能性もあります。
ヴィドマン
ヴィドマン家はフッガー家との取引などで財を成した大富豪で、オルテンブルク伯爵、ゾンマーエックおよびパテルニオン男爵の称号も入手していました。

◆1634年、ジョヴァンニ・パオロ・ヴィドマン[1605-1648]、バルバラの歌を聴き崇拝者(後援者)に。
◆1640年、ヴィドマン、ケルンテン公国のオルテンブルク伯領の資産、権利などを30万フロリン(15億円相当)で購入。
◆1640年、バルバラとヴィドマンが交際開始。
◆1641年、父ジュリオ・ストロッツィがオペラ台本「狂気を装った女」をヴィドマンに献呈。オペラはフランチェスコ・サクラーティが作曲し同年初演されて成功。

家族
◆1641年2月6日、バルバラとヴィドマンの息子ジュリオ・ピエトロ誕生。
◆1642年3月18日、バルバラとヴィドマンの娘イザベラ誕生。
◆1643年、バルバラとヴィドマンの息子マッシモ誕生。
◆1643年12月10日、バルバラとヴィドマンの娘ラウラ誕生。
◆1646年、ヴィドマンがヴェネツィア世襲貴族の称号を10万ドゥカート(約20億円相当)で購入。
◆1648年5月26日、ジョヴァンニ・パオロ・ヴィドマン死去。
◆1651年12月11日、バルバラはヴェネツィアを離れていたことを伝え、ヴェネツィア総督に免税を請願。
◆1652年3月31日、父ジュリオ・ストロッツィ死去。遺産はほとんど無く、葬儀費用はバルバラが負担。名士が多く眠るヴェネツィアの聖ジョヴァンニ・エ・パオロ教会に埋葬し、豪華な記念碑を設置しています。
◆1653年7月31日、母イザベラ死去。
◆1656年、娘イザベラと娘ラウラが聖セポルクロ修道院に入会。持参金はヴィドマン家が支払い。
◆1657年1月2日、娘イザベラが3か月の闘病の末、死去。
◆1661年、娘ラウラが聖セポルクロ修道院で修道誓願。
◆1662年、息子マッシモが聖セルヴォロ修道院で修道誓願。

死没
◆1677年11月11日、パドヴァ(ヴェネツィア共和国)。58歳。同地のエレミターニ教会に埋葬。1943年12月から1945年4月にかけてアメリカ軍とイギリス軍によりパドヴァ市街地が繰り返し爆撃され、数多くの教会や大聖堂が破壊されましたが、1944年3月にはエレミターニ教会も破壊されています。
作品
◆当時の出版物は高額で出版費用もかかるため、宮廷や教会の支援なしでは出版は難しいのが実情でしたが、バルバラの場合は、20年の間にOp.1からOp.8まで出版しており、これは異例のことでした。

◆1644年、「2〜5声と通奏低音のためのマドリガーレ集 第1巻」Op.1、出版。
◆1651年、「2声と通奏低音のためのカンタータ、アリエッタ、二重唱集」Op.2、出版。
◆1654年、「1〜3声と通奏低音のためのカンタータとアリエッタ」Op.3、出版。
◆1655年、マントヴァ公カルロ2世に献呈状とともに作品を送付した際、フランスで行方不明になった楽譜がOp.4の可能性。
◆1655年、「宗教音楽集 第1巻」Op.5、出版。
◆1656年、「サクラ・コロナ」出版(ストロッツィの作品も収録)。
◆1656年、フランチェスコ・トナーリの作品集出版(ストロッツィの作品も収録)。
◆1657年、「独唱のためのアリエッタ集」Op.6、出版。
◆1659年、「エウテルペーの悦び、または独唱のためのカンタータとアリエッタ」Op.7、出版。
◆1664年、「アリア集」Op.8、出版。

 演奏家情報

レナータ・ドゥビンスカイテ (メゾ・ソプラノ/芸術監督)

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 CD6 56'43
 エリザベト=クロード ジャケ・ドゥ・ラ・ゲール 1665-1729


チェンバロ作品集
クラヴサン組曲第1番 ニ短調[1687] 
1.  プレリュード 2'23
2.  アルマンド 3'32
3.  クーラント 2'07
4.  クーラント II 1'39
5.  サラバンド 2'44
6.  ジーグ 2'05
7.  カナリス 2'16
8.  シャコンヌ・ランコンスタント 3'13
9.  メヌエット 1'14

クラヴサン組曲第2番 ト短調[1687] 
10.  プレリュード 1'35
11.  アルマンド 2'45
12.  クーラント 1'48
13.  クーラント II 2'04
14.  サラバンド 2'30
15.  ジーグ 1'50
16.  ジーグ II 2'12
17.  メヌエット&ダブル 2'11

クラヴサン組曲第3番 イ短調[1687] 
18.  プレリュード 1'31
19.  アルマンド 2'51
20.  クーラント 1'53
21.  クーラント II 2'00
22.  サラバンド 2'39
23.  ジーグ 1'45
24.  シャコンヌ 2'57
25.  ガヴォット 1'19
26.  メヌエット 1'21
フランチェスカ・ランフランコ(チェンバロ)

録音:2017年6月1〜4日、イタリア、モンドヴィ、サン・クローチェ・オラトリオ

 作曲家情報

エリザベト=クロード・ジャケ・ドゥ・ラ・ゲール (作曲、チェンバロ、著述)

誕生
◆1665年3月17日、パリ、サンルイザンリル教会でエリザベト・ジャケ、受洗。

親族
◆父クロードと、母アンヌ(旧姓:ド・ラ・トゥーシュ)」の第2子。父はパリ、サン・ルイザンリル教会のオルガニスト。兄弟は8人で、うち4人が音楽家。
◆祖父ジュアン・ジャケはチェンバロ製作者。大叔父ジャン・ジャケと叔父クロード・ジャケは楽器製作者。
修業
◆父クロードから音楽教育。
◆ルイ14世の愛人でもあるモンテスパン侯爵夫人の家で3年間指導。

宮廷
◆5歳のときに神童として有名になり、ヴェルサイユ宮殿でも演奏。その際、ルイ14世[1638-1715]の目にとまり、やがてルイ14世の宮廷音楽家に。
◆19歳で結婚するまで宮廷で生活。以後もルイ14世の支援で楽譜を出版。
結婚
◆1684年9月23日、サン・セヴラン教会オルガン奏者のマラン・ド・ラ・ゲール[1658-1704]と結婚。マランの父は王室礼拝堂のオルガン奏者、ミシェル・ド・ラ・ゲール。
◆結婚後、自身の姓と夫の姓を繋げて、エリザベト=クロード・ジャケ・ドゥ・ラ・ゲールと名乗ります。

作品
◆クラヴサン組曲第1集[1687]
◆オペラ「セファールとプロクリ」[1694]
◆クラヴサン組曲第2集[1707]
◆ヴァイオリンとクラヴサンのためのソナタ[1707]
◆宗教カンタータ12曲[1708〜1711]
◆世俗カンタータ[c.1715]

死没
◆1729年6月27日、パリ。64歳。
 演奏家情報

フランチェスカ・ランフランコ (チェンバロ)

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 CD7 64'25
 エレーヌ・ド・モンジュルー 1764-1836


ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.5 No.2  26:36
1.  第1楽章 アレグロ・モデラート・コン・エスプレッシオーネ 13:20
2.  第2楽章 アリア・コン・エスプレッシオーネ 6:33
3.  第3楽章 アレグロ・アジタート・コン・フオーコ 6:43
1811年にエラールから出版。パリ音楽院を健康問題で辞めてからのモンジュルーは、自邸で「モンジュルー夫人の月曜日」というサロン・コンサートを定期的に開催しており、この曲もそうした用途のために書かれたと思われます。
  急・緩・急の楽章順で、第1楽章は13分20秒(呈示部反復実施)を超えてモンジュルーのソナタでは最大規模ですが、ロマン派的な美しい音楽でのちのシューベルトを思わせるような雰囲気もあって魅力的。第2楽章は訥々としたフレーズによる抒情が独特です。第3楽章はベートーヴェンも真っ青の攻撃的な音楽で迫力があります。
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.1 No.1  14:27
4.  第1楽章 アレグロ・コン・スピリトーゾ 6:33
5.  第2楽章 プレスティッシモ 4:54
ソナタ集 Op.1は、1795年にパリ音楽院に導入された印刷機で出版。この年のエレーヌは2月11日に出産し、8月にパリ音楽院の教師募集に応募、11月22日にパリ音楽院の教授に任命され、その直後に出版したことになるため、作曲したのはこれより前の年ということになりそうです。1789年にフランス革命が勃発してから1794年にエレーヌのパリ在住が認められるまでの間は余裕があまりなさそうなので、1788年に書き始めた「初歩から最大の難関まで段階的に導くフォルテピアノ教育全課程」と近い時期の作品ではないかと考えられます。第1楽章は、ウィーン古典派を思わせる主題を使用。第2楽章は名技的なタランテラです。
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op.1 No.2  12:25
6.  第1楽章 アレグロ・コン・モート 7:43
7.  第2楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 4:42
ソナタ集 Op.1の2曲目は1曲目と同じく速い2つの楽章で構成。同じくウィーン古典派の影響を感じさせる曲調です。
ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.1 No.3  13:50
8.  第1楽章 マエストーゾ・コン・エスプレッシオーネ 6:04
9.  第2楽章 アレグロ・アジタート 7:46
ソナタ集 Op.1の3曲目も速い2つの楽章で構成されていますが、ここではシンコペーションが用いられるなどの工夫も見られます。第1楽章では重みのある表現と軽やかさのコントラストも明確。第2楽章では力強い低音パートが非常に印象的です。
シモーネ・ピエリーニ(フォルテピアノ)
使用楽器:ヨハン・ハーゼルマン[19世初頭]
ピッチ:A=430 Hz、調律:トーマス・ヤング[1773-1829]の調律理論「ヤング・テンペラメント(ヤングII)」[1800]を採用

録音:2021年6月15-17日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アンニバルデスキ
 作曲家情報

エレーヌ・ド・モンジュルー (作曲、ピアノ、教育)
波乱万丈の生涯。エレーヌが25歳のときにフランス革命が勃発。最初の夫モンジュルー侯爵が交戦国オーストリア兵に違法に殺されたこともあり、公安委員会はエレーヌのパリ居住を許可。続いてエレーヌは政府系機関紙の編集者と子供をもうけて再婚するものの5年で離婚。
  18年後の1820年、55歳のときには、ナポレオンの百日天下後に失脚していた36歳のシャルナージュ伯爵と再婚しますが6年後に夫が急死。以後、エレーヌの健康状態は悪化し、最晩年2年間は息子が軍を辞め同居してイタリア各地に居住。フィレンツェで72歳で亡くなるとサンタ・クローチェ教会の回廊に埋葬されています。

夫が殺されエレーヌも収監されたオーストリア兵の暴挙
1793年7月、モンジュルー夫妻は、ナポリ王国に赴任が決まった友人マレ大使らの旅に同行。途中、中立地域のスイスを通過中、メッツォーラ湖の近くでオーストリア軍兵士が国際法を無視して使節団を略奪・拉致し、一行を対岸のオーストリア支配地域であるロンバルディアに船で移送し、刑務所に10日間収監するという暴挙に出ます。エレーヌなど多くの者はそこで釈放されますが、夫モンジュルー准将と大使2人の拘束は継続。やがて夫は殺害され、大使2人はオーストリアの要塞に幽閉。2年後の1795年12月、フランスで3年4か月ものあいだ監禁されていたマリー・テレーズ(ルイ16世とマリー・アントワネットの娘)と人質交換されています。下の画像は拉致される様子を描いた絵に着色したものです。


大富豪
エレーヌは結婚持参金20万リーヴル(約7億5千万円相当。当時の司祭の平均的年収の約286倍)という富裕な土地貴族の出身で、夫のモンジュルー侯爵が植民地セネガルのアラビアゴム独占貿易会社への投資で稼いだ遺産もあったためその資産は莫大でした。そしてその夫と共に交戦国オーストリアの兵に中立地スイスで拉致され、さらに夫が違法に暴行・殺害されたこともあって、当時、多くの貴族をパリから追放していた公安委員会も、1794年にエレーヌのパリ居住を特別に許可すると裁定。
  続く総裁政府は私有財産の不可侵も掲げる1795年憲法によって成立しており、以後の政府も同様に恐怖政治や略奪とは無縁だったため、エレーヌの財産は亡くなるまで40年以上も維持。不動産取引が巧みだったようで、革命時の激しいインフレなど経済の荒波も見事に乗り切っています。
  遺産を相続した息子は、イタリアで美術に開眼して美術コレクター「オラス・イス・ド・ラ・サル」として知られるようになり、ルーヴル美術館に21点の絵画と450点の素描を寄贈したほか、コレクションの大部分をフランスの美術館に贈ってもいました。

詳細情報

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 演奏家情報

シモーネ・ピエリーニ(フォルテピアノ)
1996年、ローマで誕生。フル・ネームは、シモーネ・エル・ウーフィル・ピエリーニ。8歳でピアノを始め、18歳で高校を卒業後、ローマ聖チェチーリア音楽院でマウラ・パンシーニに師事してピアノのディプロマを取得。その後、フィエーゾレ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事し、ボリス・ベルマン、ニコライ・デミジェンコ、パーヴェル・ギリロフらのマスタークラスにも参加。
 その後、アレクセイ・リュビモフ、アンドレアス・シュタイアー、トビアス・コッホ、コスタンティーノ・マストロプリミアーノ、ステファノ・フィウッツィの講座やマスタークラスに参加したほか、FIMA(イタリア古楽財団)で、アンドレア・コーエンにチェンバロと歴史的鍵盤楽器奏法を、ジョヴァンニ・トーニに通奏低音を師事。
 CDは、Brilliant Classicsからケルビーニのフォルテピアノ・ソナタ集、ティナッツォリの鍵盤楽器作品全集、Da Vinci Classicsからメンデルスゾーンのヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ全集がリリースされていました。


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 CD8 68'28
 マッダレーナ・ロンバルディーニ・シルメン 1745-1818


弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第4番 変ロ長調
1.  第1楽章 カンタービレ  7'55
2.  第2楽章 メヌエット  1'48

弦楽四重奏曲第3番 ト短調
3.  第1楽章 テンポ・ジュスト  6'23
4.  第2楽章 アレグロ-ソステヌート  4'59

弦楽四重奏曲第6番 ホ長調
5.  第1楽章 アンダンティーノ  6'18
6.  第2楽章 コン・ブリオ-ミヌエット  3'40

弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調
7.  第1楽章 アンダンテ・マ・コン・ウン・ポコ・ディ・モート  6'12
8.  第2楽章 アレグレット  6'03

弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調
9.  第1楽章 ラルゲット-アレグロ-ラルゲット  8'10
10.  第2楽章 メヌエット  4'18

弦楽四重奏曲第2番 変ロ長調
11.  第1楽章 アンダンティーノ  7'05
12.  第2楽章 アレグロ  5'01
アレグリ弦楽四重奏団
└ ピーター・カーター(ヴァイオリン)
└ デイヴィッド・ロス(ヴァイオリン)
└ ロジャー・タッピング(ヴィオラ)
└ ブルーノ・シュレッカー(チェロ)

録音:1994年1月10〜11日、ロンドン、オール・セインツ教会(CALA制作・SIGNUM音源)
 作曲家情報

マッダレーナ・ロンバルディーニ・シルメン (作曲、ヴァイオリン、歌)
1745年生まれのマッダレーナ・ロンバルディーニ・シルメン[1745-1818]は、ちょうどハイドンとモーツァルトの中間の世代に属し、タルティーニに師事したのち、ヴァイオリニストとして国際的な名声を得て、やがてオペラ歌手としても活躍するなど多彩な音楽家でした。
  「6つの弦楽四重奏曲」は、1760年代なかばに書かれており、ハイドンと並んで最初期の弦楽四重奏曲として位置づけられています。6曲の四重奏曲はそれぞれ2楽章から成り、コンパクトな中に多様な楽想が盛り込まれて心地良い聴きものとなっています。
シルメンの顔
シルメンの肖像画とされるものはいくつかありますが、画力も含めて状態はどれも良くないため、元のCD(BRL97008)のカヴァー・アートでも、多くの古楽系アルバムの場合と同じく代替絵画が使用されています。ここで用いられた絵は、弦楽器専門誌などでも使用されていたもので、絵の全体を見ると左手にパレットを持った画家を描いたものであることがわかります。この美貌の画家は、18世紀後半に活躍したフランスの肖像画家、アデライド・ラビーユ=ギアール[1749-1803]です。シルメンと同時代の人物で、なおかつ鼻の形が少し似ているということで選ばれたのかもしれません。

 演奏家情報

アレグリ弦楽四重奏団
1953年に結成されたイギリスの弦楽四重奏団でメンバー・チェンジを繰り返しで現在も活動中。
  CDは、Brilliant Classics、Argo、Naim、Cala、Westminster、Champs Hill、Toccata、Vivat、Philips、Mercury、HMV、DECCA、Hyperion、Virgin、Collins、ABC、Guild、EMI、Lyritなどから発売。


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 CD9
 ルイーズ・ファランク 1804-1875


室内楽曲集

ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調 Op.33
1.  第1楽章 アレグロ  8'57
2.  第2楽章 アダージョ・ソステヌート  10'03
3.  第3楽章 メヌエット. アレグロ  5'06
4.  第4楽章 フィナーレ. ヴィヴァーチェ  5'53

ピアノ三重奏曲第2番 ニ短調 Op.34
5.  第1楽章 アンダンテ〜アレグロ  9'59
6.  第2楽章 テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ  7'47
7.  第3楽章 ロンド アレグロ  6'09

チェロ・ソナタ 変ロ長調 Op.46
8.  第1楽章 アレグロ・モデラート  9'38
9.  第2楽章 アンダンテ・ソステヌート  5'32
10.  第3楽章 フィナーレ アレグロ  6'40
セルゲイ・ガラクチオノフ(ヴァイオリン)
アメデオ・チッケーゼ(チェロ)
リンダ・ディ・カルロ(ピアノ)

録音:2022年10月、イタリア、ペルージャ、スタジオ・ピアノ・エ・フォルテ

 作曲家情報

ルイーズ・ファランク (作曲、ピアノ、教育)
近年人気の出てきた作曲、ルイーズ・ファランク(旧姓:デュモン) [1804-1875]は、パリ生まれの作曲家でパリ音楽院の教授。ロベルト・シューマンが「輪郭がはっきりしていて、展開が論理的で......特にロマンティシズムのほのかな香りが漂っているので、人はその魅力にとりつかれるに違いない。」と高く評価していたルイーズは、6歳でピアノと理論を学び始め、ベートーヴェンの弟子であるモシェレスとフンメルから指導を受けたのち、15歳からはパリ音楽院のライヒャ教授に師事。
  サロン風の洗練された作品から大規模な室内楽曲や交響曲まで作曲したファランクの魅力に迫るピアノ三重奏曲とチェロ・ソナタを収録。

 演奏家情報

セルゲイ・ガラクチオノフ(ヴァイオリン)
1970年ロシア生まれ。4歳からモスクワ音楽院中央特別音楽学校でヴァイオリンを学び、モスクワ高等音楽院でアンドレイ・コルサコフに師事、1994年に卒業。1996年、モスクワ音楽院での教育実習を修了し博士号を手得。モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団のソリスト、マーラー室内管弦楽団のメンバー、トリノ国立劇場管弦楽団のコンサートマスター、トリノ音楽院の教授を歴任。ヴァイオリンはアントニウス・スガルビ(1893年製)を使用。

アメデオ・チッケーゼ(チェロ)
17歳でペロージ音楽院を最優秀の成績で卒業。その後、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でロッコ・フィリッピーニとジョヴァンニ・ソッリマのもとで室内楽とチェロのディプロマを取得。ベルン国立音楽大学でアントニオ・メネセスの指導を受け、ゲリンガス、クリーゲル、グートマンのマスタークラスにも参加。2014年にイタリア共和国大統領から「ジュゼッペ・シノーポリ賞」を授与。16歳でハイドンの協奏曲ハ長調、ベートーヴェンの三重協奏曲、シューマンの協奏曲でソロデビュー。その後、イタリア、オランダ、トルコ、ハンガリー、中国、日本でも活躍。リッカルド・ムーティによってケルビーニ管弦楽団の首席チェリストに任命されたアメデオは、ソリストとしてもイタリア国内外の著名な劇場で演奏するほか、室内楽奏者としても活躍。
リンダ・ディ・カルロ(ピアノ)
ピアニスト、チェンバリストとして活躍するリンダ・ディ・カルロは、ヨーロッパのほか、ブラジル、チュニジア、トルコ、日本などでも演奏。クインテット・ボッテジーニ、ペルージャ管弦楽団の創設メンバーでチェンバロ奏者でもあるリンダ・ディ・カルロは、ペルージャ国立音楽院で教授を務めてもいます。


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 CD10 56'13
 ファニー・メンデルスゾーン 1805-1847


ピアノ・ソナタ集

ソナタ ト短調 HU 395 [1843]
1.  第1楽章 アレグロ・モルト・アジタート  3'37
2.  第2楽章 スケルツォ  2'56
3.  第3楽章 アダージョ  4'02
4.  第4楽章 フィナーレ: プレスト  6'22

復活祭ソナタ [1828]
5.  第1楽章 アレグロ・アッサイ・モデラート  5'04
6.  第2楽章 ラルゴ・エ・モルト・エスプレッシーヴォ  4'30
7.  第3楽章 スケルツォ:アレグレット  4'20
8.  第4楽章 アレグロ・コン・ストレピート  7'46

ソナタ断章 ホ長調 HU 44 [1822]
9.  アレグロ・モルト・モデラート  5'53

ソナタ ハ短調 HU 128 [1824]
10.  第1楽章 アレグロ・モデラート・コン・エスプレッショーネ  4'56
11.  第2楽章 アンダンテ・コン・モート  3'28
12.  第3楽章 フィナーレ: プレスト  3'16
ガイア・ソコーリ(ピアノ)

録音:2020年5月8〜10日、イタリア、プラート、ムジカフェリックス - ストゥーディオ・ベネッリ・モーゼル

 作曲家情報

ファニー・メンデルスゾーン (作曲、ピアノ)
ピアニストとしても有名であったファニー・メンデルスゾーン。作曲家としての多くのことを学び、フェリックスとの演奏のための作品も残しています。しかし公に活動することを家族に反対されていたため作品を発表できなかったこともあり、今日でも充分な認知度を得ていない作曲家でもあります。
  3つのソナタを収録していますが、初期の作品はフェリックスに似た部分も多いのですが、徐々に独創性が増していき、ト短調のソナタは説得力のある独自のソナタを完成させています。また、これまでフェリックスの作品ではないかと言われてきた『イースター・ソナタ』は近年ファニーのものであると結論付けられ、ここに録音されました。

 演奏家情報

ガイア・ソコーリ (ピアノ)
1998年にイタリア北部のエルバ(Erba、エルバ島はElba)に誕生。クラウディア・ボーズにピアノの指導を受けた後、イモラのピアノ・アカデミーでレオニード・マルガリウスに、アカデミア・ムジカフェリックスでロベルト・プロッセーダらに師事。
  その間、13歳でニューヨークのブラッドショー&ブオノ国際ピアノコンクールで第1位を獲得してカーネギーホールのワイル・リサイタルホールにデビューするなど数多くのコンクールでも活躍し、イタリア、アメリカのほか、フランス、スイス、ルーマニア、アルバニア、ロシアでも演奏。CDは、Piano Classicsなどから発売。
  ちなみに左腕のタトゥー「Quod me nutrit me destruit」は、ラテン語で「私を養うものは私を滅ぼす」といった意味の自戒の言葉です。シェイクスピア別人説でもおなじみのイギリスの劇作家クリストファー・マーロウ[1564-1593]の21歳の時の肖像画にも大きく書き込まれており、女優のアンジェリーナ・ジョリーがタトゥーにしたことでよく知られるようになりました。


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 CD11 64'42
 クララ・シューマン 1819-1896


ピアノ作品集
3つのロマンス Op.11
1.  第1曲 変ホ長調  3'16
2.  第2曲 ト短調  5'20
3.  第3曲 変イ長調  4'09

ソナタ(ソナティネ) ト短調
4.  第1楽章 アレグロ  8'00
5.  第2楽章 アダージョ  2'50
6.  第3楽章 スケルツォ  2'23
7.  第4楽章 ロンド  5'07

音楽の夜会 Op.6
8.  第1曲 トッカティーナ  1'57
9.  第2曲 ノットゥルノ  4'46
10.  第3曲 マズルカ  3'22
11.  第4曲 バラード  6'16
12.  第5曲 マズルカ  2'12
13.  第6曲 ポロネーズ  3'28

ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20
14.  ツィームリヒ・ラングザーム(かなり遅く) 11'15
ドメニコ・コディスポーティ(ピアノ)

録音:2018年3月13〜14日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会

 作曲家情報

クララ・シューマン (作曲、ピアノ、教育)
修業
◆1824年、母マリアンネからピアノの指導開始。26歳の母はほどなく出奔し、翌年に再婚。
◆1824年、父フリードリヒからピアノの指導開始。

作曲 (47年間)
◆ピアノ曲多数[1828-1895]、ピアノ協奏曲[1833-1835]、ピアノ三重奏曲[1846]、ピアノとヴァイオリンのための3つのロマンス[1853]、歌曲[1831-1853]、エマヌエル・ガイベルの詩による4声無伴奏合唱曲集[1848]、他
演奏 (63年間)
◆1828年、ゲヴァントハウスでモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏。これが公開演奏会デビュー。
◆1830年、ゲヴァントハウスでソロ・リサイタル開催。
◆1838年、ウィーンで大成功し皇帝の前でも演奏。宮廷演奏家の称号も授与。
◆1840年、クララ・ヴィーク名義での最後の公演をヴァイマールで開催。
◆1841年、クララ・シューマン名義での最初の公演をライプツィヒで開催。
◆1844年、クララ、シューマンとともにロシアに演奏旅行。
◆1857年、クララ、ゲヴァントハウスで演奏活動を再開。
◆1859年、クララ、ロンドンに演奏旅行して成功。以後、1888年まで毎年春にロンドン公演を実施。
◆1863年、クララ、5月から9月までの4か月をバーデンバーデン(バーデン大公国)で、9月から翌年5月までの8か月を演奏旅行に充てる生活サイクルを開始。
◆1891年、最後の公開演奏。
教育 (13年間)
◆1878年、フランクフルトのホッホ音楽院教授に就任。
◆1891年、フランクフルトのホッホ音楽院教授を辞任。


拠点別

ライプツィヒ/ヴィーク家 (21年間)
◆1819年9月13日、クララ誕生。ライプツィヒ(ザクセン王国)の、ノイアー・ノイマルクト48番地、ホーエ・リーリエ。
◆1819年10月6日、ライプツィヒ、ニコライ教会でクララ・ヨゼフィーネ・ヴィーク受洗。
◆1824年、母マリアンネが出奔。
◆1825年、1月に父フリードリヒと母マリアンネが離婚。母は同年8月にアドルフ・バルギール[1783-1841]と再婚。
◆1828年、父フリードリヒ、43歳で23歳のクレメンティーネ・フェヒナー[1804-1893]と再婚。
◆1828年、ロベルトがクララの父フリードリヒに師事。
◆1830年10月、ロベルトがヴィーク家に同居開始。
◆1831年10月、ロベルトがヴィーク家から退去。
◆1834年4月、エルネスティーネ・フォン・フリッケンがヴィーク家に同居開始。
◆1834年8月、ロベルトとエルネスティーネが婚約。エルネスティーネ17歳、ロベルト24歳。アレグロ Op.8をエルネスティーネに献呈。
◆1835年夏、ロベルトはエルネスティーネとの婚約を解消(結婚に反対していたエルネスティーネの親がロベルトには財産を相続させないと決めたため)。
◆1835年11月、クララとロベルトとの交際が本格化。
◆1836年、父フリードリヒがクララとロベルトとの交際に反対。
◆1837年8月、クララとロベルトが密かに婚約。
◆1839年、クララは1月からパリに滞在し6月にパリで父フリードリヒを提訴。
◆1840年8月、判決により結婚が許可。

ライプツィヒ/シューマン家 (4年間)
◆1840年9月12日、ロベルトと結婚。新居はライプツィヒのインゼル街。
◆1841年9月1日、長女マリー誕生。以後の13年間にさらに7人誕生。
◆1843年1月、父フリードリヒより和解の手紙が到着。
◆1843年4月25日、次女エリーゼ誕生。
◆1844年1月、ロシア・ツアー(5月まで)

ドレスデン (5年間)
◆1844年12月、ドレスデン(ザクセン王国)に転居。
◆1845年3月11日、三女ユーリエ誕生。
◆1846年2月8日、長男エミール誕生。
◆1848年1月20日、次男ルートヴィヒ誕生。
◆1849年7月6日、三男フェルディナント誕生。

デュッセルドルフ (6年間)
◆1850年9月、デュッセルドルフ(プロイセン王国)に転居。ロベルトがデュッセルドルフ管弦楽団と合唱団の指揮者に就任。
◆1851年12月1日、四女オイゲニー誕生。
◆1853年10月1日、ブラームス初来訪。
◆1854年2月27日、ロベルト、ライン川投信自殺未遂。
◆1854年3月4日、ロベルト、エンデニヒの精神病院に入院。
◆1854年6月11日、四男フェリックス誕生。
◆1856年7月27日、クララがロベルトに面会。2年4か月面会を禁止されていました。
◆1856年7月29日、ロベルト死去。

ベルリン (20年間)
◆1857年9月、ベルリン(プロイセン王国)に転居。
◆1862年7月、バーデン・バーデンに家を購入。
◆1877年、ロベルトの作品全集編纂を開始。

フランクフルト (18年間)
◆1878年、フランクフルト(プロイセン王国)に転居。
◆1896年5月20日、死去。脳出血。76歳。

 演奏家情報

ドメニコ・コディスポーティ (ピアノ)
1975年、イタリア南部のカタンツァーロに誕生。ペスカレーゼ音楽院でブルーノ・メッツェーナに師事した後、アメリカに渡り、ダラスの南メソジスト大学でホアキン・アチュカロの指導のもとアーティスト・ディプロマを取得。ソロと室内楽で活動するほか、イタリアのノヴァーラにあるグイド・カンテッリ音楽院でピアノ教授を務めています。
  CDは、Brilliant Classics、Piano Classics、Naxos、Cable Musical、Odradek Recordsなどから発売。


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 CD12 トラック1〜4
 クララ・シューマン 1819-1896


ピアノ三重奏曲
ピアノ三重奏曲 Op.17 ト短調 [1846]  29'44
1.  第1楽章 アレグロ・モデラート  11'18
2.  第2楽章 スケルツォ テンポ・ディ・メヌエット  5'10
3.  第3楽章 アンダンテ  5'15
4.  第4楽章 アレグレット  8'01
ピアノ三重奏曲 ト短調は、初期ロマン派的な親しみやすい音楽と、クララ・シューマンのネームヴァリューのおかげですでにレコーディングも多数の人気作。

トリオ・リガモンティ
└ マリエッラ・リガモンティ(ヴァイオリン)
└ エマヌエーレ・リガモンティ(チェロ)
└ ミリアム・リガモンティ(ピアノ)

録音:2023年7月11〜13日、ミラノ、グリッファ録音スタジオ
 CD12 トラック5〜7
 レベッカ・クラーク 1886-1979


ピアノ三重奏曲
ピアノ三重奏曲 [1921]  24'29
5.  第1楽章 モデラート・マ・アパッショナート  9'54
6.  第2楽章 アンダンテ・モルト・センプリーチェ  6'51
7.  第3楽章 アレグロ・ヴィゴローゾ  8'44
旋律美と伝統的な様式、手が込んだ書法が結び付いており、音数の多さがもたらす多様で重層的な展開と独特の情感表現による雰囲気醸成が印象的な力作となっています。
トリオ・リガモンティ
└ マリエッラ・リガモンティ(ヴァイオリン)
└ エマヌエーレ・リガモンティ(チェロ)
└ ミリアム・リガモンティ(ピアノ)

録音:2023年7月11〜13日、ミラノ、グリッファ録音スタジオ
 作曲家情報

レベッカ・クラーク ()
 演奏家情報

トリオ・リガモンティ
コーモのG.ヴェルディ音楽院で学んだリガモンティ3姉弟により2012年に結成されたピアノ・トリオ。ピアノのミリアムが1992年生まれ、ヴァイオリンのマリエッラが1994年生まれ、チェロのエマヌエーレが1997年生まれ。
  2015年にウィーンのヴィルトゥオーゾ国際音楽コンクールで入賞したのを皮切りに、いくつもの国際コンクールで入賞し、2021年にボルツァーノで開催されたカルロ・マリア・ジュリーニ国際室内楽コンクールで優勝、2022年にはリエージュのウジェーヌ・イザイ国際音楽コンクールで第2位(第1位なし)を獲得しています。
  これまでにイタリア、クロアチア、スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、デンマークなどで演奏。


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 CD13 74'04
 セシル・シャミナード 1857-1944



ピアノ曲集
「ピエレット」(バレエの調べ) Op.41
1.  アレグレット  2:23
「6つの演奏会用練習曲」 Op.35 
2.  第1番 スケルツォ 3:04
3.  第2番 秋 6:17
4.  第3番 紡ぎ歌 4:35
5.  第4番 熱情 2:53
6.  第5番 即興 3:37
7.  第6番 タランテラ 3:59

「森の精」 Op.60
8.  モデラート  3:17

「アラベスク」 Op.61
9.  アレグロ・リゾルート  4:33

「プロヴァンスの詩」 Op.127 
10.  第1番 湿原の中で 3:14
11.  第2番 ソリチュード 4:10
12.  第3番 過去 3:34
13.  第4番 夜の漁師たち 4:18

「へつらう女」 Op.50
14.  モデラート  3:28

「6つの無言歌」 Op.76 
15.  第1番 思い出 2:07
16.  第2番 奉挙 2:31
17.  第3番 牧歌 2:40
18.  第4番 エクローグ 2:27
19.  第5番 ブルターニュの歌 1:53
20.  第6番 瞑想 4:36

「主題と変奏」 Op.89
21.  アレグレット  4:19
マーク・ヴァイナー(ピアノ)

録音:2018年3月16〜17日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会
 作曲家情報

セシル・シャミナード (作曲、ピアノ)
母親からピアノのレッスンを受け、8歳のときにはビゼーの前で自作を演奏し、ビゼーは「私の小さなモーツァルト」と呼んで可愛がります。しかしイギリスの保険会社の取締役である父の反対でパリ音楽院への入学は叶わず、ビゼーは、シャミナードがパリ音楽院の教授たちから個人レッスンを受けられるよう手配。ピアノをフェリクス・ル・クペ[1811-1887]、作曲をバンジャマン・ゴダール[1849-1895]、和声をオーギュスタン・サヴァール[1814-1881]に師事しています。プロとしての初めてコンサートは18歳のときで、間もなくフランス国内のツアーを開始。1892年、35歳の時にはイギリスでデビューして絶大な人気を獲得。ヴィクトリア女王[1819-1901]がウィンザー城に招待するほどで、5年後には女王からジュビリー・メダルを授与。1908年にアメリカ・ツアーを実施すると、全米に約200のシャミナード・クラブが設立されてもいます。
 演奏家情報

マーク・ヴァイナー (ピアノ)
1989年に誕生。13歳で優秀な成績により奨学金を獲得してパーセル音楽学校に入学し、その後5年間テッサ・ニコルソンに師事。その後王立音楽大学に進学し、ニール・インメルマンのもとで6年間学び、2011年に音楽学士号を取得し、2013年に演奏修士号を取得し卒業。
  2012年にギリシャのアテネで開催されたアルカン・ジメルマン国際ピアノコンクールで優勝した後、世界各国で演奏するようになります。2014年と2017年にはアルカン協会とリスト協会の会長にも選出。また、優れた研究者でもあり、自らブックレットのライナーノーツを執筆。
  CDは、Brilliant Classics、Piano Classicsなどから発売。


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 CD14 79'38
 ポリーヌ・ヴィアルド 1821–1910


歌曲集

「12のマズルカ」 [1864]
1.  「16歳」 (ショパン:マズルカ Op.50 No.2による)  4'00
2.  「私を愛して」 (同 Op.33 No.2による)  2'50
3.  「愛の嘆き」 (同 Op.6 No.1による)  3'24
4.  「コケット」 (同 Op.7 No.1による)  2'38
5.  「小鳥」 (同 Op.68 No.2による)  3'16
6.  「別れ」 (同 Op.6 No.4による)  2'11
7.  「宴」 (同 Op.6 No.4による)  4'32
8.  「弱い心」 (同 Op.7 No.3による)  4'55
9.  「若い娘」 (同 Op.24 No.2による)  3'11
10.  「子守唄」 (同 Op.33 No.3による)  3'29
11.  「踊り」 (同 Op.50 No.1による)  3'41
12.  「美」 (同 Op.67 No.1による)  2'16

「6つの歌」より [1884]
13.  第5曲 「マドリード」  3'05

「演奏会用カンツォネッタ」 [1880]
14.  アンダンテ・カンタービレ  4'10

「10の歌」 [1850]
15.  「孤独」  2'42
16.  「山羊飼いの少女」  2'32
17.  「不在」  2'05
18.  「ある春の日」  2'40
19.  「ヴィラネル」  3'01
20.  「海にて」  5'56
21.  「ロイックの歌」  4'08
22.  「マリーとジュリー」  2'28
23.  「ホタル」  2'54
24.  「タランテラ」  3'23
マリーナ・コンパラート(メゾ・ソプラノ)
セレナ・ルビーニ(ソプラノ/トラック6、12)
エリーザ・トリウルツィ(ピアノ)

録音:2012年12月、イタリア、テルニ、アウディトリウム・マッテオ・ダクアスパルタ

 作曲家情報

ポリーヌ・ヴィアルド ()
 演奏家情報

マリーナ・コンパラート (メゾ・ソプラノ)

エリーザ・トリウルツィ (ピアノ)

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 CD15 66'25
 ドーラ・ペヤチェヴィチ 1885-1923


ピアノ曲集
6つの幻想的小品
1.  憧れ  3'00
2.  悲しみ  1'27
3.  質問  1'40
4.  嘆き  2'36
5.  嘆願  0'59
6.  妄想  1'23

花の生涯
7.  スノードロップ(マツユキソウの仲間)  1'59
8.  スミレ  2'31
9.  スズラン  1'19
10.  忘れな草  1'25
11.  バラ  1'45
12.  赤いカーネーション  2'58
13.  ユリ  2'33
14.  菊  3'24

カプリス・ワルツ
15.  モデラート  1'04
16.  グラツィオーゾ  1'33
17.  イム・レントラー・テンポ  1'29
18.  ヴィーゲント  1'32
19.  レント  2'54
20.  テンポ・ジュスト  1'06
21.  アレグレット  1'40
22.  グラツィオーゾ  1'06
23.  モデラート  1'25

2つのピアノ・スケッチ
24.  あなたへ  1'49
25.  あなたの写真の前に  2'09
26.  カプリッチョ Op.47  3'00

2つのノクターン
27.  とても静かに  2'37
28.  軽快な走り  2'10

ピアノ・ソナタ第2番
29.  11'15
エカテリーナ・リトヴィンツェワ(ピアノ)

録音:2020年10月29〜30日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会

 作曲家情報

ドーラ・ペヤチェヴィチ (作曲、ピアノ)
1885年、オーストリア=ハンガリー帝国のブダペストに誕生。本名はマリア・テオドーラ・ペヤチェヴィチ。父はハンガリー系クロアチア伯爵、母はハンガリー男爵の娘なので、オーストリア=ハンガリー帝国クロアチア貴族の一員ということになります。
  ドーラの音楽的才能は、ピアニスト兼歌手だった母親によって幼い頃から認められて育まれ、1903年に一家でザグレブに転居した際には、クロアチア音楽学校の教授のもとで音楽を学んでいます。その頃の彼女の作風は、メンデルスゾーン、シューマン、グリーグなどロマン派の作曲家の影響を受けたものでした。
  その後、彼女はドレスデンとミュンヘンで学び、楽器演奏、作曲、ヴァイオリンのレッスンを受けています。
  ペヤチェヴィチはやがてフランス印象派の影響を受けながらも、ロマン派の伝統に根ざした作曲をおこなうようになり、独自の個性を確立して行きますが、1923年1月にミュンヘンで息子のテオを出産した際に合併症を患い、2か月後に腎不全により37歳で亡くなっています。

 演奏家情報

エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ(ピアノ)
1986年、カムチャツカに近い港湾都市マガダンに誕生。1990年、4歳の時にピアノの勉強を開始。1994年、マガダン(北緯59度33分)の北東約1500kmでほぼ北極圏に位置し、オーロラがさらに美しいいチュクチ自治管区の都市アナディリ(北緯64度44分)に転居し、同地の音楽学校で勉強。ロシア最北東端都市の厳しくも豊かな自然の中で過ごしたのち、2001年、15歳のときに一家はモスクワに転居。2002年、モスクワ国立ショパン音楽学校に入学し、イリーナ・ガブリエロヴァに師事。卒業後、2006年にマイモニデス・クラシック・ピアノ・アカデミーに入学し、ヴィクトール・デレヴィアンコ、アレクサンダー・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィーナらに師事、卒業後、2011年にドイツに移住し、ケルン音楽舞踊大学で学び、2013年に修士号を取得して卒業後、ヴュルツブルク音楽大学でも学んでいます。
  以後、ベルリンのコンツェルトハウス、シュトゥットガルトのリーダーハレ、ボンのベートーヴェンハレ、ニュルンベルクにあるマイスタージンガーハレ、ハノーファーのNDRフンクハウス、ハンブルクのムジークハレといったドイツの有名な会場などで演奏。


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 CD16 トラック1〜14
 アルマ・マーラー 1879-1964


歌曲集 (存命中に出版された歌曲の全曲)
5つの歌
1.  「静かな街」  2'40
2.  「父の庭で」  5'26
3.  「穏やかな夏の夜」  1'52
4.  「あなたのそばは心安らぐ」  1'52
5.  「花々の下を歩く」  0'52

4つの歌
6.  「夜の光」  3'28
7.  「森の恵み」  2'31
8.  「激情」  1'39
9.  「収穫の歌」  4'10

5つの歌
10.  「賛歌」  4'58
11.  「恍惚」  2'35
12.  「賢者」  2'48
13.  「頌歌」  3'05
14.  「夜への賛歌」  3'20
カタリーナ・クレーガー(ソプラノ)
モニカ・ロネーロ(ピアノ)

録音:2014年10月、ローマ、デジタルレコーズ

 作曲家情報

アルマ・マーラー ()
 CD16 トラック15
 パトリツィア・モンタナーロ 1956- 


歌曲
「ペネロペの歌」
15.  21'37
カタリーナ・クレーガー(ソプラノ)
モニカ・ロネーロ(ピアノ)

録音:2014年10月、ローマ、デジタルレコーズ

 作曲家情報

パトリツィア・モンタナーロ ()
 演奏家情報

カタリーナ・クレーガー (ソプラノ)

モニカ・ロネーロ (ピアノ)

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 CD17 65'01
 エイミー・ビーチ 1867-1944


ピアノ曲集
「深き淵より」Op.130 [1932]
1.  レント・コン・・エスプレッショーネ  2'43

「バルカンの主題による変奏曲」 Op.60 [1904]  25'12
2.  主題 アダージョ・マリンコーリコ
   第1変奏 ピウ・モッソ
   第2変奏 マエストーゾ
   第3変奏 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
   第4変奏 アンダンテ・アッラ・バルカロラ
   第5変奏 ラルゴ・コン・モルタ・エスプレッショーネ
   第6変奏 クワジ・ファンタジア
   第7変奏 ヴィヴァーチェ
   第8変奏 コン・ヴィゴーレ

「夢想」 Op.15 No.3 [1892]
3.  アンダンテ・コン・モルト・エスプレッショーネ  4'29

R.シュトラウス「セレナーデ」の編曲 [1902]
4.  ヴィヴァーチェ・エ・ドルチェ 3'49

前奏曲とフーガ Op.81 [1914]
5.  マエストーゾ、クワジ・インプロヴィザツィオーネ  10'30

「カヌー」 Op.119 No.3 [1927]
6.  トランクイッロ・エ・センプレ・レガート  1'08

「スイカズラ」 Op.97 No.5 [1922]
7.  アレグロ・ディ・モルト  2'55

「夕べのツグミ」 Op.92 No.1 [1922]
8.  モルト・レント  4'48

夜想曲 Op.107 [1924]
9.  モデラート・エスプレッシーヴォ  3'41

3つの小品 Op.128 [1932]
10.  I. スケルツィーノ「ピーターボローのシマリス」 1'10
11.  II. 「若い白樺」 2'52
12.  III. 「ハミング・バード」 1'01
マルティナ・フレッツォッティ(ピアノ)

録音:2023年1月10〜11日、スヒーダム、ヴェストフェスト教会

 作曲家情報

エイミー・ビーチ(作曲、ピアノ)

1867年9月5日、エイミー・チェイニーはアメリカ、ニューハンプシャー州ヘニカーの音楽一家に誕生。1歳までに40曲ほどを正確に歌うことができたビーチは、2歳の時には即興で対旋律を作る能力も示したとか。3歳で読譜を学び、4歳の時には3曲のワルツを作曲。
  母クララ・イモジェン・チェイニー[1846〜1911]は、子どもの意思を尊重することは親の権威を損なうことになりかねないという単純素朴な考えから、彼女がピアノを弾くことを禁じていましたが、6歳からは自分でビーチの指導をおこなうようになり、ほどなくビーチは公開リサイタルを開くまでに上達します。
  ビーチが8歳の時に一家はマサチューセッツ州サフォーク郡のチェルシーに転居。同地でフランツ・リストの弟子で友人でもあったカール・ベアマン[1839〜1913]に師事。1881年から1882年にかけては和声と対位法をジュニアス・W・ヒル[1840-1916]に師事した以外は、作曲家としてほぼ独学で、入手可能な作曲に関するあらゆる資料を集め、ベルリオーズとフランソワ・オーギュスト・ゲヴェール[1828-1908]の著作については自分でフランス語から翻訳して使用していました。
  1883年10月18日、16歳のときにはボストンのプロムナード・コンサートでピアニストとして正式にデビューし批評家から絶賛。その2年後、18歳のときには42歳のボストンの外科医、ヘンリー・ハリス・オーブリー・ビーチ[1843〜1910]と結婚。
  しかし夫は彼女に年に2回以上のリサイタルを開くことを許さず、また、ピアノを教えることも認めませんでした。そのかわりに夫は彼女に作曲を勧め、もともと作曲家志望だった彼女も熱心に取り組み、やがて1890年に作曲したミサ曲 変ホ長調が1892年にボストンのヘンデル・ハイドン協会管弦楽団によって演奏されると最初の成功を収めています。
  1896年にボストン交響楽団によって初演された「ゲール風交響曲」も成功し、彼女は「ボストン6人組(第2ニューイングランド楽派とも。ビーチ、ジョージ・チャドウィック[1854〜1931]、アーサー・フート[1853〜1937]、エドワード・マクダウェル[1861〜1908]、ジョン・ノウルズ・ペイン[1839〜1906]、ホレイショ・パーカー[1863〜1919]の6名)」の1人に選ばれてもいます。
  1910年の夏に夫が亡くなると、翌1911年にベルリン王立歌劇場のプリマドンナであったアメリカ人ソプラノ歌手、マーセラ・クラフト[1874〜1959]とヨーロッパを旅行し、ベルリン、パリ、ローマなどヨーロッパの多くの主要都市でピアニストとして出演し、第1次大戦の勃発とともにアメリカに帰還しています。
  ビーチはニューハンプシャー州ヒルズボローの叔母といとこ(彼女の唯一の近親者)の家に身を寄せながら、コンサートに出演し続けますが、1920年にはいとこ、1925年に叔母が亡くなると、1928年から1929年の冬にかけてローマに滞在。1930年秋にはニューヨークにスタジオ・アパートを借りて、聖バーソロミュー聖公会教会の実質的なコンポーザー・イン・レジデンスとなります。
  その後、音楽に関する記事を多く執筆し、音楽教育の重要性を提唱した彼女は、ニューイングランド音楽院の評議員会会長を務め、1928年にはニューハンプシャー大学で名誉修士号を授与。1944年12月27日、ニューヨークで心不全に倒れ、マサチューセッツ州ボストンのフォレスト・ヒルズ墓地に埋葬。

 演奏家情報

マルティーナ・フレッツォッティ(ピアノ)
1986年、北イタリアのウーディネに誕生。生まれのイタリア人ピアニスト。イーモラのピアノ・アカデミーでラーザリ・ベルマンに師事した後、モスクワ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事。
  マルティナ・フレッツォッティは、ヨーロッパ、ロシア、アメリカ、アジアでソロ・リサイタルをおこない、2012年にはカーネギーホール・デビューも果たしています。


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 CD18 52'34
 メラニー・ボニス 1858-1937


フルートとピアノのための作品全集
フルート・ソナタ Op.64
1.  第1楽章 アンダンティーノ・コン・モート  5'59
2.  第2楽章 スケルツォ・ヴィヴァーチェ  2'20
3.  第3楽章 アダージョ  6'41
4.  第4楽章 フィナーレ. モデラート  5'11
ボニスは4つの楽章を通して、詩と光に満ちたポスト・ロマンティックな雰囲気を醸成。

3つのメロディー Op.91
5.  ヴィオラ  2'40
6.  助けて  3'23
7.  夢  3'48
ソプラノとピアノのための歌曲をフルートとピアノのために編曲したもので、2つの楽器の間に情熱的な対話を生み出させ、フルートに幅広い音色のパレットを見つけるよう挑戦させています。

スケルツォ Op.187
8.  5'00
フルートがピアノ・パートの三連符の上で情熱的なメロディーを奏でる音楽。

フルートとピアノのための小品 Op.189
9.  4'56
近年再発見された作品。フルートの色彩豊かな美しいメロディーにゆっくりとしたピアノが絡まります。

ヴォー地方のエール Op.108
10.  4'33
戦争によりスイスのヴォー州に疎開していた1916年に書かれた曲で、同地の自然豊かで牧歌的な様子が反映されています。
嘆きのフルート Op.121
11.  2'06
叙情性と色彩のコントラストの組み合わせが印象派的な音楽。
アンダンテとアレグロ Op.133
12.  アンダンテ  4'00
13.  アレグロ  1'50
和声の選択と独創的な展開の点で前衛を感じさせる作品。アンダンテの不規則なフレーズと長いラインは、アレグロの急速で低いピアノのオクターブと出会い、嵐のフィナーレに向かって激しさを増していきます。
マリオ・アンチロッティ(フルート)
エリアナ・グラッソ(ピアノ)

録音:2022年1月、ローマ、アビー・ロッキ・スタジオ

 作曲家情報

メラニー・ボニス (作曲)
パリ音楽院で学んだ後、オーケストラから歌曲までさまざまなジャンルの作品を出版。3人の子供を出産し、家庭と音楽のバランスを取ることに追われながらも、やがて彼女は作曲家協会初の女性理事にも選出。
  ボニスの室内楽ではフルートが活躍することが多く、ロマン派と印象派の橋渡しとなるような作風を示しています。

 演奏家情報

マリオ・アンチロッティ(フルート)
フィレンツェのルイジ・ケルビーニ音楽院でフルートと作曲を学び、1970年にRAIイタリア放送交響楽団の首席フルート奏者に就任し、ほどなくローマ聖チェチーリア管弦楽団に移りますが、1978年からはソロと室内楽に専念。発掘作品や現代作品も得意とするなど幅広いレパートリーをもっているほか、教育にも力を入れており、ルガーノやフィレンツェを中心に各地で教えています。


エリアナ・グラッソ(ピアノ)
1994年にミュルーズ管弦楽団とハイドンのニ長調協奏曲を演奏してデビュー。2000年にトリノ音楽院で満点の成績で卒業、2005年にピアノ演奏の修士号を取得し、イモラ・アカデミーで勉強を継続。ストレーザ・コンクール、クレメンティ・コンクール、ベラージオ国際コンクールで優勝し、EMCYサンクトペテルブルク国際コンクールで第3位、
  スカラ座アカデミーの共同ピアニストとして働いてきましたが、現在はスカラ座音楽院のピアノ教授です。


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 CD19 69'04
 ジェルメーヌ・タイユフェール 1892–1983


ピアノ曲集
「即興曲」 [1912]
1.  2'30

「ロマンス」 [1913]
2.  3'24

あまり急がずに [1914]
3.  1'28

「パストラル」ニ長調 [1919]
4.  1'42

「ドビュッシーへのオマージュ」 [1920]
5.  1'26

「とても速く」 [1920]
6.  2'15

「パストラル」変イ長調 [1928]
7.  3'25

「シシリエンヌ」 [1928]
8.  3'16

「パストラル」ハ長調 [1929]
9.  3'56

「フランスの花々」 [1930]
10.  第1曲 「プロヴァンスのジャスミン」  1'13
11.  第2曲 「ギュイエンヌのひなげし」  0'51
12.  第3曲 「アンジュのばら」  1'32
13.  第4曲 「ラングドックの向日葵」  1'14
14.  第5曲 「ルションのカモミール」  1'16
15.  第6曲 「プロヴァンスのラヴェンダー」  1'01
16.  第7曲 「ベアルンの昼顔」  1'00
17.  第8曲 「ピカルディの矢車菊」  1'46

「犬」 [1931]
18.  1'52

「インカのパストラル」 [1931]
19.  4'57

「アルザスのパヴィリオンで」 [1937]
20.  4'22

「ブルターニュ」 [1940]
21.  8'27

「ラルゲット」 [1946]
22.  2'54

「ゆるやかなワルツ」 [1948]
23.  1'35

「傘のフーガ」 [1950]
24.  1'56

「ピアノのためのパルティータ」 [1957]
25.  第1楽章 常動曲(アレグレット)  2'46
26.  第2楽章 ノットゥルノ(アンダンティーノ)  2'50
27.  第3楽章 アレグロ  3'32
クリスティーナ・アリアーニョ(ピアノ)

録音:2001年6月、ヴェネツィア、カンポノガーラ

 作曲家情報

ジェルメーヌ・タイユフェール ()
 演奏家情報

クリスティーナ・アリアーニョ (ピアノ)

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 CD20 77'28
 イーダ・プレスティ 1924-1967


2台のギターのための作品全曲

「ハンガリー人」
1.  8'30

「プレリュード」
2.  4'57

「タランテラ」
3.  4'53

「アヴィラの踊り」
4.  5'23

「スペイン」
5.  9'04

「バガテル」
6.  7'46

「ジプシーの踊り」
7.  2'49

「エチュード第1番」
8.  3'41

「母への子守唄」
9.  6'15

「歌とゲーム」
10.  3'15

「エチュード第2番」
11.  4'09

「セレナーデ」
12.  5'29

「ニューイヤー・ワルツ」
13.  3'13

「幻想的エチュード」
14.  7'32
サルヴァトーレ・フォルトゥナート(ギター)
ファビオ・ペルチバッリ(ギター)

録音:2022年、イタリア、ジェンツァーノ・ディ・ローマ
 作曲家情報

イーダ・プレスティ (作曲、ギター)
イーダ・プレスティ[1924-1967]はフランスのギタリスト兼作曲家。10歳で有名ホールでデビューし、13歳でフランスHMVにレコーディングをおこなうほどの神童でしたが、アレクサンドル・ラゴヤと出会うとデュオの表現力に夢中になり、ソロ活動を停止してデュオで世界をまわるようになります。全米ツアー中、肺腫瘍による大量の出血のため42歳で亡くなってしまったプレスティですが、その作品が後の世代に受け継がれるのは素晴らしいことです。

きっかけはセゴビアのコンサート
1924年4月7日、父クロードはパリでおこなわれたセゴビアのコンサートに出かけて深く感動。帰宅すると、妊娠8か月の妻に対して、生まれてくる子供を素晴らしいギタリストにすると宣言。父クロードは自身でピアノとアコーディオン演奏もおこなう音楽愛好家でした。

パリ近郊で誕生
1924年5月31日、パリ近郊のシュレンヌにイヴェット・イーダ・モンタニョンとして誕生。父はパリ生まれのクロード・マルセル・モンタニョンで、1918年にモロッコで出会ったシチリア生まれのイタリア人女性オルガ・グラチア・ロー・プレスティと結婚していました。

父クロードの奮闘とセゴビアのレコード
1930年、プレスティが6歳になると、セゴビアのSPレコードをお手本として使って、フルサイズのギターで教え始めますが、乳児の頃からギターの音に慣らされ、さらにピアノも弾かされていたプレスティの上達速度は驚くべきものでした。父クロードは、プレスティが生まれるとギターを買い求め、自分で教えられるようにギター演奏を勉強していました。

和声と理論の勉強も開始
1932年、父のレヴェルをすぐに超えてしまったプレスティは、8歳からはイタリア人ギタリストで楽器製作者のマリオ・マッカフェッリに師事し、ギターのほか、和声と理論の指導も受けるようになります。マッカフェッリは楽器製作の修業をしていた16歳の時にシエナ・キジャーナ音楽院でも学び始め26歳の時に教授に任命。パリとロンドンでギタリスト、作曲、教育者として活動。1931年にパリの楽器メーカー、セルマーでギターを作るためにパリに転居。マッカフェッリの指導のもと、新たにつくられたギター部門は、世界大恐慌の不況下にも関わらず工場もフル稼働で絶好調でしたが、翌1932年にはマッカフェッリはセルマーと対立して退職し、教育と演奏活動を再開。そこで教えを受けることになったのがプレスティでした。しかし翌1933年7月には映画の撮影中の水泳事故でマッカフェッリは手を骨折し、半年間のリハビリを経ても元の演奏水準には回復しなかったため、プレスティが教わった期間は1年に満たなかったものと考えられます。
パリ・ギター友の会で演奏
1933年、「パリ・ギター友の会」会長のアンドレ・ヴェルディエ邸で演奏し、集まったギター愛好家たちを熱狂させ、その神童ぶりが評判となって行きます。プレスティはこのサークルで、アンドレ・ヴェルディエのほか、エミリオ・プジョル、ジャン・ラフォンの指導も受けています。
本格デビュー公演は高名なガヴォティも絶賛
1934年、10歳になると父クロードがパリの有名劇場、サル・プレイエル内の中ホール「サル・ショパン」を借り、プレスティのソロ・リサイタルを開催。名前はミドル・ネームと母方姓を組み合わせた「イーダ・プレスティ」としていますが、これは父クロードがその響きの方が良い判断したからでした。公演を聴いたオルガニストで音楽学者、音楽評論家のベルナール・ガヴォティ[1908-1981]も、「10歳にして確かなテクニックを持ち、その豊かな響きと多彩な音色は、この上なく魅惑的だ。」と絶賛。

セゴビアが称賛
1937年、プレスティの演奏を聴いたセゴビアは、「私は彼女に教えることは何もない...彼女は他のギタリストのアドバイスを受け入れるべきではない」と述べ、プレスティの演奏がすでに完成していることを示唆しています。
フランスHMVにレコーディング
1937年、Disque Gramophone(フランスHMV)にグラナドス:スペイン舞曲第5番、ポンセ:2つのメキシコ民謡、マラッツ:セレナータ・エスパニョーラ、モレーノ=トローバ:ソナチネ、そしてロベール・ド・ヴィゼとバッハの作品をいくつかレコーディング。
映画に出演
1938年公開のアルフォンス・ドーデ原作の映画「プチ・ショーズ」にギタリスト役で出演。

パリ音楽院管弦楽団と共演
1938年、パリ音楽院管弦楽団と初めてコンサートをおこなったギタリストとなり、ほどなく、パドルー管弦楽団とも共演しています。
父が心臓発作により死去
1938年、父が心臓発作により死去したため、プレスティは3人の幼い弟と妹、母親の生活を支えることになります。
パガニーニ没後100周年記念コンサートに出演
1940年、パガニーニ没後100周年を記念し、パガニーニの生家でパガニーニの弾いていたギターと、ベルリオーズの弾いていたギターを使用して演奏。
結婚
1943年、アンリ・リゴーと結婚。プレスティは1940年のドイツ軍侵攻により、多くのパリ市民と同じく南仏に移動。ヴィシー政権下の自由地域であるマルセイユ近郊のアロー村で暮らし、ときおり小規模なリサイタルを開催していました。

出産
1944年、第1子エリーザベトを出産。母オルガは数年前に再婚していましたが、幼い妹のジーナはプレスティと暮らしていたので、プレスティにとってエリーザベトは育児的には2人目の子供のようなものでした。

アランフエス協奏曲フランス初演
1948年9月16日、ロドリーゴのアランフエス協奏曲のフランス初演ギタリストに選ばれ、エルネスト・ブール指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏で中継。これによってプレスティの知名度は一気に上がり、自身のラジオ番組「ギターについて」を持つに至っています。
アムステルダム公演
1948年10月、アムステルダムでの公演をフランスにも中継。
アランフエス協奏曲、再演
1949年2月17日、ミュルーズでアランフエス協奏曲を演奏。
アランフエス協奏曲、再演
1949年12月、南フランスと北アフリカでアランフエス協奏曲を演奏。
アレクサンドル・ラゴヤとの出会い
1950年、イタリア系ギリシャ人ギタリスト、アレクサンドル・ラゴヤと出会い、翌年、結婚。ラゴヤは1947年からパリのエコール・ノルマルで学んでおり、出会ったときはプレスティ26歳、ラゴヤ21歳でした。
イギリス・デビュー
1951年、ロンドンでリサイタルを開催して成功。
再婚
1952年、23歳のアレクサンドル・ラゴヤと結婚。
アレクサンドル・ラゴヤとデュオを結成
1952年、夫婦でのデュオ演奏を開始。
出産
1953年、第2子シルヴァン誕生。
ソロ活動停止
1955年、ラゴヤとのデュオに専念する道を選びます。以後、2千回以上のコンサートをおこないます。楽器はフランスの弦楽器製作者ロベール・ブーシェが製作したギター。
ニースで教育活動開始
1960年、ニース国際音楽アカデミーで教えます。
モスクワ公演
1964年、モスクワで演奏して大きな成功を収めます。
セントルイスで喀血
1967年4月、アメリカ・ツアー中に喀血。セントルイスの病院で検査を受け、そこに留まって治療を受けるよう言われますが、プレスティは断って次のツアー地であるニューヨーク州ロチェスターに飛行機で向かいます。喀血が止まらなかったため、4時間37分のフライトの大半をトイレで過ごし、ロチェスターに着く頃には、非常に衰弱した状態でした。
ロチェスターで死去
1967年4月24日、ロチェスター国際空港から直接ストロング記念病院に運ばれますが、肺腫瘍による大量の内出血で死亡。遺体はパリに運ばれ、パリ近郊のモンモランシー墓地に埋葬。
  夫のラゴヤはしばらく演奏活動を停止しますが、1969年にはパリ音楽院に初めてギター科が開設されてそこで教えることになり、65歳になる1994年まで25年間在職。ツアーは1972年に再開してソロ奏者として活躍し、モネルという女性と再婚。1999年にパリで70歳で亡くなると、プレスティの眠るモンモランシー墓地の同じ墓に埋葬されています。墓石の刻印は「Ida PRESTI 1924-1967」が上、「Alexandre LAGOYA 1929-1999」が下でした。

 演奏家情報

サルヴァトーレ・フォルトゥナート(下の画像の右側)
1990年、ローマで誕生。ラティーナ・オットリーノ・レスピーギ音楽院、フロジノーネ・リチニオ・レフィーチェ音楽院で学位を取得したのち、アカデミア・キタリスティカ・デイ・カステッリ・ロマーニ、シエナ・キジャーナ音楽院、ポルデノーネ・セゴビア・ギター・アカデミーで技術を磨いています。その後、ロサンジェルスの「MAP国際音楽コンクール」、クラクフの「OPUS国際コンクール」、ストックホルムの「Xノース国際コンクール」、ジュネーブの「VIジュネーブ国際音楽コンクール」、クレモナの「クラシックス・アーティスツ」など、国内外の音楽コンクールで優秀な成績を収め、2014年にはローマのパラッツォ・コルシーニで、若手最優秀アーティストとして国際批評家賞を受賞。
  ソロのほか室内楽奏者として国内外で演奏し、カステッリ・ロマーニ・ギター・アカデミーで教授を務めています。
ファビオ・ペルチバッリ(下の画像の左側)
幼少の頃から音楽の勉強を開始。ローマ・ペルチェントムジカ・アカデミーとイタリアのウンブリア・バークリー・カレッジ・オブ・ミュージックで学んだ後、ラティーナ・オットリーノ・レスピーギ音楽院クラシック・ギター科を最優秀の成績で卒業。
  2010年以来、PMCE(Parco della Musica Contemporanea Ensemble)と活動し、ローマのAuditorium Parco della Musicaでのスティーヴ・ライヒ作「2x5」、ラヴェンナ音楽祭でのクリストファー・トラパーニ作「Stellazione」[2018]、ミケーレ・タディーニ作「It mooned」、マーク・グレイ作「Rainbow bridge」[2019、2020]など、ローマでのいくつかの初演に参加。また、自作「Quattro studi sulla lontananza」を2018年に出版してもいます。


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 CD21 58'13
 コハリック・ガザロシアン 1907-1967


ピアノ曲集

24の練習曲
1.  アレグレット  2'37
2.  アニメ・エ・グルイヤント  2'07
3.  アンダンティーノ  2'27
4.  ヴィーヴォ – メノ・モッソ  1'55
5.  アレグレット  2'06
6.  コン・スピリト  1'44
7.  アンダンティーノ・カンタービレ  2'23
8.  アンダンテ・エスプレッシーヴォ  2'22
9.  コン・モート・エ・コン・アニマ  2'52
10.  ア・ラ・マルシア  3'05
11.  アレグレット・コン・スピリト  1'03
12.  アレグロ・マジェストゥオーゾ  3'02
13.  コモド・エ・トランクイッロ  1'57
14.  コン・モート  3'00
15.  アレグレット・グラツィオーゾ  1'44
16.  アレグレット  2'16
17.  レント  4'12
18.  モデラート  2'15
19.  ヴィーヴォ  3'35
20.  ヴィフ・エ・リズム  1'30
21.  アレグロ  2'21
22.  アレグレット  2'39
23.  グラツィオーゾ  2'15
24.  アレグロ・フリオーゾ  2'44
ナレ・カロヤン ピアノ

録音:2021年12月1〜4日、ケルン、ドイチュラントフンク・カンマームジークザール

 作曲家情報

コハリク・ガザロシアン ()
ガザロシアンは、ヨーロッパ各地でリサイタルを開いていたにもかかわらず、今日その名はほとんど忘れられています。1907年にアルメニア人の両親のもとに生まれた彼女は、コンスタンチノープル (現イスタンブール)で育ち、同地でリストの弟子であるハンガリー人にピアノの指導を受け、その後、パリ音楽院に入学し、ポール・デュカスとジャン・ロジェ=デュカスに作曲を、ラザール・レヴィにピアノを師事しています。
  1934年、彼女は有名なサル・プレイエルでピアノ・リサイタルを開催。そして、第二次世界大戦を目前に控え、可能な限りピアニスト、作曲家としてのキャリアを積み重ねます。1939年から数年間パリを離れますが、戦後再びパリに戻り、イスタンブールとパリの往復を続けています。
  24のエチュードを収録したこのアルバムは、彼女の復活を最も説得力のある形で提示するものです。ガザロシアンは1958年にこのエチュードを完成させ、アルメニアで最も有名な作曲家アラム・ハチャトゥリアンの称賛を得ています。エチュードには、ショパンだけでなく、スクリャービン (第1番)、ラフマニノフ (第3番)、プロコフィエフ (第10番)の響きも聴くことができます。また、エチュードはそれぞれ異なる友人に捧げられており、そこに示された人脈はヨーロッパとアジアの熟達した音楽家たちの幅広い交友関係を物語ってもいます。

 演奏家情報

ナレ・カロヤン (ピアノ)
1986年、エレヴァンの音楽一家に誕生。幼い頃から母にピアノを習い、6歳からはカリーネ・オハニヤンに師事。モスクワで学んだ後、ベルリン芸術大学のパスカル・ドヴォワヨンに師事、その後ケルン音楽大学でピエール・ローラン・エマールの指導を受けて基礎研究を修了し、その後、カールスルーエ音楽大学でペーター・アイヒャーに師事。
  CDは、Brilliant Classicsなどから発売。


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 CD22 51'45
 マリア・ルイサ・アニード 1907-1996


ギター曲集

「ノルテーニョの歌」
1.  1'35

「ユカタンの歌」
2.  1'59

「ノスタルジックな前奏曲」
3.  「遠く」  4'12
4.  「灰色」  3'23
5.  「海」  2'21

「子守唄」
6.  2'26

「田舎の前奏曲」
7.  3'21

「アルゼンチンの印象」
8.  「先住民族のスケッチ」  4'22
9.  「サンティアゴの女」  2'52
10.  「平原の歌」  2'57
11.  「哀歌」  2'37
12.  「パンパ平原の前奏曲」  3'02
13.  「カタマルカの女」  3'15
14.  「田舎の歌の変奏曲」  1'58
15.  「クリオージョの前奏曲」  1'42
16.  「小さなミサ」  2'43

「ビダリータの歌」
17.  2'16

「私の土地から」
18.  2'03

「舟唄」
19.  2'31
チンツィア・ミラーニ (ギター)

録音:2024年2月、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
 作曲家情報

マリア・ルイサ・アニード ()
1954年から1971年にかけて日本を4度訪れている往年の名ギタリスト・作曲家のマリア・ルイサ・アニード[1907-1996]は、20世紀初頭から活躍し、演奏と教育に大きな足跡を残した人物で、その作品には故郷アルゼンチンの民俗音楽の要素も反映しています。
  1907年、ブエノスアイレス州モロンに誕生。父フアン・カルロス・アニードは熱狂的なギター好きで、1912年、アニードが5歳のときにギターを教え始めますが、すぐに上達したため、1914年にブエノスアイレスに転居してドミンゴ・プラット[1886-1944]の指導を受けさせます。プラットは2年後の1916年、マリア・ルイサが9歳の時にデビュー・リサイタルを企画して開催。11歳のときにはブエノスアイレスの「ラ・アルヘンティーナ」ホールで本格的なリサイタルも開催して神童として知られるようになります。
  父は多くのギタリストと交流があり、家にはエミリオ・プジョルや、レジーノ・サインス・デ・ラ・マサ、ミゲル・リョベート、ホセフィーナ・ロブレドなども訪れていたことから、1923年にギター専門誌「ラ・ギターラ」をティーポ=リート・ペテネロ社より創刊。数年間に渡って発行。
  アニードの才能は多くのギタリストによっても認められ、有名なミゲル・リョベートも彼女の指導をおこなっています。
  アニードのツアーは父が1933年に亡くなるまで続き、以後、ブエノスアイレス国立音楽院とリトラル国立大学音楽研究所などで指導。しかし母が亡くなったのを機に、1950年からツアーに復帰。1952年にヨーロッパを初めて訪れ、ロンドン、インスブルック、ウィーン、パリ、ミラノ、マントヴァ、モデナ、メッシーナ、パルマ、レッチェでコンサートを開催。ブラジルとアルゼンチンでも演奏し、翌年も南米とヨーロッパへのツアーを実施。
  1954年には初めて日本を訪れ、東京、札幌などで少なくとも15回のリサイタルを開催し、ラジオやテレビの収録をおこない、ギターのマスタークラスも開催。皇太子に拝謁したほか、国会議員らの開催したレセプションへも出席。その後、自国やイタリア、ブラジルでも演奏。1955年にはウルグアイにも出向き、1956年には、イタリア、オーストリア、ソ連をツアー。
  以後もツアーは続き、1963年に再び来日し、1965年にはフィリピンを初めて訪れ、翌1966年には3度目の来日、1971年には4度目の日本ツアーをおこなっています。
  1976年、アルゼンチンでクーデターが起き、軍事政権が発足したため、アニードは祖国を離れ、スイス、ドイツ、スペインでコンサートを行い、スペインのマヨルカ島パルマに移住し、その後1978年にバルセロナに定住。スペインでは教育と演奏の両方で活動。
  1982年、1984年、1986年とキューバを訪れ、1987年にはキューバ国立芸術大学の教授に任命されて定住。1988年度ハバナ国際ギター・コンクールの審査員も務めたほか、自身のコンサートも開催。その間、1987年にはアルゼンチンに一時帰国しています。
  キューバでの生活を終えると、ヨーロッパでのツアーに戻り、スペイン、イタリア、フランスなどをまわっています。最晩年はスペイン、カタルーニャのタラゴナで暮らし、1996年6月4日に89歳で亡くなっています。

 演奏家情報

チンツィア・ミラーニ (ギター)
1975年に誕生。幼少の頃からクラシック・ギターを学び始め、5歳でミラノのコンクールで優勝し、7歳でミラノ市から「アンブロジーノ・ドーロ(守護聖人アンブロジウスの金賞)」賞を授与。10歳の時にはレカナーティのベニャミーノ・ジーリ・コンクールで優勝。14歳までに、内外コンクールで16回も一等賞を獲得。16歳でパルマ市から最優秀演奏と解釈に対して「フランコ・マルゴーラ賞」を授与。18歳でパルマ音楽院を卒業。多くの教師に師事し、著名なギタリスト、マウロ・ストルティのもとでテクニックを磨き、その後アルゼンチンの作曲家オスカル・ロベルト・カサレスのもとで解釈分析を学んでいます。
  コンサート活動は12歳頃には本格化し、その後、イギリス、フランス、スペイン、アメリカ、カナダ、メキシコ、南アフリカ、インドネシア、南アメリカなど世界各地で演奏。
  ミラーにはこれまで、女性ギタリスト・作曲家のイーダ・プレスティのCDと、テレーザ・デ・ロガティスのCDも制作しています。


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 CD23 66'23
 グラジナ・バツェヴィチ 1909-1969


ピアノ曲集

「小さな3部作
1.  第1曲  0'50
2.  第2曲  0'59
3.  第3曲  0'49

「演奏会用クラコヴィアク」
4.  5'59

「子供の組曲」
5.  第1曲 プレリュード  0'53
6.  第2曲 マーチ  1'07
7.  第3曲 ワルツ  1'17
8.  第4曲 子守歌  1'59
9.  第5曲 ブルレスケ  0'51
10.  第6曲 メヌエット  0'58
11.  第7曲 ガヴォット  1'45
12.  第8曲 スケルツィーノ  0'52

「2つの練習曲」
13.  第1曲 モデラート  2'59
14.  第2曲 ヴィヴァーチェ  2'23

「10の演奏会用練習曲」
15.  第1曲 アレグロ・ノン・トロッポ  2'10
16.  第2曲 ヴィヴァーチェ  1'39
17.  第3曲 アレグレット  2'19
18.  第4曲  1'35
19.  第5曲 アンダンテ  3'43
20.  第6曲  1'46
21.  第7曲 ジョコーゾ  1'54
22.  第8曲  3'24
23.  第9曲 プレスト  1'33
24.  第10曲 アレグロ  1'46

「3つの性格的小品」
25.  第1曲 アレグレット  1'44
26.  第2曲 モデラート  1'36
27.  第3曲 ヴィヴァーチェ  1'18

ピアノ・ソナタ第2番
28.  第1楽章 マエストーゾ・アジタート  6'08
29.  第2楽章 ラルゴ  5'57
30.  第3楽章 トッカータ・ヴィーヴォ  3'56
モルタ・グリガリュナイテ(ピアノ)

録音:2018年8月、ポルトガル、リスボン、アトランティコ・ブルー・スタジオ

 作曲家情報

グラジナ・バツェヴィチ ()
 演奏家情報

モルタ・グリガリュナイテ (ピアノ)


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 CD24 68'08
 ガリーナ・ウストヴォリスカヤ 1919-2006


ピアノ・ソナタ集

ピアノ・ソナタ第1番 [1947]
1.  第1楽章  1'13
2.  第2楽章  1'23
3.  第3楽章  3'04
4.  第4楽章  3'33

ピアノ・ソナタ第2番 [1949]
5.  第1楽章  3'44
6.  第2楽章  5'47

ピアノ・ソナタ第3番 [1952]
7.  16'39

ピアノ・ソナタ第4番 [1957]
8.  第1楽章  2'14
9.  第2楽章  2'24
10.  第3楽章  0'58
11.  第4楽章  3'37

ピアノ・ソナタ第5番 [1986]
12.  15'25

ピアノ・ソナタ第6番 [1988]
13.  7'39
イワン・ソコロフ(ピアノ)

録音:1995年10月、モスクワ、放送スタジオ

 作曲家情報

ガリーナ・ウストヴォリスカヤ (作曲、教育)
誕生
◆1919年6月17日、ペトログラード(ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国)。
両親
◆父は弁護士で、司祭の家系。母は教師で、没落貴族の家系。
学業
◆1939年、レニングラード音楽院に入学。作曲をショスタコーヴィチに師事(1941年まで)。
◆1941年、レニングラード音楽院と共にタシケントに疎開。同地でマクシミリアン・シテインベルク[1883-1946]に作曲を師事(1944年まで)。
◆1945年、レニングラード音楽院で再び作曲をショスタコーヴィチに師事(1947年まで)。

教育
◆1947年、レニングラード音楽学校で作曲を指導。(1977年まで)
作曲
◆1989年、オランダ音楽祭で作品が紹介されて西側での知名度が向上。以後、アムステルダム(1995、1996年)、ウィーン(1998年)、ベルン(1999年)、ボースタード(2004年)などで紹介。
◆1989年、ハイデルベルク賞受賞。

死没
◆2006年12月22日、サンクトペテルブルク(ロシア連邦)で死去。87歳。
作品
◆独シコルスキー社が全作品を出版。交響曲5曲、ヴァイオリン・ソナタ、コンポジション3曲、ピアノのための12の前奏曲、ピアノと弦楽合奏、ティンパニのための協奏曲、ピアノとチェロのための大二重奏曲、ピアノとヴァイオリンのための二重奏曲、他
 演奏家情報

イワン・ソコロフ (ピアノ)
1988年、モスクワに誕生。10歳で初のソロ・コンサートを行い、12歳で校歌を作曲。ムソルグスキー音楽学校でP.E.バルセギャンに師事。モスクワ音楽院ではピアノ、室内アンサンブル、音楽理論を学び、2013年に大学院を卒業。
  コンクール歴は、スクリャービン国際ピアノ・コンクール、ノヴィエ・ルメナ・コンクール、モスクワ国立音楽院と国立音楽教育学院の2つの音楽理論アカデミック・コンクールなどでいずれも入賞。ロシアの「クラシチェスコエ・ナスレーディ」協会が主催するコンクールでは優勝。
  モスクワ音楽院在学中からロシア国内外で演奏する機会が増える一方、ピアノ曲、室内楽曲、管弦楽曲、劇音楽などを手がける作曲家でもあります。また、モスクワ音楽院やグネーシン音楽学校で室内アンサンブルのクラスを受け持ってもいました。
  CDは、Brilliant Classics、Challenge Classics、Nothern Flowers、Musical Conceptsなどから発売。


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 CD25 トラック1
 オーガスタ・リード・トーマス 1964-

「ファイヤー・ワルツ」(ベラ・バルトークへのオマージュ) [1996]
1.  チェンバロ版 [2022]  2'07
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ、編曲)

録音:2022年3月20日〜21日、4月4日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報

オーガスタ・リード・トーマス (作曲、教育)
誕生
1964年4月24日、ニューヨーク州グレンコーブで誕生。

学業
タングルウッド音楽センター、イェール大学、ノースウェスタン大学、ロンドンの王立音楽アカデミー。

仕事
1993年から教育活動を開始(イーストマン音楽学校、ノースウェスタン大学、タングルウッド音楽センター、アスペン音楽祭および音楽学校、シカゴ大学など)。1997年から2006年までシカゴ交響楽団のミード・コンポーザー・イン・レジデンスとして活躍し、2010年にシカゴ大学の作曲科教授に任命。2018年にはトーマスによりシカゴ大学にシカゴ現代作曲センターが設立。

作品
オーケストラ曲、オペラ、室内楽曲、器楽曲など多数。オーガスタの作品が含まれるCDはすでに90枚を超えています。ドイツのエルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞も受賞。


 CD25 トラック2〜4
 ウルスラ・マムロック 1923-2016

「3つのバガテル」 [1987]
2.  第1曲 グラツィオーゾ  0'45
3.  第2曲 とても穏やか  1'06
4.  第3曲 遊び心  1'18
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報

ウルスラ・マムロック (作曲、教育)
誕生
1923年2月1日、ベルリン。出生時の姓はマイヤーで、父の死後、6歳のときに母が再婚し姓がレヴィに変更。

学業
幼い頃から音楽を学び、12歳からはフリードリヒ・ヴィルヘルム大学講師のグスタフ・エルネスト[1858-1941]に師事。1933年からユダヤ人迫害が本格化したため一家で1939年にエクアドルに移住(同行できなかった祖父母はアウシュヴィッツで殺害)。移住先のグアヤキル音楽院でアンジェロ・ネグリ[1878-1947]に師事するもののウルスラには物足りなかったため、恩師のグスタフ・エルネストに手紙を出すものの、エルネストはすでにオランダに移住しており、しかも1941年にナチによって殺害されていたので、レッスン再開は叶いませんでした。
  ウルスラはアメリカ各地の音楽院に自作を送り、やがてニューヨークのマネス音楽学校が実力を認めて奨学金支給を決定したため、17歳で単身ニューヨークで学び始め、4年間在籍することになります。
  途中、ジョージ・セルの作曲クラスはウルスラには保守的に過ぎたため、前衛芸術で知られたブラック・マウンテン・カレッジ(ノース・カロライナ州)の3か月奨学金に応募して取得。新ウィーン楽派の作品に初めて出会い、エドゥアルト・シュトイアーマンからピアノのレッスンを受けたほか、エルンスト・クレネク、ロジャー・セッションズの指導も受けています。
  1947年には詩人のドワイト・マムロック[1923-2005]と結婚して、姓がマムロックに変更。夫婦でサンフランシスコに転居しますが、まだ学位を取っていなかったため、やがてニューヨークに戻り、そこで3度目の奨学金獲得に成功し、マンハッタン大学のヴィットリオ・ジャンニーニに師事。1957年に34歳で音楽修士号を取得。

仕事
マンハッタン音楽学校(40年間在職)、ニューヨーク大学(9年間在職)、ニューヨーク市立大学、テンプル大学など。

晩年
夫のドワイト・マムロックの死の翌年、83歳のウルスラは、生まれ育ったベルリンに移住。ヨーロッパ各地でコンサートが開催され、ラジオ、テレビにも出演し、CDも発売。さらに彼女の伝記「時の流れの中で - 作曲家ウルスラ・マムロック」が出版され、ドキュメンタリー映画「ウルスラ・マムロック・ムーヴメンツ」が公開。ドイツ連邦共和国一等功労十字章が授与されるなど栄光の10年を過ごしたのち、2016年にベルリンで死去。93歳。
作品
オーケストラ曲、室内楽曲、合唱曲、独奏曲、電子音楽など、約75曲。


 CD25 トラック5
 タニア・レオン 1943-

トゥンバオ [2005]
5. (2022 チェンバロ版)  2'48

ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ、編曲)

録音:2022年3月20日〜21日、4月4日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック6
 グラシアーヌ・フィンジ 1945-

エスプレッシーヴォ(チェンバロのための)[1996]:
6.  7'49
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック7〜10
 カローラ・オベルミュラー 1977-

女たちの組曲 [2022]
7.  I. トーリング  3'00
8.  II. 雷鳴  0'43
9.  III. ピアス  1'14
10.  IV. ファスト  1'22
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック11
 エロリン・ウォーレン 1958-

ルイ・ループス [1999]
11.  4'23
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック12
 サンタ・ラトニエチェ 1977-

ミラ [2018]
12.  13'26
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック13
 アンナ・ソルヴァルドスドッティル 1977-

インプレッションズ [2015]
13.  7'13
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック14
 ソフィア・グバイドゥーリナ 1931-

リトルノ・ペルペトゥオ [1997]
14.  16'14
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ)

録音:2021年6月5日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報


 CD25 トラック15
 望月 京 1969-

「メビウス・リング」 [2003] 
15.  チェンバロ版 [2022]  13'19
ルーカ・クインタヴァッレ(チェンバロ、編曲)

録音:2022年3月20日〜21日、4月4日、ドイツ、ノイス=ホイステンのザンクト・ペーター

 作曲家情報

望月 京 (作曲、教育、著述)
誕生
1969年東京生まれ。4歳の時に初めて作曲に挑戦。13歳のときにロストロポーヴィチが日本とアメリカで作品を指揮。
学業
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、同大学を経て1993年同大学院作曲専攻修了。1995年パリ国立高等音楽院作曲科、1998年同科第3課程、2000年同楽曲分析科修了。IRCAM研究員[1996-1997]。北村昭、尾高惇忠、間宮芳生、ポール・メファノ、エマニュエル・ヌネス、トリスタン・ミュライユに師事。
仕事
明治学院大学文学部芸術学科教授。東京藝術大学音楽学部作曲科客員教授。ブザンソン国際音楽祭コンポーザー・イン・レジデンス[2011-2013]。ダルムシュタット国際夏期講習会。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞で執筆、他、多数。
作品
豊かな着想、繊細さとダイナミズム、多彩な音色とバランス感覚に優れたユニークな作風が各地で注目を集め、ザルツブルク音楽祭、ウィーン・モデルン、ドナウエシンゲン現代音楽祭、ヴェネツィア・ビエンナーレ、リンカーンセンター・フェスティバル、サイトウ・キネン・フェスティバルなど、数多くの主要音楽祭等で作品が演奏。各国のラジオ・テレビによる放送も多数。村上春樹の「パン屋襲撃」と「パン屋再襲撃」によるオペラ「パン屋大襲撃」も話題に。


 演奏家情報

ルーカ・クインタヴァッレ (チェンバロ)
チェンバロ奏者、フォルテピアノ、指揮者として活躍するルーカ・クインタヴァッレは、スイスに隣接した北イタリアのコモに1983年に誕生。
  コモ音楽院で、ジョヴァンニ・トーニ、ステファノ・モラルディ、パオロ・ベスキの指導を受け、チェンバロを「首席」で卒業。また、ピアノをエルネスト・エスポジート、ラースロー・ギメシに、指揮を杉山洋一、クリストフ・アルトシュテット、ジャンカルロ・アンドレッタに師事しました。DAADの奨学生として、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でクリスティアン・リーガーに師事し、クリスティアン・ベザイデンホウト、イェスパー・クリステンセン、アンドレア・マルコン、ステファノ・デミチェリ、クリストフ・ルセ、アンドレアス・シュタイアー、アレクセイ・リュビモフ、ジュリアン・サレムクールの各氏のコースを受講しています。
  最近は指揮者としても精力的に活動するクインタヴァッレですが、最初はまず鍵盤楽器奏者として知名度を上げていったため、演奏家からの転向組といわれてしまうこともありますが、実際には、最初から指揮も学んでおり、それも杉山洋一から現代音楽について教えを受けるなど本格的なものでした。
  そのため、クインタヴァッレの活動は古楽と現代音楽を軸としたものになっており、拠点をイタリアからドイツに移したのも、イタリアでは古楽と現代音楽で食べて行くのは難しいからとも述べています。
  CDは、Brilliant Classics、ONYX、Berlin Classicsなどから発売。


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 Track list
 Female Composers

CD1 58'15
HILDEGARD VON BINGEN 1098–1179
O Orzchis Ecclesia
Symphonia harmoniae caelestium revelationum
Riesenkodex, Hessischen Landesbibliothek Wiesbaden HS. 2

1. Antiphona O Orzchis Ecclesia 5'48
67 In dedicatione Ecclesiae (IV)
Psalmus 94 Ad Invitatorium
Venite, exultemus Domino
2. I. Antiphona O coruscans lux 68 (IV) 7'27
Psalmus 10 In Domino confi do
3. II. Antiphona 6'32
O pulchrae facies 38 De virginibus (IV)
Psalmus 1 Beatus vir
4. III. Antiphona Nunc Gaudeant 5'14
57 In dedicatione Ecclesiae (VI)
Psalmus 86
Fundamenta ejus in montibus sanctis
5. Versiculum
Di usa est gratia in labiis tuis 1'26
6. Benedictio I, Lectio I 5'53
De Libro divinorum operum
7. Responsorium I 5'13
Nobilissima viriditas 39 Item de virginibus (VI)
8. Benedictio II, Lectio II 4'52
De Libro divinorum operum
9. Responsorium II 4'06
O vos imitatores excelsae personae (VI)
10. Benedictio III, Lectio III 4'53
De Libro divinorum operum
11. Responsorium III 5'37
O felix anima 64 (III)
12. Oratio Deus, qui beatam 1'07
Hildegardem Virginem tuam

Chorus
Cristina Bagnoli, Eva Mabellini,
Guja Mabellini
Margaret Mantl, Giulia Peri* (4, 11),
Letizia Putignano* (5)
Cristina Ramazzini* (Benedictiones, 11),
Noriko Torii *soloists

Instrumental Ensemble
Adele Bardazzi gothic harp
Federico Bardazzi vielle
Elena Sartori portative organ
Barbara Zanichelli soprano

Ensemble San Felice
directed by Federico Bardazzi

Recording: October 2007, Church of San Zanobi, Casignano

CD2 65'02
FRANCESCA CACCINI 1587–1641
Sacred and secular songs

1. Ch'Amor sia nudo 3'23
2. Io veggio i campi 2'51
3. O che nuovo stupor 7'26
4. Che t'ho fatt'io 3'38
5. Ciaccona 4'33
6. Dov'io credea 3'18
7. O chiome belle 2'37
8. Maria, dolce Maria 2'40
9. Romanesca 5'03
10. Non so se quel sorriso 3'09
11. Dispiegate, guance amate 4'06
12. Se muove a giurar fede 4'56
13. Lasciatemi qui solo 5'43
14. S'io me'n vo 3'32
15. O vive rose 4'42
16. Chi desia di saper 2'46

Elena Cecchi Fedi soprano

Cappella di Santa Maria degli Angiolini
Luigi Cozzolino violin · Alfonso Fedi harpsichord
Francesco Tomei viola da gamba · Andrea Benucci guitar
Paolo Maccartini lute, percussion
Gian Luca Lastraioli theorbo, cittern, baroque guitar & conductor

Recording: January 2012, Conservatorio di Santa Maria degli Angeli, Florence

CD3 79'04
BIANCA MARIA MEDA 1661?–1732/33
Motets

1. Jesu mi clementissime (a 3, due Canti e Basso, per ogni Tempo) 9'21
2. Vibrate (a quattro voci, per ogni Tempo) 7'50
3. Anime belle (a 3, Canto, Alto e Basso, per ogni Tempo) 8'03
4. O quante contra me (a 2, Canto e Basso, per ogni Tempo) 8'01
5. In foco ardentissime (a quattro voci, per il Santissimo) 10'52
6. O lacrime amare (a quattro voci, per ogni Tempo) 10'10
7. Volo vivere (Basso solo, con Violini) 8'57
8. No non tentate (a 3, Canto, Alto e Basso, per la Beata Vergine) 7'18
9. Spirate vos zeri (a 3, Canto, Alto e Basso, per la Beata Vergine) 8'10

Cappella Artemisia
Elena Bertuzzi (soloist in tr.1 & 8),
Pamela Lucciarini (soloist in tr.3 & 5),
Sara Tommasini (soloist in tr.2, 5, 6 &9),
Patrizia Vaccari (soloist in tr.6),
Silvia Vajente (soloist in tr.1-3 & 9),
Barbara Zanichelli (soloist in tr.2, 4 & 6) sopranos
Elena Biscuola (soloist in track 5, 7-9),
Arianna Lanci (soloist in tr.1, 2 & 4-6),
Candace Smith (soloist in tr.3 & 8) altos
Davide Monti, Elisa Bestetti violins
Bettina Ho mann cello
Elena Bianchi dulcian
Fabio Merlante theorbo and Baroque guitar
Maria Christina Cleary Baroque harp
Maria Luisa Baldassari harpsichord
Miranda Aureli organ and harpsichord

Candace Smith director

Recording: 12-15 September 2017, S. Cristina della Fondazza, Bologna

CD4 74'59
ISABELLA LEONARDA 1620-1704
Music for Voice and Strings

1. Gloriosa Mater Domini à 4 7'34
(from Sacri concenti a 1, 2, 3, et 4 voci, Op.3, Milan 1670)
2. Memento rerum à 4 a cappella * 2'46
(from Sacri concenti a 1, 2, 3, et 4 voci, Op.3, Milan 1670)
3. Salve regina
for solo soprano and 2 violins 9'08
(from Motetti a 1, 2, e 3 e 4 voci, parte con
istromenti, Op.7, Bologna 1677)
4. In caelis gloria à 4 9'57
(from Motetti a una, due, e tre voci,
con Violini e senza, Op.13, Bologna 1687)
5. Sonata No.9 for 2 violins 4'15
(from Sonate a 1,2,3, e 4, Istromenti,
Op.16, Bologna 1693)
6. O fl ammæ for solo soprano 9'50
(from Mottetti a voce sola, parte con due violini,
e parte senza, Op.6, Venice 1676)
7. O dulce sonare for 3 voices and 2 violins 7'32
(from Motetti a 1, 2, e 3 e 4 voci, parte con
istromenti, e parte senza Op.7, Bologna 1677)
8. O anima mea * 6'47
(from Dresden Mus. 1737-E.500 & Uppsala
Mus: hs.28:1, arranged for 2 altos and 4
viols by Daniel Speer, Philomela Angelica, Venice 1688)
9. Dialogo: Quo pergis anima à 4 7'43
(from Sacri concenti a 1, 2, 3, et 4 voci, Op.3, Milan 1670)
10. Dixit Dominus
for 4 voices and 2 violin 8'35
(from Salmi Concertati a 4 voci con strumenti,
Op.19, Bologna 1698)

Elena Bertuzzi (soloist in tr.4 & 6),
Floriana Fornelli (soloist in tr.4 & 9),
Pamela Lucciarini (soloist in tr.4, 7 & 9),
Silvia Vajente (soloist in tr.3) sopranos
Elena Biscuola (soloist in tr.4, 7 & 9),
Mya Fracassini (soloist in tr.4 & 8),
Arianna Lanci (soloist in tr.7 & 9),
Candace Smith (soloist in tr.8) altos
Victoria Melik, Claudia Combs violins
Claudia Pasetto, Claudia Del Bello*,
Silvia Lovicario* viola da gambas
Maria Christina Cleary Baroque harp
Miranda Aureli organ

Candace Smith director
* Only in Memento rerum and O Anima mea

Recording: 7-10 September 2020,
Church of Santa Cristina della Fondazza, Bologna, Italy

CD5 60'45
BARBARA STROZZI 1619-1677
Music for Soprano & Ensemble

from Cantate, Ariette e Duetti Op.2 (1651)
1. L'amante segreto 7'48
2. Riamata da chi amava 5'12
from Cantate, Ariete a una, due e tre voci Op.3 (1654)
3. Moralitá amorosa 3'53
from Sacri Musicali Affetti Op.5 (1655)
4. O Maria, quam pulchra es 6'17
from Ariette A Voce Sola Op.6 (1657)
5. Parla alli suoi pensieri 4'34
6. Non vuole amar più 3'22
from Diporti di Euterpe Op.7 (1659)
7. Lagrime mie 7'29
from Cantate a voce sola di diversi auttori (c.1680)
8. Havete torto* 3'48
from Diporti di Euterpe Op.7 (1659)
9 Sino alla morte 14'31
from Arie Op.8 (1664)
10. Che si puo fare 3'45

* First recording

Renata Dubinskaite mezzo-soprano / artistic direction

Canto Fiorito
Rodrigo Calveyra cornetto, recorders
Juan Manuel Quintana viola da gamba
Diego Cantalupi theorbo
Davide Pozzi harpsichord, organ

Recording: August 2020, Church of San Lorenzo Mondinari, Cella Dati (CR), Italy

CD6 56'43
ÉLISABETH-CLAUDE JACQUET DE LA GUERRE 1665-1729
Harpsichord Works

From Les pièces de clavecin (1687)
Pièces en ré mineur (D minor)
1. Prélude 2'23
2. Allemande 3'32
3. Courante 2'07
4. Courante II 1'39
5. Sarabande 2'44
6. Gigue 2'05
7. Cannaris 2'16
8. Chaconne L'inconstante 3'13
9. Menuet 1'14

Pièces en sol mineur (G minor)
10. Prélude 1'35
11. Allemande 2'45
12. Courante 1'48
13. Courante II 2'04
14. Sarabande 2'30
15. Gigue 1'50
16. Gigue II 2'12
17. Menuet & Double 2'11

Pièces en la mineur (A minor)
18. Prélude 1'31
19. Allemande 2'51
20. Courante 1'53
21. Courante II 2'00
22. Sarabande 2'39
23. Gigue 1'45
24. Chaconne 2'57
25. Gavotte 1'19
26. Menuet 1'21

Francesca Lanfranco harpsichord

Recording: 1-4 June 2017, Oratorio of St. Croce, Mondovì (Cuneo), Italy

CD7 64'25
HÉLÈNE DE MONTGEROULT 1764-1836
Piano Sonatas

Sonata in F minor Op.5 No.2
1. I. Allegro moderato con espressione 13'20
2. II. Aria con espressione 6'33
3. III. Allegro agitato con fuoco 6'43

Sonata in F Op.1 No.1
4. I. Allegro con spirito 6'33
5. II. Prestissimo 4'54

Sonata in E-flat Op.1 No.2
6. I. Allegro con moto 7'43
7. II. Allegro vivace 4'42

Sonata in F minor Op.1 No.3
8. I. Maestoso con espressione 6'04
9. II. Allegro agitato 7'46

Simone Pierini fortepiano
J. Haselmann (first decade of 19th century ca.)
Tuning A=430 Hz, Temperament Young II (1800)

Recording: 15-17 June 2021, Palazzo Annibaldeschi, Monte Compatri, Italy

CD8 68'28
MADDALENA LOMBARDINI SIRMEN 1745-1818
6 String Quartets

String Quartet No.4 in B flat
1. I. Cantabile 7'55
2. II. Minuetto 1'48

String Quartet No.3 in G minor
3. I. Tempo giusto 6'23
4. II. Allegro-sostenuto-allegro-sostenuto 4'59

String Quartet No.6 in E
5. I. Andantino 6'18
6. II. Con brio-minuetto-con brio 3'40

String Quartet No.1 in E flat
7. I. Andante ma con un poco di moto 6'12
8. II. Allegretto 6'03

String Quartet No.5 in F minor
9. I. Larghetto-allegro-larghetto 8'10
10. II. Minuetto 4'18

String Quartet No.2 in B flat
11. I. Andantino 7'05
12. II. Allegro 5'01

Allegri String Quartet
Peter Carter and David Roth violin
Roger Tapping viola · Bruno Schrecker cello

Recording: 10-11 January 1994, All Saints Church, East Finchley, London, UK

CD9 76'10
LOUISE FARRENC 1804-1875
Piano Trios, Cello Sonata

Piano Trio No.1 in E-flat Op.33
1. I. Allegro 8'57
2. II. Adagio sostenuto 10'03
3. III. Minuetto. Allegro 5'06
4. IV. Finale. Vivace 5'53

Piano Trio No.2 in D minor Op.34
5. I. Andante-Allegro 9'59
6. II. Tema con Variazioni 7'47
7. III. Rondo. Allegro 6'09

Cello Sonata in B-flat Op.46
8. I. Allegro moderato 9'38
9. II. Andante sostenuto 5'32
10. III. Finale. Allegro 6'40

Sergey Galaktionov violin
Amedeo Cicchese cello
Linda Di Carlo piano

Recording: October 2022, Studio Piano et Forte, Perugia, Italy

CD10 56'13
FANNY MENDELSSOHN 1805-1847
Piano Sonatas

Sonata in G minor H-U 395 (1843)
1. I. Allegro molto agitato 3'37
2. II. Scherzo 2'56
3. III. Adagio 4'02
4. IV. Finale: Presto 6'22

Ostersonate (1828)
5. I. Allegro assai moderato 5'04
6. II. Largo e molto espressivo 4'30
7. III. Scherzo: Allegretto 4'20
8. IV. Allegro con strepito 7'46

9. Sonatensatz in E H-U 44 (1822) - Allegro molto moderato 5'53

Sonata in C minor H-U 128 (1824)
10. I. Allegro moderato e con espressione 4'56
11. II. Andante con moto 3'28
12. III. Finale: Presto 3'16

Gaia Sokoli piano

Recording: 8-10 May 2020, Musicafelix - Studio Benelli Mosell, Prato, Italy
CD11 64'42
CLARA WIECK SCHUMANN 1819-1896
Piano Works

Romanzen Op.11
1. I. Romanze in E flat 3'16
2. II. Romanze in G minor 5'20
3. III. Romanze in A flat 4'09

Sonata in G minor
4. I. Allegro 8'00
5. II. Adagio 2'50
6. III. Scherzo 2'23
7. IV. Rondo 5'07

Soirées Musicales Op.6
8. I. Toccatina 1'57
9. II. Notturno 4'46
10. III. Mazurka 3'22
11. IV. Ballade 6'16
12. V. Mazurka 2'12
13. VI. Polonaise 3'28

14. Variationen über ein Thema von Robert Schumann Op.20 11'15

Domenico Codispoti piano

Recording: 13-14 March 2018, Westvest Church Schiedam, The Netherlands

CD12 55'27
CLARA SCHUMANN & REBECCA CLARKE
Piano Trios

CLARA SCHUMANN 1819-1896
Piano Trio Op.17 in G minor (1846)
1. I. Allegro moderato 11'18
2. II. Scherzo. Tempo di menuetto – Trio 5'10
3. III. Andante 5'15
4. IV. Allegretto 8'01

REBECCA CLARKE 1886-1979
Piano Trio (1921)
5. I. Moderato ma appassionato 9'54
6. II. Andante molto semplice 6'51
7. III. Allegro vigoroso 8'44

Trio Rigamonti
Mariella Rigamonti violin
Emanuele Rigamonti cello
Miriam Rigamonti piano

Recording: 11-13 July 2023, Griffa Recording Studio, Milan, Italy

CD13 74'04
CÉCILE CHAMINADE 1857-1944
Piano Music

1. Pierette, air de ballet Op.41 2'23

6 Etudes de concert Op.35
2. No.1 Scherzo 3'04
3. No.2 Automne 6'17
4. No.3 Fileuse 4'35
5. No.4 Appassionato 2'53
6. No.5 Impromptu 3'37
7. No.6 Tarentelle 3'59

8. Les Sylvains Op.60 3'17
9. Arabesque Op.61 4'33

Poème provençal Op.127
10. No.1 Dans la lande 3'14
11. No.2 Solitude 4'10
12. No.3 Le Passé 3'34
13. No.4 Pêcheurs de nuit 4'18

14. La Lisonjera Op.50 3'28

6 Romances sans paroles Op.76
15. No.1 Souvenance 2'07
16. No.2 Elévation 2'31
17. No.3 Idylle 2'40
18. No.4 Eglogue 2'27
19. No.5 Chanson Brétonne 1'53
20. No.6 Méditation 4'36

21. Thème varié Op.89 4'19

Mark Viner piano

Recording: 16/17 March 2018, Westvest Church Schiedam, The Netherlands

CD14 79'38
PAULINE VIARDOT 1821–1910
Chopin Mazurkas and other Songs

12 Mazurkas (L. Pomey)
1. Seize ans 4'00
2. Aime-moi 2'50
3. Plainte d'amour 3'24
4. Coquette 2'38
5. L'Oiselet 3'16
6. Séparation* 2'11
7. La Fête 4'32
8. Faible coeur 4'55
9. La jeune fi lle 3'11
10. Berceuse 3'29
11. La Danse 3'41
12. La Beauté* 2'16

From Six mélodies (1887)
13. No.5 Madrid (A. de Musset) 3'05
14. Canzonetta de Concert 4'10

Album de Chant pour 1850
15. Solitude (É. Turquety) 2'42
16. La petite Chevrière 2'32
17. L'Absence (Caña española) 2'05
18. Un jour de printemps
(Caprice) (É. Turquety) 2'40
19. Villanelle (É. Turquety) 3'01
20. En Mer (G. de Larenaudière) 5'56
21. La Chanson de Loïc (A. Brizeux) 4'08
22. Marie et Julie (G. de Larenaudière) 2'28
23. La Luciole (G. de Larenaudière) 2'54
24. Tarentelle 3'23

Marina Comparato mezzo-soprano
*Serena Rubini soprano
Elisa Triulzi piano

Recording: December 2012, Auditorium Matteo d'Acquasparta, Acquasparta, Terni, Italy

CD15 66'25
DORA PEJACEVIC 1885-1923
Piano Music

Six Fantasy Pieces
1. Longing 3'00
2. Grief 1'27
3. Question 1'40
4. Lament 2'36
5. Plea 0'59
6. Delusion 1'23

The Life of Flowers
7. Snowdrops 1'59
8. Violets 2'31
9. Lilies of the Valley 1'19
10. Forget-me-not 1'25
11. Rose 1'45
12. Red Carnations 2'58
13. Lilies 2'33
14. Chrysanthemums 3'24

Caprice Waltzes
15. Moderato 1'04
16. Grazioso 1'33
17. Im Ländler-Tempo 1'29
18. Wiegend 1'32
19. Lento 2'54
20. Tempo Giusto 1'06
21. Allegretto 1'40
22. Grazioso 1'06
23. Moderato 1'25

Two Piano Sketches
24. To You! 1'49
25 Before your picture 2'09

26. Capriccio Op.47 3'00

Two Nocturnes
27. Sehr ruhig 2'37
28. Leicht bewegt 2'10

29. Piano Sonata No.2 11'15

Ekaterina Litvintseva piano

Recording: 29-30 October 2020,
Westverst 90 Kerk, Schiedam, The Netherlands
CD16 63'45
ALMA MAHLER 1879-1964
Lieder und Gesänge
Complete songs published during the composer's lifetime

Fünf Lieder
1. Die stille Stadt (Richard Dehmel) 2'40
2. In meines Vaters Garten (Otto Erich Hartleben) 5'26
3. Laue Sommernacht (Otto Julius Bierbaum*) 1'52
4. Bei dir ist es traut (Rainer Maria Rilke) 1'52
5. Ich wandle unter Blumen (Heinrich Heine) 0'52
* not Gustav Falke, as reported in the score

Vier Lieder
6. Licht in der Nacht (Bierbaum) 3'28
7. Waldseligkeit (Dehmel) 2'31
8. Ansturm (Dehmel) 1'39
9. Erntelied (Gustav Falke) 4'10

Fünf Gesänge
10. Hymne (Novalis) 4'58
11. Ekstase (Bierbaum) 2'35
12. Der Erkennende (Franz Werfel) 2'48
13. Lobgesang (Dehmel) 3'05
14. Hymne an die Nacht (Novalis) 3'20

PATRIZIA MONTANARO b.1956
15. Canto di Penelope (Rosaria Lo Russo) 21'37
Melologue for soprano/actress and piano

Catharina Kroeger soprano
Monica Lonero piano

Recording: October 2014, Digital Records, Rome, Italy

CD17 65'01
AMY BEACH 1867-1944
Piano Music

1. “Out of the Depths” Op.130 (1932) 2'43

2. Variations on Balkan Themes Op.60 (1904) 25'12
Theme: Adagio malincolico
I. Più mosso
II. Maestoso
III. Allegro ma non troppo
IV. Andante alla Barcarola
V. Largo con molta espressione /Poco più mosso
VI. Quasi Fantasia/Allegro all' ‘Ongarese
VII. Vivace/Valse lento
VIII. Con vigore/Lento calmatoMarcia funeraleCadenza. Grave/Quasi fantasia/Maestoso/Adagio

3. “Dreaming” Op.15 No.3 (1892) 4'29
4. Serenade “Ständchen” after Richard Strauss (1902) 3'49
5. Prelude and Fugue Op.81 (1914) 10'30
6. “Canoeing” Op.119 No.3 (1927) 1'08
7. “Honeysuckle” Op.97 No.5 (1922) 2'55
8. “A Hermit Thrush at Eve” Op.92 No.1 (1922) 4'48
9. Nocturne Op.107 (1924) 3'41

Three Pieces Op.128 (1932)
10. I. Scherzino: “A Peterborough Chipmunk” 1'10
11. II. “Young Birches” 2'52
12. III. “Humming Bird” 1'01

Martina Frezzotti piano
Recording 10/11 January 2023, Westvest Church, Schiedam, The Netherlands

CD18 52'34
MEL BONIS 1858-1937
Complete Music for Flute & Piano

Flute Sonata Op.64
1. I. Andantino con moto 5'59
2. II Scherzo vivace 2'20
3. III. Adagio 6'41
4. IV. Finale moderato 5'11

Trois Mélodies Op.91
5. Viola 2'40
6. Sauvez-moi 3'23
7. Songe 3'48

8. Scherzo Op.187 5'00

9. Pièce Op.189 4'56
10. Air Vaudois Op.108 4'33
11. Une Flûte Soupire Op.121 2'06

Andante et Allegro Op.133
12. Andante 4'00
13. Allegro 1'50

Mario Ancillotti flute
Eliana Grasso piano

Recording: January 2022, Abbey Rocchi Studios, Rome, Italy

CD19 69'04
GERMAINE TAILLEFERRE 1892–1983
Piano Music

1. Impromptu (1912) Ed. Jobert 2'30
2. Romance (1913) Ed. Max Eschig 3'24
3. Pas trop vite (1914) Ed. Musik Fabrik 1'28
4. Pastorale in D major (1919) Ed. Max Eschig 1'42
5. Hommage à Debussy
(1920) Ed. Musik Fabrik 1'26
6. Très vite (1920) Ed. Musik Fabrik 2'15
7. Pastorale in A flat major (1928) Ed. Heugel 3'25
8. Sicilienne (1928) Ed. Heugel 3'16
9. Pastorale in C major (1929) Ed. Heugel 3'56

Fleurs de France (1930) Ed. Lemoine
10. I. Jasmin de Provence 1'13
11. II. Coquelicot de Guyenne 0'51
12. III. Rose d'Anjou 1'32
13. IV. Tournesol du Languedoc 1'14
14. V. Anthémis du Roussillon 1'16
15. VI. Lavandin de Haute-Provence 1'01
16. VII. Volubilis du Béarn 1'00
17. VIII. Bleuet de Picardie 1'46

18. Chiens (1931) Ed. Musik Fabrik 1'52
19. Pastorale Inca (1931) Ed. Musik Fabrik 4'57
20. Au pavillon d'Alsace (1937) Ed. Deiss 4'22
21. Bretagne (1940) Ed. Salabert 8'27
22. Larghetto (1946) Ed. Lemoine 2'54
23. Valse lente (1948) Ed. Lemoine 1'35
24. Fugue du parapluie (1950) Ed. Musik Fabrik 1'56

Partita pour piano
(1957) Ed. Broude Brothers
25. I. Perpetuum mobile (Allegretto) 2'46
26. II. Notturno (Andantino) 2'50
27. III. Allegramente (Allegro) 3'32

Cristina Ariagno piano

Recording: June 2001 (CD1), November 2000 (CD2), Camponogara, Venice (Italy)

CD20 77'28
IDA PRESTI 1924-1967
Complete Music for 2 Guitars

1. La Hongroise 8'30
2. Prélude 4'57
3. Tarantelle 4'53
4. Danse d'Avila 5'23
5. Espagne 9'04
6. Bagatelle 7'46
7. Danse gitane 2'49
8. Étude No.1 3'41
9. Berceuse à ma mère 6‘15
10. Chanson et Jeux 3'15
11. Étude No.2 4'09
12. Sérénade 5'29
13. Valse de l'an nouveau 3'13
14. Étude fantasque 7'32

Salvatore Fortunato guitar
Fabio Perciballi guitar

Recording: 2022, Genzano di Roma, Italy

CD21 58'13
KOHARIK GAZAROSSIAN 1907-1967
24 Etudes

1. Allegretto 2'37
2. Animé et grouillant 2'07
3. Andantino 2'27
4. Vivo – Meno mosso * 1'55
5. Allegretto * 2'06
6. Con spirito * 1'44
7. Andantino cantabile 2'23
8. Andante espressivo * 2'22
9. Con moto e con anima 2'52
10. A la marcia 3'05
11. Allegretto con spirito 1'03
12. Allegro majestuoso 3'02
13. Comodo e tranquillo 1'57
14. Con moto * 3'00
15. Allegretto grazioso 1'44
16. Allegretto * 2'16
17. Lento * 4'12
18. Moderato 2'15
19. Vivo 3'35
20. Vif et rhythmé * 1'30
21. Allegro * 2'21
22. Allegretto 2'39
23. Grazioso 2'15
24. Allegro furioso * 2'44

* first recordings

Nare Karoyan piano

Recording: 1-4 December 2021, Deutschlandfunk Kammermusiksaal Cologne, Germany

CD22 51'45
MARÍA LUISA ANIDO 1907-1996
Guitar Music

1. Aire Norteño 1'35
2. Cancion del Yucatan 1'59

Preludios Nostalgicos
3. Lejania 4'12
4. Gris 3'23
5. Mar 2'21
6. Cancion de Cuna 2'26
7. Preludio Campero 3'21

Impresiones Argentinas
8. Boceto Indigena 4'22
9. Santiagueña 2'52
10. Canto de la Llanura 2'57
11. Triste 2'37
12. Preludio Pampeano 3'02
13. Catamarqueña 3'15
14. Variaciones Camperas 1'58
15. Preludio Criollo 1'42
16. El Misachico 2'43
17. Aire de Vidalita 2'16
18. De mi tierra 2'03
19. Barcarola 2'31

Cinzia Milani guitar

Recording: February 2024, Bartok Studio, Bernareggio (MI), Italy

CD23 66'23
GRAZYNA BACEWICZ 1909-1969
Piano Music

Little Triptych
1. I. - 0'50
2. II. - 0'59
3. III. - 0'49

4. Concert Krakowiak 5'59

Children's Suite
5. I. Prelude 0'53
6. II. March 1'07
7. III. Waltz 1'17
8. IV. Lullaby 1'59
9. V. Burlesque 0'51
10. VI. Minuet 0'58
11. VII. Gavotte 1'45
12. VIII. Scherzino 0'52
Two Etudes for Double Notes
13. I. Moderato 2'59
14. II. Vivace 2'23

Ten Concert Etudes
15. I. Allegro non troppo 2'10
16. II. Vivace 1'39
17. III. Allegretto 2'19
18. IV. - 1'35
19. V. Andante 3'43
20. VI. - 1'46
21. VII. Giocoso 1'54
22. VIII. - 3'24
23. IX. Presto 1'33
24. X. Allegro 1'46

Trois pièces caractéristiques
25. I. Allegretto 1'44
26. II. Moderato 1'36
27. III. Vivace 1'18

Piano Sonata No.2
28. I. Maestoso. Agitato 6'08
29. II. Largo 5'57
30. III. Toccata. Vivo 3'56

Morta Grigaliunaite piano

Recording: August 2018, Atlântico Blue Studios in Portugal

CD24 68'08
GALINA USTVOLSKAYA 1919-2006
Piano Sonatas

Piano Sonata No.1
1. I. 1'13
2. II. 1'23
3. III. 3'04
4. IV. 3'33

Piano Sonata No.2
5. I. 3'44
6. II. 5'47

7. Piano Sonata No.3 16'39

Piano Sonata No.4
8. I. 2'14
9. II. 2'24
10. III. 0'58
11. IV. 3'37

12. Piano Sonata No.5 15'25

13. Piano Sonata No.6 7'39

Ivan Sokolov piano

Recording: October 1995, Studio of Moscow Radio House
CD25 76'54
Harpsichord Music

AUGUSTA READ THOMAS b.1964
1. Fire Waltz - Homage to Béla Bartók
(1996 Piano version;
2022 Harpsichord version) * 2'07

URSULA MAMLOK 1923-2016
Three Bagatelles (1987) *
2. I. Grazioso 0'45
3. II. Very calm 1'06
4. III. Playful 1'18

TANIA LEÓN b.1943
5. Tumbáo (2005 Piano version;
2022 Harpsichord version) * 2'48

GRACIANE FINZI b.1945
6. Espressivo (1996) for harpsichord
and fixed sound ** 7'49

KAROLA OBERMÜLLER b.1977
Suite des femmages (2022) *
7. I. Tolling 3'00
8. II. Thundering 0'43
9. III. Piercing 1'14
10. IV. Fast 1'22

ERROLLYN WALLEN b.1958
11. Louis' Loops (1999) * 4'23

SANTA RATNIECE b.1977
12. Mira (2018) * 13'26

ANNA THORVALDSDOTTIR b.1977
13. Impressions (2015) 7'13

SOFIA GUBAIDULINA b.1931
14. Ritorno perpetuo (1997) 16'14

MISATO MOCHIZUKI b.1969
15. Moebius-Ring (2003 Piano version;
2022 Harpsichord version) * 13'19

* first recordings
** first recording on a baroque instrument

All of the transcriptions of this CD were made by me in accordance with the composers intentions.

Luca Quintavalle harpsichord

Recording: 5 June 2021, 20-21 March & 4 April 2022, St. Peter, Neuss-Hoisten, Germany


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 商品説明詳細ページ一覧

【複数作曲家】
女性作曲家たち
オランダのピアノ協奏曲集
イタリアのヴァイオリン・ソナタ集
イタリアのチェロ・ソナタ集

【バロック作曲家(生年順)】
バード [c.1540-1623]
モンテヴェルディ [1567-1643]
カッツァーティ [1616-1678]
ルイ・クープラン [1626-1661]
クープラン一族
グリューネヴァルト [1673-1739]
ダンドリュー [1682-1738]
スタンリー [1713-1786]
ヨハン・エルンスト・バッハ [1722-1777]

【古典派&ロマン派作曲家(生年順)】
ハイドン [1732-1809]
ミスリヴェチェク [1737-1781] (モーツァルトへの影響大)
ボッケリーニ [1743-1805]
モンジュルー [1764-1836] (ピアノ系)
ベートーヴェン [1770-1827]
クラーマー [1771-1858]
ジャダン [1776-1800] (ピアノ系)
リース [1784-1838]
ブルックナー [1824-1896]
マルトゥッチ [1856-1909]
マーラー [1860-1911]
トゥルヌミール [1870-1939]
ルクー [1870-1894]
レーガー [1873-1916]
ラフマニノフ [1873-1943]

【近現代作曲家(生年順)】
レーバイ [1880-1953] (ギター系)
マルティヌー [1890-1959]
ミゴ [1891-1976] (ギター系も)
サントルソラ [1904-1994] (ギター系も)
ショスタコーヴィチ [1906-1975]
ラングレー [1907-1991] (オルガン系)
アンダーソン [1908-1975]
デュアルテ [1919-2004] (ギター系)
プレスティ [1924-1967] (ギター系)
ヘンツェ [1926-2012]
坂本龍一 [1952-2023]
【指揮者(ドイツ・オーストリア)】
アーベントロート
エッシェンバッハ
カラヤン
クナッパーツブッシュ (ウィーン・フィルベルリン・フィルミュンヘン・フィル国立歌劇場管レジェンダリー)
クラウス
クリップス
クレンペラー (VOX&ライヴザルツブルク・ライヴVENIASボックス
サヴァリッシュ
シューリヒト
スイトナー (ドヴォルザークレジェンダリー)
フリート
フルトヴェングラー
ヘルビヒ (ショスタコーヴィチマーラーブラームス)
ベーム
メルツェンドルファー
ヤノフスキー
ライトナー
ラインスドルフ
レーグナー (ブルックナーマーラーヨーロッパドイツ)
ロスバウト
【指揮者(ロシア・ソ連)】
アーロノヴィチ
ガウク
クーセヴィツキー
ゴロワノフ
ペトレンコ
マルケヴィチ
【指揮者(アメリカ)】
クーチャー(クチャル)
スラトキン(父)
ドラゴン
バーンスタイン
フェネル
【指揮者(オランダ)】
オッテルロー
クイケン
フォンク
ベイヌム
メンゲルベルク
【指揮者(フランス)】
パレー
モントゥー
【指揮者(ハンガリー)】
セル
ドラティ
【指揮者(スペイン)】
アルヘンタ
【指揮者(スイス)】
アンセルメ
【指揮者(ポーランド)】
クレツキ
【指揮者(チェコ)】
ターリヒ
【指揮者(ルーマニア)】
チェリビダッケ
【指揮者(イタリア)】
トスカニーニ
【指揮者(イギリス)】
バルビローリ
【指揮者(ギリシャ)】
ミトロプーロス
【指揮者(日本)】
小澤征爾
【鍵盤楽器奏者(楽器別・生国別)】

【ピアノ(ロシア・ソ連)】
ヴェデルニコフ
グリンベルク
ソフロニツキー
タマルキナ
ニコラーエワ
ネイガウス父子
フェインベルク
フリエール
モイセイヴィチ
ユージナ
【ピアノ(フランス)】
ウーセ
カサドシュ
ティッサン=ヴァランタン
ハスキル
ロン
【ピアノ(ドイツ・オーストリア)】
キルシュネライト
シュナーベル
デムス
ナイ
レーゼル (ブラームスベートーヴェン)
【ピアノ(ハンガリー)】
ファルナディ
【ピアノ(南米)】
タリアフェロ
ノヴァエス
【チェンバロ】
ヴァレンティ
カークパトリック
ランドフスカ
【弦楽器奏者(楽器別・五十音順)】

【ヴァイオリン】
オイストラフ
コーガン
スポールディング
バルヒェット
フランチェスカッティ
ヘムシング
リッチ
レビン
【チェロ】
カサド
シュタルケル
デュ・プレ
トルトゥリエ
ヤニグロ
ロストロポーヴィチ
【管楽器奏者】

【クラリネット】
マンツ

【ファゴット】
デルヴォー(ダルティガロング)
【オーボエ】
モワネ
【歌手】
ド・ビーク (メゾソプラノ)
【室内アンサンブル(編成別・五十音順)】

【三重奏団】
パスキエ・トリオ
【ピアノ四重奏団】
フォーレ四重奏団
【弦楽四重奏団】
グリラー弦楽四重奏団
シェッファー四重奏団
シュナイダー四重奏団
ズスケ四重奏団
パスカル弦楽四重奏団
ハリウッド弦楽四重奏団
バルヒェット四重奏団
ブダペスト弦楽四重奏団
フランスの伝説の弦楽四重奏団
レナー弦楽四重奏団

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