
古代ギリシャ趣味から生まれた典雅なサウンド
リラ・ギターの魅力
ドメニコ・ラファッシャーノ(リラ・ギター)
新古典主義と古代ギリシャ趣味
フランス革命の少し前、18世紀の半ばから美術や建築で新古典主義様式が勢いを増す中、フランス貴族のサロンで流行していたのは古代ギリシャ趣味の演し物です。サロンは貴族の重要な収入源でもあるため、評判となった朗唱や演劇、音楽は繰り返し上演されやすく、古代ギリシャ詩の朗唱「アナクレオン律」でも、場を盛り上げ、音も出せる小道具として、大小さまざまなリラが用いられるようになります。
外観の装飾性と演奏の機能性を両立
そこに登場したのが、フランスの楽器製作者ピエール=シャルル・マレシャルが1780年に開発した「リラ・ギター」です。当初は「アナクレオン・リラ」と名付けられていたこの楽器は、リラとギターの特徴を併せ持つもので、リラの外観の美しさとギターの演奏機能を兼ね備えていました。
貴族から新興中産階級へ
1789年に始まったフランス革命によって貴族階級は略奪・虐殺の対象ともなって衰退しますが、その富の移動によって勃興した中産階級がサロン運営の担い手となり、新古典主義様式の流行も手伝って、ナポレオン帝政時代には「リラ・ギター」はヨーロッパ中に広まり、演奏だけでなく装飾品としても好まれるようになります(最近でもウィスキー「響」の容器デザインに使用されたりしています)。
専用楽曲を演奏
リラ・ギターは運用された期間が短いことから、専用楽曲は少ないですが、このアルバムでは、フランスの作曲家がリラ・ギターのために書いた作品が選ばれ、経験豊富なドメニコ・ラファシャーノによる典雅な演奏を堪能することができます。
ブックレット(英文)には、ラファシャーノによるリラ・ギターと収録作品の解説が掲載。
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演奏者情報
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ドメニコ・ラファシャーノ(リラ・ギター)
イタリア生まれ。パドヴァ音楽院を首席で卒業し、70年代からアリリオ・ディアス、アレクサンドル・ラゴヤ、ジークフリート・ベーレントらに師事。
1978年9月に初リサイタルをおこなって以来、ヨーロッパからアメリカ、アフリカ、中東、アジア、オーストラリアの36か国の主要都市で演奏したほか、数多くのマスタークラスを開催し、30以上の国際ギター・コンクールの審査員も務めてきました。
1998年、リビアのベンガジ国立劇場に出演し、同劇場で最初のギター・リサイタルを開催。リビアは1911年から1943年までイタリアの植民地だったことでヨーロッパ式の劇場もありましたが、前年にはリビア軍とチャド軍が衝突し、両軍とも大きなTOYOTAロゴの車を使用していたことから「トヨタ戦争」として世界に報じられるなどすでに物騒な地域になっていた中での出演でした。
2001年9月には、ニューヨーク大学からの招待を受け、ワールド・トレード・センター崩壊の犠牲者へ捧げるリサイタルをマンハッタンで開催。
2020年には、イタリアで開催された第19回パガニーニ・フェスティヴァルで、パガニーニが所有していた1797年製のギターを演奏。
アンドレス・セゴビアがラファシャーノの作品を演奏したことや、ジョン・W・デュアルテが作品をラファシャーノに献呈してくれたことは、数多くの著名な音楽家と交流してきたラファシャーノにとっても得難い経験でした。
CDは、Brilliant Classics、Iktius、GALLO、Music Centerなどから発売。

トラックリスト (収録作品と演奏者)
リラ・ギターの魅力
シャルル・ドワジー [c.1748-c.1807]
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12の易しいエア
1. モデラート 1'12
2. ワルツ 0'56
3. ワルツ 1'21
4. セレナーデ(マエストーゾ〜プレスト) 3'38
5. アンダンテ 1'36
6. コサック 2'17
7. ポロネーズ 2'19
8. アンダンティーノ〜変奏 3'17
9. アンダンティーノ(シシリエンヌ)〜変奏) 4'09
10. ロンド(アレグレット) 2'11
11. ワルツ 1'16
12. ワルツ 1'27
A.A.ルージョン=ボークレール [17??–18??]
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リラ・ギターのための12のワルツと主題と変奏 Op.8
13. ワルツ 1 1'19
14. ワルツ 2 1'18
15. ワルツ 3 1'36
16. ワルツ 4 1'16
17. ワルツ 5 1'19
18. ワルツ 6 1'16
19. ワルツ 7 1'33
20. ワルツ 8 1'18
21. ワルツ 9 1'26
22. ワルツ 10 1'06
23. ワルツ 11 1'17
24. ワルツ 12 1'05
25. 主題と変奏 6'53
ピエール=ジョゼフ・プルーヴィエ [c.1750-1826]
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リラ・ギターのためのアルマンド、ロンドー、ソトゥーズとアングレーズ
26. モデラート 1'22
27. アレグレット 1'07
28. モデラート 1'13
29. アレグレット 1'00
30. ポコ・アンダンテ 0'54
31. アレグレット 1'33
32. ポコ・アレグロ 1'02
33. アンダンテ 2'11
34. アレグレット 1'19
35. アレグレット 0'56
36. テンポ・ジュスト 2'09
37. ポコ・アンダンテ 1'08
ジャン=アントワーヌ・メソニエ [1783-1857]
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リラ・ギターのための4つの夜想曲
38. 第1のロンド(グラツィオーゾ) 2'02
39. 第2のロンド(エスケルツァンド) 2'55
40. 第3のロンド (アレグレット・コン・グースト) 2'57
41. 第4のロンド (アンダンテ・エクスプレッシーヴォ - アンダンティーノ) 2'40
ドメニコ・ラファシャーノ(リラ・ギター)
録音:2023年11月5日、イタリア、ミラノ、ブームボックス・スタジオ
Track list
The Charm of the Lyre-Guitar
Charles Doisy c.1748–c.1807
Douze Petits Airs faciles
(Principes généraux de la Guitare à cinq et à six cordes et de la Lyre)
[General principles of the five- and six-string guitar and the lyre]
1. Moderato 1'12
2. Walse 0'56
3. Walse 1'21
4. Sérénade (Maestoso – Presto) 3'38
5. Andante 1'36
6. Kosak 2'17
7. Polonoise 2'19
8. Andantino – Variation 3'17
9. Andantino (Sicilienne) – Variation) 4'09
10. Rondo (Allegretto) 2'11
11. Walse 1'16
12. Walse 1'27
A.A. Rougeon-Bauclair 17??–18??
Douze Walses et un Thème varié Op.8 for lyre-guitar
13. Walze 1 1'19
14. Walze 2 1'18
15. Walze 3 1'36
16. Walze 4 1'16
17. Walze 5 1'19
18. Walze 6 1'16
19. Walze 7 1'33
20. Walze 8 1'18
21. Walze 9 1'26
22. Walze 10 1'06
23. Walze 11 1'17
24. Walze 12 1'05
25. Thème varié 6'53
Pierre-Joseph Plouvier c.1750–1826
Allemandes, Rondeaux, Sauteuses & Anglaises for lyre-guitar
26. Moderato 1'22
27. Allegretto 1'07
28. Moderato 1'13
29. Allegretto 1'00
30. Poco andante 0'54
31. Allegretto 1'33
32. Poco allegro 1'02
33. Andante 2'11
34. Allegretto 1'19
35. Allegretto 0'56
36. Tempo giusto 2'09
37. Poco andante 1'08
Jean-Antoine Meissonnier 1783–1857
Quatre Nocturnes for lyre-guitar
38. 1er Rondo (Gratiozo) 2'02
39. 2ème Rondo (Escherzando) 2'55
40. 3ème Rondo (Allegretto con Gusto) 2'57
41. 4ème Rondo (Andante expressivo – Andantino) 2'40
Domenico Lafasciano lyre-guitar
Total time: 75'20
Recording: Boombox Studio, Milan, Italy, 5 November 2023