日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで 中公新書

磯田道史

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027290
ISBN 10 : 4121027299
フォーマット
出版社
発行年月
2022年11月
日本
追加情報
:
237p;18

内容詳細

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録…。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。

目次 : 第1章 戦国の怪物たち(大仏を焼いたのは松永久秀か/ 久秀が大悪人にされた理由 ほか)/ 第2章 江戸の殿様・庶民・猫(三代・徳川家光の「女装」/ 甲賀忍者も勤め人 ほか)/ 第3章 幕末維新の光と闇(西郷隆盛、闇も抱えた男/ 幕末、公家の花見行 ほか)/ 第4章 疫病と災害の歴史に学ぶ(ねやごとにも自粛要請/ 感染楽観で繰り返した悲劇 ほか)

【著者紹介】
磯田道史 : 1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年、国際日本文化研究センター准教授、21年より同教授。18年、伊丹十三賞受賞。著書『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイスト・クラブ賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 鉄之助 さん

    「古文書ハンター」磯田道史さんのワクワク感がたまらない! 旧家の蔵や骨董店・古本屋などから貴重な文書を掘り出す、その少年のような新鮮な驚きが全編から伝わってきた。特に「幕末維新の光と闇」が、私にとっては秀逸。「コメ日本」圏外にあたる、奄美(サトウキビ栽培)や下北地方(牧畜)には米文化の範疇外の暮らしがあった。米で日本を一括りにしない、磯田さんの「視点」がすばらしい。まさに、教科書には書いていない「裏の歴史」を堪能した。

  • 楽 さん

    22年。17〜22年の読売新聞連載。『歴史の愉しみ方』『日本史の内幕』の続き。帯に歴史には裏がある、闇があると書かれているが暴露という感じではない■ネット上に雑多な情報がコピペされて流布していることには私も危惧■古文書を新聞と同じ速さで読めるとは驚くが、古文書の真贋はどう見究めているのだろう。早くリタイアしてくずし字の勉強をしたい■『感染症の日本史』で読んだ話もあり、江戸時代の経済や医療の水準の高さを改めて認識するが、明治維新後も含めてお上の無能さや民草への無関心はいまと変わらないのかも

  • まさにい さん

    品川駅の駅中書店で見かけ買ってしまった。ちょっと立ち読みをして明智光秀の本能寺の変の理由を読んだのだが、なるほど、コロンブスの卵だったのだなぁと思う。つまり、古文書から光秀の性格を読み取ると、天下人になりたかったからなったと当たり前の結論が出て来る。勿論、信長から疎まれ始めていた事実はあったのが……。一次資料を読み込める磯田さんの力量だなぁ。それにしても、京都の古本屋には古文書が溢れているみたいだ。崩し文字を新聞を読むように読める磯田さんの能力に脱帽!

  • trazom さん

    読売新聞連載の「古今をちこち」を、戦国の怪物たち/江戸の殿様・庶民・猫/幕末維新の光と闇/疫病と災害の歴史に学ぶの4章に分けて収録した歴史エッセイ集。光秀謀反の真相、秀頼の本当の父は誰か、孝明天皇は暗殺かなど、誰もが興味ある話題に対し、磯田先生のアプローチは、一次資料である古文書の解読を通じて真相に迫ろうという正攻法で、空想の中で恣意的に歴史解釈を弄ぶ態度とは対極にある。歴史家としての矜持を踏まえた上で、しかも、こんなに面白おかしく語ることができるのだから、この先生が引っ張りだこなのも納得できる気がする。

  • Kanonlicht さん

    今や「日本の歴史研究者といえば」という感のある著者が、日本史のオモテには出てこないあれこれを語った新聞コラムをまとめたもの。曰く日本ほど古文書の類が多く現存している国はほかにないとのこと。研究価値の高い書物が普通に古書店の軒先で売られているという事実にも驚いた。新型コロナにからみ、日本のマスクの起源、天然痘やスペイン風邪の流行時にも隔離が行われていたことなど、興味をそそる話題がたくさんあった。最後は震災の話で締められていて、歴史は繰り返すということを肝に銘じた。

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