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チェコの弦楽四重奏曲(5CD)
スメタナ、ヤナーチェク、マルティヌー:弦楽四重奏曲全集
1990年デジタル録音(ヤナーチェクのみ1988年)。チェコ出身で、同郷の作曲家の名前を冠した「シュターミッツ四重奏団」による演奏。先にリリースされてベストセラーとなったドヴォルザークの弦楽四重奏曲全集に続く注目作で、結成5年目に集中的にレコーディングされたマルティヌーとスメタナに、1988年のヤナーチェクを組み合わせた盛りだくさんな内容となっています。
チェコの民謡を素材に活用するという共通項を持ちながらも、まったく異なる作風を持つ作曲家3人の違いを楽しめるこのセット、室内楽好きにはたまらないものといえるでしょう。
もともとのレコード会社はドイツのBAYERレーベルで、今回、オランダのBrilliantレーベルからライセンス・リリースになったことは、アルバムの内容を考えると非常にお買い得です。
演奏もドヴォルザークと同じく高水準で、特に、マルティヌーの全集は、ドイツのレーベルからのリリースながら、フランスでディスク大賞を獲得したほどのクオリティです。
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」
スメタナ:弦楽四重奏曲第2番ニ短調
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
マルティヌー:弦楽四重奏曲第1番 H.117(1918)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第2番 H.150(1925)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第3番 H.183(1929)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第4番 H.256(1937)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第5番 H.268(1938)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第6番 H.312(1946)
マルティヌー:弦楽四重奏曲第7番 H.314(1947)
マルティヌー:ヴァイオリンとヴィオラの為のマドリガル H.297(1943)
マルティヌー:弦楽三重奏曲第2番 H.238(1934)
シュターミッツ四重奏団
第1ヴァイオリン:ボフスラフ・マトウシェク
第2ヴァイオリン:ヨセフ・ケクラ
ヴィオラ:ヤン・ペルーシュカ
チェロ:ヴラディーミル・レイクスネル
1985年、スニーティラ門下のソリスト、ボフスラフ・マトウシェクを第1ヴァイオリンに、同門の後輩、ヨセフ・ケクラを第2ヴァイオリンに、プラハ音楽院出身のヤン・ペルーシュカをヴィオラに、同じくプラハ音楽院出身のヴラディーミル・レイクスネルをチェロに結成されます。
第1ヴァイオリンのマトウシェク[1949- ]は、1970年のティボール・ヴァルガ・コンクールでの特別賞受賞、1972年のプラハの春国際ヴァイオリン・コンクールでの優勝により、ソリストとしてキャリアをスタートしていますが、1977年から1980年にかけて、読売日本交響楽団ソリスト兼コンサートマスターとして活躍していたので、ご記憶の方もいらっしゃることでしょう。
チェコに戻って再びソリストとしての活動を開始するマトウシェクですが、5年後には、新たに結成されるシュターミッツ四重奏団のリーダーとして、同四重奏団のレベルを国際的なものとすることに成功し、1995年までの10年間に渡って同四重奏団に在籍しました。
同四重奏団退団後は、ソリストとして、また、ドヴォルザーク・ピアノ・トリオのメンバーとして活躍しており、ソリストとしてのレコーディングはすでに24点を数えます。
なお、マトウシェク退団後の第1ヴァイオリンは、まずチェルノフが、次いでパズデラが引き継いで現在に至っています。
シュターミッツ四重奏団のディスコグラフィーはすでに50を超える点数に達しており、レーベル数も16といいますからかなりのものです。
今回、その代表作ともいうべき、ディスク大賞受賞の名盤を含む2つめのセットがブリリアントからライセンス・リリースされるのは実に喜ばしいことと言えるでしょう。