【中古:盤質B】 Double-back

マネージャーだったアルバート・グロスマン（ボブ・ディラン、ピーター、ポール＆マリー）の進言によって、ファーストはナッシュヴィルで録音されたが、71年リリースのセカンド（本作）では、そのグロスマンが立ち上げたばかりのベアズヴィル・スタジオ録音も加わった。盟友エリック・カズ（ピアノ、ハープ）をはじめ、ウェルドン・マイリック（ペダル・スティール）、ジェリー・キャリガン（ドラムス）、バディ・スピッチャー（フィドル）、トレイシー・ネルソン（ヴォーカル）は、前作ナッシュヴィル・レコーディングと同じラインナップ。エリック・クラプトンやＪ・Ｊ・ケールなど、ルーツ・ロック系セッションでお馴染みのティム・ドラモンド（ベース）は、当時トレイシー・ネルソンが率いるマザー・アースのメンバーでもあった。ここに、エイモス・ギャレット（ギター）、ビル・キース（ペダル・スティール）が加わって、のちのマッド・エイカーズ〜ウッドストック・マウンテン・レビューにつながる人脈図も見える。それぞれ73年に、ポール・バターフィールドの『ベター・デイズ』、ボーダーラインの『スウィート・ドリームス・アンド・クワイエット・デザイアーズ』というウッドストック産の名盤に参加している。ドラムスを全面的にフィーチャーして、フォーク・ロック的なニュアンスは、ファーストよりも強まっている。ウッドストックの親密なミュージシャンシップに裏打ちされた、アメリカン・ルーツ・ロックの美しい結晶がここにある。