CD 輸入盤

ヴィルヘルム・バックハウス デッカ録音全集(38CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4834952
組み枚数
:
38
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
限定盤,輸入盤

商品説明


バックハウス没後50周年記念ボックス

ヴィルヘルム・バックハウスが1969年7月5日に世を去ってから、2019年で50年になります。この偉大なピアニストがデッカに残したすべての録音が今回初めて集大成されました。新規リマスタリングされたこれらの録音にはバックハウスのピアニズムの驚くべき完成度が示されています。
 ベートーヴェンの歴史的録音〜2つのソナタ・ツィクルス(モノラル録音と、バックハウスの死去により録音されなかった第29番『ハンマークラヴィーア』のみを除くステレオ録音)、ピアノ協奏曲、チェロ・ソナタ(チェロ:ピエール・フルニエ)、そしてバックハウスの有名な1954年の「カーネギー・ホール・リサイタル」〜の他、クレメンス・クラウス、カール・ベーム、カール・シューリヒト、ハンス・シュミット=イッセルシュテット、ギュンター・ヴァントといった指揮者たちとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との共演も全て収録されています。
 CD38枚組ボックス入り、オリジナル・ジャケット仕様。(輸入元情報)

【収録情報】
Disc1
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
2. ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
3. ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
4. ピアノ・ソナタ第4番ホ長調 Op.7

 録音:1953年(1,2,4)、1952年(3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc2
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1
2. ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10-2
3. ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3
4. ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13『悲愴』
5. ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1

 録音:1951年(1,2)、1953年(3-5)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc3
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2
2. ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22
3. ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26
4. ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1

 録音:1952年(1,4)、1953年(2)、1950年(3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc4
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』
2. ピアノ・ソナタ第15番ニ長調 Op.28『田園』
3. ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1
4. ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』

 録音:1952年(1,4)、1953年(2,3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc5
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3『狩』
2. ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1
3. ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
4. ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』
5. ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54

 録音:1953年(1)、1952年(2,3,5)、1950年(4)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc6
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』
2. ピアノ・ソナタ第24番嬰へ長調 Op.78『テレーゼ』
3. ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
4. ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a『告別』

 録音:1952年(1,2)、1951年(3)、1953年(4)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc7
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
2. ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101
3. ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106『ハンマークラヴィーア』

 録音:1953年(1)、1952年(2,3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc8
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
2. ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
3. ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111

 録音:1950年(1)、1953年(2,3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc9
● ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲ハ長調 Op.120

 録音:1954年、ジュネーヴ(モノラル)
Disc10
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
2. ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 クレメンス・クラウス(指揮:1)
 カール・ベーム(指揮:2)
 録音:1952年(1)、1950年(2)、ウィーン(モノラル)
Disc11
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
2. ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 クレメンス・クラウス(指揮)
 録音:1951年(1)、1953年(2)、ウィーン(モノラル)
Disc12
● ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・ベーム(指揮)
 録音:1953年、ウィーン(モノラル)
Disc13
● ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・シューリヒト(指揮)
 録音:1952年、ウィーン(モノラル)
Disc14
ブラームス:
1. チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38
2. チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99

 ピエール・フルニエ(チェロ)
 録音:1955年、ジュネーヴ(モノラル)
Disc15
ショパン:
1. バラード第1番ト短調 Op.23
2. マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4
3. マズルカ第20番変ニ長調 Op.30-3
4. マズルカ第24番ハ長調 Op.33-3
5. ワルツ第2番変イ長調 Op.34-1『華麗なる円舞曲』
6. ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送』
7. 練習曲集 Op.10より第3番ホ長調『別れの曲』
8. 練習曲集 Op.10より第10番変イ長調、
9. 練習曲集 Op.25より第7番嬰ハ短調『恋の二重唱』
10. 練習曲集 Op.25より第6番嬰ト短調
11. 練習曲集 Op.25より第8番変ニ長調
12. 練習曲集 Op.25より第9番変ト長調『蝶々』
13. 練習曲集Op.10より第5番変ト長調『黒鍵』
14. 練習曲集 Op.25より第1番変イ長調『エオリアン・ハープ』
15. 練習曲集 Op.25より第2番ヘ短調
16. 練習曲集 Op.25より第3番ヘ長調
17. 練習曲集 Op.10より第8番ヘ長調
18. 練習曲集 Op.10より第2番イ短調『半音階』
19. 練習曲集 Op.25より第11番イ短調『木枯らし』

 録音:1950年(1-7)、1952年(8-19)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc16
1. シューベルト:楽興の時 Op.94, D.780
2. シューマン:森の情景 Op.82
3. シューマン:幻想小曲集 Op.12より第3曲『なぜに』

 録音:1955年(1,2)、1951年(3)、ジュネーヴ(モノラル)
Disc17
モーツァルト:
1. 幻想曲 ハ短調 K.475
2. ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
3. ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』
4. ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
5. ロンド イ短調 K.511

 録音:1955年ジュネーヴ(1,2,4,5)、ウィーン(3)
Disc18
J.S.バッハ:
1. イギリス組曲第6番ニ短調 BWV.811
2. フランス組曲第5番ト長調 BWV.816
3. 前奏曲とフーガ ト長調 BWV.860
4. 前奏曲とフーガ ト長調 BWV.884

 録音:1955年、ジュネーヴ(ステレオ)
Disc19
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1
2. ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2
3. ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
4. ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7

 録音:1963年(1)、1968年(2)、1969年(3)、1966年(4)、ジュネーヴ(ステレオ)
Disc20
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1
2. ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10-2
3. ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3
4. ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13『悲愴』
5. ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1
6. ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2

 録音:1963年(1-3)、1968年(5,6)ジュネーヴ、1958年(4)ウィーン(ステレオ)
Disc21
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22
2. ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26
3. ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1
4. ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』

 録音:1968年(1)、1963年(2)、1969年(3)ジュネーヴ、1958年(4)ウィーン(ステレオ)
Disc22
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第15番ニ長調 Op.28『田園』
2. ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1
3. ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』
4. ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3『狩』

 録音:1961年(1)、1969年(2)、1963年(3,4)ジュネーヴ(ステレオ)
Disc23
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1
2. ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
3. ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』
4. ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54
5. ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』
6. ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調 Op.78『テレーゼ』

 録音:1968年(1,2)、1958年(3,5)、1969年(4,6)ジュネーヴ(ステレオ)
Disc24
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
2. ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a『告別』
3. ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
4. ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101

 録音:1964年(1)、1961年(2)、1969年(3)、1963年(4)ジュネーヴ(ステレオ)
Disc25
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
2. ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
3. ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111

 録音:1961年(1,3)、1964年(2)ジュネーヴ(ステレオ)
Disc26
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
2. ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
 録音:1958年(1)、1959年(2)ウィーン(ステレオ)
Disc27
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
2. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
 録音:1958年、ウィーン(ステレオ)
Disc28
● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
 録音:1959年、ウィーン(ステレオ)
Disc29
● ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・ベーム(指揮)
 録音:1967年、ウィーン(ステレオ)
Disc30
ブラームス:
1. 6つの小品 Op.118
2. 8つの小品 Op.76より第2曲『奇想曲』
3. 3つの間奏曲 Op.117より第1曲変ホ長調
4. 狂詩曲 ロ短調 Op.79-1
5. 幻想曲集 Op.116より第6曲『間奏曲』
6. 4つの小品 Op.119より第2曲『間奏曲』
7. 4つの小品 Op.119より第3曲『間奏曲』

メンデルスゾーン:
1. ロンド・カプリチオーソ Op.14
2. 無言歌集 Op.62より第6曲『春の歌』
3. 無言歌集 Op.62より第1曲『5月のそよ風』
4. 無言歌集 Op.67より第4曲:蜜蜂の結婚

 録音:1956年、ジュネーヴ(ステレオ)
Disc31
ハイドン:
1. ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.XVI:52
2. ピアノ・ソナタ第48番ハ長調 Hob.XVI:48
3. 幻想曲 ハ長調 Hob.XVII:4
4. アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
5. ピアノ・ソナタ第34番ホ短調 Hob.XVII:34

 録音:1958年、ジュネーヴ(ステレオ)
Disc32
モーツァルト:
1. ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
2. ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
 カール・ベーム(指揮:1)
 録音:1955年(1)、1960年(2)ウィーン(ステレオ)
Disc33
モーツァルト:
1. ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調 K.332
2. ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
3. ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 K.282
4. ピアノ・ソナタ第5番ト長調 K.283
5. ロンド イ短調 K.511

 録音:1961年(1,2)、1966年(3-5)ジュネーヴ(ステレオ)
Disc34
1. シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
2. シューベルト:即興曲集 Op.142, D.935より第3曲変ロ長調
3. シューベルト:高雅なワルツ集 D.969

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
 ギュンター・ヴァント(指揮:1)
 録音:1956年(2,3)ジュネーヴ、1960年(1)ウィーン(ステレオ)
Disc35
『カーネギー・ホール・リサイタル 1954』
ベートーヴェン:
1. ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13『田園』
2. ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』
3. ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a『告別』
4. ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
5. ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79

 録音:1954年、ニューヨーク(モノラル/ライヴ)
Disc36
1. シューベルト:幻想曲集 Op.142, D.935より第2曲変イ長調
2. シューマン:幻想小曲集 Op.12より第3曲『なぜに』
3. リスト:ウィーンの夜会 S.427より第6番
4. ブラームス:4つの小品 Op.119より第3曲『間奏曲』
5. シューベルト:幻想曲集 Op.142, D.935より第3曲変ロ長調
6. ショパン:練習曲集 Op.25より第2番ヘ短調
7. シューマン:森の情景 Op.82より第7曲『予言の鳥』
8. モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 K.331より第3楽章『トルコ行進曲』

 録音:1954年、ニューヨーク(モノラル/ライヴ)
Disc37
『ラスト・リサイタル』
1. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』
2. シューベルト:楽興の時 Op.94, D.780

 録音:1969年、オーストリア、オッシアッハ(ステレオ/ライヴ)
Disc38
1. モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』
2. シューベルト:即興曲集 Op.142, D.935より第2番変イ長調
3. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3『狩』より第1-3楽章
4. シューマン:幻想小曲集 Op.12より第1曲『夕べに』
5. シューマン:幻想小曲集 Op.12より第3曲『なぜに』
6. シューベルト:即興曲集 Op.142, D.935より第2曲変イ長調

 録音:1969年、オーストリア、オッシアッハ(ステレオ/ライヴ)

 ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)


総合評価

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ひと時代昔の名演ですね。地味ですが、どれ...

投稿日:2021/03/20 (土)

ひと時代昔の名演ですね。地味ですが、どれも素晴らしいと思いました

murr さん | 東京都 | 不明

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いままで色んなCDで聴いて来ましたが、昔...

投稿日:2020/03/10 (火)

いままで色んなCDで聴いて来ましたが、昔初めて買つたSXL盤ベートーヴェンop.7, 79, 110のソナタ三曲で知つたバックハウスとは音がずゐ分違つてゐて、まずそれを回復することが出来ず、入り口で止まつてしまつて前に進めない思ひでした。今度のセットで、やうやくしつとりとした、充実して落ち着いた音が鳴りました。これでこそ。有り難いです。たいへん嬉しいです。 録音時期、演奏家の時期と録音技術の時期、会場や録音会社により、音は変はるだらうし、それはLPでも同じ、それを色々と体験して行つて、時には楽譜を開いたりして「この演奏家の音」を聴き取り、確かめるやうになる、今更ですが、改めてさういふことを思ひます。繰り返し同じものを何度も聴いて、やつと分かる(会得する)のだから、仕方がないです。 バックハウスに耳を傾けると、他のレヴュアーもお書きになつてゐるやうに、アーティキュレーション、ルバート、フレージングが曲の骨格、構図を正しく表現すると主張されてゐる建築のやうです。それはもちろん作品に対する彼自身の理解、解釈に基づいてゐて、それは一時の気分や感興では崩れない。作品がそのやうに作られてはゐないと主張され、それなら、逆に感興の赴くまま弾いても許されるのか?さうではない、感興は事前の準備、解釈、鍛錬によつて齎されるもの、さうバックハウスは告げてゐるやうに感じます。これを精神性と呼ぶか。然り、武士のやうな精神性。自分が乱れる弱さを断つ精神性ではないでせうか。 ヴィデオにベームとやつたベートーヴェンの四番があり、今入手できるDVDには省かれてゐるが、バックハウスのインタヴューがあつて、その冒頭を夢のやうに弾いた後、オーケストラと一緒では、弾きたくとも、かうは弾けないと語つておいででした。忘れられません。作品がベートーヴェンだつたりモーツァルトだつたりすれば、武士と言つても、いつも強面で武張つてゐるわけではありえず、バックハウスは色々に弾いてゐて、弾き分けてゐて、夢のやうにも、甘美にも弾いてゐる。それに出会ひ、感得するのは、バックハウスばかりでなくて、音楽好きの誰もが知る醍醐味の一つですね。 ギレリスとどう違ふか、だつて?

JCS さん | 神奈川県 | 不明

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発売予定日から3か月も遅れて、ようやく昨...

投稿日:2020/02/08 (土)

発売予定日から3か月も遅れて、ようやく昨日(2020-1-31)発売された、デッカ原盤によるバックハウスのピアノ演奏集大成を聴くことができて大変悦ばしい。かつて名演奏の誉れ高かった、モノーラルのベートーヴェンのソナタ全集で、唯一出ていたイタリア・デッカ盤も廃盤になって久しい。私にとってこの38枚の集成を入手した理由が、このモノ―ラルの全集が目当てであることは、まぎれもない事実だ。 これと現役のステレオの同全集という二本立て(ただし周知のように「ハンマークラヴィール」大ソナタはステレオでは録音できていない)を中心に、バッハ、ハイドン、モーツアルト、シューベルト、シューマン、ブラームス、ショパンという具合で、コンチェルトも全録音が揃っている。 なお、本集成の録音は24bit/96kHzでリマスタリングされているが、従来のバックハウスのレコード、CDでは、録音が優秀だというデッカの評判にしては、いささか冴えない録音のような気がしてならなかった。それ故、音質がさらによくなる「…代(しろ)」または「マージン」がきっとあるだろうと思っていたところに、果たして、本セットは、2019年に24bit/96kHzでリマスタリングと明記されていたのだ。 さて、ベートーヴェン初期のソナタのモノ―ラル録音からかけてみる。昔、モノのLP(廉価盤だった)で聴いたときの混濁とか、やや荒れた感触が消えて、壮年期のバックハウスの雄渾の相がはっきりした形で示されているように感じられる。およそ、ここでモノ―ラルの不具合などカウントしようにも、ないのだから仕様がない。ステレオの方も音質改善幅が大きく、ふっくらした響きで、さすがデッカの録音だ。さらに中期ソナタの充実ぶりには舌を巻くほかない。モノ―ラルの「アパッショナータ」では、かれの驚異のテクニックが好ましい形で現れている。まことにピアニズムの粋を示す爽快な演奏だ。 それでもピアノだけでは音質改善も限定される。もちろん、ほぼ完璧で満足のいくレヴェルなのだが、合わせものになると、さらに改善の効果が相乗的に現れ、たいへん聴きごたえがある。バックハウスが合わせもの(室内楽)の名手だなんて、今回初めて知ったようなものだ。 たとえば、ピエール・フルニエとのブラームスの二曲のチェロソナタでは、曲の良さを教えてもらうというありさまだ。このCDは最近国内盤を入手して聴いていたのだが、ブラームスの室内楽の名品で、中期と晩年の気分が横溢している。もちろん音がよいのは今回の輸入盤が際立っている。かれらなら、細かいところをいじらなくとも、自然な形で最善の姿が現出してくるが、バックハウスが大きな枠組みをしっかり定めて、その中で情緒的なチェロが最高度の美音で、大きな自由度を以ってロマン的だがやや渋い旋律を奏でるのだ。 さらにコンチェルトでは、まずバックハウスの大得意な曲、第4で、モノ―ラルながら私が最も愛聴する、クレメンス・クラウスがヴィーンフィルを振って円熟(「枯淡」では決してない)の境地を示した録音を聴いた。これは、以前の盤ではオケが高音になるとキンキンして、やや耳障りになることがあり、ピアノもオケも柔軟さが不足していたのだが、いずれにも「切った貼った」の痕跡もなく見事に修復されていて、ありがたい。この場合のリマスタリングの成功は、やはりデッカが録音時に将来、改善可能な余地を残していた(結果として)からだと再確認できた。またヴィーンの絃や木管の再現にデッカ録音のプラットフォームが実に効果的だ。ソフィエンザールはデッカの専用スタジオと化し、ジョン・カルショウ、ヴィクトル・オルフらの名プロデユーサが采配を振るい、ショルティの「指環」(ヴァーグナー)の全曲録音をはじめとしたヴィーンフィルの名録音を生み出した場所だ。ここでの録音の好ましい成果が、本集成のステレオのコンチェルトシリーズに現れている。ハンス・シュミット・イッセルシュテットの指揮は、まず第1で、若々しい清新な演奏を聴かせる。晩年のバックハウスも余裕がある。実に楽しめる演奏と上質な録音を満喫できた。最後の、「皇帝」は、二人ともベートーヴェン中期のこの大作に対し音楽的総力を動員して、大金字塔を打ち立てたの感がある。聴いた後の充足感は、途轍もない大きい。 ところで、かれのベートーヴェンの新旧のソナタ全曲アルバムを聴いて、それも、かつての権威の象徴だった、あるいはスタンダードとして広く聴かれていた、アルトウール・シュナーベル(これは2種類のリマスタリングで随分聴いたものだ、演奏はまさに表現主義の申し子だ。)、エドヴィン・フィッシャー、ヴァルター・ギーゼキングといった面々に加え、ヴィルヘルム・ケンプやエミール・ギレリスを経てフリードリヒ・グルダといった今風のものまで聴いてきて、バックハウスの「ぶっきらぼう」さ、ないしは強靭な精神とでもいうべきか、吉田秀和は、「強靭な本能の働き」と言っており、ときに「詩味」がほしくなると述べている。しかし、私はこれこそバックハウスの魅力の最たるものだと考える。詩味はベーゼンドルファーの音色で十分補えるのではなかろうか。さらに吉田は、バックハウスの演奏は、要するに曲が良ければよいほど演奏もよくなると言っているが、全く同感だ。 ところが、バックハウスの演奏が認められるようになったのは第二次大戦後のことで、1920年代には、すぐれた批評家、音楽家のヴァルター・ニューマンはバックハウスのあらゆる側面を賞賛しつつも、「アカデミックな技術家であり新古典主義的音楽家にとどまる」とし、「音楽のニュアンスの微妙さに欠け、幻想力の飛翔、様式感の把握に弱い」とまで断じている。その頃は、シュナーベルの権威が最高であって、バックハウスなどは比較にならなかったのだ。  それからブラームスの大人的なスケールの大きさは立派なもので、今回リマスターに助けられ、晩年の小曲集の印象を確かなものにした。そして第2コンチェルトの録音ポテンシャルは、かくも良好だったのか、第一楽章劈頭の柔らかいホルンソロの部分と、第三楽章始めで、チェロの独奏が息の長い旋律を美しく表現しているところで、それに加え絶妙なタイミングで、オーボエソロが、チェロの音色の上に乗ってニュアンス豊かに表情を加えるあたり、デッカの同演奏の最新盤をさらに上回るのは確実な、とても良好な音質だった。それにしても、この第三楽章の楽想が、ベートーヴェンの第九の同緩徐楽章によく似ていて、ブラームスのこの先輩への傾倒ぶりをよく示していると思う。

SS さん | 神奈川県 | 不明

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