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その10「寺山修司」のススメ
2015年10月16日 (金) 18:00
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「心のダークサイド」を思い出した
今世の中は、寺山修司生誕80年で沸いています。
ご存知ですか??
私の両親の世代などは当然知っているハズですが・・・若い方は知らない方も多いでしょうねーー。ある意味独特な世界なので、知らなくてもフツーです。そもそも私も年代的には全然合いません(笑)。
知らなーい!という方のために、とってもわかりやすく、且つざっくりと説明すると。
寺山さんは、歌人であり、劇作家であり、俳人、詩人、演出家、映画監督、小説家、作詞家、脚本家、随筆家、評論家、俳優、写真家・・・と非常に幅広く活躍された方です。
美輪明宏さんの再演などでも有名な「毛皮のマリー」、伝説のアニメ「あしたのジョー」の主題歌の作詞、先日亀梨くん主演・蜷川さん演出で上演された「青い種子は太陽のなかにある」…などなど、今の若い人でも「あー!それ知ってる!」というような作品を枚挙に暇がないほど残し、【言葉の錬金術師】といわれた偉人なのです。
もともと演劇ガールだった私も、当然この世界をなんとなーく垣間見ることになったんですが、それを知るきっかけになったのは、高校時代の演劇部の先輩、めぐちゃんでした。
めぐちゃんは本当に魅力的な人で、当時の(今でもだけど)世間知らずでぼんやりした私は、彼女のやることなすこと全てが破天荒でカッコよく見えました。
めぐちゃんがどうステキだったのか、うまく説明できない自分が歯がゆいのですが、とにかく大人っぽくて、高校生なのにやってることが大人と同じで、男性からも女性からもモテて、自分の考えや思いをしっかり持ってて、いい意味でちょっと不良で(ヤンキーでは、ナイ)…と、とにかく目が離せない人でした。
そんな憧れのめぐちゃんの本棚にあったのが、「書を捨てよ、町へ出よう」。
目に飛び込んできて、パラリパラリとめくりました。そして。
ソッコーで紀伊國屋に行きました(笑)。
取っ掛かりはなんでもよくて、とにかく、めぐちゃんみたいになりたかった。
めぐちゃんは、どうして“めぐちゃん”でいられるのか、それを知る手がかりになるかも、って漠然と思ったんでしょーねーー・・・結局わかんなかったけれども。
・・・つらつらとそんなことを思い出していたら、私の青春時代の心のダークサイドが久々に「こんにちは」してきました。うー苦しいー(笑)。
大人になっても変わらないのは、自分自身の過去の記憶。明暗関係なく、インパクトの強いものは一生残る。それはそれでステキなことなんですが、今でも苦しくなるのは困りモノですww
きっと、この寺山修司という人は、当時の若者にとって、“私のめぐちゃん”のような存在だったのかなー、なんて気がしたのでした。
「冥土への手紙−寺山修司 生誕80年記念音楽祭」に行ってみた
そんな寺山修司の生誕80年を祝うイベントがそこかしこで行われる今年。
カゲヤマンは、そのオフィシャル・イベントの第二夜に同僚のワンコ(※注:私がつけたあだ名)と行ってきました。
そのイベントタイトルは『田園に死す』。有名な映画のタイトルですね。
そして出演陣はというと・・・
犬神サアカス團 / 近藤等則 / SUGIZO(LUNA SEA,X JAPAN) / 渚ようこ / 新高けい子 / 元ちとせ / 未唯mie / 蘭妖子 / ROLLY
加えて、J・A・シーザーと悪魔の家2015や演劇実験室◎万有引力の方、ほかたくさんのパフォーマーの方々。
こ・・・濃いww
会場のロビーでは、寺山修司主宰の演劇実験室「天井棧敷」オリジナル・ポスター展が開催。 あの独特のアートワーク。エロなのかグロなのかロマンティックなのか、どう説明したらよいのかわからない、でもその美しさたるや、たまらーーーん!というポスターがズラリ。全て特大サイズ(たぶん、B0サイズ?)。
かなり、濃い・・・。
そして会場内へと移動し、ステージがスタート。
映像と朗読、歌、トークはもちろん、『身毒丸』『草迷宮』と並び「見世物オペラ三部作」の一つと言われる「怪人フー・マンチュー」の幻想オペラ(イギリスの作家サックス・ローマー原作の作品を舞台化)や、前衛的なダンスなどが次々と披露。
ゆるゆると、だけど、じわじわと、その世界に侵食されていく・・・あのエネルギーはいったいなんなんでしょう?!
さっき言ってた“心のダークサイド”をむちゃくちゃ刺激してくる、えもいわれぬカオス感。
次々とアーティストが出てくるあたり、形式的にはフェスなんだけれども、その内容があまりに多岐に渡りすぎてて、まるで音楽劇を観ているような、映画を観ているような不思議な感覚に陥るのです。
やっぱり・・・濃かった・・・(笑)。
個人的には、平成の歌謡歌手・渚ようこさんの歌声の素晴らしさ、そして天井桟敷の看板女優だった新高けい子さん(御年81!!)の張りのある歌声に、完全に魅了されましたねー。ステキだったなー。
SUGIZOのストイックな居ずまいと演奏もよかったし、ROLLYのあの“どこでもいつでもROLLY”なスタンスと迫力もよかったなー。
一緒に行ったワンコは、第一夜のSUGIZOと近藤等則さんのセッションを大絶賛。第二夜では「時には母のない子のように」(渚ようこさん歌唱)のときにアコギで演奏したSUGIZOに萌えていました。
かなりのSUGIZO贔屓ww
まあ、ステキでしたからね、その萌えぶりももっともです(笑)。
この現代ではなかなかお目にかかれないような、いわゆるアングラのあの雰囲気にめっちゃ侵されまくった夜。いいですよ、たまには。こういう“超”が百万回つくほどの非日常感。
というわけで、まだ観られるこれからの公演をいくつかご紹介。
○第28回東京国際映画祭 生誕80年記念クラシック特集 「TERAYAMA FILMS」
○開館25周年/芸劇フェスティバル Roots vol.3「書を捨てよ町へ出よう」
○パルコ、ポスターハリス・カンパニー「レミング 世界の涯まで連れてって」
○花組芝居「毛皮のマリー」
■公演詳細、書籍紹介など、まずはこちらの「寺山修司 生誕80年 特集」でチェック!!
この機会に、ぜひともご体験のほど♪
ではまた来週―♪♪
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