【イベントレポ】世界一美しいイベント『SENSATION』

「ドレスコードは白」 会場は独特の空気感で満たされる

　フロアーは当然白い服のひとだらけ。普段、上下白の服を着ることもあまりないだろうし、そうした人がこれだけ集まることもなかなか無いだろう。だが、開演前からそんな独特の状況を楽しむ人で溢れ、そこかしこで記念撮影をしている様子が見られる。「写真撮ってもらっていいですか〜？」なんて声をかけあう人たちも多く、知らない人同士のコミュニケーションも生まれ、イベント直前の独特の高揚感も「SENSATION」ならではのものになっていた。

DJイベントの域を超える度肝を抜く演出

　フロアー中央には360度のステージ、四方に伸びた花道も設置され、ここでどんな演出がなされるのか期待に胸を膨らませていると、開始早々ステージでは火花が、花道では炎が巻き起こる。また中央のステージでは、結局DJはどっちを向いてプレイするのかと思っていると、なんとDJブース自体が回転！なるほど、これで360度全ての観客と向き合える。

　また日本での「SENSATION」開催にあたり、8名の日本人女性ダンサーがオーディションにより選出されており、イベントの随所に登場しては、フロアーを楽しませる。ファンタジーな側面をみせたかと思えば、時にアクロバティックに、時に妖艶にイベントを彩っていたが、そのショーのレベルは某世界級サーカスを思わせ、観客を魅了した。

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「Wicked Wonderland」をテーマにした一夜の物語

　今回の「SENSATION」は「不思議な国のアリス」をベースに「Wicked Wonderland」というテーマが設けられており、会場には数々の「鍵」や「鍵穴」のオブジェの装飾による空間演出が為されていた。またイベントを通し「純粋無垢なアリスが、セクシーに成長していく」といったストーリーコンセプトになっており、モニター上に映し出される、真っ白なドレスを着た少女アリスが、白いドアを開けるところからイベントは始まる。

　「SENSATION」ではお馴染みのレジデントDJ、Mr.Whiteがオープニングを飾る。その名の通り、顔も白塗り、白のスーツを身に纏い、マスコット的な存在にも見えるが、侮ること無かれ、彼のファンは多い。派手さは無いが、ハウシーなグルーブに心地よく踊らされ、あっという間に1時間が過ぎてしまう。

　続く、SUNNERY JAMES & RYAN MARCIANOは、個人的に最も楽しみにしていたDJ。プレイしながらシンクロして体を揺らす二人の姿は観ているだけで楽しいし、トライバルなグルーブで気持ちよく躍らせる彼らのスタイルは最高にかっこいい。

　そして世界中のフェスでトリをつとめることも多い、SANDER VAN DOORNがここで登場。固いキックでぐいぐい引っ張り、四つ打ちだけでなく変幻自在なグルーブを交えながら、一貫した世界観を魅せる圧巻のプレイ。終盤はトランシーなプレイを展開し、DANNICに繋げる。

　深夜2:00過ぎ、今、世界が最も注目するDJ、DANNICが登場。BPMもぐっと上がり、まさにイベントのピークタイムを迎える。踊りっぱなしの観客も疲れをみせる頃合いだが、DANNICのパワフルなプレイに煽りに煽られ、しっかりとハンズアップ。アンセムも織り交ぜ、見事に会場が一つになっていく様は見事としか言いようがない。

　そして今夜のトリを務めるのは、ベテランLAIDBACK LUKE。今夜のイベントの集大成とも言うべき、パーティミックスで会場を盛り上げ、時にスクラッチも交え、矢継ぎ早にトラックをスイッチし、アンセム楽曲も多数プレイ。イベントのラストを彩り、締めくくった。

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　通常のフェスでは、出演するDJそれぞれが自身の世界を構築するものだが、SENSATIONは「物語に合うDJ」が選ばれている為、全てが終わって振り返ってみると一晩の流れが本当に心地よく感じられた。「ドレスコードは白」に注目が集まっていたが、演出の素晴らしさに加え、DJと観客との一体感が最高に心地よいイベントであることを体感した。早くも次回開催が待ち遠しい。