その8「ジェーン・スー」のススメ

2015年10月02日 (金) 18:00

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カゲヤマン(って誰だ?)がエンタメ初心者と自認する皆さんに向けてお贈りする、ゆるっゆるなコラム連載。 さあ、今日からあなたも【エンタメラバー】♪

「季節の変わり目」で思いがけず自分を知る


すっかり秋めいてまいりました。
とはいえ、まだガッツリと長袖を着込むことも難しく(なぜなら汗かきだから・・・)、そうはいっても季節感のない人間にもなりたくないので、常に通勤時に周囲の服装や足元をキョロキョロとチェックしている小心者。でも、そこで「う、しまった・・・ズレている・・・」と思ってもどうすることもできないワケで、結局「ま、いいか。自分の好きな格好してるんだし」と、そのまま会社に向かう日々が続いています。

一応、自分なりに、朝起きた時の空気、バタバタと仕度をしている間の体温の変化(に伴う汗w)、天気予報、と情報を集めはするのです。その情報に基づいて、自分の限られたワードローブから、それなりのものを選んではいる・・・ハズなんだけど。

いーじゃん、自分で決めたんだし、寒かったり暑かったりしたら、その後悔や辱めを明日のパワーに変換すればっ!!・・・と思ったりもするのですが、一向に成長もナイ(恐らくする気がナイ)。

このぼんやり感、妙な自己肯定感(我の強さ、ともいう)・・・一事が万事、とはよく言ったもので、さまざまな角度から自らを検証するにつけ、本当にこのダラシナイ感じが、自分の何かを形成する基盤に、見事ににゅるにゅると入り込んでいることに気づいた恐怖。巧妙なマルウェアもビックリです(笑)。
そんな「これがワタシだものーーこれも個性だしーーー♪」とばかりに開き直って生きてきてしまった私に、ひっさびさの左フックが飛んできました。

はうううっ・・・ぬおっ!! こ、これは・・・(汗)

「ジェーン・スー」の本を読んでみた


この本との出会いは、同僚のマダム(※私が勝手につけたニックネーム)からの紹介。彼女はジェーン・スーを愛してやまない。
それを証拠に、彼女はインタビューを自らの手で調整・決行し、果ては見事な編集後記を残しています。ぜひともこのマグマ並みの愛を感じ取っていただきたい。

★祝!第31回講談社エッセイ賞受賞&「わたプロ」文庫化ダブル記念 ジェーン・スー インタビュー!(1)
★祝!第31回講談社エッセイ賞受賞&「わたプロ」文庫化ダブル記念 ジェーン・スー インタビュー!(2)
※編集後記は当然ながら(2)にございます。

このニュースサイト内でもCS放送でのドラマ化に関するニュースをいくつかとりあげていますが、上記にもあるとおり、エッセイ賞を受賞している今や話題の1冊。全く知らなかった自分に「感度が低いで賞」をあげたいくらいです。

そして、実際の本の内容は、というと。
あの「負け犬の遠吠え」で一大現象を世に巻き起こした酒井順子も大絶賛、“女性の人生に新たな選択肢を与えた“逆”結婚指南書”とのこと。・・・いやいやいやいやいや。
読めば分かる、もう、これはどう考えても間違いなく“結婚指南書”!!!
いわゆる“結婚指南書”とされて世に出版されている、どの本よりも心に刺さる!(※個人的見解)

どうしてプロポーズをされないのか、という観点で、101もの理由を事細かに挙げ連ねているのですが、これがまあーーースゴイ!とにかく、いちいち面白い。小気味よいスピード感とリズム感はもちろん、その表現がいちいち的確且つユニーク。そもそも自身(とその愉快な仲間たち)を“未婚のプロ”と称するあたり、そのセンスたるや、もう身悶えモノです。
著者のジェーン・スーよりもにわかにお姉さん気味のワタシも、同じような道をズンズン歩いてきていたワケで(爆)、「ああ、わかる・・・つか、コレやってたな・・・あれ?これワタシじゃーんww」と、どの項目にも当て嵌まるその洞察力の見事さは絶品。ひと項目ごとにぶちこまれる、山中慎介の「神の左」ほどの衝撃は、その表現力と人間力で見事に柔和。もはや心地よくすら感じてくるから不思議。ああ・・・テクニシャン。

自分なりに時間もお金も費やしてそれなりにお勉強もしてきたからこそ、この本を見て改めて「その通り!」と思える今。どうしてそう言うのか、その行動の何がダメなのか、果ては自分の何が悪かったのか・・・相手(男性)を知らずに、丸腰で戦地に赴いていた自分、素直さのカケラもなかった自分、そんなことを改めて思い知らされました。
そして、自分と同じように丸腰っちゃった人(=未婚のプロ)も世の中たくさんいたんだということに気づき、特別なケースなんて殆どないのね、ということも見えてきたり。
文庫本でここまで学べるこのクオリティの高さ。ス、ゴーーーーーーーイ!!

漠然とでも結婚を考えている(相手の有無はカンケーなし)ならば、男女も年齢も不問。
ぜひともこのジェーン・スーの1冊の本で目のうろこをこそぎ落としてみてはいかが?

あ、既婚のプロでも十分に楽しめる内容ですよ♪
(周囲の未婚のプロを思い浮かべながら読むだけでも笑えますから ←底意地悪い?ww)

ではまた来週ー♪

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Jane Su

(1)

Price (tax incl.): ¥660

Release Date: September/2015

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