ジャズ定盤入門 =第五回=
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
今回の主役の「定盤」
Import
My Favorite Things: Coltrane At Newport
John Coltrane
Price (tax incl.):
¥1,870
Member Price
(tax incl.):
¥1,627
-
Deleted
%%header%%![]()
%%message%%

こちらも是非
-
Import Impressions
John Coltrane
Price (tax incl.): ¥1,870
Member Price
(tax incl.): ¥1,627Release Date:13/June/2008
-
Deleted
-
-
Import Reflections -Plays Thelonious
Steve Lacy
Price (tax incl.): ¥1,650
Member Price
(tax incl.): ¥1,436Release Date:29/June/1990
-
Deleted
-
%%header%%![]()
%%message%%

%%header%%![]()
%%message%%

おもしろいです
-
-
Out of Order
-
%%header%%![]()
%%message%%




まだ聴いてないのは「ソプラノ・サックス」である。毎度のごとくジャズ担当者に相談してみると「ソプラノならコルトレーンはハズせないんですけどね」と言われてしまった。連載第二回で取り上げた名前だが、「二回同じ人を出してはダメ」などというルールもこだわりもなく、いいアルバムが聴ければそれでいいので、再びコルトレーンのアルバムを聴いてみることにした。
今回選んでもらったコルトレーンの1枚は『マイ・フェイヴァリット・シングス〜コルトレーン・アット・ニューポート(My Favorite Things: Coltrane At Newport)』というライブ盤で、63年と65年にニューポート・ジャズ・フェスティヴァルに出演した際の音源を1枚にまとめたもの。没後40周年企画として2007年に発売されたアルバムである。
そして、お次は今回のお題の『マイ・フェイヴァリット・シングス〜コルトレーン・アット・ニューポート』。いかにもジャズといった感じのスムースな感じで始まり芸術的な完成度で吹きまくるテナー・サックスが聴ける1曲目「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー(I Want To Talk About You)」は9分半ほどある曲だが、
特に6分あたりから最後まで文字通り“独り”で吹きまくるソロが圧巻。そして2曲目の「マイ・フェイヴァリット・シングス(My Favorite Things)」だが、明らかに音色が違うので「これはソプラノだな」と思う。なんとなくコブラを呼び出すときの笛の音を思い出す。
「レッドスネーク・カモン」的である。これは17分と長い曲だが、9分台から約8分間の吹きまくりは鬼気迫るものがある。3曲目はさきほどのアルバムでも聴いた「インプレッションズ」で、このライブ・バージョンは23分にも及ぶさらに圧倒的な熱演だった。ここまでの3曲が63年のライブで、残りの2曲が65年のものなのだが、2曲目でも聴いたソプラノの「マイ・フェイヴァリット・シングス」が再び聴ける。63年のもスゴかったが、65年のもスゴい。特に後半のソプラノの音は、『リヴォルバー』(66年)あたりのビートルズの「テープ逆回転」の音までも彷彿とさせる、尋常じゃない音色である。
なにが言いたいかというと、私はこのライブ盤の二つの「マイ・フェイヴァリット・シングス」を聴いて、コルトレーンのソプラノに「ロック」を、そして「ギター」を感じたのだ。ジャガーの笛の音はきっとこんな音に違いない。63年のロックというと、まだビートルズは『プリーズ・プリーズ・ミー』でデビューしたて、65年でもまだ『ラバー・ソウル』であるが、ジャズの世界はもうこの神がかりな、今となってはギャグマンガの中でしかありえない域に達していいたことにすっかり驚嘆させられた。コルトレーンが「偉大」と呼ばれるわけが、ジャズ・リスナーにとりわけコルトレーン崇拝者が多いわけが、ようやく少しだけ判った気がするのである。
コルトレーンの神がかりな音をみっちり聴いたあとのせいか、非常に(いい意味で)軽く耳に馴染む。ソプラノの高い音は、ややもすると素っ頓狂でピーヒャララな感じになってしまうのではないかと思うが、このアルバムは洗練されていて「おしゃれなジャズ」としてもいい感じに聴けた。
あたりまえであるが、同じサックスでも、吹く人によってかなりイメージが違って聴こえる。そのあたりがやっぱりギターに似ているな、と改めて思うのであった。