その声に思わず引き込まれる美形シンガー

Monday, December 21st 2009

JPF Awardベスト・ジャズ・ヴォーカル作品に選ばれた女性シンガーHalie Loren新作はスタンダードからポップスまで、その魅力に引き寄せられます。

オレゴン州ユージーン市在住の25歳の女性シンガー、Halie Loren。

2006年にアルバム『Full Circle』でデビュー。この作品はオリジナルを中心に構成され、ジャズのエッセンスを持ったシンガー・ソング・ライター系のポップス寄りの作品となりました。

そして2008年には、 ピアニストMatt Trederとのデュオによるクリスマス作品『Many Times, Many Ways: A Holiday Collection』をリリース。このアルバムでは、クリスマス・ソングをジャジーに歌い、最小編成ながら、抜群の歌唱力を聴かせ、より1歩ジャズ・シンガーへの道を歩んだといえるでしょう。

更に同年、彼女はもう1枚アルバム『They Oughta Write A Song』をリリース。こちらが、最新作にあたり、3作とも初お目見えとなります。

デビュー作は、ポップ路線が強かったものの、この最新作では見事にジャズ・シンガーへと変貌を遂げています。

もともと、その卓越した歌唱力、表現力は実証澄みで、ジャズの片鱗も垣間見られていましたが、更なるジャズへのフィールドへ足を踏み入れる事により、シンガーとしての才能が開花したといえる内容。

ピアノと共に、艶やかさ満点に始まる、まるでスタンダードのようなタイトル・ソングから、思わず聴き惚れてしまいます。この曲を含め3曲のオリジナルを収録する他、「Blue Skies」、「Autumn Leaves」、「Fever」、「God Bless The Child」、「Summertime」、「As Time Goes By」など、ジャズ・ファンにもおなじみの楽曲もズラリ。

更に、Procol Harumの「A White Shades Of Pale」、Otis Reddingの「The Dock Of The Bay」、Pete Seegerの「My Rainbow Race」などポピュラー・ソングも取り上げ、見事に自分のジャズとして歌い上げています。

ピアノ・トリオを中心としたサウンドも最高にマッチし、彼女の歌を最大限生かしているでしょう。大人の魅力一杯ながら、時おり見せる無邪気な面も女性ヴォーカル・ファンの心をくすぐります。

また、本作は2009年Just Plain Folks Music Awardの「Best Vocal Jazz Album」を受賞。ここに新たな逸材の誕生と言っても過言ではないでしょう。