バイヤー激押し!! HOT PICKS
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
世界をつなぐ新たな物語
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デビューアルバム
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国境を越える新しい世代の歌姫
- HMVが注目する5アーティスト
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Import El Ultimo Trago
Buika / Chucho Valdes
Price (tax incl.): ¥2,750
Member Price
(tax incl.): ¥2,393Release Date:21/November/2009
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Import(Japanese Edition) Live In Paris
Asa (Nigerian Soul Singer)
Price (tax incl.): ¥3,300
Release Date:18/October/2009
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Import D'ici Ou D'ailleurs
Soha (France)
Price (tax incl.): ¥2,530
Member Price
(tax incl.): ¥2,201Release Date:25/March/2008
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Lindas
hayato kaori
Price (tax incl.): ¥3,190
Member Price
(tax incl.): ¥2,935Release Date:07/October/2009
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Creole No Hana
Mio Matsuda
Price (tax incl.): ¥2,934
Member Price
(tax incl.): ¥2,699Release Date:20/January/2010
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聴く者の身体が揺れ魂が共鳴する。2006年以降マイラ・アンドラーデのデビュー作『NAVEGA』は、個人的には多少の目移りはあれど「無人島に持っていくならこの1枚」レベルのワールド・ミュージック・アルバムの傑作だった。3年の間、生来の歌姫が沈黙していたわけでは勿論なく、じわじわと評判となり世界リリースされた『NAVEGA』を携えて矢継ぎ早にして長期の演奏旅行に出ていたのであり、その間に入念に仕立て上げたのが本作『Storia, Storia...』である。
キューバで生まれ、幼少期をカーボ・ヴェルデで過ごした後、アフリカ、ヨーロッパの各地での10代を経て、現在はパリを活動拠点としている彼女は、トラヴェラーの粋に納まりきらない地球各所の生活者=コスモポリタンだが、アルバムのレパートリーから察するに、題材にはカーボ・ヴェルデを元にした(或いは当地のアーティストが作曲した)ものが多い。同郷のシンガー・ソングライターのサラ・タヴァレス、チェカ、ルーラなどがまとう吹き抜ける風のような爽やかさが、独学で演奏法を身につけたというマイラの作風と唱法にも共通する。優しく凛々しく、時に悲しく、楽曲が憑依した表現を丁寧なグラデーションで歌い分ける。「歌うことは神聖なこと」と言うマイラの歌声には過剰に脚色された虚仮や衒いが無く、祝詞を吟じているかのようなシャーマニックな厳かさすら感じられるほどだ。
さらなる高みに到達すべく集結した、各界の新進ヴァーチュオーゾの客演も注目を集めた。ジャキス・モレレンバウムの荘重なストリングス、リンカ−ン・オリヴェッティのアフロビ−トを思わせるホーンセクションの豪奢なバックもさることながら、コラ・ジャズ・トリオのジェリ・ムサ・ディアワラのコラ、ノルデスチのカルナヴァルを煽動する重厚かつ鋭角的なバイーアのパーカッション・アンサンブルなど濃厚な地域性を醸しだしつつもみずみずしいパフォーマンスは、聴き返す程にハッとさせられる耳新しさで、アンドレ・メマリのジャジーで疾走する流麗なピアノ・ソロは、本作にあって最もスリリングなハイライトである。
こどもたちのコーラスが印象的な表題曲「Storia, Storia...」からロベルト・フォンセカの浮世じみたピアノがたおやかな「Lembransa」まで、粒だった楽曲のコントラストが、ひと一人の一生であるかのようなストーリー性を読み取ることも可能だろうか。2つ目の傑作を残してまだ20代の半ばの若さ。世界を跳びまわる軽快な足取りは止まることなく、また世界をつなぐ新たな物語をつむいでくれることだろう。
ローカルで実直に育まれ受け継がれた文化を伝統と呼ぶのであれば、その滋味のあるエッセンスを吸収し、若い世代がソフィスティケートしカジュアルに結実させる動きは近年各地でなお活況を呈している。ワールド・ミュージック史ゼロ年代のしめくくりの動きとしては上出来ではないだろうか。