「夜の静寂に聴く」というマニアチックな選曲のベストと代表曲ベスト、そしてナルチョのレア曲満載のベスト。野呂新グループ新作も。

今年は、Casiopeaのデビュー30周年。記念限定Boxも完売するなど、現在活動休止中ながら、圧倒的人気ぶりは衰えを見せません。
そんな中、2枚のベスト盤がリリースされます。1枚は、おなじみの「朝焼け」で幕開けする、アルファ・レーベル音源の代表曲17曲が次から次へと登場する『Best Of Casiopea Alfa Collection』。
そしてHMVオンラインで注目したいのが、「夜の静寂に聴く」というテーマに基づき選曲が成されている『Living On A Feeling』。ここには、彼らお得意のド派手な強力ナンバーはセレクトされていません。ミディアム・テンポ中心に、そして時にはバラードまで、クールなメロディー・ラインによる楽曲が絶妙にラインナップされています。
もちろん、おなじみの人気曲「テイク・ミー」、「ミッドナイト・ランデヴー」、「スマイル・アゲイン」などもセレクションされていますが、その他はいわゆるベスト盤では選曲されないであろう、ある意味マニア・ライクな隠れた名曲名演達が中心となっています。
これら楽曲を羅列されると、カシオペアというグループの繊細な表現力の素晴らしさが改めて再発見できる、コア・ファンにも訴求できるコンセプチャルなアナザー・サイド・ベストと言えるでしょう。また、カシオペアを敬遠していたフュージョン・ファン、噂には知るが初めて聴くファンにも、とても興味深い内容だと思います。
現在は、残念ながらカシオペアの新録を聴く事はできませんが、このような新たな楽しみ方も一興だといえるでしょう。活動休止中ではありますが、新たなファンを増やすこと、そしてこれまでのファンの変わらぬ想いが、このリリースにもこめられているのではないでしょうか。
更に、鳴瀬喜博のベスト。こちらはカシオペアはもちろん、マイティ・マウス(スモーキーメディスン) を始めとした、ジャンルを越えたナルチョ・ワークスを年代順に収録した、まさに彼の生誕60周年を飾るに相応しいベスト盤。今では入手困難な楽曲も収録。
そして、カシオペアのリーダー、野呂一生が2008年に発足、デビューさせた新グループIssei Noro Inspiritsの待望の2ndアルバムも決定。盟友、神保彰のほか、若手を起用した次なるJ-フュージョンの旗手として期待が高まります。
既に好評発売中の、櫻井哲夫の新作、東京ジャズにリトナーと共に出演を果たし、教則DVD新作『神保彰ソロドラムパフォーマンス7「シャドウエクササイズ」』のリリースも2月に予定されている神保彰など、カシオペア・ファミリーの活躍は尽きる気配がありません。