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フェステティチ四重奏団のハイドン〜ピリオド楽器による注目シリーズ

2009年10月7日 (水)

ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集3
フェステティチ四重奏団

日本語解説付き

ハイドン初期四重奏曲集の、否、弦楽四重奏曲の歴史で最も重要といっても過言ではない
「4人が対等」の画期的曲集!

全部で58曲もあるハイドンの弦楽四重奏曲ですが、それらは(1)1770年代に出版された18曲、(2)1780年代からロンドン遠征前までに作曲された25曲、そして(3)2度目のロンドン遠征の前後以降の、晩年の15曲と、ベートーヴェンのそれと同じく、だいたい3期に分けて考えることができます。しかし、その中でも最も大きく作風が変わったのは、おそらく2回だけなのではないかとされています。ひとつは最後の3曲(「作品77」の2曲と、未完の「作品103」)、そしてもうひとつのターニングポイントが、この1772年の「作品20」なのです。初版楽譜の表紙に太陽の絵が描いてあったことから、今なお「太陽四重奏曲」の渾名で知られるこの曲集、なにがすごいかというと、それまで「第1ヴァイオリンが主役、あとは伴奏役」というふうにヒエラルキーがはっきりしていた弦楽四重奏という編成に、絶対的な民主主義、つまり4人の演奏家が全く対等にわたりあえるような書法を持ち込んだ、室内楽の歴史のうえでも見逃せない新機軸の曲集だったのです。1760年代を通じて交響曲と弦楽三重奏曲(バリトン三重奏曲)の分野を開拓してきたハイドンの、いわば初期最重要といっても過言ではない曲集にもかかわらず、6曲全てを収めたアルバムは意外と貴重。しかも、ケルンのハイドン研究所とヘンレ楽譜出版社が共同で進めている最新の「原典版校訂」を反映させた決定的解釈を、四半世紀にわたって古楽器で活躍を続けているフェステティチ四重奏団の名演で聴けるとなれば、これを聴き逃す手はありません。
 ちなみにこの「全曲録音第3巻」は、同シリーズ中、Arcanaの創設者ミシェル・ベルンステンが在命中にリリースした最後の巻、つまりArcanaの一時経営不振でほとんど流通しなかった「幻の第3巻」でもあります。ハイドン研究所のショムファイ教授による周到な解説の日本語訳付。(マーキュリー)

【収録情報】
ハイドン:弦楽四重奏曲集 作品20「太陽四重奏曲集」(全6曲)
・弦楽四重奏曲 ト長調 op.20-3
・弦楽四重奏曲 変ホ長調 op.20-1
・弦楽四重奏曲 ハ長調 op.20-2
・弦楽四重奏曲 ヘ短調 op.20-5
・弦楽四重奏曲 イ長調 op.20-6
・弦楽四重奏曲 ニ長調 op.20-4
 フェステティチ四重奏団(古楽器使用)
  イシュトヴァーン・ケルテース、エリカ・ペテーフィ(ヴァイオリン)
  ペーテル・リゲティ(ヴィオラ)、レジェー・ペルトリニ(チェロ)

 録音時期:2005年
 録音方式:デジタル(セッション)
ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集6
フェステティチ四重奏団

日本語解説付き

「作品20」がハイドン最大のターニングポイントを迎えた1作だったとすれば、こちらの「作品54&55」(3曲ずつ出版されましたが、事実上は2巻でひとつの曲集なのだそう)はハイドンの人気が最も盛り上がった時期の「最も脂の乗った」1780年代後半の傑作曲集。ハイドンの作風は1790年代以降、老獪なまでに深まってゆく一方ですが、この1780年代後半という時期のハイドン作品は、概して絶妙の愉悦が若々しいセンスとあいまって(といっても、ハイドンは当時もう50歳前後なんですが)、誰が聴いても愉しめるうえ、聴き深めれば聴き深めるほど面白い、つまり「ハズレのない」傑作が居並んでいるようです。
 事実、前半の「作品54」の収録曲は、数あるハイドンの四重奏曲でも特に競合盤が多い作品群、つまり、演奏家が弾きたくなる、聴き手が聴きたくなる音楽なのです(古くはプロアルテSQ、近年ではリンゼイSQやイザイSQなど)。それほどまでに注目すべき作品群でありながら、古楽器録音の現行盤は皆無に近い(昔はDHMに、ヤープ・シュレーダーとスミソニアンSQの傑作盤があったのですが)という現状で、このフェステティチ四重奏団による(後半まで含めた)全6曲収録のアルバムはたいへん貴重。
 フェステティチ四重奏団は、まだピリオド楽器で弦楽四重奏をやるグループなどめったにいなかった1985年から活躍を続け、今や並ぶ者なき古楽器アンサンブルの雄となったハンガリーの名門グループ。演奏陣はアーノンクールの御膝元でもあった「隠れ古楽拠点」ウィーンでも経験を積んできた腕達者であるとともに、「弦の国」ハンガリーで揉まれてきた演奏家ならではの独特のセンスを古楽器演奏に反映させ、およそ他の追従を許さない深遠、精悍な演奏を打ち出してくる異才集団。ハイドン特有の書法や弦楽器の扱い方までも踏まえながらの、聴き手を深く魅了してやまない説得力あふれる解釈はここでも健在。チェロやヴィオラのソロが際立つ瞬間、18世紀当時のやり方として使われるヴィブラートの妙味など、これぞ本物といった充実度をじっくり聴ききわめるなら、この中期屈指の曲集による「第6巻」はまさに最適なのです!(マーキュリー)

【収録情報】
ハイドン:弦楽四重奏曲集 作品54&55「第1トスト四重奏曲集」(全6曲)
・弦楽四重奏曲 ト長調 op.54-1
・弦楽四重奏曲 ハ長調 op.54-2
・弦楽四重奏曲 ホ長調 op.54-3
・弦楽四重奏曲 イ長調 op.55-1
・弦楽四重奏曲 ヘ短調 op.55-2
・弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.55-3
 フェステティチ四重奏団(古楽器使用)
  イシュトヴァーン・ケルテース、エリカ・ペテーフィ(ヴァイオリン)
  ペーテル・リゲティ(ヴィオラ)、レジェー・ペルトリニ(チェロ)

 録音時期:2001年
 録音方式:デジタル(セッション)
ハイドン:ピリオド楽器による弦楽四重奏曲全集8
フェステティチ四重奏団

日本語解説付き

ハイドンの技量、ここに極まる。音楽都市ロンドンでの経験さえも反映された交響曲にも比肩しうるほどの、ひたすら多面的な響き、どこまでも深遠な音楽・・・
周到そのものの古楽解釈と詳細な解説で、この傑作曲集の魅力を心ゆくまで堪能下さい!

ドイツのヘンレ楽譜出版が継続刊行している、ハイドン自身に最も近い楽譜資料(本人の自筆譜、同時代の筆写資料あるいは最も信頼できる出版譜)を底本にした「原典版」による最新校訂楽譜を使い、当時の演奏技術を18世紀当時からのオリジナル楽器上で周到に再現、ピリオド楽器による弦楽四重奏のパイオニア的存在であるハンガリーのフェステティチ四重奏団が、ケルンにあるハイドン研究所の会員でもあるブダペストの音楽学者、ラースロー・ショムファイ教授の賛助を得て実現した「ハイドンの創意に最も肉薄した弦楽四重奏曲全集」。
 ショムファイ教授の解説文の完全日本語訳付で順次日本発売してまいりました全9巻、この第8巻は「作品71&74」を収録。しかしこの「作品71&74」(「作品54&55」と同様に各3曲の2セットで一組、計6曲の作品集として構想されています)、おそらくハイドン自身の創意が最も幸福な充実をみせていた時期の曲なのではないでしょうか? 作曲年代は1792〜93年、つまりモーツァルトが亡くなった直後、ハイドン自身が最初のロンドン遠征から帰ってきたばかりの頃に書かれた本作6曲は、アポニー伯爵というハンガリーの有力貴族に捧げられてはいるものの、基本的には次なる第二次ロンドン遠征でのお披露目を見据えて作曲されたと考えられており、興行主にしてヴァイオリンの名手J.P.ザロモンら、腕利きの演奏家たちが大ホールで演奏することを念頭に置いてセッティングされたであろう、充実した聴き応えを与えてくれる大作ぞろい。このあと創意をふりしぼるようにして生み出された「作品76」や「作品77」、あるいは未完に終わった「作品103」など最晩期の四重奏曲群が「鬼気迫る最後の炎」といった感じとすれば、この6曲にはもっと余裕綽々のエンターテイメント性が感じられ、何を書いても傑作になってしまう晩年の創意をふんだんに発揮しながら、ハイドン自身楽しんで書いたのだろうな、と思わせる、愉悦あふれる世界が広がっているのです。
 フェステティチ四重奏団の演奏も例によって充実至極。対向配置のヴァイオリンが対位法構造をさらりと解きほぐし、緊密なアンサンブルで和声推移の面白みもたっぷり味あわせ、さらに各演奏者がそれぞれに披露する、通り一遍の古楽奏法に収まらない「ハンガリー風の響き」が、ほんとうに絶品。唯一の短調曲として暗色の美を醸し出す『騎士』の意気揚々たるテンポも最高。使用楽器を超えた極上解釈が、並居る競合盤から抜きん出た光彩を本盤に与えています。(マーキュリー)

【収録情報】
ハイドン:弦楽四重奏曲集作品71&74「アポニー四重奏曲集」
・四重奏曲変ロ長調 Hob.III-69
・四重奏曲ニ長調 Hob.III-70
・四重奏曲変ホ長調 Hob.III-71
・四重奏曲ハ長調 Hob.III-72
・四重奏曲ニ長調 Hob.III-73
・四重奏曲ト短調 Hob.III-74『騎士』
 フェステティチ四重奏団(古楽器使用)
  イシュトヴァーン・ケルテース、エリカ・ペテーフィ(ヴァイオリン)
  ペーテル・リゲティ(ヴィオラ)、レジェー・ペルトリニ(チェロ)

 録音時期:2001年
 録音方式:デジタル(セッション)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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