―プレイヤーというよりは存在として示したい
HMV : 多分CDを聴いても、ライブに行っても、そんなに違和感がないというか… すんなり入れるなっていうのを感じました。 皆さんがプレイヤーとして…それぞれ好きなプレイヤーを教えてほしいのですが。
井出 : そうですね、僕は…誰なのかな… ギタリストとしてはあまりいないんですよね。その人だけ聴くっていうのが。でも、表現者だとしたらヒップホップのMCさんとかに影響を受けたりしますね。
HMV : それじゃ、特定の人はいないんですね〜
井出 : そうですね、特定の人はいないですね。なんか野心家の人とかに憧れます。自分がそこまであるわけではないっていう…そういう人の生き様だったり、垣間見えたときに「だぁー!」って思うんですよね。人間性がはみ出してるくらいの人が。最近だったら犬式の三宅さんだったりとか… あんまり観たことなかったんですけど。個人的に初めて観て、本当に久々にやられましたね。
HMV : 犬式はヤバいですよね!
井出 : 何なんですかね… はみ出しまくりや!みたいな。
HMV :犬式はライブを観た時に衝撃を受けますよね。泣きそうになりました。
井出 : 本当にヤバいですね。わかります!…そんな感じですかね、はい(笑) そんな存在というか…そんなにギタリストという感じじゃなくて、ダンサーじゃないですけど…存在感を出したいですね。プレイヤーというよりは存在として示したい、みたいな。そんな感じです。
加藤 : そうですね… ギタリストですよね… 最近のもっぱらのお気に入りの人は東京事変の浮雲さんとか。…でも、一番「この人が好き!」とかを挙げろっていうのは、ちょっと難しいですね。あとはレッチリのJohnとか。あとは何だろうな… ジャズのギターの人とかもカッコいいと思うし。飛び抜けて「この人!」っていうのはあんまりないですね。こういうアプローチもあるのかな、っていう。ジャズだったり、全然違う音楽だったりっていうのを聴いて、「あっ、カッコいいな」って思うだけで。プレイヤーとしてこの人がっていうのは… みんな凄いんですけど。明らかに崇拝しているような人は特にいないですね。あんまり知らなかった時は、それこそJohnとかだったんですけど。最近はそんなことないですね。
HMV : そもそもギターを始めるきっかけになった人とかはいますか?
加藤 : きっかけですか? きっかけは、中学生くらいの時にコピーバンドをしていたBOφWYの布袋さんとかを観て、おおっ!と思って始めたのがきっかけなので。
HMV : やっぱり(邦楽など)そういうところも通ってるんですね。
加藤 : そうですね。元々コピーバンドをしていたんで… そんな感じですかね(笑)
HMV : 了解です! では次に三宅さん。
三宅 : 好きなプレイヤーはけっこういっぱいいるんですよ。いろんな人の影響を受けまくってる人間だと思っているので… 誰か一人を挙げるんだったら難しいですけど。最近「おっ!」って思ったのは、fresh!で観た秋山さん。ヤバ過ぎましたね。
HMV : 僕もdowny時代から大好きなので… あの人は凄いですよね。downyとも違うドラムですしね。
三宅 : もう衝撃でしたね。どうやってこんな早く動かしてるんだろうって(笑)
HMV : じゃあ、特定のこの人だっていうのはいないんですね。
三宅 : みんな凄いって思っちゃうので。ダメなところでもあるんですけど(笑)
HMV : では、ベーシスト青木さんとしては…
青木 : そうですね… 今ちょうど探してますね。こういうインタビューを受けるとやっぱり言われるんで… 「そういえば俺、誰が好きなのかな?」みたいな感じですよね。特定の人を目指してとかってやってこなかったので。けど、最近ファンクとかソウルとか、70年代のヒットソングとか、有線とかで流れてるとベースラインで乗れる曲とか多いので、その辺りを掘り下げようかなと思ってますけど。
HMV : 最近衝撃を受けたものってありますか?
青木 : 衝撃ですか? …fresh!は確かに凄かったですね。あとは何だろう… あんまり持続してるのがないですね。瞬間瞬間ではあるんですけど。なんだろう? あとは、うちのスタッフの車で聴いたMichael Jackson の「Thriller」ですかね?
HMV : へぇー!そうなんですか!
青木 : Michael Jackson のベースラインを集中して聴いた事がなかったので(笑)けっこうヤバかったです。
HMV : それでは、さらに深く、皆さんのルーツについてお伺いしたいのですが…
井出 : ルーツですか?僕はBLUE HEARTSとBOφWYを平行して聴いてました。
HMV : それはいつぐらいの話ですか?
井出 : 中学校ですね。中2からギターを始めたんですよ。その時にどっちのコピーバンドも平行してやっていたので… ベースとBLUE HEARTSは二人でやってて。で、のめり込んだのがBLUE HEARTSの方で。そこから日本語パンクとかに入っていって…って感じですね。そういうバンドもオリジナルで始めて。そこでギターヴォーカルやってました。まさかの(笑)
HMV : ちょっと聴いてみたいですね、それ!
三宅 : かっこいいんですよ、それが。
青木 : かっこよくないですよ(笑)
井出 : で、そこから今までバンドをやってなかった時期がないんですよ。それぞれいろんな影響を受けて、ここに行き着いたって感じですね。
―MARS VOLTAを聴いた瞬間…
HMV : でも、今やっている音と全然違うじゃないですか。何か転機になったアルバムとかアーティストってありますか?
井出 : レッチリですかね?そう考えたら… だって、ファンキーな要素も今まで聴いたことなくって、そこでああいうカッコ良さも知れたし、バラードの気持ち良さも知ったし… ギタリストとして、リフでなくてもこんなに!ってところもあるし。そこからレッチリ中心にやって、ヘヴィーな…KORNとかLIMP BIZKITとかも聴いた時期もあったし。ミクスチャーですよね…その世代どっぷりな感じで。そこからですね。四つ打ちとかも知ってきますし。そこから枝分かれしましたね。レッチリの「Mother’s Milk」か「Californication」、「Blood Sugar〜」とかあの辺ですね。
HMV : なるほど、加藤さんはどうですか?
加藤 : さっきも言ってたんですけど、中学校の時のBOφWYのコピーバンドから始まって、中学校の文化祭みたいなやつでコピーバンドで出たんですけど、そこからかれこれ10何年くらいバンド活動はしたことなくて。で、またregaでバンド活動することになったので、そこまでの紆余曲折はないですけどね。特に(笑)それまでは普通の…流行の音楽とかも聴かなかったですけど。その時自分がカッコいいかな、と思った音楽を聴いたり。ヒップホップだったり、R&Bだったり聴いたりしたくらいで、そんなに深く掘り下げたことはなかったですね。まぁ、稀にレッチリとかも聴いたりして、「なるほどなぁ」って思ったりして。で、そんなこんなしててregaに入って、みんなドープな音楽を聴くのでその影響でいろんな音楽を聴いて。教えてもらってこういう音楽もあるんだなって感じですね。なので、regaを始めるまではサラッとしている感じですけどね(笑)
HMV : では、三宅さんは?
三宅 : 僕は高校の時にハイスタとMAD CAPSULE MARKETSのコピーで入りました。
HMV : 元々ドラムだったんですか?
三宅 : 初めて触った楽器はドラムでしたね。ギターとかもやりたかったんですけど、Fで挫折してやめました(笑)
HMV : ドラムをやろうとしたきっかけは何ですか?
三宅 : ドラムは高校1年か2年の時に、よくありがちな友達とバンドしようっていうんで… で、夏休みバイトしてやろうっていって。ベースやりたかったんですよ。ベースは戦闘能力高い奴が「俺、ベースやる」って言ったんで、じゃあ余ってるドラムでって(笑)
HMV : 大体そうなっちゃうんですよね(笑)
三宅 : きっかけはそれですけど、やってみたら楽しくて。なんだかんだで続いてますね(笑)
HMV : じゃあ、そのハイスタ系の音からregaにシフトしてきた一番大きいものってなんですか?
三宅 : ハイスタからとりあえずヴィジュアル系にいったんですよ。
HMV : へえー!!
三宅 : それを経て…(笑) ポップなのがやりたかったんですけど…
HMV : どんどん遠くなってますよね(笑)
三宅 : (笑)女性ヴォーカルのポップなバンドをやりたくて。けど、東京に来て知り合って、MARS VOLTAを聴いた瞬間…ビデオを観たんですけど、その瞬間に衝撃でしたね。プログレ!って(笑)
HMV : そこからいろんなものを聴いていったと。
三宅 : そうですね、いろんなものを紹介してもらって。「このバンド良いよ」みたいなのを。で、いろいろなものを聴いた後…ですかね。でも、なんでも好きですね。ポップなのも、ヴィジュアル系も好きですし。最近のものはあんまり聴いてないですけど。ポップが好きですね(笑)
HMV : 青木さんは?
青木 : 僕もルーツはBLUE HEARTSとか… あとはパンクですね。ピストルズとか聴いて。で、地元でバンドをしていたので地元のバンドとか… そして、AIR JAM世代なんでAIR JAMのバンドとかその辺とかに影響を受けて。で、段階を経て何かしらあるって感じですね。
HMV : その都度、何かあったらそれを聴いてみたいな感じですか?
青木 : そうですね。John Fruscianteだったり、Kurt Cobainだったり。東京に来てからはBlonde RedheadとかTortoiseとか… 本当にその都度、ちょくちょく変わってますね。
HMV : 初めからベースだったんですか?なんかギタリストに惹かれてる感じがするんですけど… 存在ですかね?
青木 : そうですね、初めからベースで。でも、FLEAは元々好きだったんですけど、人間的に面白いなと思って。
HMV : 破綻しているような人たちですね(笑)
青木 : それがカッコいいみたいな時代があるじゃないですか、やっぱり(笑)なんか病的なのがいいっていうか…それを通ってますね。で、ドラムは戦闘力高い人がやっていたので(笑)本当に、残り物で始めた感じです。

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