『First Step』(70年)、『Long Player』(71年)、『馬の耳に念仏』(71年)、『Ooh La La』(73年)、Rhino / Warnerから、最新リマスターを施されリイシューされるこの4タイトルは、云うまでもなく、70年代ロックを代表するブツであり、ルーディで酒臭いブリティッシュR&Rの何たるかを知るに最も適したテキストであることは、ご存知のところでありましょう。
で、何がスペシャルかって、今回初出となる音源も含めてボーナス・トラックが、各タイトルに4曲ずつ収められているんですよ。すごいでしょ?『First Step』には、「Behind The Sun」、「Mona」の未発表アウトテイクと、「Shake Shudder Shiver」のBBCセッション音源、「Flying」の別テイクが、『Long Player』には、「Whole Lotta Lovin'」、「Sham Mozzal(instrumental)」の未発表アウトテイクと、「Tell Everyone」の別テイク、さらには、ロッドのソロ楽曲としておなじみの「Gasoline Alley」のライヴ音源(バックは、もちフェイセズ。)が、『馬の耳に念仏』には、「Miss Judy's Farm」、「Stay With Me」、「It's All Over Now」のBBCセッション音源、こちらもロッド楽曲の「True Blue」のライヴ音源が、『Ooh La La』には、「Cindy Incidentally」のBBCセッション音源、「Borstal Boys」、「Silicone Grown」のリハーサル音源、「Jealous Guy」のライヴ音源が、トータル16曲のレア・マテリアルが追加されるのです。ボックス・セット『Five Guys Walk Into A Bar...』にも収められることのなかった音源は、特に要注意ですよ。
”キツツキ・ヘア軍団”関連作は、コレだけにとどまらず。上述した来日公演も3月に迫るロッド・スチュワートの新旧ソロ・アルバムも、紙ジャケット仕様SHM-CDにて、2月に一挙18タイトル・リリース。『Gasoline Alley』、『Every Picture Tells A Story』等のMercury期、『Atlantic Crossing』、『Blondes Have More Fun』等のWarner期、そして、『Great American Songbook』シリーズ等のBMG期作品がずらりと出揃います。また、全32曲の2CDに、「Sailing」、「Do Ya Think I'm Sexy?」等14曲のビデオ・クリップ収録のDVDを付属した究極のベスト『Some Guys Have All The Luck』も、1月28日国内盤リリースです。
ロニー・レーンのフェイセズ脱退後のソロ・プロジェクト、スリム・チャンスのIsland期2タイトル、75年の2ndアルバム『Ronnie Lane's Slim Chance』、76年の3rd『One For The Road』も紙ジャケットSHM-CDで登場します。フェイセズ作品の中でリード・ヴォーカルをとる「Stone」、「Richmond」、「You're So Rude」、「Last Orders Please」、「Flags and Banners」を、より牧歌的でトラッド色を濃くしたスリム・チャンス。ロニー・レーンが持つ独特のカントリー・ホンキン・テイストも、フェイセズのバンド・カラーのひとつとも云えましょう。未聴の方は、是非チェックしてみてください。
同じく、イアン・マクレガンのソロ作品『Troublemaker』、『Bump In The Night』も紙ジャケット仕様SHM-CDでリリースされます。79年当時、ストーンズのツアー・サポート・メンバーとして活動していたこともあり、ロニー(すでにストーンズ入り)、キース・リチャーズが全面バック・アップする前者(レゲエ・テイストの「Truly」は、もろストーンズ仕様!)、自身のバンド=バンプ・バンドを率いての後者ともに、甲乙つけ難い素晴らしい内容ですよ。
ロン・ウッドは・・・ボ・ディドリーとのジョイント・ライブ盤『Live At The Ritz』、92年作『Slide On This』、『Slide On Live』が、現在廃盤になってしまっているので、早めにリイシューされることを必死に祈るばかりです・・・
スモール・フェイセズにロッド・スチュワート(vo)とロン・ウッド(g)が加わった“フェイセズ”としての1stアルバム。曲が書けるソングライター2人の加入により、個性を生かしたヴァラエティ豊かなサウンドが開花している。ボーナスとして、「Behind The Sun」、「Mona」の未発表アウトテイク、「Shake Shudder Shiver」のBBCセッション音源、「Flying」の別テイクを収録。
4 『Long Player』« New «
71年発表の2nd。スタジオ録音以外にも、70年に行なわれたフィルモア・イーストにおける実況録音を変則的に収録。中でも、彼らの持ち味である観客を巻き込むライヴの熱気をダイレクトに伝えた「Feel So Good」がお見事!ボーナスとして、「Whole Lotta Lovin'」、「Sham Mozzal(instrumental)」の未発表アウトテイク、「Tell Everyone」の別テイク、さらには、ロッドのソロ楽曲としておなじみの「Gasoline Alley」のライヴ音源を収録。
4 『Nod Is As Good As A Wink To A Blind Horse』«New«
邦題『馬の耳に念仏』。71年発表の3作目。ルーズな持ち味が身上の彼ららしいロックンロール・サウンドや、ミディアム・バラードなどが堪能できる傑作。ロン・ウッドのギターとイアン・マクレガンのキーボード、ロニー・レーンとケニー・ジョーンズのリズム隊によるグッド・アンサンブル。そして、ロッド・スチュワートのしゃがれ声。フェイセズの残した、ルーズにレイドバックしたR&Rサウンドの最高沸騰点。そのフォロワー的バンドが、ストーンズ以上に目標とするのも十分頷ける、”永遠の二番手”ならではの哀愁とズル剥けぶりが堪らない。ボーナスとして、「Miss Judy's Farm」、「Stay With Me」、「It's All Over Now」のBBCセッション音源、ロッド楽曲の「True Blue」のライヴ音源を収録。
全英全米ともに1位。ロッドの名を世界へと知らしめた3rdソロにして一大出世作。キャリアを代表する大ヒット曲「Maggie May」(全英全米1位)、「Reason To Believe」(全英1位)他、ロン・ウッドとの共作によるタイトル曲、自らのマンドリンをフィーチャーした「Mandolin Wind」など名曲揃い。紙ジャケ米盤LP(3面見開き)を再現。(1971年作品/2009年リマスター)
3週連続全米No.1を記録した、78年発表通算9作目となるアルバム。ディスコ・サウンドを大胆に取り入れたことで話題となった「Do Ya Think I'm Sexy」が全米/英共にナンバーワンに輝いたことで、一般的には、人気の高い1枚として知られるだろう。ただ以前からのファンからは賛否両論が捲き起こったのも事実・・・。全10曲中9曲がオリジナルとなっている。