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再結成目前!? フェイセズのRhinoリマスター

Monday, January 5th 2009

Faces
 
好きです。永遠の”二番手”。


  昨年夏場あたりから、各メディアを通して、”フェイセズ再結成”のニュースが飛び交う中、2008年暮れには、ロン・ウッドの口から「先週、素晴らしいリハーサルをして、準備は十分にできている。まるで当時のままって感じだよ。あとは、いつみんなが集まれるかという問題と、ライヴの時間と場所を決めるだけだ」と、半ば決定的とも云える発言も飛び出し、いよいよ待望の再結成が現実味を帯びてきた、我らがフェイセズ。スモール・フェイセズ時代から、ローリング・ストーンズや、スペンサー・デイヴィス・グループの陰に隠れがちで、”永遠の二番手”なんて呼ばれ方をしていた彼らですが、まさに、その”二番手の美学”を再び目の当たりにできるチャンスが訪れようとしているんです。

  ロンの発言以前に、「昔の曲をちゃんと演奏できるかチェックするために、(2008年の)11月18日にリハーサルを行う予定」と語っていたロッド・スチュワートの13年振りとなる来日公演(大阪・東京・さいたま)も3月に決定し、極東のフェイセズ・フリークにとっては、忘れられない1年となる予感が・・・。おそらく再結成の方は、今年の夏あたりになるのではないかと見るのが大方の予想。情報筋によると、ロン・ウッドも、ロッドにせっつかれて、新曲を数曲書き上げているということで、新作アルバム発表の可能性だって十分にあり得る状況。ちなみに、97年に亡くなったロニー・レーンの代役は、ロッドのバンドのベーシストが務める予定だそうです。フェイセズとしての来日公演なんてものが決まれば、それこそ25年ぶりとなる僥倖にありつける次第。  

やったぜ!ロニー

  本稿では、そんな再結成気運の高まるフェイセズ、3月30日リリース予定の名盤4タイトルをご紹介。

  『First Step』(70年)、『Long Player』(71年)、『馬の耳に念仏』(71年)、『Ooh La La』(73年)、Rhino / Warnerから、最新リマスターを施されリイシューされるこの4タイトルは、云うまでもなく、70年代ロックを代表するブツであり、ルーディで酒臭いブリティッシュR&Rの何たるかを知るに最も適したテキストであることは、ご存知のところでありましょう。 で、何がスペシャルかって、今回初出となる音源も含めてボーナス・トラックが、各タイトルに4曲ずつ収められているんですよ。すごいでしょ?『First Step』には、「Behind The Sun」、「Mona」の未発表アウトテイクと、「Shake Shudder Shiver」のBBCセッション音源、「Flying」の別テイクが、『Long Player』には、「Whole Lotta Lovin'」、「Sham Mozzal(instrumental)」の未発表アウトテイクと、「Tell Everyone」の別テイク、さらには、ロッドのソロ楽曲としておなじみの「Gasoline Alley」のライヴ音源(バックは、もちフェイセズ。)が、『馬の耳に念仏』には、「Miss Judy's Farm」、「Stay With Me」、「It's All Over Now」のBBCセッション音源、こちらもロッド楽曲の「True Blue」のライヴ音源が、『Ooh La La』には、「Cindy Incidentally」のBBCセッション音源、「Borstal Boys」、「Silicone Grown」のリハーサル音源、「Jealous Guy」のライヴ音源が、トータル16曲のレア・マテリアルが追加されるのです。ボックス・セット『Five Guys Walk Into A Bar...』にも収められることのなかった音源は、特に要注意ですよ。

フェイセズ


  ”キツツキ・ヘア軍団”関連作は、コレだけにとどまらず。上述した来日公演も3月に迫るロッド・スチュワートの新旧ソロ・アルバムも、紙ジャケット仕様SHM-CDにて、2月に一挙18タイトル・リリース。『Gasoline Alley』、『Every Picture Tells A Story』等のMercury期、『Atlantic Crossing』、『Blondes Have More Fun』等のWarner期、そして、『Great American Songbook』シリーズ等のBMG期作品がずらりと出揃います。また、全32曲の2CDに、「Sailing」、「Do Ya Think I'm Sexy?」等14曲のビデオ・クリップ収録のDVDを付属した究極のベスト『Some Guys Have All The Luck』も、1月28日国内盤リリースです。  

  ロニー・レーンのフェイセズ脱退後のソロ・プロジェクト、スリム・チャンスのIsland期2タイトル、75年の2ndアルバム『Ronnie Lane's Slim Chance』、76年の3rd『One For The Road』紙ジャケットSHM-CDで登場します。フェイセズ作品の中でリード・ヴォーカルをとる「Stone」、「Richmond」、「You're So Rude」、「Last Orders Please」、「Flags and Banners」を、より牧歌的でトラッド色を濃くしたスリム・チャンス。ロニー・レーンが持つ独特のカントリー・ホンキン・テイストも、フェイセズのバンド・カラーのひとつとも云えましょう。未聴の方は、是非チェックしてみてください。  

  同じく、イアン・マクレガンのソロ作品『Troublemaker』『Bump In The Night』紙ジャケット仕様SHM-CDでリリースされます。79年当時、ストーンズのツアー・サポート・メンバーとして活動していたこともあり、ロニー(すでにストーンズ入り)、キース・リチャーズが全面バック・アップする前者(レゲエ・テイストの「Truly」は、もろストーンズ仕様!)、自身のバンド=バンプ・バンドを率いての後者ともに、甲乙つけ難い素晴らしい内容ですよ。

  ロン・ウッドは・・・ボ・ディドリーとのジョイント・ライブ盤『Live At The Ritz』、92年作『Slide On This』、『Slide On Live』が、現在廃盤になってしまっているので、早めにリイシューされることを必死に祈るばかりです・・・


  昨今の”ロック・リヴァイヴァリスト”たちの永遠のバイブル。何度買い直したっていいじゃないですか。だって傑作だもの。


 





First Step

 
4 『First Step』 « New «


スモール・フェイセズにロッド・スチュワート(vo)とロン・ウッド(g)が加わった“フェイセズ”としての1stアルバム。曲が書けるソングライター2人の加入により、個性を生かしたヴァラエティ豊かなサウンドが開花している。ボーナスとして、「Behind The Sun」、「Mona」の未発表アウトテイク、「Shake Shudder Shiver」のBBCセッション音源、「Flying」の別テイクを収録。

 




Long Player

 
4 『Long Player』 « New «


71年発表の2nd。スタジオ録音以外にも、70年に行なわれたフィルモア・イーストにおける実況録音を変則的に収録。中でも、彼らの持ち味である観客を巻き込むライヴの熱気をダイレクトに伝えた「Feel So Good」がお見事!ボーナスとして、「Whole Lotta Lovin'」、「Sham Mozzal(instrumental)」の未発表アウトテイク、「Tell Everyone」の別テイク、さらには、ロッドのソロ楽曲としておなじみの「Gasoline Alley」のライヴ音源を収録。

 




Nod Is As Good As A Wink To A Blind Horse

 
4 『Nod Is As Good As A Wink To A Blind Horse』«New«


邦題『馬の耳に念仏』。71年発表の3作目。ルーズな持ち味が身上の彼ららしいロックンロール・サウンドや、ミディアム・バラードなどが堪能できる傑作。ロン・ウッドのギターとイアン・マクレガンのキーボード、ロニー・レーンとケニー・ジョーンズのリズム隊によるグッド・アンサンブル。そして、ロッド・スチュワートのしゃがれ声。フェイセズの残した、ルーズにレイドバックしたR&Rサウンドの最高沸騰点。そのフォロワー的バンドが、ストーンズ以上に目標とするのも十分頷ける、”永遠の二番手”ならではの哀愁とズル剥けぶりが堪らない。ボーナスとして、「Miss Judy's Farm」、「Stay With Me」、「It's All Over Now」のBBCセッション音源、ロッド楽曲の「True Blue」のライヴ音源を収録。

 




Ooh La La

 
4 『Ooh La La』 « New «


73年発表、グループ最高のセールスを記録した作品。アナログ時代、ジャケットの顔の目とアゴの部分が動くという仕掛けも話題に。ソロで活躍していたロッド・スチュワートのお陰もあってか、アメリカでのライヴも盛況だったフェイセズは、本作発表後にロニー・レーンが脱退、元フリーの山内テツなどを迎えてライヴを行うが、ソロ・キャリア華々しいロッドが、グループとしての活動に必然性を見出せなくなったことを理由に、活動休止。75年に解散した。ボーナスとして、「Cindy Incidentally」のBBCセッション音源、「Borstal Boys」、「Silicone Grown」のリハーサル音源、「Jealous Guy」のライヴ音源を収録。

 



フェイセズ



   

ロッド・スチュワート、ロニー・レーン、
イアン・マクレガンの紙ジャケSHM-CD



An Old Raincoat Won't Ever Let You Down
4 Rod Stewart 『An Old Raincoat Won't Ever Let You Down』

 ロッド・スチュワートの記念すべき1stソロ・アルバム。それまで所属していたジェフ・ベック・グループ的なハード・ロック風味と、後に参加するフェイセズ的ルーズ感覚、そして英国トラディショナルの香りが同居する作品。紙ジャケは、キーフのデザインによる英盤LP(見開き)と、それとは全く異なる米盤LP(見開き)の2種をセット。(1969年作品/2009年リマスター)




King Tubby Meets The Rockers Uptown
4 Rod Stewart 『Gasoline Alley』

 フェイセズのメンバー全員が参加した2ndアルバム。紙ジャケは、キーフのデザインによる英盤LP(見開き)と、それとは全く異なる米盤LP(見開きエンボス)の2種をセット。ボーナス・トラック1曲収録。(1970年作品/2009年リマスター)




Every Picture Tells A Story
4 Rod Stewart 『Every Picture Tells A Story』

 全英全米ともに1位。ロッドの名を世界へと知らしめた3rdソロにして一大出世作。キャリアを代表する大ヒット曲「Maggie May」(全英全米1位)、「Reason To Believe」(全英1位)他、ロン・ウッドとの共作によるタイトル曲、自らのマンドリンをフィーチャーした「Mandolin Wind」など名曲揃い。紙ジャケ米盤LP(3面見開き)を再現。(1971年作品/2009年リマスター)




Atlantic Crossing
4 Rod Stewart 『Atlantic Crossing』

 敏腕プロデューサー、トム・ダウドとの出会いが生んだ75年、ワーナー・ブラザーズ移籍第1弾、通算6作目となるソロ・アルバム。日本でもCFに使われリヴァイヴァル・ヒットとなった名曲「Sailing」を収録。ロッドの苦みばしった魅力が全開の1枚。




Blondes Have More Fun
4 Rod Stewart 『Blondes Have More Fun』

 3週連続全米No.1を記録した、78年発表通算9作目となるアルバム。ディスコ・サウンドを大胆に取り入れたことで話題となった「Do Ya Think I'm Sexy」が全米/英共にナンバーワンに輝いたことで、一般的には、人気の高い1枚として知られるだろう。ただ以前からのファンからは賛否両論が捲き起こったのも事実・・・。全10曲中9曲がオリジナルとなっている。




Absolutely Live
4 Rod Stewart 『Absolutely Live』

 初のソロ・ライヴ・アルバムは、ロッドのヒット曲を満載した豪華アルバム。熱狂と興奮をそのまま再現した、まさにベスト・アルバム的な作品。




Great American Songbook: It Had To Be You
4 Rod Stewart
『Great American Songbook: It Had To Be You』


 BMG移籍第1弾は、ジャズ・スタンダード・カヴァー・アルバムに。ロッドが慣れ親しんできたスタンダード・ナンバーは、ロッドの歌唱力の高さがこれっぽっちも落ちていない事を証明しているかのように新たな命を吹き込まれている。あの寺島靖国氏が太鼓判を押しているぐらい、水準の高い作品に仕上がっている。

  



Great American Songbook Vol.4
4 Rod Stewart 『Great American Songbook Vol.4』

 スタンダード・シリーズの完結編となる第4弾。25年ぶりの全米初登場No.1に輝き、自身初のグラミー賞も受賞した前作『Great American Songbook Vol.3』から約1年ぶりとなる新シリーズ。過去3作品は、全て全米200万枚以上のセールスを記録している。

 



Ronnie Lane's Slim Chance
4 Ronnie Lane 『Ronnie Lane's Slim Chance』

 バンドのブレインでもあったロニー・レーンが、自身のリーダー・バンド、スリム・チャンスと共に完成させた75年発表の2ndソロ・アルバム。フォーク、カントリーといったアメリカン・ミュージックへの憧憬と英国的な憂愁が同居した傑作。




One For The Road
4 Ronnie Lane 『One For The Road』

 76年、スリム・チャンスとしての最終作となる3rdアルバム。アルバムのジャケット・カヴァーそのままに、気取らないサウンドと一層味わいを増したアンサンブルが郷愁を誘う。




Troublemaker
4 Ian Mclagan 『Troublemaker』

 ”歌わずにいられなかった”イアンが、ギターまで弾き倒し、普段のキーボーディストとしての側面にとどまらない才能全開の作品に仕上がった1stソロ・アルバム。79年当時、ローリング・ストーンズ〜ニュー・バーバリアンズのツアーに参加していたこともあり、盟友ロン・ウッドに加え、キース・リチャーズも全面参加。十八番とも云える、ざっくりとしたギター・コンビネーション・サウンドが展開されている。





Bump In The Night
4 Ian Mclagan 『Bump In The Night』

 ボニー・レイットとのツアーやレコーディング参加でも知られるバンプ・バンド名義による81年ソロ2作目。マックならではの良く転がるピアノ・プレイは勿論、その味のあるヴォーカルも聴き応え十分。前作に引き続き、盟友ロン・ウッド、ボビー・キーズが参加。ベースは、サディスティック・ミカ・バンドの小原礼、ドラムは、ビーチ・ボーイズ〜ラトルズで知られるリッキー・ファター。