担当者入魂のレビュー!
とにかく一聴した印象は、とても言葉を大事にうたう人だなぁと。
一言一言妥協なく紡ぎ出した言葉達が素朴で伸びやかな蛯名啓太のヴォーカルで彩られていく。
言葉として表現された思いと、言葉では表現しきれなかった思いが「うた」になってどこまでも聴き手の心を揺さぶるような、そんな作品です。
「うた」に込められた思いは時に優しく、時にメーターを振り切るほどに激しく昇華されてゆきます。
かつて、kiwirollという札幌ハードコアシーンを代表するバンドに在籍していたことは容易に理解出きるでしょう。
激情ハードコアと言われるのも解ります。
一度、ライブを見させてもらいましたが、そんなに早くないテンポの中で感情が徐々に高まり激しく、そして激しくうたっていく様は圧倒的でした。
自分の内側にある言葉に出来ない思いが膨れ上がって爆発してしまいそうなテンション。
その先にあるものが見えそうだから聴いていて気持ちいいんです。
根本にあるロック。類まれな蛯名の作り出す楽曲の魅力を最大限に引き出すための演奏は、シンプル且つ緻密に練り上げられているようです。フォークロックやポストロックへのアプローチは、そのための結果なのでしょう。
極端なダウンテンポ、ビートパンク、印象的なピアノの音色、全てを通してある、圧倒的で壮大な世界観はまさに蛯名啓太というひとそのものではないでしょうか?
なにより忘れてはいけないのは、その世界観を創る上でのキーマン、アルバムのプロデュースとギターで参加した、bloodthirsty butchersの吉村秀樹氏の存在。
蛯名からすると地元札幌の大先輩にあたる吉村氏。
今の蛯名啓太を表現できる人は吉村氏以外には考えられないでしょう。
決して出過ぎないギターが心地よく鳴り響き、その世界観をどこまでも広げているように思います。
未知のバンドサウンドへ。
とにかくdischarming manを多くの人に聴いてもらいたい。
それは、CDでも試聴でも、レンタルでも。
そして、どんな形であれ、一度LIVEを見て欲しい。
久々に僕のバイヤー魂に火をつけた名作です。
texted by matsui (HMV online)
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狂気を内包した、暖かくて大きなもの。優しさ、愛。そのような存在を深く感じさせる傑作。こんなにも儚くて美しい唄がある。北海道で紡がれた11編のうたが、それぞれの脳内情景を刺激し広げてくれる豊かな作品です。
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蛯名啓太×吉村秀樹 INTERVIEW
昨年末、LIVEのため東京に出てきていた蛯名さんと吉村さんに、お時間を頂いて、INTERVIEWをさせていただきました。
一つ一つの質問に対して、ゆっくりと言葉を選びながら真摯にお答えいただいた蛯名さんは、本当に言葉を大切に扱う方だと感銘を受けました。
また、そんな蛯名さんのなかなか言葉に出来ない気持ちを、すぅっと導くような吉村さんの一言。
吉村さんは本当に蛯名さんの良き理解者であることが感じられました。
その蛯名さんと吉村さんのINTERVIEWの様子は、CINRA.NETのページにて掲載されています!
CINRA.NET-INTERVIEW記事-はこちら
■ 蛯名啓太セレクト!『ルーツの5枚』
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谷村有美
「Hear」中1の時良く聴いていた。その後、高校で一番ケンカ強い人もファンで、そのキッカケで仲良くなったりもした。 |
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GO-BANG’S
「GO-BANIC LAND」曲単位でいうとダントツで「Bye-Bye-Bye」ですが、アルバムだとコレが好き。「悲しきメビウス」という曲は白眉。 |
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■ 蛯名啓太セレクト!『今ハマっている5枚』
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Gastr Del Sol
「Upgrade & Afterlife」常軌を逸しているとはこういうこと。グラブスのピアノは耽美を超えた位置にいる。聴けば分かる。 |
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