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【第2回】ジャズのCD -今月は何を買おう?

Wednesday, May 28th 2008


梅雨入りと、暗いニュースの連続で、若干ふさぎ込みがちな毎日。
「音楽だけはあたしを裏切らない」と勇んでみたものの、
いざCDショップやウェブサイトを目の当たりにすると、アタマは真っ白に・・・。

無事2回目を迎えることができた、こちらの「月刊ジャズ・レコメンド」コーナーでは、
ホレス氏のように「限られた予算内で、何から買ってよいのやら・・・」と、
アタマを抱えてしまっている貴方に、
スタッフの独断と偏見でチョイスした毎月30枚のオススメ・ディスクをご提案。
しかも、幸か不幸かヴィンテージ100%!

パート別に分かれているので、
「こんな感じの音を探しているんだけど・・・」
なんていうお悩みも9割がた解決可能・・・なはず。

知らなきゃジャズ喫茶で赤っ恥をかくような超定番から、
オリジナルLPは、フランクミューラーの時計の頭金にもなってしまうような高値が付いているレア盤まで、
入門篇ご卒業を目論む中級クラスを中心とした逸品を、よりどりみどり。

・・・多少の偏りは、目をつむっていただければ、ありがたいです・・・



  Saxophone

Bossa Nova Bacchanal Charlie Rouse
『Bossa Nova Bacchanal』

テナー奏者、チャーリー・ラウズがセロニアス・モンクとの活動と並行し、ボッサ・ブーム真っ只中の62年にブルーノートに吹き込んだ何とも「黒い」ジャズ・ボッサ・アルバム。ウィリー・ボボ、パタート・ヴァルデスらの参加が何と言っても肝!

   

Vice Pres Paul Quinichette 『Vice Pres』
生涯レスター・ヤングを研究し続けたテナー奏者、ポール・クイニシェットの54年作品。タイトルは、レスターの「Pres」(大統領)に対しての副大統領という意。ベイシー、フレディ・グリーン(g)らに加え、ビル・ドゲット(org)が参加している点も注目。

   

Jon & Billy Billy Harper & Jon Faddis
『Jon & Billy』

コルトレーン直系のテナー猛者ビリー・ハーパーと、ディズ直系のハイノート・トランペット奏者、ジョン・ファディスとの双頭作は、ローランド・ハナ(fender-rhodes)、日野元彦(ds)らを据えた、サド・メル楽団で来日した際の74年日本録音。

   


  Trumpet

In Europe -A Jazz Tour Of The Nato Countries Chet Baker 『In Europe』
コレはもう、そのジャケットの素晴らしさだけで食指を伸ばしていただきたい1枚!このジャケットでの紙ジャケ復刻は、まさに大事件です。仏バークレー原盤のチェットのワン・ホーン・カルテットによる人気盤。後半6曲には、直後に夭折してしまった名手ディック・ツワージック(p)も参加。

   

Child Song Henry Lowther 『Child Song』
マンフレッド・マン、ジョン・メイオール、キーフ・ハートレー・バンド等で活躍した、英国ジャズ・ロックの立役者の一人、ヘンリー・ロウザー(tp,flh,vln,vo)唯一となる70年レア・ソロ作です。デッカ系列デラムでは、マイク・ウェストブルック、ジョン・サーマン諸作を凌ぐ人気の1枚。

   

Blackstone Legacy Woody Shaw
『Blackstone Legacy』

ウッディ・ショウの記念すべき70年1stリーダー作。ゲイリー・バーツ(as,ss)、ジョージ・ケイブルズ(p,el-p)、ベニー・モウピン(ts,fl)といった「黒い」メンツをバックに、稲妻の様に切り込むショウの激情型
                            トランペットがたまらなくかっこいい!

   



  Piano ・ Keyboard

Reflections Earl Washington 『Reflections』
ディジー・ガレスピー、ベニー・カーター、ジョー・ウィリアムスらとも共演歴のある、知る人ぞ知るシカゴのピアニスト、アール・ワシントンの63年、2作目のリーダー作。イスラエル・クロスビー(b)とバーネル・フーリエ(ds)というシカゴ最強のリズム隊と組んだ、ブルージーな名演集。

   

My Own Time And Space Flip Nunez
『My Own Time And Space』

ラテン・ファンク・バンド=アズテカに在籍していた事で知られる鍵盤奏者、フリップ・ヌネイスの76年傑作。多くのアーティストにカヴァーされ続けるサウダージ・チューン「See You Later」といえば、やっぱりこのオリジナルが最高!


   

European Jazz Sounds Michael Naura
『European Jazz Sounds』

独ピアニスト、ミヒャエル・ナウラによる欧州ジャズ幻の1枚。アルトサックスとヴァイブによるフロントラインが、疾走感たっぷりに全体を力強くリード。63年の独ジャズがいかに熱気があり、硬派なものだったかお分かりいただける筈です。

   


  Organ ・ Accordion

Star Wars・Close Encounter Richard "Groove" Holmes
『Star Wars・Close Encounter』

リチャード・グルーヴ・ホルムズによる77年録音の映画音楽集。飛び道具的ノヴェルティ・アルバムと侮るなかれの「使える」グルーヴィー・チューンが満載。「Star Wars」でのこのコッテリ感は、なかなか出せません!

   

Afro-Desia Lonnie Smith 『Afro-Desia』
ブルーノート諸作で人気のロニー・スミスの75年Groove Merchant作品。タイトル通り、アフロセントリックな長尺グルーヴがぐるぐる回る、カオティックなエレクトリック・ジャズ・ファンク盤。「Straight To The Point」はダンス・ジャズ・クラシック認定済。

   


Martini Time Art Van Damme 『Martini Time』
アコーディオンの名手、アート・ヴァン・ダムのクインテットによる55年作品。アコーディオンとヴィブラフォン(チャーリー・カルザレッタ)をフロントに配した粋で軽快なカクテル・サウンドは、その素晴らしいジャケットからも匂い立ってきますよね。小西康陽氏もゾッコンの1枚です。

   


  Guitar

Trippin' With Cal Green 『Trippin' With』
ハンク・バラード&ミッドナイターズのギタリストとしてR&B界で名を馳せたテキサスのギタリスト、カル・グリーン。69年、チャールス・カイナード(org)とタッグを組んでソウル・ジャズ・シーンにカチコミをかけた世紀のコテコテ名盤です。

   

Mr. Rhythm Freddie Green 『Mr. Rhythm』
「オール・アメリカン・リズム・セクション」と呼ばれたカウント・ベイシー楽団のリズム・セクションの要として、50年に亘りベイシーと活動を共にしてきた名ギタリスト、フレディ・グリーン、唯一のリーダー作。派手さはないものの、燻されまくりのブルージーでスインギーなプレイをたっぷりと!

   

Easy Listening Johnny Smith 『Easy Listening』
ゲッツ、ズート、クイニシェットらが参加した名盤『Moonlight In Vermont』で最も知られる白人モダン・ジャズ・ギタリスト、ジョニー・スミス。こちらは、繊細なコード奏法とフィンガリングが際立つトリオ編成の好演盤。寺島靖国氏が推薦するレア紙ジャケ・コレクション・シリーズより。

   



  Vibraphone

On Vibe Victor Feldman 『On Vibe』
かのマイルス・デイヴィスがハービー・ハンコックに「奴(ヴィクター)がお手本だ」と言った逸話を残すロンドン出身のピアノ/ヴィブラフォン奏者。幻の西海岸レーベルModeに残された、ヴァイビストとして真正面からジャズに挑戦した記念すべき1枚です。

   

Time For Two Cal Tjader+Anita O'day
『Time For Two』

アニタ・オデイとカル・ジェイダーの62年共演盤。ピークをやや過ぎるも、まだまだその姉御的な小粋でハスキーな歌声をしっかり聴かせるアニタと、ジェイダーのラテン・ヴァイブとの絶妙なブレンドが楽しめます。

   

Jungle Fantastique Bobby Montez
『Jungle Fantastique』

ラテン・ジャズ・ヴィブラフォン奏者ボビー・モンテスが残した58年レア作品。当時モンテスが追求していた「プログレッシヴ・ラテン・ジャズ」を顕著に表わした「African Fantasy」をはじめ、アフロ回帰志向強めなホットなラテン・ジャズを展開。

   


  Bass

John Patitucci Debut John Patitucci
『John Patitucci Debut』

チック・コリアのエレクトリック・バンドでセンセーショナルなデビューを果たしたジョン・パティトゥッチ。GRPに残した記念すべき、87年の1stリーダー作品。卓越したテクを駆使したソロ・プレイなど、特に、プレイヤー志向のリスナーうけは十二分。

   

Whats Happening Giorgio Azzolini
『Whats Happening』

伊ジャズ黄金時代の屋台骨を支えてきたベーシスト、ジョルジオ・アッゾリーニの66年リーダー作。ピアノにフランコ・ディアンドレア、ドラムにフランコ・トナーニを迎えた、伊ピアノトリオ作品の金字塔と言えばコレ!

   

黒いオルフェ 鈴木勲 『黒いオルフェ』
日本を代表するベーシスト、鈴木勲が、ピアノの山本剛、ドラムのドナルド・ベイリーという最強トリオで、スリー・ブラインド・マイスに吹き込んだ76年作品。冒頭の表題曲で力技を練り出したかと思えば、次曲では美しいソロを披露。柔剛表裏一体の傑作。

   


  Drum ・ Percussion

Variety Is The Spice Louis Hayes
『Variety Is The Spice』

クラブ・シーンを席巻した、名ドラマー、ルイス・ヘイズの79年奇跡の名盤。レオン・トーマス参加のスピリチュアル・チューン「Little Sunflower」をはじめ、「My Favorite Thing」、「What's Goin On」といったキラー・カヴァーで即死!

   

Greensleeves Klaus Weiss 『Greensleeves』
ドイツ出身で欧州屈指の名ドラマー、クラウス・ヴァイスの66年初リーダー作。表題曲をはじめ、「朝日の当たる家」、「ドナ・ドナ」といったおなじみ曲をピアノトリオ編成で小気味よくスイングさせる、至極オーセンティックな1枚。噛めば噛むほどの味わいも併備。

   

Drum Beat Charly Antolini 『Drum Beat』
スイスのドラム奏者、チャーリー・アントリーニの痛快MPSデビュー作(66年)。シャープでキレのあるドラミングに、ダイナミックなホーンセクション、ディータ・ライチによるオルガン(ピアノ/アレンジ)も超ヒップ!とにかく痛快なんです!「The Preacher」収録。

   


  Vocal - female

Julie Julie London 『Julie』
ジュリー・ロンドンのアルバム・ジャケット中最も悩ましい1枚★58年、歌伴の名手ジミー・ロウルズのコンボをバックに吹き込んだ人気盤で、プロデュースは、夫のボビー・トゥループ。ナイスな紙ジャケ・リイシューです。

   

Torpedo Novi Singers 『Torpedo』
ポーランドを代表するコーラス・グループ、ノヴィ・シンガーズの69年のレア盤。太いベース・ラインにパーカッションが絡む変拍子チューン「Wszyscy Razem」、高速スキャット「Wujek Gucio」など、どこを切っても、ラウンジ/カフェ・ミュージックとジャズを結ぶ彼らの独壇場。

   

Delightful Doris Drew Doris Drew
『Delightful Doris Drew』

当時、Modeレコードのミュージック・ディレクターを務めていたマーティ・ペイチの全面サポートによる知性派シンガー、ドリス・ドリューの57年唯一のアルバム。素直で清楚で端正な歌声から生み出されたウォームなラヴ・バラード集。

   


  Vocal - male

Playing The Field / Hip Parade Mark Murphy
『Playing The...+Hip Parade』

5月の来日公演も大盛況だったマーク・マーフィー。こちらは、キャピトル時代の『Playing The Field』(60年)、『Hip Parade』(59年)をカップリングした徳用盤。ジミーロウルズ、シェリー・マンらのコンボがバックを務めた前者がオススメ。

   

Body & Soul Eddie Jefferson 『Body & Soul』
Next Standard誌でも「このアルバム、まさにヒップ」と。ヴォーカリーズの創始者エディ・ジェファーソンが68年Prestigeに残した「粋」な1枚。ホレス・シルヴァーの「Psychedelic Sally」のグルーヴィー・カヴァーを聴いてください。

   

Jazz Songs ディック・ミネ 『Jazz Songs』
昭和モダンの不良青年/ジャズ・シンガー=ディック・ミネ。テイチク時代には、甘みを含んだバリトン・ヴォイスで「日本最高の男性ジャズ・シンガー」の称号を手にしました。南里文雄(tp)を伴った「ダイナ」や「黒い瞳」は、彼の歌唱のみならずバックの演奏にも耳を傾けてほしい限りです。