パトリック・デンプシー インタビュー

　主人公ジゼルを現代のニューヨークで手助けする、バツイチで子持ちの弁護士、ロバート・フィリップ役のパトリック・テンプシーが、今年3月の劇場公開時にプロモーションのため来日！ 『魔法にかけられて』の見所と、撮影時のエピソードをたっぷりと語ってくれました！

パトリック・デンプシー（中央）

Q: おとぎの国のお姫様や王子様などのファンタジー側と、現実の人間サイドの間に立つキー・パーソン的な役を演じられましたが、演じるうえで気をつけた点は何ですか？

「王子様役のジェームズ・マースデンとお姫様役のエイミー・アダムスの派手な演技に惑わされないように心がけていたよ(笑)。自分は現実の人間を、現実的に演じることに執心したんだ。それに僕が演じたロバートの基本的な部分は、娘を守るということだと思う。その原点も忘れないように演じたよ」

Q: 私生活では家族を大切にされているそうですが、恋愛観はジゼル派ですかロバート派ですか？

「両方の要素を持っていることが大切だと思うよ。悲しいことに子どもの心というのは人生においては失いがちで、挫折を味わったり傷ついていく度に、そういったイノセンスな心を失ってしまうものだよね。だけど、それは人生で大切なことなはずだから、両方の感覚を持ってバランスを取るようにすることが大事じゃないかな。僕はうまくそのバランスが取れないことがあるんだけど(笑)、日々努力しているよ」

Q: セントラルパークのロケ以外で、ファンに囲まれて大変だった撮影エピソードはありませんか？

「ニューヨークという土地柄、屋外のロケはとにかく大変なものなんだ。機材を持ち込むだけで、野次馬が何の撮影なのか興味を持って集まってくるからね(笑)。でも、僕はそういうことがすごく好きで、みんなが観ている前で撮影するのはとてもエキサイティングだったよ。それにファンとの交流はとても大切なものだと僕は考えているからね」

Q: 世界中の誰もが一度はディズニー映画を観るものだと思いますが、初めて観たディズニー映画は何でしたか？

「僕の幼少時代はケーブルTVやインターネットがない時代で、映画館も近くになかったので映画館にも行けなかったんだ。毎週日曜日に子ども向けの映画番組がTVで放映されていたんだけど、それで初めてTVで『バンビ』を観たよ。“とんすけ”ってキャラクターが大好きだったのをよく覚えているよ」

Q:ファンタジーのキャラクターだらけの中、一人だけ現実の人間を演じるのは大変でしたか？

「ある程度、監督に頼った部分もあるよ。監督に“やり過ぎ”と注意されれば抑えたし、基本的にはエネルギーの差だと思うんだ。アニメーションの世界からやって来たキャラクターたちはエネルギーを発散するということをしていたけど、自分の場合はなるべく理路整然に、物事を抑えるようなタイプのキャラクターだったからね。派手な演技のほうが演じていて楽しいのかもしれないけど、そうじゃない、抑えた演技をすることが僕にとってはチャレンジだったんだよ」

Q: ラストの舞踏会のシーンは息を飲むような美しさでしたが、あのような豪華な衣装を着てのダンスシーンの感想はいかがですか？

「衣装は全部カシミアで出来ているんだけど、衣装合わせを何度も繰り返したよ。すごく良い衣装なんだ。大事なことは、ロバートはあの衣装を着て初めて、反対に今度は彼がおとぎの国の王子様になれるということなんだ。そういう意味でとても重要なシーンだと思ったし、気持ちのうえでも(衣装は)とても大切だったんだ」