驚異の高音質イヤフォン、ER-4S
2008年3月17日 (月)

クラシック音楽ソフトの録音年代は幅広く、また、楽器編成やレーベルによる音質の違い、リマスタリングでのサウンドの変化など、音質について気になることがけっこうあり、そうした事柄の判断の基準になるのは、やはりニュートラルな再生装置ではないかと思われます。
とはいえ、スピーカーでの鑑賞では、音量や頭の位置、そして体調の変化などによっても定点観測的な聴き方の継続は難しいため、感想が割と移ろいやすいのも特徴です。たとえば、「このあいだは駄目だったけど今日はイイナア」とか、逆に「このあいだは良かったのに今日聞いてみたら駄目だった」なんてことがたまに起こってしまいます。
そういった不安定要素(?)を回避するのに効果抜群なのが、耳の中にキノコ状のフランジを挿入して鑑賞するカナル型イヤフォンのER-4Sです。
メーカーは、米国のエティモティック・リサーチという耳慣れない会社で、もともとは補聴器の製造販売を本業としていたようなのですが、近年はその耳を知り尽くした技術力を生かしてオーディオ用のイヤフォンも生産しており、そのフラットな音質への高い評価が世界中のリスナーの間にじわじわと広がっているというクチコミ系の名機としても知られています。
聴いてまず驚くのはその恐るべき解像度とフラットな特性でしょうか。録音の個性がズバリわかってしまう再現能力の高さは、シンバルの音を聴けばすぐに了解されますし、スピーカーでは濁りやすい強奏時の中高域でも抜群の分解能を示し、また、低音域でも反応の速い引き締まった音響がリアルな質感を伝えてくれ、リズミカルでスピード感のある打楽器のパッセージなども完璧に再現してくれるのです。
人声や弦楽器における滑らかな表現力も文句なしで、細かいデュナーミクの変化や、ときに聴こえるわずかな粗さ、合奏の微細なズレに至るまで、何から何まで精密に響かせてしまうリアリズムの凄みは、このイヤフォンならではのものと言えるでしょう。
たとえば、アルゲリッチによるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲など、このイヤフォンで聴くと、各楽器が異常なまでの生々しさで迫ってきて興奮を抑えることができないほどで、エンジニアの辣腕にひたすら感謝したくなりますが、2曲目のコンチェルティーノでは「ああ、エンジニアが違うな」とすぐに気付かせてくれるほど高度な再現力を持っているのです。
こんなに高性能なER-4Sですが、欠点がふたつほどあります。一つ目は何といってもデザインが冴えないこと。オーディオ専業の大メーカーではないので仕方がないにしても、赤と青という安直な色使いは、イヤフォンとしては高額な製品に見合ったものとはとてもいえないクオリティです。
二つ目の欠点は、ケーブルが太めでしかも硬めのため、何かに接触したときは音が耳に伝わりやすいということです(これについては耳や首に巻きつけるなど装着法を工夫すればかなり軽減されますが)。
こうした欠点にも関わらず、ER-4Sは、録音状態の詳細な確認や、リマスターの成否判断、楽器の位置確認から周波数レンジ、ダイナミック・レンジの確認といった各種の厳密なチェックに最適なイヤフォンとして、その知名度が徐々に広まってきているようです。
なお、ER-4Sよりも音量がとりやすいようにし、低域も厚めにしてポータブル・オーディオでの使い勝手を良くしたER-4P(Pはパワーの略)や、バイノーラル仕様としたER-4Bという姉妹製品もありますが、あくまでもサウンドに色付けがなく、しかも高度に繊細な製品ということで、HMVオンラインでは、ER-4Sをお薦めいたします。
また、ER-4Sはその性能の高さゆえに、ヘッドフォン・アンプのクオリティをフルに引き出すこともできますので、ER-4Sが気に入られた方は、Dr.HEAD HiFiやDR.DAC2といったヘッドフォン・アンプの併用もお薦めしたいところです。
たとえばDr.HEAD HiFiをポータブル・オーディオに接続すると(DockのあるiPodだとLINE OUT可)、外出先でも非常に精度の高い再生音を楽しむことができます。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
featured item
ETYMOTIC RESEARCH ハイファイ用ステレオイヤフォン ER-4S
HEADPHONES / EARPHONES
価格(税込) : ¥33,315
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販売終了
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