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ベベチオ セルフライナーノーツ

Thursday, February 5th 2009

無題ドキュメント
ベベチオベベチオ/ちょうちょ
2008.02.13 RELEASE

早瀬(Vo./G)と平良(B)による2人組みポップスユニット、ベベチオの1stフルアルバム。これまでにリリースしてきたミニアルバムで魅せてくれたシンプルで良質なポップスに加え、今作ではストリングスアレンジなどを加え、音の広がりが増した楽曲達。何気ない日常を鮮やかに染め上げる極上ポップスが詰まってます。


 

楽曲セルフライナーノーツ text by 早瀬直久

01:お花畑

目の前に広がるお花畑。夢のような現実に誰しもホホが緩みます。そこには優しい神秘が満ちていて、きっと僕らを包んでくれるはず。例えばカップルが喧嘩していても、ヤンキーが叫んでいても、そこがお花畑ならファンタスティックな1ページ。枯れてしまった心には、花咲か兄さんが種をまいてあげるから、さあさどうぞ「ちょうちょ」になって舞って下さい。音も花粉も瞳もキラキラ。飛びます飛びます!

02:モーニング

昼夜大逆転の生活を送っていると、一日のはじまりがいつなのか判らなくなりました。それが朝だと気付いていながらも、夕焼けに「Good morning」と告げるなんて滑稽だ。何周か回ってやっと 朝を唄うことが出来ました。朝は夢の続きなんだから、しっかり目を覚まさなきゃ。起きても夢は見れるんです。ベベチオライブでお馴染みのバンドメンバーが一緒に楽しい音を奏でてくれました。

03:butterfly

何年か前から弾き語っていた曲なのですが、やっと本作でお目見え。「butterfly」を訳すと「ちょうちょ」であるというのになかなか結び付かなかったわたくし。嬉し恥ずかし結ばれました。空を上手に泳げない様子をなかなか上手く表現出来たのではないかと満足してます。乗り遅れてしまったジタバタ感を伝えると清水一登さんがバスクラリネットで最高な塩梅で演奏してくれました。

04:風のいたずら

ベベチオには珍しく新しいテンポの爽快リズムソング。気まぐれな風に乗って、良いことも良くないことも過ぎて行く。時間や記憶は良くも悪くも風が流してくれるんだ。軽快なサウンドの中に切なさを見つけて感じてもらえたら嬉しいです。井上信平さんの素敵なフルート、中森泰弘さんのかっちょいいストラトキャスターが曲のイメージを鮮明にしてくれました。最後は絡み合って消えて行くんです。

05:恋の中

JR東日本『エキナカ』のCMソング。構想の絵コンテを見せてもらってすぐに、素敵なストーリーを汲み取りました。遠くで線路が細くなって消えそうでも、ずっとずっと繋がってる。いつまでもそう想う二人は恋の中。とってもシンプルな曲なのですが、奥行きのあるメロウな世界観に仕上がりました。黒っぽいブレイキーな切なさが効いてます。無声映画のような時間経過も大変気に入っています。

06:F

ニコンのFシリーズのカメラを持っていて写真をやるんですが、白内障のせいか、ファインダー越しに見る世界がテレビ画面みたいに見えて迷子に思うことがあったんです。ん?意味分かんないって?ちなみにこの曲のコード、なんと「F」から転調し始めて「F」で終わるんですよ。ん?意味ないって?そんな意味がないからこそ意味が生まれる日々の反復を面白コーラスで彩ってみました。オール宅録。

07:想い描いて

REENAL by Resona BankのラジオCMソングとして書き下ろしたヒューマンエコロジーな曲。言葉とメロディの関係がとても優しく合致していて、曲の持つイメージをそのままに表現できた。都会的な旋律を奏でるパトリック・ヌジェさんのフリューゲルホーンが最高に気持ち好い。「すべてはつまり愛なんだよ」って悠々と唄えた大切な曲になりました。マキシシングルからのリマスタリング。

08:かわいそうな花

この曲には絵コンテもあって、ずいぶん前から完成されたイメージで弾き語っていました。やっとの思いで会えた二人がうまく言葉を交わせずに、手に持った花が折れていることを嘆き合うという伝わり難い設定のお話しです。とにかく切ない疾走感を出したかった。涙で滲んで見えるような幻想的な視界で包みたかった。深いところまで潜って欲しいです。清水さんの驚異のシンセサイザーさばきも必聴です。

09:アイボリー

僕が故郷を思うときの色、アイボリー。だんだん音楽活動が忙しくなってきて、僕はアイボリーに染まりました。情景がふわーと広がる素敵な曲になりました。中島ノブユキさんによる緩やかで美しいピアノ。この曲はタイム感が大事なので、僕が歌い、それをヘッドフォンで聴いてもらいながらピアノを録りました。ホーンアレンジも熟考した甲斐あって、満足の出来栄え。思い入れのある一曲です。

10:別れのスプーン

僕は子供の頃、夏休みが終わりを告げる度に従兄弟に手を振って泣いていました。大人になれば消えてしまいそうなそんな気持ちは、波がさらう足跡のように淡いものです。『元気でね』というあくまでポジティブな別れはいつも人を清らかにしてくれる。ガットギターとチェロとヴィオラというシンプルかつ渋い楽器構成で、老若男女がきっと心動かしてくれるだろう曲になりました。

11:幸福のスイッチ

映画『幸福のスイッチ』の主題歌であり、ベベチオにとって多くの人に頷いて欲しい曲。物語の幕を下ろしてくれるのと同時に、また新たな始まりを予感させてくれる曲でもあるので、アルバム「ちょうちょ」のラストナンバーにしました。アコースティックなサウンドに漂う田村玄一さんの浮遊感たっぷりのペダルスティールがとっても心地好い。大音量で是非。マキシシングルからのリマスタリング。

旧譜紹介

『左右対称のダンス』

2000年の冬にベベチオ結成をし、翌年に2曲入り、更にその翌年には6曲入りの自主制作音源を出し、いずれも大好評にて完売。せっかくなので更なる陽の目を見たいということで、新たに1曲を足して素敵リニューアルしたのがこちら、『左右対称のダンス』。心地よいものに理屈なんて要らない、というベベチオの志が詰まっています。どこか切ない気持ちや思い出し笑いに似た情景が曲を彩っています。今聞いても新しい懐かしさ。タイムカプセルのような一枚です。

『ひとつやふたつ』

つまりはすべて『ひとつやふたつ』なんだ。そんなものの『ひとつやふたつ』なんて。こうしたダブルミーニング的な世界観を早瀬節満載の言葉とメロディで表現できた作品。曲の構成やアレンジもだいぶ凝れるようになった頃なので、シンプルながらも厚く深みのある音に仕上がっています。キラキラしっとり。切なさの中にある優しい躍動が心に沁みる大好きな一枚です。

『JAPANESE SPOON』

ロックだ!ポップだ!そんな音楽ジャンル争奪戦から抜け出すベベチオ。フォークで刺すより、スプーンですくいたい。表現の幅も広がり、色色な面で大きく成長した作品になりました。音数が増えたこともあって、曲たちの発色もカラフル。様々な楽器の音色と熟考したコーラスワークが曲のイメージを鮮明に掘り下げ、それぞれの世界観を色濃くしてくれました。ずっと色あせない一枚です。虹色七曲入り。

『幸福のスイッチ』

映画『幸福のスイッチ』の主題歌からなるベベチオ初のマキシシングル。そもそも僕が作曲というものを始めるきっかけになったのが、十代の頃に友達と自主制作していた映画のためだったので、この仕事が届いた時はまさに感激の一言でした。創るからには楽曲だけでも世界を確立させたいという意欲が功を奏し、心に真っ直ぐ届くものが出来ました。ベベチオの大切な特性が全3曲に集約された素敵極まりない一枚。