トップ > 音楽CD・DVD > 商品情報 > ジャズ > モダンジャズ > ニッポン・スピリチュアルの秘宝ベイステイト

ニッポン・スピリチュアルの秘宝ベイステイト

2008年1月28日 (月)

ベイステイト・スピリチュアル・ジャズ・コレクション



大和魂を刺激する、日本初のスピリチュアル牙城

「胎動する黒人ジャズの発火点」をキャッチ・コピーに、激動の70年代アフロ・アメリカン・ジャズを日本企画で音盤に刻み込んでいたレーベル「ベイステイト」。

「日本のストラタ・イースト」とまで称された、そのレーベル初期の「スピリチュアル」な全貌が、徐々に明らかにされてゆく―――。

M'boom:Repercussion 未CD化1975年、RCAと日本ビクターの合併会社RVC傘下に、小沢善雄氏によって設立された、ベイステイト・レーベル。その記念すべき第1作目は、ジャズにおけるアフリカ回帰、プロパガンダ姿勢を貫き通してきた、マックス・ローチ率いる6人のパーカッション楽団=ウン・ブーム・リパーカッション(=ウン・ブーム)のアルバムでした。

轟々としたリズムの洪水と、高揚と錯綜のアンサンブルを鳴り響かせるこのパーカッション部隊には、ロイ・ブルックスジョー・チェンバースウォーレン・スミス、オマー・クレイといった、熱きアフロ・アメリカン・ジャズの有志達の名がずらりと並びます。「日本初のスピリチュアル・ジャズ・レーベル」として、その奔流の基礎を築いたベイステイトは、この1枚を皮切りに、数多くの名作を世に送り出すようになったのです。

後年は、「メジャー・アーティストによる良質なスタンダード集を多く制作したレーベル」といった認識が一般的なベイステイトですが、そのレーベル初期においては、実に多くの「スピリチュアル・ジャズ」作品のレコーディングを行なっていました。

Harry Whitakerおそらく、クラブ・ジャズ、はたまたレア・グルーヴ・ファンの中で、このレーベルを代表する1枚と言えば、ハリー・ウィテカーの『Black Renaissance』が真っ先に挙げられることでしょう。「陽の国」をシンボル化した、真っ赤に燃え上がる太陽が、漆黒の闇を背に、にじりよる。レーベルの初期コンセプトを見事に表わしたといっても良い、その素晴らしいジャケットと共に、ブラック・ジャズの金字塔として今も燦然と輝く大名盤なのであります。

ハリー・ウィテカーは、ロイ・エアーズのユビキティをはじめ、ユージン・マクダニエルズロバータ・フラック、日本では、日野皓正らとの仕事でも知られる名鍵盤奏者です。バスター・ウィリアムスのウネリまくるベース、ウディ・ショウ、エイゾー・ローレンスの熱く太いブロウ。非のうちどころがない、パワフルでドラマチックな傑作なのです。

Beaver Harrisさらにもう1枚、その印象的なジャケットでも、このスジのジャズ・ファンを大興奮させるのが、60年代、アーチー・シェップアルバート・アイラーとの共演などでも知られるドラム奏者、ビーヴァー・ハリスが率いる、360ディグリー・ミュージック・エクスペリエンスの『From Rag Time To No Time』。

シェップとのコンビでおなじみのロズウェル・ラッドや、マリオン・ブラウングレシャン・モンカー3世らとの盛んな交流を経たこの精鋭集団は、「全方位」というだけあり、カリブ、ブラジル、インド音楽など、アフロ・アメリカン・ジャズにとどまらない多彩なアプローチを聴かせます。

ちなみに、ビーヴァー・ハリスは、若い頃、野球にのめり込み、カンサス・シティ・モナークスというニグロ・リーグの主力プレイヤーとして活躍。L.A.ドジャースや、ニューヨーク・ジャイアンツからもスカウトの声がかかったそうです。

Billy Harperその他、今回復刻されるのは、チャールズ・グリーンリーサニー・マレイアート・マシューズロイ・ブルックスロバート・ラフモーリス・マクインタイアの、いずれも原盤LPは激レアとされる作品ばかりです。
しかしながら、その歴史の闇に眠る強力音源(作品)は、まだまだ存在します。

ディー・ディー・ブリッジウォーターらも参加する、マックス・ローチの77年カルテット・ライヴ盤『Live in Amsterdam』や、コルトレーン派の男気テナー奏者、ビリー・ハーパーの80年大傑作『The Believer』、Calm『渋谷ジャズ維新』に、ラファエル・セバーグ『渋谷ジャズ維新:Tokyorican Soul』にコンパイルした、ゼンジル&マリオン・ブラウンによるレーベル屈指のトップ・レアリティ盤などなど。ウォントが後を絶たない「お宝」の復刻が待たれるばかりです。

Zenzil / Marion Brown シェップに見出され、前衛派ではあるけれど、美しいメロディーを聴かせることができる数少ないアルト奏者、マリオン・ブラウンも、ベイステイトに忘れるこのできない素晴らしい作品を吹き込んでいます。79年録音の『November Cotton Flower』は、リラックスした雰囲気に包まれた心地良い傑作です。

マリオンのもう1枚のベイステイト盤『Soul Eyes』(78年)では、ケニー・バロン(p)、セシル・マクビー(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)をバックに、「Body And Soul」、「Blue Monk」といったスタンダードをじっくりと聴かせています。

Hannibalさらに、同レーベルではずすことができないのが、ギル・エヴァンスローランド・カーク、ファラオ、シェップらのグループで活躍した、エネルギッシュなトランペッター、マーヴィン”ハンニバル”ピーターソンのリーダー作品。

コルトレーン派、東海岸アフロ・ジャズの継承者として活動するハンニバル。78年に『Live In Lausanne』、『The Light』、79年に『Tribute』と都合3枚のアルバムをベイステイトに残し、そのいずれもが、主役トランペットの扇情的なハイ・トーンが耳にこびりつく激熱皿。早急のCD化を待ちたいところです。

ブラック・コミュニティーのみならず「大和魂」をも激しく揺さぶる、日本が世界に誇るスピリチュアル・レーベル「ベイステイト」の知られざる名盤達。いよいよその全貌が明らかになる時がやって来たのです。


 
Baystateレーベル:レア音源満載!掟破りの激熱コンピレーション!


V.A. / Freedom Jazz: ベイステイト・スピリチュアル・ジャズ・コレクション
4 『Freedom Jazz: ベイステイト・スピリチュアル・ジャズ・コレクション

 ジャズ・ファンは元より、クラブ・ジャズ、ジャジー・ヒップホップ・シーンからも熱い注目を集める、日本初のスピリチュアル・ジャズ・レーベル=ベイステイト/Baystate。その全貌に迫り得る、70年代の入手困難音源を中心にセレクトした強力コンピ。後発紙ジャケ各タイトルからのハイライト楽曲を、惜しげもなく詰め込んだ、まさに一生モノとなる「スピリチュアル・ジャズ・コンピ」の決定版!



 
Baystateレーベル:8タイトルが狂喜の完全限定紙ジャケット化!


Beaver Harris / From Ragtime To No Time
4 Beaver Harris 『From Ragtime To No Time』

 1977年作品。アルバート・アイラーやアーチー・シェップに愛された伝説のドラマー、ビーヴァー・ハリス。彼のユニット=「360度音楽経験集団」による、一大コンセプト・アルバムにして不朽の名作。スティール・パンの音色が美しく鳴り響く「Down In Brazil」は、紛れもないフロア・クラシック!



Charles Greenlee / Genius Of
4 Charles Greenlee 『Genius Of』

 1977年作品。70年代アーチー・シェップ作品で、アレンジャーも務めていたトロンボーン奏者、チャールズ・グリーンリーの初リーダー作。シェップも全面参加。歌姫ジーン・カーンが、スピリチュアルに舞うジャズ・ワルツ「He's Gone」は傑作。



Harry Whitaker / Black Renaissance
4 Harry Whitaker 『Black Renaissance』

 1976年作品。ロイ・エアーズ、日野皓正、ロバータ・フラックとの共演で熱い支持を集める天才ピアニスト、ハリー・ウィテカーによるスピリチュアル・ジャズの金字塔。以前リリースされた、Luv n Haight盤を持っている方も、今回の紙ジャケ・リリースに興奮を隠せないハズ。



Sunny Murray / Apple Cores
4 Sunny Murray 『Apple Cores』

 1978年作品。セシル・テイラー、アルバート・アイラーとのセッションでもおなじみの鬼才ドラマー、サニー・マレイのブラック・スピリチュアル大本命盤。



Robert Ruff / Shaza-ra
4 Robert Ruff 『Shaza-ra』

 1978年作品。知られざる実力派ベーシスト、ロバート・ラフ、その充実のパフォーマンスをあますことなく捉えた、黒く、熱い1枚。コルトレーンの「Impressions」におけるプレイは圧巻!



Art Matthews / Easy To Remember
4 Art Matthews 『Easy To Remember』

 1979年作品。アーチー・シェップ、ディジー・リース、アラン・ドーソン、チャールズ・ファンブロウら、通好みのメンバーが集まった、超ハイグレードなアコースティック・ジャズ。ハード・バップをベースにしながらも、スピリチュアル色濃厚なサウンドで聴き手を圧倒する。



Roy Brooks / Live At Townhall
4 Roy Brooks 『Live At Townhall』

 1978年作品。黄金時代のホレス・シルヴァーを支えた名ドラマー、ロイ・ブルックスが開催した歴史的コンサートが待望のCD化。自らのユニット=「ジ・アーティステッィク・トゥルース」による記念すべきライヴ盤。



Kalaparusha Maurice Mcintyre / Kwanzaa
4 Kalaparusha Maurice Mcintyre 『Kwanzaa』

 1978年作品。AACMの顔、カラパルーシャ(=モーリス・マッキンタイア)が神秘のベールを脱いだ歴史的ライヴの記録。黒人のクリスマスといわれる風習「クワンザ」を題材にした作品で、モーリスのテナーは勿論、ジミ・ヘンとの共演歴もあるジュマ・サルタンも呪術的なムードを撒き散らす。






 
その他の推奨関連作品


V.A. / 渋谷ジャズ維新: Calm Collection -Baystate
4 V.A. 『渋谷ジャズ維新:Calm Collection-Baystate 』

 日本のジャズ・クラシックを今日的な視点で再編集する『渋谷ジャズ維新』シリーズの第2弾。「現在の音楽シーンと連鎖するように、日本と海外の優れた音源の橋渡しとなるプロトタイプのレーベルとして、これからもずっと愛聴していくことでしょう。」と語るCalm入魂のベイステイト・セレクション。美しきミニマル・アフロ・フォーク、ゼンジル&マリオン・ブラウン「Peace Of Ground」を是非耳にしてほしい。





Beaver Harris / Beautiful Africa
4 Beaver Harris 『Beautiful Africa』

 「360度音楽経験集団」を率いたビーヴァー・ハリス(ds)の79年Soul Note盤。モーダルとスピリチュアルの狭間を行き来する名ジャズ・ワルツ「African Drums」や、疾走するアフロ・チューン「Aladdin's Carpet」など聴きドコロ多し。





Archie Shepp / A Sea Of Faces
4 Archie Shepp 『A Sea Of Faces』

 1975年の伊ミラノ・レコーディングによるBlack Saint盤。チャールズ・グリーンリー(tb,vo)、ビーヴァー・ハリス(ds,vo)のほか、デイヴ・バレル(p)も参加。詩の朗読を聴かせる「Song For Mozambique」など、一般的に「優しさをとりもどした」と評される1枚だが、なかなかどうして、「Hipnosis」での豪快なブロウは、60年代の「闘士」ぶりを窺わせる名パフォーマンスだ。




Warren Smith / Composers Workshop Ensemble
4 Warren Smith 『Composers Workshop Ensemble』

 60年代からミンガスや、ザヴィヌル作品などに参加していたドラマー、ウォーレン・スミス率いるグループのStrata-Eastからの1stと2nd『We've Been Around』のカップリング盤(ジャケは2nd)。ジュリアス・ワトキンス(fh)、ハワード・ジョンソン(bs,tb)、ジョ二ー・コールズ(tp)を含む総勢8名の大所帯グループで、モーダルを軸としながらも、実に黒く、キレのいい演奏を聴かせる。スリリングな「Introduction To The Blues」がオススメ。




Sunny Murray / Homage To Africa
4 Sunny Murray 『Homage To Africa』

 アイラー、シェップ作品でおなじみのフリー系ドラマー、サニー・マレイの69年仏BYG作品。シェップ(ts)、バレル(p)のほか、レスター・ボウイ(tp,flh)、ロスコーミッチェル(as,fl)、グレチャン・モンカーV(tb)ら総勢13名の前衛派達が一丸となる「Suns Of Africa」は、とにかく圧巻。




Kalaparusha Maurice Mcintyre / Peace And Blessings
4 Kalaparusha Maurice Mcintyre 『Peace And Blessings』

 1969年Delmark盤『Humility In The Light Of The Creator』が、レアグルーヴ方面で人気のマルチ・リード奏者、カラパルーシャ・モーリス・マッキンタイア。79年Black Saintからのカルテット録音となる本盤は、キング・アイ・モック(ds)、レオナード・ジョーンズ(b)、鉄壁のリズム隊をバックに、カラパルーシャと、ロンギニュ・パーソンの2管が開放的に咆哮する痛快作。