BACK DROP BOMB、新AL決定！

　“ロックであれば何でもいい”このアルバムを聴いて、思わずこんな言葉が頭をよぎった。
まぁ、言うのも野暮ですが、偉大な るバンドWIRE の名言“ロックでなければ何でもいい”の逆。ただこんな時代だからこそ、この言葉の意味はWIRE のそれと本 質的に同じ意味になるのではないか？
ロックを越え、新たな音を作り出そうとしたWIRE、かたやあらゆるロックのスタイルが出 そろったとも思えるこの時代に、あらためてロックと向き合い、あえてロックすることで新たな音＝新たなロックを作り出そう とするBACK DROP BOMB。
（以下、BDB）本質的な部分で同じじゃないですかね、自分たちのいる時代を壊して再生しようと する心意気は一緒、どうでしょう？ただ、ここでいう２者の “ロック“はちょっと違っていて、WIRE の“ロック“とは凝り固まっ たティピカルなイメージや保守的なもの= ネガティヴなものと捉えていたのに対し、BDBの“ロック“はスタイルではなく世界 で一番カッコいい音= ポジティヴなもの（かつ今だからこそのあえての意味も込めて）をさしているのだが。

　 と、ここまできたところでまたしても、ふと思う。一体、このバンドはなんなのだろう？いきなり“なんなの”と言われても、 読んでいるほうが“なんなのさ”と思うでしょうが、小手先の歯の浮く言葉で持ち上げて、煽動して、飽きたら…なんてことを考 えているわけではないので、しばしお付き合いのほどを。
勢いだけで説明できるほど、このバンドは“浅く”ないので。
僕から見 て、このバンドの存在は興味津々で、底の見える底ナシ沼みたいな感じ。
このバンドのことは、分かったようでいて分からないし、 その逆でもある。そういった思いが、引きつけられる部分であり、奥の“深い”バンドと思わせる理由でもある。
こういったこと や一言では説明できないスケール感が、ややもするとBDB を難解なバンドと“勘違い”させる。
が、今回のアルバムを聴けば、 それを勘違いだったと気付くはず。
それこそ彼らこそがネクスト・ミクスチャー・ロック！や、新たなロックの形！とか、ロッ クとダンスを融合させたバンド！という言葉だけで説明できたらこんなテキストは必要ないわけで、そのキャッチーなフレーズ に収まりきらないからこそ、苦労するわけですよ。
つらつらと言葉を並べるわけですよ、想像力の欠如しつつある時代を恨みな がら…。分かってもらいたい！なんたって今回のアルバム、本当にカッコいいんですよ。で、こんなアルバムを作り出した彼ら を分かりやすい規格に押し込めるのはいかがなものか？とも思うわけ。
安易な一言に押し込めて瞬間的にBDB を理解していただ けるのであれば、あえて言いますよ。ネクスト・ミクスチャー・ロック・バンドだ！と、間違いではないですから。でもでもでも…。
で、話を戻すと、ここまで読んでみてBDB に興味を惹かれませんか？興味を惹かれない？まぁ、では続きを。

　BDBの今作は気合いが入っていますよ。今作は、ロードアイランド州のパータケットにあるスタジオ、MACHINE WITH MAGNET で３週間に渡って、録音／ミックスを行った。
ここは、BATTLESやCLAP YOUR HANDS SAY YEAH（1ST）のア ルバムが作られたスタジオ。
とはいえ、BATTELSやCLAP YOUR HANDS SAY YEAH みたいな洋楽ファンに訴求することを 考えてアルバムを作りました、なんてはずもなく、全然違います。いや、全然というのはそれも違うか。（実際、角度は違うが洋 楽ファンも納得の内容だ）表面的に共通点はないが、本質的な部分での共通点はある。どこか？って。
まずはこんな話から。
BATTLES の”ATLAS” という曲は、ドイツのテクノ・シーンでロックのリズム、シャッフルの曲が流行ったことで、テクノに持っ てかれたシャッフル、つまりはロックを自分たちで取り戻そうということで作られた曲。
ダンスをロックが飲み込む感じ、それ を今回のBDB のアルバムからはヒシヒシと感じる。
共通点は、まずはロックありきという考えで作り出す新たなロックという部 分であり、ロックへのこだわり。あっ、ここで言っときます、今作は完全無欠のロック・アルバムなので。

　メンバーそれぞれは音楽的な知識も豊富で、彼らの音楽好きにビックリさせられることもしばしば、クラブで出くわすことも たまには。
一度、あるメンバーと最近の音楽で〜、なんて話をした時に出て来たアーティスト名は以下。まぁいわゆるダンス・ロッ クなバンド名はもちろんのこと、JUSTICE、ED BANGER なんてのも当然として、SINDEN、M.I.A、SWITCH、DIPLO などなど。
その時出てこなかったけど、出てきてもおかしくなかったのはSOUTH RAKKAS CREW、THE COOL KIDSにFLYING LOTUS あたりか。まぁ、そういう話が普通にできてシーンの動向なんかも分かっている。あるメンバーは、ライブの時には CRASS やFUGAZI のT-SHIRTS 着ていた。（このバンドのチョイスからして、ロックをファッションと捉えてないことが分かる でしょ？）バラバラな個性を持ち、そのいずれかの個性のに偏るでもなく、中庸、もしくはそれ以外の所でぶつかり合い生まれ た新種の音。それがこのアルバムだろう。

　ここには、2人のヴォーカリストによる日本語、英語の歌がある！変幻自在なギターがある！タイトなリズムがある！そのすべ てがギリギリでキワキワ、緊張感を持ちながらヒリヒリと刺激的に一つになっている！それぞれの個性が一ヵ所でぶつかり合っ てILL ！！！ BDB から感じるスケールの大きさの由縁はココ、ココなんですよ！そして、ただ色んな要素を安易にミックスする のではなく、ロックという土台がある上ですべてを飲み込む。
これぞ、ネクスト・ミクスチャー・ロック！だ！わざとらしいで すかね…。ただ、彼らに感じるミクスチャー感覚、それは安直なものではないし、真似でもモドキでもなく、時代のハヤリの音 に迎合し取り入れちゃいました！的なものでもない。
今、彼らは時代に媚びることなく自分たちの位置を築こうとしてるんじゃ ないかなーと思う。真似するでもフォロワーに甘んじるでもない、自分たちで磁場を作り出す。
これって大変なことだと思う。で、 それを支えているのは、新たなものを作り出す者としての意地なのでは？そんな彼らが今、作り出したのがこのアルバム。
そし て出てきたのが、“ロックであれば何でもいい！！！！！！！本物が作りあげたロックの新たなカタチ！”これがBDB を説明す る時に最適な言葉かな。わざとらしくないでしょ？

　 で、このアルバムを聴いて、あなたはどう思う？

ライナー：池田義昭

【BIOGRAPHY】

1994 年
10月 バンド結成

1995 年
1月 渋谷GIG‐ANTIC にて初ライブ。以降都内を中心に、月平均2〜3 本のライブ活動を始める。
12月 SPICE OF LIFE RECORDS よりリリースのオムニバスアルバム「SOMETHING ELSE」に参加。

1996 年
6月 SPICE OF LIFE RECORDS より、ターボズゴック（現ECHO）とのスプリットシングル「MIXTURE FREAKS EP」をリリース。
8月 MEGAFORCE CORPORATION より1st ミニアルバム「THE SOUTH HAND BLOWS AND NORTH KICK BLOWS」をリリース。
11月 下北沢SHELTER にてミニアルバム発売記念ライブ。
12月 SUPER STUPID のアルバム発売記念TOUR に参加。

1997 年
1月 H2O （USA） JAPAN TOUR をサポート。
4月 MEGAFORCE CORPORATION より，ECHOと再び、スプリットシングルである「SOUL CAMP vol.2」をリリース。
6月 スプリットシングル発売記念TOUR を行う。
10月 HUSKING BEE と東北〜東京〜関西〜九州を廻るTOUR を行う。
同月、ORANGE9mm（USA）、CYCLEとのスプリットシングルを4000 枚限定で発売。

1998 年
1月 WARPED TOUR JAPAN TOUR に参加。H2O（USA）JAPAN TOURをサポート。
7月 HUSKING BEE と合同でのマネージメント事務所「ini（アイエヌアイ）」を設立。
8月 東京ベイサイドスクエアにて行われたビックイベント「AIR JAM ‘98」に出演。
9月 米ニュージャージーにて行われたイベント「ALIVE AND WELL」に日本唯一のバンドとして参加。

1999 年
1月 TOY’ S FACTORY よりマキシシングル「ROUGH INTRODUCTION FOR THE NEXT」をリリース。
3月 米テキサスで毎年開催されている「SXSW ‘99」に参加。
7月 「FUJI ROCK FESTIVAL」に参加。WHITE STAGE出演。
12月 TOY’ S FACTORY より、アルバム「MICROMAXIMUM」をリリース。

2000 年
1月 アルバム発売記念TOUR「MICROMAX TOUR」として、全国16 ヶ所を廻る。
4月 BACK DROP BOMB 企画のイベント「BAD FOOD STUFF TOUR」開催。
8月 千葉マリンスタジアムにて行われた「AIR JAM 2000」に出演。35,000人を動員。
10月 NUMBER GIRL とのスプリットTOUR「W−EXPOSURE TOUR」を全国5 ヶ所で行う。

2001 年
1月 BACK DROP BOMB 企画のイベント「R.O.C.K.S」を仙台、金沢にて開催。
2月 香港GORDON WU HALL　にて行われたDEVILOCK NIGHT に参加。
3月 TOY’ S FACTORY よりビデオ「LIVE AND DIRECT」をリリース。
8月 茨城県ひたちなか市で行われた「ROCK IN JAPAN FES」に出演。同月8 日、ニューシングル「2254 UNIVERSAL EP」リリース。
同発で3月に発売されたビデオ「LIVE AND DIRECT」のDVD 版を発売。
9月 HUSKING BEE、CAPTAIN HEDGE HOGとの3 ヘッドライナー・ツアー“DELTA SOUNDS TOUR”を全国５ヶ所で開催。 その後ハスキンとの2 バンドで“BIPORALITY TOUR”としてさらに5 ヶ所を回る。
12月 名古屋ダイヤモンドホールにてBDB 企画のイベント“ESCAPE ‘ROM TOKYO vol.1”を2 日間に渡って開催。

2002 年
5月 REMIX アルバム(Thurston Moore, KRUST, DJ 光光光、MIGHTY CROWN等が参加)「REFIXX」発売。
11月 BACK DROP BOMB 企画のイベント「R.O.C.K.S」を大阪、名古屋、東京にて開催。

2003 年
2月 幕張メッセにて行われた「Magic Rock Out」に出演。
4月 N.E.R.D の初来日ツアー「NO ONE EVER REALLY DIES」に出演。
7月 待望の2nd アルバム「NIPSONG」を発売。
7月 「FUJI ROCK FESTIVAL 03」　2日目のグリーンステージへ出演。
9月 アルバム発売記念ツアー「NIXEDUPTOUR」を全国7 ヶ所で行う。
12月 くるり企画 「百鬼夜行」 で福岡、東京、札幌の3 ヶ所へ出演。同月30 日幕張メッセで行われた 「COUNTDOWN JAPAN」 に出演。

2004 年
5月 ミニアルバム 「diversive audio EP」 を発売。
6月 クラブチッタ川崎にてミニアルバム「diversive audio EP」リリースパーティーを開催。 SHUREN THE FIRE、BOOM BOOM SATELITES、DJ松田岳二、仲真史が出演。
7月 東京・名古屋・大阪にてBACK DROP BOMB 企画イベント「ROCKS」を開催。FRONTIER BACKYARD、YOUR SONG IS GOODが出演。
8月 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出演。
9月 下北沢SHELTER にてBACK DROP BOMB 企画イベント「HOW YOU DOIN’vol.3」を開催。fOULが出演。
11月 渋谷O-EAST にてBACK DROP BOMB 企画イベント「ROCKS」を開催。 COMEBACK MY DAUGHTERS が出演。
12月 代官山UNIT にてBACK DROP BOMB 企画「ROCKS at MIDNIGHT」を開催。BREAKfAST、DJ仲真史、HIKARU（BLAST HEAD）、 SHIRO THE GOODMAN が出演。
同月、幕張メッセにて開催の「COUNTDOWN JAPAN 04/05」へ出演。

2005 年
1月 ZEPP 東京にて、イベント「ini SHOWCASE」を主催、出演。
4月 BACK DROP BOMB 企画「60’ by（シックスティミニッツ・バイ）」を東京・福岡にて開催。　　　　東京公演ではthe band apart、福岡公演ではZAZEN BOYS が出演。
5月 大阪にて「HOW YOU DOIN’ vol.4」を開催。
6月 ACIDMAN 企画「Cinema」で愛知、仙台、東京、大阪の4 ヶ所に出演。　
7月 渋谷O-EAST にて開催のVICE マガジン1 周年企画「Carnival」に出演。
8月 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出演。
9月 FIRE BALL とのコラボレート・シングル「FBDB ANTHEM」を発売。

2006 年
3月 シングル「graySOUNDzone」、DVD「huddle」発売。
7月 アルバム「breakdawn」発売。同月「FUJI ROCK FESTIVAL 06」ホワイトステージ出演。