特集 : Led Zeppelin

2007年12月10日 (月)

音楽 ロック&ポップス アーティスト特集 Led Zeppelin

Led Zeppelin

 Led Zeppelin バイオグラフィー

Led Zeppelin
レッド・ツェッペリンは1968年に元ヤードバーズのジミー・ペイジ(g./1944年1月9日生)を中心にロバート・プラント(vo./1948年8月20日生)、ジョン・ポール・ジョーンズ(b./1946年1月3日生)、ジョン・ボーナム(ds./1948年5月31日生)というメンバーで結成。このうちイギリスの音楽業界でミュージシャンとして名の通っていたのは、ヤードバーズに在籍し、他ミュージシャンのセッションにも参加していたりしたジミー・ペイジだけといってもよく、同じくセッション・マンとして活躍していたジョン・ポール・ジョーンズにしてもバンドでのステージ・パフォーマンスなどは未知数、ロバート・プラントや彼のかつてのバンドに在籍したつてで参加したジョン・ボーナムにいたっては田舎から出てきた殆ど無名のミュージシャンに過ぎなかった。

彼らは同年9月にニュー・ヤードバーズを名乗りスカンジナビア・ツアーを敢行。そのときの演奏の出来や観客の好反応からヤードバーズの名を使う必要がない、と考えた彼らはバンド名をレッド・ツェッペリンと改めた。その後間もなく10月に2週間(のべ時間でわずか30時間程度だったといわれる)で1stアルバム『レッド・ツェッペリン』をレコーディングし、米アトランティック・レーベルから発表。全英2位、全米5位という好リアクションを得、その衝撃的なハード・ロック・サウンドは大きな話題となった。デビュー作で名声を得た彼らは、1969年10月に早くも2ndアルバム『レッド・ツェッペリンII』を発表。前作以上にヘヴィなサウンドを展開したその作品は、全米4位を記録したシングル”胸いっぱいの愛を”のヒットにも支えられながら、遂にビートルズのアビー・ロードを押し退けて全英チャートの首位に7週間君臨し、音楽新聞の人気投票でもビートルズを抜き去り1位に。またこのアルバム、全米では300万枚以上の大ヒットを記録し、彼らの人気は早くも巨大なものとなった。

世界中にその名を轟かせたこの時期のツェッペリンにここでサウンドの変化が生じる。1970年4月から制作準備に入った『レッド・ツェッペリンIII』は、それまでの長期アメリカ・ツアーを含む15ヶ月間のロードに疲れ果てたロバート・プラントとジミー・ペイジがウェールズの田舎の山中にあるコテージで曲作りを開始したと言われる。その牧歌的な空気も手伝ってか、またロバート・プラントがバッファロー・スプリングフィールドやモビー・グレイプのファンであったり、ジミー・ペイジがペンタングルやフェアポート・コンヴェンションなどを好んだりといったもともとの二人のアコースティック趣味が出たのか、3rdアルバムでは(LPでいうと)A面が従来からのハード・ロック路線を踏襲し、B面では大幅にアコースティック・サウンドが展開されるものとなった(これを契機にレッド・ツェッペリンはハード・ロックというスタイルに留まることなく、トラッド、レゲエ、ファンク、中近東サウンドなど、幅広い音楽ジャンルのエッセンスを取り入れた音作りをしていくことになる)。

1970年に発表された『レッド・ツェッペリンIII』は英米のチャートで1位を記録。その後『レッド・ツェッペリンIV』を1971年に発表。チャート最高位こそ全米2位、全英では11位だったものの、全米チャートに合計234週間ランク・インし続けるという大ロングセラー作となった。この作品に収録された”天国への階段”は、彼らの全ての要素が入った曲として、また音楽に対するポジティヴな意味での信仰などが歌われた名曲として1970年代を代表するロック・クラシックとして未だ人気が高く、またアルバムとしても『レッド・ツェッペリンIV』は名盤と呼ばれる作品となった。1973年に聖なる館(英米1位)を発表。メロトロンを導入したり、エフェクト処理などに凝ることで、かなり実験的な作品とも言われたが、結果的にレッド・ツェッペリンのアルバム中、前作に次いで2位の売り上げ枚数を記録したヒット作となった。この後、レッド・ツェッペリンは自分達のレーベル「スワン・ソング」を設立。そこから2枚組スタジオ・アルバム『フィジカル・グラフィティ』を1975年に発表(英米1位)。米ウェスト・コースト風のサウンドやスワンプ・ロックの要素も感じさせるナンバーなども収録しているなど、ファンは彼らの音楽性の豊かさに魅せられた。

1976年発表プレゼンスは全英、全米チャートともに1位、また1973年のNYマジソン・スクエア・ガーデンでのライヴを収めたアルバム『永遠の詩』を同年に発表しているが、そちらも全英1位、全米2位を記録し、チャートのトップ40に12週ランク・インし、サウンドの変化にも関わらず、相変わらずの高い人気を証明した。1977年に入ると彼らは大規模なアメリカン・ツアーを開始するが、7月にロバート・プラントの息子のカラックが原因不明の病気で亡くなり、ツアーは途中でキャンセルになってしまった。その後、プラントは精神的ダメージのため約1年ほどバンドの活動から離れたが、そのショックから立ち直った1978年暮れに、バンドは新作のレコーディングを始めた。それは『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』と題され1979年に発表された。これは内容的にはヘヴィなナンバーからサンバ風のナンバーまでを含む、音楽性の幅広さを見せつけた作品となり、英米のチャートで1位を獲得した。

この後、彼らはまたツアーに始めたわけだが、1980年9月25日にバンドに突然の悲劇が訪れる。ワイルドでラウドなドラマーとして知られたボンゾことジョン・ボーナムが急逝。死因は急性のアルコール中毒だった。バンド、そしてファンや関係者も大きなショックを受けたこの事件への反応としては、後任ドラマーを迎えて活動を再開して欲しい、というファンの声もあったが、1980年12月4日、「ジョン・ボーナムを失った今、レッド・ツェッペリンとして活動を続けていくことは不可能」との声明がバンドのマネージメントから正式に発表され、レッド・ツェッペリンの12年に及ぶ活動は幕を閉じた。

バンド解散後は1982年に未発表曲、未発表テイクを集めた『最終楽章(コーダ)』をリリース。その直後ジミー・ペイジはサントラ『ロサンゼルス』(1982年)を発表し、ロバート・プラントも1982年に初のソロ『11時の肖像』を発表した(その後コンスタントにソロ作を発表していった)。1984年にはプラントのプロジェクト、ハニードリッパーズにペイジがゲスト参加。特に後者は元レッド・ツェッペリンのメンバーが再会、と話題となり、再結成の噂も持ち上がるが、ペイジは1985年に元バッド・カンパニーのポール・ロジャースらとザ・ファームを結成した。芳しい成果を上げられなかったザ・ファームは2枚のアルバムを遺し解散。ペイジはセッションや自身のソロ作発表といった活動を展開した。またその後、1990年夏のネブワース・フェスティバルで再びプラントとの共演を果たしたペイジは、レッド・ツェッペリンのリマスターCDの作業に関わったあと、元ホワイト・スネイクのデヴィッド・カヴァーデイルとのプロジェクト、カヴァーデイル・ペイジを編成し、アルバム カヴァーデイル・ペイジを1993年に発表。しかし結局その年末に実現した日本公演を行っただけで消滅。これはロバート・プラントとのプロジェクト、ペイジ&プラントの計画が密かに進行していたからだった。

1994年4月17日、英バクストン・オペラハウスでのアレクシス・コーナー・トリビュート・コンサートにシークレットの形でペイジ&プラントが参加。ツェッペリン・ナンバーをアコースティック・スタイルで披露したペイジ&プラントは活動を本格化させた。新曲にアレンジし直されたツェッペリン・ナンバーのスタジオ・ライヴなどを加え、1994年にアルバム『ノー・クォーター』を発表。1995年にツアーを開始、1996年にはペイジ&プラントによる来日公演も実現した。その後1997年に大きな話題となった全盛期レッド・ツェッペリンのラジオ放送用スタジオ・ライヴ音源、BBCセッションズの発表を挟んで、レッド・ツェッペリン好きを公言していたシカゴのインディ大王、スティーヴ・アルビニ(現在ではプロデュース業で有名だが、自身ビッグ・ブラック、レイプ・マン、シェラックといったバンドでも活動)のプロデュースによるペイジ&プラントの2ndアルバム『ウォーキング・イントゥ・クラークス・デイル』が1998年に発表された。また同年には米版ゴジラのサントラ収録曲のため、パフ・ダディとジミー・ペイジがインターネットにてセッションを敢行したという話題もあった。

バンド結成35周年にあたる2003年には未発表ライヴ音源を収録したライヴ・アルバム、『ハウ・ザ・ウェスト・ワズ・ウォン』、前期・中期・後期それぞれの時代を代表するライヴ・ステージの模様を2枚のDVDに収録した『レッド・ツェッペリンDVD』をリリース。この知らせには多くのファンがむせび泣いた。

そして2007年、Ahmet Ertegun(アトランティック・レコードの創設者)のトリビュート・コンサートでのヘッドライナーとして結成ライヴ・パフォーマンスを行うことが正式にアナウンスされた。ジョン・ボーナム(ds)の代役は息子、ジェイソン・ボーナムが務める。奇跡が遂に現実となる!

 Led Zeppelin 復活コンサート!

英国時間の12月10日、英ロンドンの「O2アリーナ」でレッド・ツェッペリンの復活コンサートが開催されました。同コンサートは、レッド・ツェッペリンが所属していたアトランティック・レコード社の創設者で昨年急死したアーメット・アーティガン氏を追悼するために企画された1回限りのコンサート。

ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズの3人は、死去したジョン・ボーナムの息子であるジェイソン・ボーナムをドラマーに加え、ヒット曲を次々と披露。

会場にはポール・マッカートニーやミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)、デビッド・ギルモア(ピンクフロイド)、ジェフ・ベック、マイク・ラザフォード(ジェネシス)、ノエル&リアム・ギャラガー(オアシス)、デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)などロック会のVIPといも言える怱々たる面々が集結。

当日のセットリストは以下のとおり。

Good Times, Bad Times
Ramble On
Black Dog
In My Time of Dying
For Your Life (first time ever played live)
Trampled Underfoot
Nobody's Fault But Mine
No Quarter
Since I've Been Lovin' You
Dazed and Confused
Stairway To Heaven
The Song Remains the Same
Misty Mountain Hop
Kashmir

[アンコール]
Whole Lotta Love
Rock and Roll



 最新リリース

Mothership: The Very Best Of
> 『Mothership: The Very Best Of』
 レッド・ツェッペリンの軌跡を完全網羅した2枚組ベスト・アルバム!ジミー・ペイジ自らが担当したリマスタリング音源を年代順に収録。24曲のロック・アンセムに新たな息吹が吹き込まれました!限定盤はDVD同梱!DVD『Led Zeppelin DVD』から抜粋されたライヴ・パフォーマンス映像が収録されます。




永遠の詩: 狂熱のライヴ
> 『永遠の詩: 狂熱のライヴ』
 発売から31年...伝説のライヴの全貌が今、明かされる!映画『狂熱のライヴ』のサウンドトラック盤でもある1973年のNYマジソン・スクエア・ガーデンでのライヴを収録した2枚組CD、待望のリマスター&エクスパンド盤で登場!なんと、これまで収録されなかった“Black Dog”“Over The Hills”“Misty Mountain Hop”“Since I've Been Loving You”“The Ocean“ “Heartbreaker”の計6曲を今回、初収録!




狂熱のライヴ
> 『狂熱のライヴ』
 史上最高のロック・ドキュメンタリー映画が装いも新たに再登場!今回発売される新装版DVDは、最新のデジタル・リマスタリングが施された5.1チャンネル・サラウンド・サウンドを採用。更に40分を超える特典映像を追加収録!特典映像には、未発表の“祭典の日”や“丘のむこうに”ライヴ・パフォーマンス映像を筆頭に、Robert Plantのレアなインタビュー映像、 ニューヨーク・ドレイク・ホテルでの盗難騒ぎを伝えるビンテージ・ニュース映像などが収録されます。




Mothership: The Very Best Of
> Mothership Tシャツ
グラフィック・アーティストOBEYによるデザインがクールな『Mothership』のTシャツが登場!
HMVオンラインでは各種サイズを取り揃えております。



レコード コレクターズ: 12月号
> 『レコード コレクターズ: 12月号』
レココレ12月号はツェッペリ特集!アトランティック・レコーズのオーナー、アーメット・アーティガンの追悼イベントで待望の再結成!さらに映画 『狂熱のライヴ』は拡大版DVD、そのサウンド・トラック 『永遠の詩』は“最強版”CDとして蘇り、加えて新たなベスト盤 『マザー・シップ』の登場、とツェップ周辺にはド派手な話題が目白押しです。今回は映画の素材となった73年7月27、28、29日の三日間にマジソン・スクエア・ガーデンで行われた伝説のライヴを徹底検証! 未だ比肩するもののない、凄まじいエネルギーを発散する彼らのライヴの魅力に迫ります。今年の秋は、ツェッペリンが熱い!!

 ディスコグラフィー [オリジナル・アルバムを発表年代順にご紹介]

Led Zeppelin
> 『Led Zeppelin』
1968年発表の記念すべきデビュー・アルバム。イギリスのプレスがこの”ニュー・ヤードバーズ”に否定的だったのに対して、アメリカのアトランティック・レコードと契約したツェッペリンは米国で先に人気が出た。この後英国、そして世界中の国でも即座に人気を獲得。アルバム全体としての完成度も抜群な名作!



Led Zeppelin II
> 『Led Zeppelin II』
衝撃の1stに続き、早いペースでリリースされた1969年発表の2ndアルバム。永遠のハード・ロック名曲“胸いっぱいの愛を”や、こちらも名曲“ハート・ブレイカー”などを収録。厳しいスケジュールのツアー三昧だった彼らの勢いが出たかのようなスケールの大きさ、サウンドの充実ぶりが印象的な一枚!



Led Zeppelin III
> 『Led Zeppelin III』
1970年発表の3rdアルバム。長期のツアーなどで疲れたジミー・ペイジ、ロバート・プラントがウェールズに引き篭って曲作りを開始。そんなリラックスしたムードも影響してか、アナログ時代のA面(CD前半部分)では前二作のハード・ロック・サウンドを継承しつつも、B面ではアコースティック路線が進められている。



Led Zeppelin IV
> 『Led Zeppelin IV』
前作より大きな変化を見せることとなった1971年発表の4作目。“ブラック・ドッグ”や“ロックンロール”は従来のゼップを彷彿とさせるハードなロックンロール・ナンバー。白眉はやはり“天国への階段”で、静かなアコギの爪弾きに始まりロバート・プラントが意味深い詞を淡々と綴っていき、最後の最後でハードに昇り詰める。



聖なる館 - Houses Of The Holy
> 『聖なる館 - Houses Of The Holy』
アート集団・ヒプノシスによる傑作アートワークに彩られた通算5作目のアルバム(1973年発表)。アメリカのチャートで首位を記録。ジョン・ポール・ジョーンズによるメロトロンや、シンセサイザーをフィーチャーした楽曲では、新たなサウンドを追及しようとする彼らの姿が窺える。



Physical Graffiti
> 『Physical Graffiti』
1974年ツェッペリンが設立したスワン・ソングからリリースされた6作目。ハードなナンバーを中心にしながら、ブルースやゴスペル、ファンキーな要素も聴かせる大ヒット作。特にヘヴィなウネリを生み出すボンゾのドラムが超かっこいい!90年代の“ヘヴィ・ロック”が好きな若いリスナーにも聴いてもらいたい!



Presence
> 『Presence』
数多くのオルタナ・バンドが敬愛してやまない後期ツェッペリンの金字塔的作品(1976年発表、通算7作目)。全編エレクトリック・ギターがフィーチャーされているのが特徴。また、過度に歪ませず、鋭さを強調したギターのカッティング、リフと、ファンキーとも言えるリズム隊の緊張感溢れるアンサンブルが聴きどころ。



In Through The Out Door
> 『In Through The Out Door』
1979年に発表されたスタジオ録音盤通算8作目のアルバム。ラテン風、R&B風、カントリー〜ヒルビリー調と多彩な音楽性を垣間みせる作品。ジョン・ポール・ジョーンズによるキーボードが全面的に活躍している。



最終楽章 - CODA
> 『最終楽章 - CODA』
1982年に発表されたラスト・アルバム。1980年にツェッペリン・サウンドに欠かせない存在だったドラマー、ジョン・ボーナムが死去(と同時にバンドも終焉を迎えた)。本作は1969〜78年の間にレコーディングされていた未発表音源をジミー・ペイジが選曲し、アルバムとして纏めたもの。追悼盤ともいえる一枚。

 こちらもオススメ

Led Zeppelin DVD
> 『Led Zeppelin DVD』
DVDハードの普及にも一役買ったとされる超キラー・タイトル!ツェッペリン前期・中期・後期それぞれの時代を代表するライヴ・ステージの模様を2枚のDVDに収録!DISC-1には1970年ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ映像他を収録。DISC-2には1972年、“移民の歌”1973年マジソン・スクウェア・ガーデン、1975年アールズ・コート、1979年ネブワースでのライヴ映像、インタビュー、プロモーション・ヴィデオ他を収録。5.1chサラウンドは爆音で是非!

 Led Zeppelin デジタル配信開始!!

Led Zeppelin デジタル配信開始
Led Zeppelinデジタル配信を開始!ジミー・ペイジは、彼らの音楽がデジタル配信されることについて「レッド・ツェッペリンの全旧譜のデジタル配信開始を大変嬉しく思います。デジタル配信により、我々の音楽を聴くファンの購入の選択肢が増えることになります」とコメント。これまで以上に、彼らの素晴らしい作品に誰でも手軽に触れられるようになったこの機会に、往年のファンも、まだ足を踏み入れたことのない方もぜひ、このデジタル配信の世界で彼らを体験してみてください!“簡単で快適”な試聴&ダウンロードで新しい発見もあるのでは!? さぁ、アナタも今すぐダウンロード!