小谷美紗子『Out』インタビュー
2006年5月29日 (月)
小谷美紗子HMVインタビュー
■アルバム『Out』の完成おめでとうございます!巣晴らしい作品でした。まずはアルバム発売に際しての今の心境をおねがいします。
小谷美紗子:早く、早く聴いて欲しい!です。
■アルバムを全体を通して演奏のテンションが非常に高いですね。ミディアムテンポでゆったりとたゆたゆように唄い上げているM-5「fangs」にしても、後ろで鳴っているドラム、ベース、ピアノの迫力は圧倒的でした。その「熱量」や外に吐き出す「Out Put」のようなものが、個人的に思う今作のコンセプトのようなものではないかと思っているのですが、小谷さんにとってのアルバム・コンセプトのようなものはあったのでしょうか?
ありません。良い曲、良いアレンジ、良い音を求めて
ひたすら作りました。
■アルバムではやはりM-3「Out」が中心となっている印象を受けました。タイトな演奏ろ絡みあうメロディが非常に気持ち良く切なくなれる曲でした。この楽曲はどういったシチュエーションで生まれたのでしょうか?
実際に体験したことにより、感情が高ぶったので書きました。
どんな理由があっても、一番大切な人を傷つけたりすることが
とてもつまらないことだと思って書きました。
一番近くにいる人を幸せに出来ない人が、世界や自分自身を幸せにすることなど出来ないと思います。
肌の色の違いや、信仰する宗教の違いで
愛する人と別れることを選ぶ事は、本当に愚かだと思います。
いろんな現実問題や事情を乗り越えて、大切な人と寄り添って
生きて行くことが何より尊いことだと思い、この曲で叫びました。
■トリオ編成となってからライブやレコーディングなど、数々の場を経験しているからこその音が今作には詰まっていると思います。そんなバンドアンサンブルを支えるお二人を一言づつで表現してもらっても良いでしょうか?あわせて、お二人を動物(もしくは色)で例えると?
・玉田豊夢(Dr) ドラム馬鹿だけど、演奏がすばらしいので他が欠落していてもしょうがないと思う。
・ヤギ
・山口寛雄(B) セレブ。高い時計をしていて感じ悪いけど、ベースはかっこいいから大好き。
・クマ 二宮 友和(eastern youth)
星野源(SAKEROCK)/ミュージシャン・俳優
松本素生(GOING UNDER GROUND)
「生」と「死」。
今回のアルバムの曲にはこの2文字がとても印象的に用いられているよね。
美紗子ちゃんの歌詞も、俺の詩もリアルだからさ、
この数年、100sのメンバーと美紗子ちゃんと、
幾夜と知れず話した貴重な時間を思い出します。
お互い、いろいろあったもんねぇ。
お互い、と言えば、お互い10年選手ですな!
正確に言うと、美紗子ちゃんの方が先輩なんですけども。
美紗子ちゃんに初めて会ってからもう5年くらい経つんだもんな〜。
でもさ、俺らって、きっと、何年やっても、
始まることにワクワクして、終わることに立ち向かって行くんだろうね。
お互い、じいさんばあさんになってもさ、
部屋飲みでさ(笑)、どーしょーもない事でも話してさ、
音楽していこうね。
んじゃ、また、次の会の名目を決めましょう!
中村一義(100s)
本人にとっての真実の音楽を、それまでの活動の経験を、望む望まずに
関わらず踏まえた上で実現できるかどうかは、ある程度のキャリアを積
んできたアーティストにとっては避けて通れないものなのであるが、彼
女は確実にそれを成し遂げている。
そして、最近感じるのは、衝撃的なデビュー時の彼女の音楽に秘められ
ていた沢山の胞子は実は今、次々と実を結んできているのではないかと
いうところだ。
彼女の才能はもはや「可能性」の域ではない。
佐藤竹善
■「YOU」のビデオクリップも印象的でした。ライブ映像やクリップ集も見てみたいのですが、映像関連には興味はありますか?
無いです。
映像を撮られるのも、写真を撮られるのも超、苦手です。
私一人に注目されるのも苦手です。
■アルバム製作中の変わったエピソードや、メンバー/スタッフ間で流行ったものがあったら教えてください。
東京という曲の一発録りの時には、スタッフもミュージシャンも一体となってすごく集中していました。ワンコーラスはピアノと歌だけなので、その段階で私が間違えると最初からやり直しになるので、ベースとドラムが入って来るときのみんなの緊張はピークをになっていました。
部屋をほとんど真っ暗にしたり、トム君はダウンジャケットのフードを顔が隠れるくらいまでまぶって、ヒロはうつむいて冷や汗をかいてベースが入るところまで待っていました。
全員手に汗をかいていました。
■それではライブについてお聞きします。
ライブではまず音のでかさが驚きなのですが、音の大きさに関してこだわりがあるのでしょうか?
声がデカイので、それに合わせて全体が大きくなっている感じだと思います。
■最近のライブでは、アルバム『Out』からの曲「Out」「YOU」「消えろ」をライブの締めあたりで演奏されていますが、これら楽曲の疾走感が半端ないです。新しいアルバムの曲は演奏するのが難しそうなイメージがあったのですが(特に「消えろ」)、うまく消化されていて感動しました。新曲を演奏する気分はどういったものでしょうか?
たまりませんね。聴いて欲しくてどうしようもない曲をうたうことが出来るので、この仕事をしていて良かったと思いますよ。
■「ROCK IN JAPAN FES.2007」の出演もおめでとうございます!非常に楽しみです。「ARABAKI ROCK FEST'07」にも出演されていますが、フェスに出演する気分はどうですか?また逆に今年のフェスで見てみたいアーティストなどはいますか?
これまた、たまらん!です。イベント大好きです。
私の音楽を知らない人がいっぱいいるので、燃えます。
新しく観てみたいアーティストはとくに想い浮かびませんが、100sと同じ日なので
観に行きます。
■ライブでもお馴染みのトリオ編成での「オオカミ」(註)はやはり名曲ですね。矢野顕子さんの「Player」を聞いたときと同じ感覚で好きです。これも実話にもとずいた楽曲なのでしょうか?
※ 註→ライブと同じ編成でのヴァージョンは5/13発売の初回限定シングル『YOU』のM-2にのみ収録で、アルバム未収録です!)
全部実話や実際に心動かされたことです。そんな曲しか今のところ書けないので。
■最後の質問です。小谷美紗子さんにとって、音楽とはなんでしょうか?
無いと困るもの。
聴くものではなくて、自分が作って歌うもの。
ありがとうございました!
HMVは小谷美紗子さんを応援しております!
彼女には駆け出す準備が既に出来ていた。ライブの時に素足で演奏するのはこの為だろう。玉田豊夢と山口寛雄が持ち込んだ強烈なアイデンティティに背を押され、小谷美紗子は駆け出した。強い眼差しで。前を向いて。不敵に。
小谷さんの歌は、とっても強くて太刀打ちできないように思いますが、
その強靱さに見え隠れする「弱さ」みたいなものが、私はすんごく好き
なのです。
正直言いますと私は数えられないくらい小谷さんの音楽に救われています。そして素晴らしいアルバムをありがとうございます。また泣いちゃうじゃん・・・。
素晴らしい! 本当にすっげぇアルバムが出来たね!
もはや俺がどうこう言えるレベルではないので、手紙を書いてみました。
この前、会ったばっかなんだけども(笑)。
ますます、才能絢爛継続中である。
ぼくから見るにある時から、より一層オーセンティックなスタイルへ進
み始めた彼女の音楽は、それまでの氷山の一角の下、つまり海面下に広
がるスケールの大きさが海面に顔を出すがごとくに感じられるものと言
い切れる。
