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SCLLインタビュー&全曲解説

Monday, October 24th 2005

Spangle Call Lilli Line 『SINCE』
大坪加奈(vo.) インタビュー


この度は、hmv.co.jpのインタビューにお答えいただきましてありがとうございます。
まずは、大坪加奈さんの簡単な自己紹介からお願いできますでしょうか。

Spangle call Lilli lineボーカルを担当しています。

Spangle Call Lilli Line結成6年目のベストアルバムのリリースとなるわけですが、
今回のBEST盤リリースに至るまでの経緯を教えて頂けますか。

ベストを出してみないか→もうそんなに長く活動を続けてきたのですね私達といった具合です。
時の流れを感じました。

新録2曲を含む2枚組み、全14曲収録。
メンバー自ら選曲されたそうですが、どのような基準でセレクトされたのでしょうか?
また、大坪さんにとって、特に思い入れのある曲、そのエピソードなどお聞かせ頂けますか。

メンバーそれぞれが出し合ったものプラスレーベルの方々にも参加して頂き人気の高かったものをセレクトしていきました。

特に思い入れのある、というより思い出のある曲はIRIEでしょうか。
私が8トラカセットMTRでデモテープを作り、皆に聞いてもらい、褒められ有頂天、バンドサウンドに変化し、さらに初めてレコーディングというものを体験し、などなど声を聞いても初々しさが残ってますし全体的に甘酸っぱい青春です。

スパングル結成からの6年間。
バンドとして、大坪さんご自身にとって、この6年間はどのように振り返ることができますか?

あっという間の6年でもあり、長かった6年でもあったような気がします。
メンバーの家に集まってお喋りしたり、スタジオに入ってギターを引いたりドラムを叩いたりするのを単に楽しんでいた結成当初、まさかベストアルバムを出すまでの大層な事になるとは全く想像もしていませんでした(いい曲が出来ると「これミリオンヒットになるよ!」とかわめいてはいましたが)。
音楽と向き合うスタンスはバンドとして何ら変わっていないと思います。

あくまでも、個人的な見解ですが…。バンドのスタンスにも現れている気がしますが、大坪さんを筆頭に!?藤枝さん、笹原さんも含め、皆さん実にマイペースな雰囲気が、滲み出ている気がします。バンド内でのそれぞれの役割分担などあるのでしょうか?

かなり皆マイペースです。肩書きを付けるとしたら

藤枝君(満腹社長)
笹原君(潤滑油家来)
大坪(姫&意思疎通難)

大坪さんの不思議な詩世界、言葉選びにはいつも驚かされます。
一見、無意味な単語が並んでいるようですが、言葉の持つ響きがバンドの音と、ちゃんとシンクロしているような…。
歌うこと、歌詞を考える上で大切にしていることなど教えて頂けますか?

曲にフィットするようにメロディと歌詞を考えています。
日本語をはっきりそのまま歌うのに向いているのはダントツ演歌だと思うんです。
他のジャンルは日本語側から歩み寄っていかないとフィットしないので、そこに重点を。
って実際にはあまり考えてないです。フィーリングですか。
また私の中で歌詞はメロディありきで、メロディのない歌詞はないです。

もともと、大坪さん自身の音楽的なルーツはどこにあるのでしょうか?
どのような音楽、アーティストから影響を受けているのでしょうか?

影響という部分では分かりませんが昔はラジオっ子で、ピンと来た音楽が流れるとカセットに録るという風に音を集めていました。
その為アーティスト名も曲名も分からずの断片ものばかり、かといってその状態に何のストレスも感じずDJリミックスの様に聞いてた日々です。

ただその中でも誰なのか知りたい、曲を始めから終わりまで聞きたいと思ったのがSWV
他良く聞くのはPrefuse73sadeprinceThe Dismemberment Plan等。

ベスト盤にあえて収録された新曲『Until the end of time』。大坪さんが描くスパングルのバンドとしての今後の展望は?

やはり「TRACE」でこんなものも出来るよと、スパングルの根っこの部分は見せずに来た感があるので、
スパングルらしさを出しつつ予測出来ない方向に進んで行けたらよいと思っています。

今後の活動予定がありましたら教えて頂けますか?
スパングル のLiveなどの予定はあるのでしょうか?

来年、作品とライブが出来るといいですね。

それでは最後に、HMVオンラインをご覧の皆さんに、メッセージをお願いします!!

音楽を愛している故なのですが、相当マイペースに活動しております。
そんな部分をご理解頂きながらもベストアルバム共々、スパングルをこれからも応援宜しくお願いいたします☆

ありがとうございました!!



Spangle Call Lilli Line
『SINCE』全曲解説

DISC-1

1.normal star
どうやって形になっていったか遠い記憶すぎて全く憶えておりませんが、いつの間にかいい曲が出来ていました。
ギター2本のアルペジオの重なりが素敵。
そしてレコーディングでドラムを重ね録りし、ツインになった瞬間の感動が忘れられません。(大坪)

2.IRIE
通常スタジオに入って皆で音を出しながら作っていく曲が多い中、
これは私がアコギ1本で大まかに作ったものをメンバーに聞いてもらってバンドサウンドにしたもの。
初めてレコーディングというものを体験した曲でもある為、我が子感がかなり強いです。(第一子)(大坪)

3.nano
元々の曲は1stの頃からあった曲で、その頃はサビがありませんでした。
4つ打ちでメロディックな曲がやりたいねって感じでサビをあれこれ試行錯誤してこの形に落ち着きました。
シングルにもなりライブでも必ずやるspangleの代表曲です。
静かに盛り上がってく感覚が個人的にもお気に入りです。(笹原)

4.kate
かなり昔の曲です。なのに毎度オリジナルアルバムに入らなかったのは、
それなりに理由があるのだと思いますが、ライブでは結構やってますね。
ちなみにタイトルは初期ver.に入っていた秒針のようなクリックから『時計』という言葉をくり返したら『ケイト』となりました。(藤枝)

5.B.P.
走りに走って走り抜いて、蹴散らす感じ。
作った時、かっこいいの出来た!という実感が皆にあったので曲タイトルはすぐについた気がします。(大坪)

6.Until the end of time
ボーカル、ギター×2、ドラムの初期編成でレコーディングしました。
淡々と進んで音が静かに重なっていく感じも初期のころに近い気がします。
途中に入ってくるハウリング音のような二度と再現できない偶然性は大切にしたい所です。(笹原)

7.dism
spangleには珍しい曲調です。
ライブ映えもしそうですが、何故かいままでやったことがないですね。
今改めて聴いてみると、よくこんな展開を思いついたなと思ってしまいます。
ラスト、プロデューサーの吉田仁さんが素敵なフレーズを重ねくれました。(笹原)

8.U-Lite
パンテーンのCMの曲です。ギターは指でしか弾かないというスパングル結成以来の自分の決まりごとを3秒で覆し、
バカみたいに薄っぺらいギターカッティング&コード進行の曲調がやりたくてピックを買いました。
TRACEというアルバムは、いかに『この曲を違和感なくアルバム中に溶け込ませるか』という作品だった気がします。(藤枝)

9.corner
曲の作りは非常にシンプルですが、演奏のニュアンスや空気感で、かなりふくよかな印象になりました。
ライブで『ちょっとくらい酔っぱらっていても気持ちよく演奏出来る曲』というのがこの曲の自分の中でのポジションですが、
まぁ、実際には、酔ってても、シラフでも、ほとんどちゃんと弾けてないですが。。。(藤枝)

10.stereo
ストイックな印象の曲ですが、初期のスパングルでは絶対にやらない曲です。
というかTRACEというアルバムはそんな曲だらけなのですが。
凡庸なフォーマットからどうしても滲みでてしまう個性というかオリジナリティみたいなものがあるのか?ないのか??
まぁ、そのどっちでもなかったというか。(藤枝)

11."telephone"
こういう曲をラフなアンサンブルでほろ酔いテンションで演奏する感じが、当時のサポート含めたバンド編成のスパングルぽいと思ってました。
サビ部分で『電話ぁ〜〜』って何度も言ってると思うと切ないですが。多分、そんな曲なんでしょう。

12.E
ぴっかぴかトーンから始まるこの曲は私の中でスパングル淡々エモ代表みたいな存在。
暴力的な強さはないのに男っぽい。いいすね。(大坪)

13.ice track
夜だったり雨だったり、spangleの印象としてよく聞く言葉なのですがこの曲はその象徴なのではないでしょうか?
曲ができるきっかけというのは、その時気に入ってるちょっとしたフレーズの感じだとか雰囲気だったりするのですが、
出来上がってみるとその存在感はとても大きかったりします。
そんなことを実感した曲です。(笹原)


DISC-2

1.39.4
頭から最後までずっと同じ2コードで展開していきます。
音の抜き差しだけで抑揚をつけていくのは初期spangleの特徴になってると思います。
これは、今は廃盤となってしまったWindy Hillとのスプリットにのみ収録されていた曲ですが、
とてもいい曲なのでもっとたくさん聴かれてほしいなと思い今回収録しました。(笹原)