Billy Cookインタビュー

Tuesday, October 24th 2006

『Certified Platinum』発売記念インタビュー

ChamillionairePaul WallMike JonesSlim Thugなどの成功により ここ数年、本国アメリカで続いているサウス・ブームを象徴する都市となったヒューストンのヒップホップ作品には欠かせない存在となった、極太R&BシンガーBilly Cook

先日行われた初の日本公演でもその歌声の「ホンモノ」っぷりを示してくれたBillyですが、実は彼の作品の中でも入手困難だった00年発表の1stアルバム「Certified Platinum」がオリジナル・アートワークで、しかも 日本盤で再発!さらに解説はサウス・ファンにはおなじみのsmooth operator/bounceの出嶌孝次氏!

その1stアルバムのリイシューを記念して、Billy Cook本人へのインタビューが実現! デビュー当時のこと、そして傑作と呼び声高い最新アルバム「Truth」についてお伺いしました。盟友、故Fat PatH.A.W.K.についての泣けるコメントも!




Interview with Billy Cook


先日の日本公演は如何でしたか?

Billy Cook(以下B):日本での公演は“デラサイコー!” (北海道で覚えたようです)


歌を歌い始めたきっかけは何ですか?

B:4歳から歌い始めて、それからずっと歌い続けているよ!教会、フットボールやサッカーの大会、コンクール、小学校や高校・・・とにかくいろいろな場所で歌ってきたんだ。物心ついたときからいつでもどこでも歌っていたし、僕の歩んできた人生の全てだね。

その頃に影響を受けた、もしくは好きだったシンガーはいますか?

B:Marvin GayeやDonny Hathawayかな。

なぜラッパーではなくシンガーを目指したのですか?

B:僕にとって歌うことが神から授かった才能だからだよ。歌うということを愛しているからね。とにかく僕はいつだって歌うことに魅せられているんだよ(笑)。

本格的にミュージック・ビジネスの世界に関わるようになったきっかけを教えてください。

B:実は僕の家族はみんな歌うことが好きなんだけど、プロのシンガーになった人はいなかったんだ。僕の家族はプロのスポーツプレイヤーばかりなんだよ。僕も例外じゃなく高校の時はバスケット・ボールをやっていて、家族は僕がその道に進むって信じていたみたいなんだけど、僕はやっぱり歌うことが好きでシンガーになろうって決めた。僕がシンガーの道に進んでからは追いかけるように従兄弟や兄弟がシンガーを目指したんだ。だから家族の中で僕が突破口だったってわけなんだよね。

1stアルバム『Certified Platinum』はどのような経緯でレコーディングされたのですか?

B:このアルバムはフレンドウッドのスタジオでレコーディングしたんだ。当時自分の曲がたくさん出来上がっていて、一つのアルバムに収録したいと思っていたからCynthia(事務所社長兼奥方)に手伝ってもらって制作を開始したんだよ。最初は本当に2人だけの自己制作って感じだったんだけど、やっぱりプロのプロデューサーの力が必要だと感じていて、その時にChris Daveが名乗りを上げてくれたんだ。その後、R KellyやMary. J. BligeのプロデューサーもしていたLuke AustinやMark Kidneyらもアルバム制作に協力してくれることになったんだよ。。とにかく「Certified Platinum」の裏を見ればわかると思うけど、このアルバムにはたくさんのプロデューサーが参加してくれたんだよ。しかしやっとプロデューサーが決まった段階ですでにデッドライン(〆切日)が迫ってたんだよね(笑)。ただ、時間がないからと言っていい加減なアルバムは作りたくなかったんだ。結果的にはこのアルバムはたったの2週間で完成させたんだけど、その2週間の間僕達は全てのエネルギーをこのアルバム制作に費やしたよ。みんなスタジオに篭もりきりで、休むことなく毎日猛スピードで仕事を進めていったんだ。だから誰が聞いても短時間で制作されたとは思えないくらいに完璧に仕上がったね!



*Billy Cook/Certified Platinum
1 Intro
2 Genie feat.Damn Boy
3 Supastar
4 Forever Girl
5 Certified PLaya feat.Damn Boy
6 Have It Your Way
7 Private Interview
8 Cafe Love
9 My Song to You
10 Love Is
11 Black Cloud feat.Deondria Dixon Brooks & Cynthia Cook
12 Distant Lover
13 Forever Girl - Latin Mix

*1000枚完全限定プレス




なぜDEF SOUFからのリリースになったのでしょうか?

B:実をいうとちょうどその時期に自分のレーベルに不満を感じていたんだ。当時僕はソロアーティストとしても、そしてグループとしてもRAP A LOTに所属していたんだけど、4年間の内に一度も僕のアルバムやシングルを出してはもらえず、自分から持ちかけた計画もひとつも実行に移してもらえなかったんだ。で、いくつか大きなレーベルを探していたんだけど、どこのレーベルも僕の存在を知らなくてね。だって一つも自分のリリース曲がなかったんだから!そんな時に僕に声を掛けてくれた唯一の独立レーベルがDEF SOUFだったってわけさ。小さなレーベルだったけど僕をアーティストとして売り出す為の知識はしっかり持っていたからね。しかしその時すでにこのレーベルは倒産寸前だったんだ。僕は考えたよ、もしかしたら僕のアルバムリリースによってこのレーベルを助けられるかも知れない!ってね。それで選んだのさ。でも今は自分のレーベルを持っていて、自分のスタイルでしたい事を全てやっているよ。Cynthiaが社長で僕が副社長という形で立ち上げたレーベルなんだけど、頼りになるビジネス・マネージャーや弁護士、他にも数名のビジネスのプロ達がいて、しっかりとしたレーベルとして活動しているよ。ただ僕はDEF SOUFへの恩義を今も忘れていないんだ。

なぜ『Certified Platinum』というタイトルを付けたのですか?

B:僕の「声」、「スタイル」、「メロディー」、「ファッション」・・・全てがプラチナム(最高級)だってことさ。僕自身がプラチナムアーティストで、プラチナムな声を持ち、プラチナムなチャンスを掴んだ人物ということだね。

当時、リリースした時のリアクションはどのような感じでしたか??

B:まわりのリアクションは想像以上だったね。ラジオで自分の歌を流すことができなかったし、プロモーション活動も殆どしていなかったんだけど、様々なレーベルが契約しないかって話を持ちかけてきたよ。一日のうちに一万を超える(?!)電話や手紙がレーベルやファンから届いたんだ。アルバムのジャケットはMarvin Gayeへの敬意をしめし、彼のジャケットを意識したものだったから僕の写真すら出していない。だからみんな僕の情報を一切知らない状態だったんだ。プロモーションをしなかったことが逆に彼らの興味をそそったってわけさ。これは僕にとっても計算外だったよ。このアルバムが発売された後数年間も、世間はBilly Cookという名前と声しか知らないという状態だった。だから今はみんなに僕のことを知ってもらいたいと思っているから、今後はたくさんのショウをこなしてBilly Cookという人物をもっとみんなにアピールしていきたいと思っているよ。





*Billy Cook/Truth
1 Th Shit Gone Change feat. Trae
2 Slab On Blades feat. Bun b & Congo
3 Peeping My Swagger feat. B.t.
4 Still Platinum feat. Mr 3-2
5 Rollin feat. Yung Chill
6 Days of My Life feat. Trae & C-Note
7 Luv It Man feat. Fat Pat & Mr 3-2
8 Rep The South Side efat. Mr 3-2
9 Claimin The Gangsta feat. Chamillionaire & Archie Lee
10 Drama feat. H.A.W.K. & Meechie
11 Energizer feat. Yung Chill
12 B.A.B.U. fea.t Congo , Talent & Kizzo
13 Lil Strippa feat. BT & Congo
14 1 Room Vaoanoy
15 Missin You feat. Yung Chiill
16 Never Left My Side
17 After Party
18 Skit "Shawn Harris" (Dat Bubble)
19 Dat Bubble
20 I Can't See it feat. Congo




では、あなたの新作『The Truth』についてお聞きしたいのですが、このタイトルに込められた意味を教えてください。

B:全ての人に僕が歩んできた道のりの「真実」を知って欲しいからさ。例えば、一番初めに入っている"That Shit Gone Change"では僕の今までの苦悩を歌っているんだ。この曲によってみんなに僕のShitとはどうゆうものだったのかを知ってもらいたい。僕は長い間ヒップホップのゲームの中でたくさんの壁にぶつかって、挫折を味わってきたんだ。多くのラッパー達の陰に隠れてなかなか世間に認められる機会を持てなかった。いつだって僕はラッパー達の「次の存在」だったんだよ。しかし僕には確かな自信があったんだ、誰もが僕の歌を必要としているってね!どんなR&Bシンガーにもできない、「歌によってスピリチュアルなメッセージを伝える」のが僕の宿命だってね。僕は常に人よりも先を行っているんだ。今までだって他のアーティストの作品を聴いていて、「なぜ未だにこんなことを歌っているんだ?」ってもどかしく思ったことが多々あったよ。きっとこのアルバムが世に出てから数年後に世間はびっくりすると思うよ!「Billyはすでにこんな事を数年前から歌っていたんだ!」ってね。このアルバムでは僕が存在する意味、そして僕がR&Bシンガーとしてみんなに認められるまでの経緯の「真実」を歌っているのさ。

今回はこれまでになくラッパーを多くFeat.していますが、どのような意図があるのですか?

B:僕のコネクションを示す為でもあるし、またこのベストな仲間達が揃えばベストなアルバムが出来上がるのは間違いないからね。そういう意味で、最高のメンバーと最高の音楽を作りたかったんだ。また、ファンには僕がどれだけこの仲間達と作品を作り上げていくことが好きなのか、ってのを知ってもらいたかったというのもあるね。

どのような人選でゲストを決めたのですか?

B:特に人選にはこだわっていないよ。昔から知っている仲間達や今までに一緒に仕事をした奴らに頼んでいったって感じかな。僕自身がこれまで沢山のラッパー達と共演してきたから、「今度は僕の作品に参加してくれ!」って感じでどんどん決まっていったんだ。

具体的にどのようにレコーディングを進めていったのでしょうか?

B:今回のレコーディングはすごくスムーズにいったよ。僕がアルバム制作に慣れてきたっていうのもあるけど、やはり気心知れた仲間達と仕事をしたからっていうのがあるね。レコーディングの最中は、参加してくれたラッパー達とのその時々のインスピレーションでどんどんアレンジを変えたりして、良い物が出来上がっていくのを肌で感じたよ。

Screwed Up ClickのFat Pat、H.A.W.K.のラップもFeat.していますが、彼らの死は多くのファンにショックを与える出来事でした。生前の彼らはどのような人でしたか?

B:彼らはサウスを代表する最も偉大なラッパー達だったよ。Fat Patは他のラッパー達にはない独自のフロウやスタイルを持っていた。彼はDown South版Biggie Smallz(Notorious B.I.G.)だったよ。H.A.W.Kも同様で、若いラッパー達が憧れる偉大なラッパーだったね。彼らのサウス・ミュージック・シーンにおける比重は大変大きなものだったから、彼らの死はサウスのシーンに大きな痛手であることは間違いないね。しかし彼らがいなくなった今も、彼らのスタイルはサウスのシーンで受け継がれていて、多くのラッパー達に影響を与えているんだ。彼らはラッパーとしてだけでなく、人間としても素晴らしい人物だったんだし、僕らは昔から知っている仲間だったんだよ。僕が悲しいのはすごく親しくしていた2人が殺されたという事実だ。H.A.W.Kが死んだのは彼と"Drama"をレコーディングした直後だった。だからあまりいい意味ではないけど、この曲には強い思い入れがあるんだ。今回の日本公演中も、「FatとH.A.W.K.も一緒に日本に来て、この場にいるはずだったのにどうしていないんだ?このライブに彼らも参加して欲しかった…」って思ってたよ。この先残された僕らができることは、彼らの名前を絶やさないことなんだ。だから今回のアルバム(「Truth」)にも彼らの名前が入っているし、このアルバムは2人に捧げたものなんだよ。

インタビュー:Rina


協力:Cisco Records



Billy Cookカタログ


左から:『Certified Platinum』、『Best Of Both Worlds Down South』、『 It's Christmas Time』、『R&B Gangsta』、『Peace On Earth』、『Truth』

Billy主な参加作品


左から:Big Mike『Somethin Serious』、Botany Boyz『Forever Botany 』、OST『H-Town M.O.B.』、Eightball & Mjg『Space Age 4 Eva』、C-major『Batteries Not Included』、Lil'keke『Platinum In Da Ghetto』


左から:918『Reincarnated』、Syrup Factory『Slippin' Pints Of Slow Movement 』、Papa Reu『U Know Me』、Fifty Five『Git'ya Sum』、Mass Appeal『Mass Appeal』、Z-Ro『Screwed Up Click Representa』


左から:Z-Ro『Z-Ro』、Trae『Losing Composure』、Mike Moe『Texas All Star Freestyles』、Chammilionaire『Sound of Revenge』、Ak-69『Live 4 Da Hustle』




ダーティサウス注目リリース

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